残クレで車購入のリスクと3つの注意点!残クレは得か損か

自動車の困り事

残価設定型クレジット払いや、残価据え置き払いと言われる、残価設定型プランというクルマの購入方法をご存知でしょうか。新車をディーラーのクレジットで分割払いで購入する場合、まず最初に決められた年数後に残る車の価値の分を残額と設定します。新車購入金額を頭金・ローン分割で支払う金額・残価設定した残額と3分割します。頭金と年数分のローンの分割払いを完了したら、最後に残価分の支払いをして車を買い取るか、残価を払わずにディーラーに買取してもらうか、購入店で下取りに出す形で次の車を購入し乗り換えるかを選択することが出来ます。残価分は除いてのローンを分割払いするため、月々の支払い額が抑えられるところが大きなメリットとなります。新車を購入するには車の単価が高く難しいというユーザーにとって、新車を購入がしやすくなるため好評なプランになっているのです。しかし、残クレには危険な落とし穴ともいえる注意点が3つあることをご存知でしょうか。

どんな車も0円以上買取保証

残クレの仕組みとは

残価設定型クレジットの支払い方法は、いくつかのプランがディーラーごとに用意されています。トヨタ自動車のディーラーによる残クレのプランは、「トヨタ3年分ください」のキャッチコピーで推奨されている残価設定型クレジットプランと、残額据え置き払いというプランがあります。

残価設定型クレジットプランとは

残価設定型クレジットプランについて具体的にご説明します。まず、車の新車購入に必要な金額を下記の3分割に分けて考えます。

  1. 「頭金」
  2. 「ローンの支払い金額分」
  3. 「残価(ローン期間後に残る車両価値分の金額)」

新車購入の際、ディーラーで残価設定型クレジットプランを依頼し、頭金を購入時に支払います。その後、一定期間をかけてローンの支払い金額分を支払っていきながら車に乗ることが出来ます。ローンの支払い期間が終わったら、あとは「残価を支払わずに車両を返却」「残価を支払わずに返却し次の新車へ代替」「残価を支払って車両を買取(一括又は分割)」のいずれかを選択します。この時の残価は、車のリセールバリューになりますので、リセールバリューが高い車であるほど残価が高く、頭金とローンの支払い金額分が少なくなります。

残額据置き払いプランとは

残額据え置き払いのプランを具体的にご説明します。残額据え置き払いプランは、トヨタ自動車が2009年に本格導入した購入プランで、まず新車購入時に車両本体価格の一部を据え置き額として設定し、頭金と割賦手数料を支払います。購入から契約期間満了の1年から5年後に据え置き額を支払いますので、購入の場合は2回払いになります。契約期間中に車に乗ることが少なくなりそうと判断したり、免許の返納をされる場合は、契約満了時据え置きの残額を支払わずに返却を選択することも可能です。また、残価設定型クレジットプランのように「据え置きの残額を支払わずに返却し、次の新車へ代替」または「据え置き残額を支払って買取(一括又は分割)」も選択できます。

残クレを利用する上での3つの注意点

残価設定型クレジットプランを車の購入時に利用する予定がある方や、検討をしている方は、利用をする前に一度注意点をチェックしておきましょう。利用をするとお得な購入法ですが、実は3つの注意点があり、気を付けないと大きな損をしてしまうことがあるのです。

1.残価保証条件を要チェック!

まず、残クレを利用して損をしないために大切なことは、残価保証条件または据え置き額保証条件をしっかりと確認しておくことです。残価設定は新車購入時に予めメーカーが設定している保証金額ですが、保証条件を守って車を維持していなければ保証がされないため、残価がないとなった場合は車両購入するしかなく全額の支払いが必要になります。また、一部の残価が失われてしまった場合も、不足分の支払いが増えてしまいます。

トヨタ自動車での残価設定の保証条件

  • 損傷又は事故修復歴がないこと
  • レース等での使用や、違法改造をされていないこと
  • 各店舗にて定める走行距離を超えていないこと

ホンダ(本田技研工業)での残価設定の保証条件

  • 返却時の査定減点数100点以内
  • 月間走行距離1,000km
  • 違法改造や事故修復歴がない

2.ローン支払い中に事故にあった場合

残価設定型クレジットプランを利用し、残価分以外の頭金とローンを組み、ローン支払い中に事故を起こしてしまった場合は、残価設定の保証条件にあるように車の残価は失われてしまう可能性が高くなります。事故修復歴が残った場合保証はされず、さらに全損で車自体がもう乗れなくなってしまった場合は、ローンの一括完済をしなくてはいけません。この時のローンの一括完済の金額は、ローン期間中に支払う予定だった金額と残価設定していた残額を合わせた金額となります。もしも、ローンを支払い終えたら、乗り換えや返却を考えていて残額を支払うつもりがなく、一括返済が厳しい場合、また次の車の残クレを設定し、現行車と次の車のローンが重なってしまうこともあるのです。

3.車両保険に入っていたとしても

残価設定型クレジットプランを利用し、ローン支払い期間中に車が事故にあってしまったとします。この時、車両保険には入っている人がほとんどでしょう。しかし、新車購入からローン支払いを1~2年していた場合、車には新車価値はなく車の市場も変わっているかもしれませんので、保険会社の車の査定評価額は、当時のディーラーの残価設定とは異なる可能性が高くなります。その場合、もしも車が全損であったとしても、車両保険で支払われる保険料金だけではローンの残債すべてを支払うことが出来ない可能性があります。また、もらい事故で相手方に非が10:0であった場合も、相手方の保険の補償金額は現在の車の価値に対しての修理費用になります。さらに、全損時の車両金額も年数や走行距離での評価後の金額しか戻りません。事故修復歴があるため、残価保証されず、すべて完済する必要があり、さらに保険料金では足りない時は、自己負担額がさらに増えてしまうこともあるのです。

残クレにはリスクがあると知っておく

新車を乗るハードルは下がるものの、購入する側にとってのリスクが大きいことが残クレの注意点です。車の事故は、いつ起こるかわかりません。特にもらい事故の場合、信号で停車していたら後ろからよそ見運転の車が突っ込んできたといったことも起こりかねません。車両保険に入っておくことも大切ですし、残クレを利用するにはリスクが伴っていることや、残価設定の保証条件内での走行距離で収めることが出来るのかなど普段の車の利用量を見返すことも必要です。残価設定クレジットプランを利用する前に、まずは注意点を理解しておくことが必要となるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました