最近はガソリン代が高いと感じている方が多いのではないでしょうか。生活に車が必要なところでは、燃料代が高騰しても車は欠かせません。できるだけ燃費負担を減らす方法を探している方も多いでしょう。乗り換えを検討する時期であれば、次の車はぜひ燃費が良い車にしようと考えるかもしれません。
今回は、燃費のいい車ランキング2022年の最新版をご紹介します。燃費が良い車に乗り換えるメリットも合わせてご紹介していますので、車の乗り換えや購入を検討されている方は、参考にご覧ください。
燃費の良い車とはどんな車?
燃費とは燃料消費率の略称です。ガソリン1L(リットル)で、自動車が何km走行できるのかを数値で表した指標のことをいいます。現在販売中の車のカタログに記載されている燃料消費率は、WLTC(World wide harmonized Light vehicles Test Cycle)モードによって測定された数値です。WLTCとは、車の燃費を測定する国際的な試験方法の正式名称で、平成29年から世界的に使用されている試験方法となっています。
一般的に、燃費の良い車とは、車の運動量に対し少ない燃料消費だけで動くことができる車のことをいいます。そのため燃費の良い車には、燃料を多く使わない低燃費車や、燃料が少なくても力を発揮できる効率の良い省燃費車が含まれています。
国交省では、燃費性能が高く燃費の良い車の普及を促進するため、毎年「自動車の燃費性能の評価及び公表に関する実施要領に基づいて評価した自動車燃費一覧」を公表しています。
近年は世界的な原油価格の高騰を受け、日本国内でも燃料価格の高い状態が続いています。10月初頭時点のレギュラーガソリン155.5円ハイオク167.1円となっていて、日々の燃料費負担を重く感じている方も多いでしょう。次項からは、早速燃費の良い車ランキングをご紹介します。
2022年の燃費の良い普通乗用車ランキング
国産自動車メーカー9社が製造販売している最も燃費の良い普通乗用車を、燃費性能の高い順にランキング形式にまとめました。
順位 車名/通称名 型式 燃費値(km/L)
1位 トヨタ/ヤリス 6AA-MXPH10 36.0
2位 日産/ノート 6AA-E13 29.5
3位 ホンダ/フィット 6AA-GR3 29.4
4位 ダイハツ/ロッキー 5AA-A202S 28.0
5位 レクサス/CT200h 6AA-ZWA10 23.9
6位 スズキ/スイフト 5AA-ZC43S 23.0
7位 マツダ/MAZDA2 5BA-DJLFS 20.3
8位 三菱/デリカD:2 5AA-MB37S 19.6
9位 スバル/インプレッサ 5AA-GTE 15.2
ガソリン・ハイブリッドの普通・小型乗用車燃費一覧(令和3年末時点)
上記ランキング上位を見ると、普通乗用車の燃費の良い車の特徴として、ハイブリッド車とコンパクトカーという共通点があることがわかります。
こちらでは、上位3つのコンパクトカーについて、詳しくご紹介します。
燃費の良い普通車No.1のトヨタ・ヤリス
今回のランキングで燃費の良い車の第1位となったヤリスは、トヨタ自動車が販売している人気のコンパクトカーです。ヤリスには、ハイブリッドモデルとガソリンエンジンモデルの二つのパワートレーンがあり、購入時に選ぶことができます。燃費の良いパワートレーンは、ガソリンとモーターの二つの動力を使うハイブリッドモデルとなり、ガソリンエンジンモデルに比べると販売価格は高額になりますが、高い燃費性能をもっています。
日本国内でヤリスは、初代から3代目まではヴィッツという名称で販売されていました。2020年にヴィッツが4代目へフルモデルチェンジした時に名称がヤリスに変更され、世界共通名称に統合されました。2020年のフルモデルチェンジ後は、2022年に一部改良を行っています。
ヤリスのグレード体系のなかで最も燃費の良いグレードが、以下のハイブリッドXです。
トヨタ・ヤリス(ハイブリッドX)のスペック
乗車定員 5名 全長 3,940mm
トランスミッション CVT 全幅 1,695mm
燃料消費率 36.0km/L 全高 1,500mm
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン 最小回転半径 4.8m
