EV車の車買取査定は事故車や故障車のEV車も買取可能?

自動車のコラム

東京都では2030年までに、ガソリンエンジンのみの乗用車新車販売をゼロにすると都知事が表明し、話題になっています。

自動車業界においても電動化、脱ガソリン車が進んでいます。EV車(電気自動車)といえば、国内の自動車メーカーでは2010年に三菱自動車の軽i-MiEV、日産自動車のリーフが個人向けの販売を開始し、国外の自動車メーカーでは2010年にテスラモーターズがEVのロードスターを日本に導入し人気となりました。

販売から10年を超えるEV車も増えていますが、EV車もガソリン車のように、初年度登録から年式が10年以上となると買取査定に影響はあるのでしょうか。

こちらでは、EV車の車買取の査定事情や、事故や故障により不動車になった廃車予定のEV車について、廃車のする際の注意点などもご紹介します。

どんな車も0円以上買取保証

EV車の車買取査定|10年落ちEV車の査定結果は

EV車の販売台数はガソリン車や、ハイブリッド車に比べると決して多いわけではありません。

それでも、毎年1万台から2万台前後のEV車の販売数は計上されており、次世代自動車振興センターの統計情報によるEV乗用車の販売台数は、2014年に1万4649台、2016年に1万3056台、2019年は1万9774台となっています。

EV車を現在所有している方にも参考にしていただける、EV車の買取査定に影響するポイントをご紹介します。

車買取査定時の年式や走行距離の影響とは

クルマを2010年に購入されたとすると、2021年現在で丸10年が経過していることになります。通常中古車相場では年式が10年落ちの車の価値はガクッと下がることが多く、リセールバリューが高い車種を除くと買取価格自体つかないことも少なくありません。

また、車は1年での平均走行距離が1万kmと言われていて、10年経過の車は10万kmの走行距離計算が一般的と言われます。走行距離値に関しても中古車市場で影響があり、3万km・5万km・7万km・10万kmと段々と距離値が増えると、中古車としても劣化するパーツや部品が増えるため、劣化などのマイナス要素を見越しての査定になります。

中古車買取査定をEV車で受ける場合も、査定時にクルマの年式と走行距離が影響します。次項ではEV車が中古車買取査定時に、影響を受けるポイントをご紹介します。

EV車の低年式で低走行車はマイナス査定の可能性

走行距離が多い過走行車ほど価値が下がるガソリン車とは異なり、EV車の場合はある程度の走行距離を走っている方がプラス査定になることがあります。それは、EV車に搭載されている大容量バッテリーが関係しています。

モーターのみで動くEV車の場合、容量の大きいバッテリーを搭載しているため、ある程度走行して充電がされている状態を保てているバッテリーの方が価値が高くなるのです。

年式が古いものの低走行車のガソリン車であれば評価が高い傾向にありますが、EV車の場合は低年式でバッテリー未交換の車の場合、低走行車は放電状態が長く劣化している可能性があると判断されるため、リスクを避ける買取業者からマイナス査定の提示をされることがあります。

2021年までのEV車最新買取実績とは

カーネクストで実際にEV車の買取をさせていただいた中から、最新の2020年EV車買取実績をご紹介します。

日産リーフ電気自動車買取実績

  • 日産リーフ電気自動車グレードX
  • 型式 ZAA-ZE0
  • 年式 H23年
  • 走行距離 40,000km
  • 買取価格 190,000円

当時年式9年落ちのお車です。年式相応の外装の小傷や、リチウムイオン電池バッテリーの劣化はあったものの、走行可能で車検の残りもある車でしたので、こちらの金額で買取させていただきました。

三菱i-MieV軽自動車買取実績

  • 三菱i-MieV軽電気自動車グレードM
  • 型式 HA3W
  • 年式 H23年
  • 走行距離 56,000km
  • 買取価格 90,000円

当時年式9年落ちのお車です。エンジンはかかるものの加速が弱くなっており、チェックランプの点灯をしているため乗り換え予定の廃車ということでお買取りさせていただきました。外装は小傷などあったものの、大切に乗られていて内装も綺麗な状態でしたのでプラス査定になっています。

事故車・故障車のEV車も廃車買取が可能

毎日利用する車であれば、事故や故障が起こる可能性はあります。EV車はエンジンを搭載しておらず、モーターによって車が動きますので、エンジンよりも故障は少ないと言われています。

ただし、バッテリー自体は外気温の影響を受けやすいこともあり、平均気温が高い場所では温度変化による劣化が進みやすいこともあります。こちらでは、突然の事故や故障により動かなくなってしまったEV車の対応や買取についてご紹介します。

EV車の修理業者が限られるため故障車買取査定は厳しい

EV車の需要は高まっているものの、ディーラーが指定する整備工場以外の修理工場等では、EV車の修理や整備を行う充実した設備を持たないところがまだまだ多いことが現状です。

そのため、中古車販売店では故障車を買い取って修理し販売するというリスクを負ってまで、高い買取査定額を提示することが難しくなっています。

メーカーがバッテリー等の部品保証を行う期間内の車体であれば、中古車買取業者でも故障車に対して査定価格がつきやすいのですが、年式が古かったり低走行車で保証期間外のEV車は、リスク回避もあり買取価格がつきづらくなっています。

故障車のEV車の買取が厳しいなら修理するべき?

