フォグランプが故障!修理しないと車検に通らない?

自動車の困り事

車検が近くなると、車に不調が発生して車検に通らないのではないかと心配する人が少なくありません。

もし、車検が近い車で「フォグランプ」の調子が悪いと、修理が必要なのかどうかわからないのではないでしょうか。

そこで、フォグランプの不調と車検の合否について解説します。

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フォグランプとは何のためにあるのか

まずは、フォグランプは何のために装備されているのか、その使用目的や使用方法について解説します。

フォグランプの使い方と役割

フォグランプはヘッドライトの下に付いていて、補助的に使用するランプです。主に「霧」で視界が悪いときに使用します。左右に照らす範囲が広く、光の乱反射を防ぐという特徴があるのです。

フォグランプは、ヘッドライトの下部に装備されています。その役割は「フォグ=霧」であることからもわかるように、霧で視界が悪くなっている時に使用するのが一般的です。

霧が濃いときにヘッドライトを付け、「ハイビーム」にして走行するのが正しい対処法だと思われがちですが、実は逆効果なのです。ハイビームで遠くまで見ようとすると、霧の水分によって光が乱反射を起こししてしまい、逆に見えづらくなってしまいます。

ヘッドライトは上下を照らす範囲が広く、一方で左右を照らす範囲は比較的狭くなっています。ヘッドライトとは異なり、フォグランプは左右を照らす部分が広い分、光の乱反射を防ぐことで視野を確保できるのです。左右の視界が確保されていることにより、対向車からも自分の車が確認しやすくなるという効果を持っています。

このように、霧の中での運転における事故のリスクを下げるために、フォグランプは使用されるのです。

こんな使い方をしてはいけない

フォグランプは、ヘッドライトの代わりとして使用するのはNGとなります。暗いときに常時使用するものではなく、その場合はヘッドライトをハイビームにした状態での使用がオススメです。

フォグランプが補助的に使用できるランプであるとはいえ、日頃からこれを使用することは想定されていません。道路交通法等には、ヘッドライトは対向車や前を走行する車がいない場合や見通しの悪い場所で「ハイビーム」を使い、すれ違いや前走車がいる場合には「ロービーム」に切り替えて使うと定められています。

道路交通法では、晴天時にフォグランプを点灯したからといって原則として違反・違法になるという定めはなく、法律上の使用制限はありません。しかし、自治体の条例において「霧などの状況ではない場合にフォグランプを点灯してはいけない」といった、自治体ごとの規定や制限を設けているところはあります。なので、基本的に霧などの場合を除き、フォグランプを使用することは避けたほうがよいということです。

フォグランプには保安基準がある

それでは本題、フォグランプと車検に関わる「フォグランプの保安基準」について解説します。

ランプそのものに関する基準

まずは、「ランプそのものに関する基準」です。主に以下の基準が設けられています。

  • 色に関する基準
  • ケルビン数(色温度)に関する基準
  • 明るさに関する基準
  • 光軸やカットラインに関する基準
  • 前と後ろそれぞれで2個以下であること

「色に関する基準」は、フォグランプの色は「白」または「淡黄色」である必要があるという基準です。また、左右対称に配置されており、その両者が同じ色をしていることも基準の一つです。「ケルビン数」については7,000までを目安にしておきましょう。

「明るさに関する基準」は、フォグランプの明るさについては「1万カンデラ以下であること」が基準として設けられていました。しかし平成18年以降の車検において、この基準が撤廃されているので、明るさについての上限は無くなったといえます。

「光軸やカットラインに関する基準」は、「まっすぐな一直線であること」であることが規定されています。しかし、それだけでは車検には通らず、重要なのは「光軸が正しく調整されているか」です。カットラインよりも上に光が散っている「上方散乱光」の場合は、光軸を下方向に調整しなければ対向車ドライバーの運転を妨げてしまいます。未調整のままでは保安基準未達成と判断され、車検に落ちてしまうのです。