エンジン種類 直列3気筒 総排気量 1.5L
欧州でも人気の高いヤリスの特徴は、走り出しそうな躍動感のあるスタイリングと、世界トップレベルの燃費性能です。機能的でありながらスポーティなデザインが躍動感があり、年齢層やターゲット層を問わず人気となっています。ヤリスは乗用車ブランド通称名別新車販売台数ランキングでも、2021年度(2021年4月から2022年3月まで)の年間ランキング1位となっています。
燃費の良い普通車No.2の日産・ノート
今回の燃費の良い車ランキングに入った車種の共通点は、ボディサイズが小さく車重が比較的軽い、コンパクトカーということです。コンパクトカーに明確な定義はありませんが、一般的には軽自動車よりも大きい小型乗用車となっており、全長は4,200mm、全幅は1,750mm以下の車になります。普通乗用車一台分の平均的な重さは3.5トン未満ですが、コンパクトカーの平均的な重さは1~1.5トンと軽量です。車の重さが軽いほど、車が動くために必要なエネルギー消費量を減らすことができるため、燃費の良い車は重量の軽いコンパクトカーが多くなっています。
燃費の良い車ランキングで第2位となった日産のノートも、第二世代e-POWERを搭載したコンパクトカーとなっています。
日産・ノートのスペック
乗車定員 5名 全長 4,045mm
トランスミッション CVT 全幅 1,695mm
燃料消費率 29.5km/L 全高 1,505mm
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン 最小回転半径 4.9m
エンジン種類 DOHC水冷直列3気筒 総排気量 1.2L
日産のノートは、燃費が良いだけでなく、日産の最新技術が搭載されているというメリットがあります。日産の最新技術の一つで、安全運転をサポートする予防安全技術の、全方位運転支援システム360°セーフティアシストも搭載されているシステムの一つです。インテリジェントエマージェンシーブレーキは走行中に車の全方位をレーダーやカメラで検知し、先行車や歩行者がいて、ぶつかる可能性が高いと判断した場合は、表示とブザーで回避操作を促し、万が一安全に減速できなかった場合はブレーキが作動して衝撃を軽減する仕組みになっています。
また、一部の上位グレードに限られますが、運転操作をサポートするプロパイロットシステムが搭載されているモデルを選ぶこともできます。プロパイロットシステムは、高速道路の単調な渋滞走行や長距離移動の時にブレーキシステムがアクセル・ブレーキ・ハンドル操作のアシストをすることでドライバーの疲労を軽減し、安全なドライブができるようにサポートするシステムとなっています。
燃費の良い普通車No.3のホンダ・フィット
燃費の良い車の第3位は、ホンダのコンパクトカーフィットのハイブリッドモデルです。
ホンダは自社のハイブリッドモデルの通称名を、「2モーターハイブリッド」から「e:HEV」に改称しました。そのため、フィットのハイブリッドモデルはフィットe:HEVとなっています。令和3年末時点のホンダ車で、最も燃費の良い車となったフィットe:HEVは、2022年10月7日にマイナーチェンジを行いました。その際、e:HEVに設定されているモーターの最高出力が10kW(14PS)プラスになり、90kW(123PS)へと向上しています。また、マイナーチェンジ後は燃料消費率も向上し、30.2km/Lとなりました。
以下は国交省発表の令和3年度末燃費一覧記載時の情報のため、マイナーチェンジ前の燃費性能となります。
ホンダ・フィット(e:HEV BASIC)のスペック
乗車定員 5名 全長 3,995mm
トランスミッション 電気式無段変速機 全幅 1,695mm
燃料消費率 29.4km/L 全高 1,515mm
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン 最小回転半径 4.9m
エンジン種類 DOHC水冷直列4気筒 総排気量 1.5L
ホンダフィットe:HEV BASICは、3つのモードを自動的に切り替えて走行します。3つのモードの内、1つ目がEVモードです。EVモードはモーターのみで発進と加速・減速を行い、静かで滑らかな加速が特徴です。2つ目は、モーターとエンジンどちらも使ったハイブリッドな走りのモードです。3つ目はパワー、ガソリンエンジンのみのモードです。この3つのモード切り替えは状況に応じてシステムが自動的に行います。オートマチックによりシームレスな切り替えとなり、必要なモードにに切り替えるため、ドライバーが直接操作する必要もありません。
最新の燃費の良い軽自動車ランキング2022
国産の自動車メーカー8社が製造販売している、令和3年末時点で各メーカーごとに最も燃費の良い軽自動車(自家用)をランキング順にまとめました。
順位 車名/通称名 型式 燃費値(km/L)
1位 スズキ/アルト 5BA-HA36S 25.8
– マツダ/キャロル 5BA-HB36S 25.8
2位 ダイハツ/ミライース 5BA-LA350S 25.0
– スバル/プレオプラス 5BA-LA350F 25.0
– トヨタ/ピクシスエポック 5BA-LA360A 25.0
3位 ホンダ/N-WGN 6BA-JH3 23.2
4位 ニッサン/DAYZ 5BA-B43W 21.2
– 三菱/eK 5BA-B33W 21.2
ガソリンエンジンの軽自動車燃費一覧(令和3年末時点)
実は、軽自動車については製造事業者が他社のOEM供給車が多く、姉妹車はベース車両が同じモデルになるため、燃費も同じ数値となっています。ただし、ニッサンのDAYZと三菱のeKは、OEM供給ではなく二社による共同開発車で、製造は三菱自動車工業となっています。
軽自動車は各家庭の2台目の車として購入される方が多くなっています。セカンドカーには費用をかけたくないという方も多いと思いため、必然的にかかってくる燃料費を抑えられるかどうかは購入時のポイントになるでしょう。
燃費の良い軽自動車No.1のスズキ・アルト
スズキ・アルトは2021年12月にフルモデルチェンジを行い、現在は9代目モデルが発売されています。今回国交省から発表のあった燃費一覧は2021年に発売されていたものになっているため、モデルチェンジ前の8代目アルトの情報が記載されています。新型アルトはさらに燃費性能が高くなっていますが、モデルチェンジ前の先代アルトも軽自動車トップレベルの燃費の良い車となっていました。
こちらでは燃費一覧に記載されている8代目モデルと現行の9代目モデルのアルトを比較して紹介します。
スズキ・アルトのスペック比較
8代目アルト 9代目アルト
グレード名 L HYBRID S
燃料消費率 25.8km/L 27.7km/L
最高出力 38kW(52PS)6,500rpm 36kW(49PS)6,500rpm
トランスミッション CVT CVT
全長/全幅/全高(mm) 3,395/1,475/1,475 3,395/1,475/1,525
スズキのアルトは、9代目モデルへとフルモデルチェンジした際にマイルドハイブリッド搭載モデルに変わり、もともと燃費の良い車が、さらに環境に配慮した経済性の高い燃費の良い車になりました。
スズキの新型アルトにも搭載されているマイルドハイブリッドシステムには、回生エネルギーによる効率アップの仕組みがあります。発電効率に優れたモーター機能付き発電機が減速時のエネルギーを利用して発電し、専用バッテリーに充電します。この時充電した電力が加速時にモーターを回転させてエンジンをアシストすることで、燃焼に必要な燃料を減らすことに繋がり、燃費向上できています。
燃費一覧に記載されているマツダのキャロルは、スズキ・アルトのOEM供給を受けた姉妹車となっているため、同じ燃費性能となります。
燃費の良い軽自動車No.2のダイハツ・ミライース
ダイハツのミライースは、第3のエコカーとして2009年に開発発表されたコンセプトカー「イース」の市販化モデルです。2011年に市販化されて発売を開始しました。2017年にフルモデルチェンジがあり、現行モデルは2代目ミライースとなっています。
ミライースには営業車などビジネス向けグレードもあり、シートなど内装はシンプルになっているものの、基本的な装備の充実と燃費の良さから人気が高くなっています。
ダイハツ・ミライースのスペック
グレード名 G“リミテッド SA Ⅲ”
駆動方式 2WD
燃料消費率 25.0km/L
最高出力 36kW(49PS)6,800rpm
トランスミッション CVT