故障してしまい動かなくなったEV車を売却するかどうかの判断は、修理や部品交換の費用次第という方も多いでしょう。

部品と工賃を含めて、EV車が故障した場合の修理費用がいくら程度かかるのかは車両の状態や車種によって大きく異なります。

例えば日産リーフの場合、リチウムイオンバッテリーのディーラーによる有償交換を受け付けています。こちらのリサイクル(再生)バッテリー交換プログラムを利用して、リサイクルバッテリーへ交換を時にかかる費用は、バッテリー本体30万円に別途取付工賃が約4万円となっています。また交換プログラムでは、新品バッテリーへの交換も可能ですが、新品バッテリーとの交換の場合は、24kWhなら65万円、30kWhなら80万円、40kWhなら82万円にさらに取付工賃がかかるため、高額な費用が必要となります。

大容量バッテリーのため航続距離は長く、通常の使用条件下であれば交換する機会は多くあることではありませんが、事故や故障によりバッテリー交換が必要となった場合突然の出費としては高額になります。

EV車のバッテリー等が故障した場合、手ばなしを検討される方が多い要因がこの修理費用や部品交換費用となっています。

事故や故障で動かないEV車も廃車買取は可能

年式が古く事故や故障のEV車となると、中古車買取店では査定がつきづらいため買取に出すことが難しいと思われるかもしれませんが、実は買取業者の選び方次第で事故車や故障車のEV車も買取査定が可能です。

EV車で故障車、事故車の場合も廃車買取業者であれば、部品ごとパーツごとの査定を行っているため買取がつく可能性が高いのです。

例えば、モーターの故障で動かない車や、事故で外装に大きなダメージを受けているEV車でも、他に再利用可能なパーツがある限り価値があります。

特に供給量がまだまだ少ないEV車にとって、修理に再利用出来るパーツや、製造に再資源化出来るレアメタルなどの貴重な金属素材は価値が高くなっています。

車買取業者を中古車買取業者だけに絞って査定を依頼するのではなく、様々な業者への相見積もりをとることで、買取査定がつくこともあります。まずは、車買取査定が無料の業者で相見積もりをとってみることをおすすめします。

EV車の廃車時に注意すること

今後年式も古くなり、EV車の廃車をする機会も増えてくることが考えられますが、EV車を廃車するときには注意しなければいけないことがあります。EV車はエンジンを使わずモーターに電気を送電し動く電気自動車です。電力を多く必要とすることから、大容量のリチウムイオンバッテリーが多く利用されています。こちらのリチウムイオンバッテリーの廃棄には注意が必要なのです。

EV車のバッテリーは不法投棄になる!?

EV車に使用されているバッテリーは主に、リチウムイオン電池バッテリーが多くなっています。EV車は、搭載されているモーターを大容量バッテリーの電力によって動かしています。そのため、ガソリン車が搭載している畜鉛バッテリーとは異なります。EV車のバッテリーの廃棄や、リサイクルは現状すべてのリサイクル業者が所有する設備では行うことが難しいため、電気自動車を販売するメーカーや、バッテリーを専門に取り扱っている業者での引取回収が行われています。EV車のバッテリーをご自身で交換することは難しく滅多にされないとは思いますが、交換したバッテリーをもしも廃棄するには、回収可能な業者への依頼が必要です。

廃棄バッテリーのリサイクルがサステナビリティにつながる

2015年9月に国連サミットで採択された持続可能な開発のための2030アジェンダ記載「SDGs(持続可能な開発目標)」をご存知でしょうか。SDGsは、2030年までに持続可能でより良い世界や社会の実現を目指し、17のゴールと169のターゲットから構成されている目標のことです。その17の目標の一つである「持続可能なエネルギーへの取組」としてリチウムイオンバッテリーのリサイクルに目が向けられています。リチウムイオンバッテリーの製造過程に使用される鉱物コバルトは、限られた自然資源です。今後純ガソリン車ゼロの取組が強化され、電気自動車が世界的に増えることを考えると、自然資源を枯渇させることなくバッテリーを回収しリサイクルすることが、持続可能なよりよい社会の実現にも役立つのです。

SDGsの17のゴールとは
1.貧困 2.飢餓 3.保健 4.教育 5.ジェンダー 6.水・衛生 7.エネルギー 8.経済成長と雇用 9.インフラ・産業化・イノベーション 10.不平等 11.持続可能な都市 12.持続可能な消費と生産 13.気候変動 14.海洋資源 15.陸上資源 16.平和 17.実施手段

まとめ

EV車の車買取についてこちらでご紹介しました。ガソリン車の中古車買取査定と、EV車の買取査定では、走行距離値の影響の仕方が異なるため注意が必要です。また、今後10年落ちのEV車の査定が増えると思われますが、古い車や事故車や故障車のEV車でも買取査定業者の選び方次第で、買取は可能です。ただし、どの買取業者が一番その車を高く見積もりできるのかを見極めることは難しいと思いますので。EV車の買取査定で良い結果を出すなら、複数の業者への相見積をとってみることが最も高い査定価格を出してもらうコツとなるでしょう。

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