「前と後ろそれぞれ2個以下」というのは、同時に3個以上点灯すると車検に通らないことになっています。

装着位置に関する基準

次に、フォグランプの「装置位置」に関する基準です。取り付け位置(上ふち、下ふち)に関する基準があり、車内にフォグランプ用のスイッチを取り付ける必要があります。なお、純正で元から付いているフォグランプなら、基本的にそのままで問題ありません。

フォグランプの取り付け位置は、「上ふち」と「下ふち」で、それぞれ基準が設けられています。

上ふちに関する基準

証明部の上ふちは800㎜以下の高さに設置すること
ロービームの上ふちを超えていないこと

下ふちに関する基準

証明部の下ふちの高さが250㎜以上の位置に設置していること

追加条件として挙げられているもの

最も外側にあるふちが、ボディーの最外側から400㎜以内に設置してあること
フォグランプを後付している場合に問題になりやすいのが「車内スイッチ」です。あくまでも霧の場合に使うので、フォグランプを常につけっぱなしの状態では問題になります。車内に、フォグランプをオン・オフ切り替えられるスイッチが付いていることが車検に通る条件です。

また、ポジションが並列に配線されていることも重要なポイントです。フォグランプに関する保安基準では「フォグランプとポジションは並列に配線する」と規定されています。フォグランプが点灯しているときにはポジションも点灯しているということなので、片方だけが点灯している状態では保安基準を満たせないことになります。

何かと面倒に感じるかもしれませんが、購入した車に最初からフォグランプが付いていた場合は、保安基準を満たす付け方になっているはずなので、改造や故障している場合を除き、フォグランプについてはノータッチで問題ないでしょう。

フォグランプが正常に点灯しないと車検には通らない?

最後に、フォグランプに何かしらのトラブルが発生している場合、車検に通るためには修理が必要かどうかについて解説します。

フォグランプは装着が義務付けられているパーツではない

フォグランプはあれば便利ですが、最初から付いていない車種もあります。後付してもよく、逆に取り外すのも問題ありません。フォグランプが付いて(付けて)いれば、車検で検査される対象項目になる点は注意が必要です。

先ほど「フォグランプが最初から付いていれば」という話をしたと思いますが、逆に考えれば「フォグランプが最初は付いていない車が存在する」ということです。もし、フォグランプが取り付け必須の装備であれば、車検に通らない車を販売していることになりますが、実際にはそうではありません。フォグランプは必須の装備ではないのです。

フォグランプは「後付けする」あるいは「最初から付いているものを取り外す」の、どちらも違法性を持つことではないのです。ただし、フォグランプが車検の検査対象外であるというわけではなく、検査する車にフォグランプが取り付けられている場合は検査対象になります。

フォグランプは修理しなくても車検に通れる

フォグランプが付いていて、異常箇所があると車検に通りません(片方だけは点くのもNG)。 しかし、フォグランプが故障していても取り外せば修理しなくても車検に通ることは可能です。

先ほど「フォグランプがあれば検査対象になる」という話をしました。検査の対象になるということは、故障などの異常があれば車検に通らないことになります。では、絶対に修理しないといけないのかといえば、そうではありません。

「フォグランプが『あれば』検査対象になる」ということは、言い換えれば「フォグランプが『無ければ』検査対象にはならない」ということです。前述のとおりフォグランプは必須の装備ではなく付いていなかったとしても車検する上で問題になることはありません。つまり、フォグランプを修理したくなければ、取り外した状態で車検に出せばよいのです。

もちろん、フォグランプ以外にも車に異常が多ければ、車検を機に車を買い換える方が長期的に見ればコスパを改善させることも可能となります。

まとめ

フォグランプはあれば便利なものですが、あると車検の検査対象になります。フォグランプを付けたまま車検に出す場合、最低でもきちんと点灯することは確認しておきましょう。故障したまま車検に出せば、車検に通らないリスクを高めることになります。

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