全長/全幅/全高(mm) 3,395/1,475/1,500
ダイハツは製造事業者でOEM供給をしていて、ミライースの姉妹車としてトヨタのピクシスエポック、スバルのプレオプラスがあります。
燃費の良い軽自動車No.3のホンダ・N-WGN
ホンダのN-WGNは、ホンダが2013年から製造販売している5ドアの軽トールワゴンです。
ホンダの軽自動車は1967年発売のN360から始まっていて、現在もNシリーズとして4タイプが販売されています。Nシリーズの4タイプは、ハイトールワゴンのN-BOX、トールワゴンのN-WGN、セミトールワゴンのN-ONE、軽バンのN-VANがあります。NシリーズのNは、Norimono(乗り物)のNで、単なる機械ではなく人が乗るためのものという意味が込められているそうです。
ホンダ・N-WGNのスペック
グレード名 G
駆動方式 FF
燃料消費率 23.2km/L
最高出力 43kW(58PS)7,300rpm
トランスミッション 無段変速オートマチック
全長/全幅/全高(mm) 3,395/1,475/1,675
現在発売中のN-WGNは2019年にフルモデルチェンジしたモデルで、現行モデルは現在販売中の2代目となります。ホンダの軽自動車Nシリーズの現行発売中の全車種に、先進の安全運転支援システムである『Honda SENSING』が標準装備されています。Honda SENSINGは、衝突軽減ブレーキ・誤発進抑制機能・歩行者事故低減ステアリング・路外逸脱抑制機能・アダプティブクルーズコントロール(トランスミッション毎に設定)・車線維持支援システム・先行車発進お知らせ機能・標識認識機能が設定されています。
このように、予防安全性能が高いことから、ホンダのN-WGNは高齢ドライバーからも人気が高くなっています。
燃費の良い車に乗り換えるメリット
燃費の良い車に乗り換えるメリットは、車を購入してから燃料費を抑えられるだけではありません。実は、燃費の良い車に乗り換えると、車の購入時にもいくつかお得なメリットがあるのです。
自動車重量税が減税になるメリット
自動車の購入時、自動車の新車登録車検を受けるには自動車重量税の納税が必要です。ただ、その自動車重量税は燃費性能の高い対象車に限り、減税になったり免税になる制度があります。それを、エコカー減税といいます。
今回、燃費の良い車のランキングでご紹介した車種の殆どが、エコカー減税の対象車となっており、例えば、トヨタのヤリス(ハイブリッドX)はエコカー減税対象車で100%減税になるため、新車取得時と初回継続車検時の自動車重量税が免税(0円)になります。
環境性能割(旧自動車取得税)のメリット
新車又は中古車の取得時に課税される税金が環境性能割(旧自動車取得税)です。
環境性能割は、三輪以上の小型自動車と普通自動車を取得した人へ課税される税金で、税額は自動車の通常取得価額(課税標準額)に、税率を掛けたものになります。取得価額が50万円以下は課税されません。
環境性能割の税率は、自動車の燃費性能等に応じて決められていて、電気自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド車の自家用車は非課税になります。
また、自家用乗用車のうち平成30年排出ガス基準50%低減または平成17年排出ガス基準75%低減かつ、令和12年度燃費基準85%達成かつ、令和2年度燃費基準達成車は非課税となります。
燃費の良い普通乗用車でもご紹介した、ホンダのフィットe:HEV BASICやヤリスのハイブリッドXも、環境性能割の非課税対象車となっていて、自動車取得時の課税は0円となっています。
まとめ
今回は、燃費の良い車ランキングとランキング上位の車について詳しくご紹介しました。
燃費の良い車は燃料費用が抑えられるだけでなく、環境にも配慮していることから、購入時にはエコカー減税や、自動車取得時の税金が非課税になるなどお得な点があります。
現在所有しているガソリン車やディーゼル車の燃費が気になっている方や、維持費用を抑えるために買い替えを検討中の方は、こちらでご紹介した燃費の良い車ランキングをぜひチェックしてみてください。また、燃費が悪く感じている車の売却予定がある方は、0円以上の買取保証を行っているカーネクストまで、お気軽にお問い合わせください。