ダイハツのハイゼットカーゴとアトレーが2021年12月にフルモデルチェンジを行いました。
軽自動車規格の商用車として人気の高い2つのモデルがフルモデルチェンジを行ったことで、フルモデルチェンジをきっかけに買い替えをしたという個人や法人の所有者の方も多いのではないでしょうか。
こちらでは、モデルチェンジが車の買取査定へ与える影響について解説します。また、モデルチェンジについても詳しくご紹介します。昨年末にフルモデルチェンジした新型ハイゼットカーゴと新型アトレーについても合わせて、ご紹介していますのでぜひ参考にご覧ください。
ハイゼットカーゴとアトレーはどんなふうに変わったのか
2021年12月20日に全国一斉発売となった、ダイハツの11代目ハイゼットカーゴと6代目アトレー。ハイゼットカーゴは2004年12月以来、アトレーは2005年5月以来のフルモデルチェンジとなりました。軽商用車は各自動車メーカーより販売されていますが、そのなかでも人気と知名度のあるハイゼットカーゴと、そのハイゼットカーゴをベースとして作られている高い積載性能を持ったアトレーは、どちらも人気モデルとなっています。
こちらでは、ハイゼットカーゴとアトレーのフルモデルチェンジ前と後のモデルを比較してご紹介します。
最新モデルと先代モデルを比較
ハイゼットカーゴは軽商用車として60年以上続くロングセラーカーです。用途も広く、農業や林業などを営む個人事業主の方や、営業車として事業用に複数台登録している法人も多い車となっています。ハイゼットカーゴは約17年ぶりのフルモデルチェンジとなりますが、どのように変わったのでしょうか。
スペックで比較するハイゼットカーゴ
ハイゼットカーゴは先代モデルと比べ車体構造がスクエア化しています。ボディサイズは全高が先代モデルよりも約15mm高くなり、荷室長1,915mm・荷室幅1,410mm・荷室高1,250mmとなったことにより、軽キャブオーバーバンの中でクラス最大の積載スペースを確保できています。ボディがスクエア化したことで従来型と比べ、荷室の上部の空間が拡がり、ルーフサイドの幅が広がったことでより積載がしやすくなりました。
ハイゼットカーゴ | 10代目 | 11代目 |
全長/全幅/全高(mm) | 3,395/1,475/1,875 | 3,395/1,475/1,890 |
ホイールベース | 2,450mm | 2,450mm |
トレッド(mm) | 前1,305/後1,300 | 前1,305/後1,300 |
エンジン | 水冷直列3気筒12バルブ | 水冷直列3気筒12バルブ |
排気量 | 659㏄ | 658㏄ |
最高出力 kW[PS]/rpm | 37[50]/5,900 | 34[46]/5,700 |
最大トルクN.m[kg.m]/rpm | 63[6.4]/4,000 | 60[6.1]/4,000 |
クラス初の予防安全機能も追加
11代目ハイゼットカーゴのスマートアシスト搭載車には、13種類のスマートアシスト予防安全機能と、さらにパッシブセーフティという標準搭載の衝突安全ボディやSRSエアバッグといった安全装備があります。また、今回はクラス初のADB(アダプティブドライビングビーム)が採用されています。アダプティブドライビングビームは、ハイビームで走行している時に対向車や先行車を検知すると、部分的に遮光し、他の交通に配慮しながら高い視認性を確保することが出来ます。夜間の見通しの悪い道路を走行する時の安心感が高まる機能となっています。
13種類のスマアシ(ダイハツ予防安全)機能
衝突回避支援 衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能(対歩行者・車両)、ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)、ふらつき警報、路側逸脱警報機能、車線逸脱警報機能、車線逸脱抑制制御機能
認識支援 先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、AHB(オートハイビーム)、ADB(アダプティブドライビングビーム)、サイドビューランプ
駐車支援 コーナーセンサー(前方・後方)
6代目アトレー(ダイハツ)は乗用から商用車へ
6代目アトレーはハイゼットカーゴをベースとした4ナンバー軽商用車となっています。先代モデルまでは商用ではなく乗用車展開となっていましたが、今回ハイゼットカーゴと同様に軽商用車となり、積載性能も高くレジャー等のニーズにも活躍できる荷室の広さも合わせ持っています。
アトレー | 6代目スペック |
全長/全幅/全高(mm) | 3,395/1,475/1,890 |
最大積載量 | 350kg |
トレッド(mm) | 前1,305/後1,300 |
エンジン | 水冷直列3気筒12バルブインタークーラーターボ |
排気量 | 658㏄ |
最高出力 kW[PS]/rpm | 47[64]/5,700 |
最大トルクN.m[kg.m]/rpm | 91[9.3]/2,800 |
アトレーのフルモデルチェンジによる最も大きな変化は、荷室空間のアレンジ性と積載性能がかなり高くなったということです。350kgとなった最大積載量を活かせば、キャンプグッズやバーベキューセットを積載してレジャーを楽しんだり、車中泊用のベッドキットと外出先での電源を確保するための外部電源バッテリーを積み込むなど重量がある荷物を積み込んでの車移動も問題ありません。
クラス初の両側スライドドアに採用された新機能
また両側に採用されているパワースライドドアは、今回のフルモデルチェンジからクラスで初めてのイージークローザー、キーフリーシステム、ウェルカムオープン機能が採用されたため、手元に荷物を持っていてもドアを開くことが出来ます。もちろん商用としての利用時に荷物の積み降ろしがしやすいということもありますが、ファミリーでのレジャーの際にも小さなお子様を抱いたままドアを開くことも出来ますので、眠っているお子様を起こす必要がありません。
モデルチェンジは車の買取価格査定に影響がある?
2021年12月に久しぶりのフルモデルチェンジを行ったハイゼットカーゴとアトレーですが、現在所有していて手ばなしを悩んでいる方は、今回のモデルチェンジによって買取価格に影響があるのかどうか気になっているのではないでしょうか。
モデルチェンジの種類は2つ
今回のハイゼットカーゴやアトレーの行ったフルモデルチェンジと、同時期にハイゼットトラックが行ったマイナーチェンジ、モデルチェンジには二つの種類があります。
フルモデルチェンジは、車の内装や外装などの一部ではなくエンジンや構造など含め刷新するため、ほぼ別の車として新型モデルになります。そのため、フルモデルチェンジの際は車名はそのままですが、型式は変更になります。一般的には4年から7年位がフルモデルチェンジの周期として多いものの、人気モデルやシンプルな設計であまりフルモデルチェンジしない、いわゆるロングライフモデルもあります。今回約17年ぶりのフルモデルチェンジを行ったハイゼットカーゴもまさにフルモデルチェンジが長くしていなかった車です。
もう一つのモデルチェンジはマイナーチェンジです。マイナーチェンジとは、車の内装や外装などの一部を変更したり、技術変更や一部の改良を行ったモデルのことです。ただし外装を大きく変更したり技術変更を多く行った時は、ビッグマイナーチェンジと言われ、型式は同じもののマイナーチェンジの前後で前期・後期モデルと分別して考えられるモデルもあります。
フルモデルチェンジの前後は型式によってすぐに判断が出来ますが、マイナーチェンジの前後は車の製造日や初度登録日を確認しての判断になります。外装が変更されると、モデルチェンジ前と後で人気か不人気かも別れるところであるため、買取査定時に初年度登録年月まで確認をとるのは、マイナーチェンジのどちらにあたるのかを確認するためでもあるのです。
新型モデル登場によって、旧型モデルはどの位買取価格が下がるのか
もしもハイゼットカーゴのフルモデルチェンジを期に乗り換えるとなると、所有している旧型モデルの買取価格にどのくらいの影響があるのでしょうか。
ハイゼットカーゴとアトレーは、前モデルの発売から17年と16年という長い期間モデルチェンジがなかった車です。そのため前モデルの流通数自体も多く、中古車市場にも多く流通しています。もともと商用車として販売されていたハイゼットカーゴについては、個人事業主や法人用の事業用車としても人気がある車のため、中古車市場でも需要が高くなっています。また、ハイゼットカーゴとベースは同じではあるものの乗用用途のアトレーですが、商用登録も多い車のため中古車需要があり、再販がしやすい車のため買取価格も決して悪くはありません。
しかし、買取査定ではモデルチェンジをする前に比べるとマイナスポイントにはなります。特に今回のように大幅な外装変更がありエクステリアデザインが変わると、再販時に旧型モデルの販売価格は下がってしまうため、買取価格にも影響があり下がってしまうのです。
もしも年式3年落ちのハイゼットカーゴを所有している場合、フルモデルチェンジの前に売却をしていれば、現行モデルの高年式車で買取価格も期待できる車となりますが、現在は高年式であっても旧型モデルになるため、査定はマイナスになります。
まとめ
こちらでは、ハイゼットカーゴとアトレーのモデルチェンジについて解説しました。
フルモデルチェンジの周期は、一般的には4年から7年の間に行う車種が多いのですが、なかにはイヤーモデルといって一年毎に行ったり、ロングライフモデルのように10年以上行われないこともあります。ディーラーにモデルチェンジの時期を尋ねてみても、社外秘のことを聞き出すことは難しいため、モデルチェンジによって買取査定額を下げないことを狙うなら、売却を考えている車が長期間モデルチェンジをしていないという場合は早めの売却を考えると良いでしょう。