衝突安全性能の高い車はどれ?安全なクルマ選びのポイントは

車の売却・買い替え

クルマ選びのポイントとして、「どのくらい安全性能が高い車か」は気になるところではないでしょうか。

日本国内では自動車安全性能評価プログラム(JNCAP)での評価をメーカーが公表していますが、海外にも独自の安全性能評価試験が行われ公表されています。その評価試験を行っているのが、アメリカのIIHSという保険会社による非営利団体で、安全性能に対し基準を設けてカテゴリごとに評価テストしています。

こちらの記事では、2025年のIIHS安全性能評価試験において、安全性能が高い【Top Safety Pick】と評価された日本の自動車メーカーの車種をいくつかご紹介します。車の乗り換えや購入の検討材料に、ぜひご覧ください。

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海外で実行されている自動車安全性能評価テストとは

Top Safety Pickとは、米国の保険会社による非営利団体「IIHS(Insurance Institute for Highway Safety 道路安全保険協会)」が行っている安全性能評価試験において、とくに評価が高い車に与えられる名称です。そのTop Safety Pickのなかでも、より優れた成績を収めた車に対しTop Safety Pick+が授与されています

2025年のIIHSによる自動車安全性能評価基準は

IIHSによる評価基準は、最も高い評価のG(Good/良好)、A(Acceptable/満足できる)、M(Marginal/最低限度)、P(Poor/質が低い)の4段階に分かれます。2025年のTop Safety Pick+は既に発表されており、下記の5つの試験において高い評価基準をクリアした車に与えられているものです。

1.スモールオーバーラップフロント衝突試験の評価がGである

スモールオーバーラップフロント衝突試験とは、車体前面(運転席側フロント部分)の25%の部位が衝突する事故を想定したテストのことです。衝突時の車の速度は約64km/h※で試験が行われます。想定した衝突事故が発生した時に、どのくらい乗員が保護されるのかという乗員保護性能と車の構造強度を評価するためのテストです。

※時速約64kmは、海外での時速40マイル

中程度のオーバーラップフロント衝突試験の評価がGである

中程度のオーバーラップフロント衝突試験とは、車体前面部分(運転席側フロント部分)の40%の面積で衝突する事故を想定したテストで、スモールオーバーラップフロント衝突試験と比べ、衝突範囲が広い場合を想定しています。衝突時の速度は約64km/hです。想定した衝突事故が発生した際に、どのくらい乗員が保護されるのかという性能の評価と、車の構造の強度をテストしています。

2021年版の側面衝突試験の評価がGである

側面衝突試験の試験内容が2021年に更新されたため、テスト名称に2021年版と記載されています。側面衝突試験では、直進する試験車両の左側面に向かって、交差する道路から出てきた他の車両との衝突事故を想定しています。衝突してくる車両の重さは約1,905kg、設定速度は約59km/hです。試験車両が側面から衝突された時の車室内に対してどのくらい侵入があるのか、乗員の怪我へのリスクなどを測定して評価します。

ヘッドライト試験の評価がGまたはAである

ヘッドライト試験では、直線およびカーブにおいて、ヘッドライトが適切な照明の能力を発揮できる距離がどのくらいなのか測定します。また、対向車のドライバーに対して、試験車両のヘッドライトの光が与えるグレア現象(物体が光で見えにくくなる現象)の影響についても確認し、測定しています。

歩行者とのフロント衝突防止試験の評価がGまたはAである

歩行者と試験車両のフロント部分が衝突した場合の事故を想定した試験です。車が衝突を予測して速度を低下することができているか、また前方への衝突を予測しドライバーへ警告できているかの結果を評価しています。

衝突防止試験については、昼の明るい状況下で駐車している車両の死角から子供が急に飛び出してくる場合と、夜間の暗い状況下で歩行者が徒歩で車の前を横断してきた場合、同じ暗い状況下で歩行者が車と同じ方向に向かって歩行しるのに後方の車の運転者が気づけなかった場合の3通りを想定して行われます。

2025年最新版!安全性能が高い車7種

こちらでは、2025年版IIHSの安全性能評価試験において、安全性能が高い車に与えられるTop Safety Pick+を授与された日本の自動車メーカーの車を分類別にご紹介します

小型車(スモールカー)

基本的に海外で小型車にカテゴリされている車は、日本国内ではコンパクトカーと呼ばれる普通自動車となっています。海外には軽自動車の規格がないため、小さな規格の車両というとAセグメントやBセグメントに分類される車になるためです。

ホンダ シビック(1.5Lガソリン車モデル)

ホンダシビックは2022年にフルモデルチェンジが行われており、今回のIIHSの安全性能評価試験でもフルモデルチェンジ後の11代目モデルが使用されています。

衝突安全性能テストハッチバックの結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験G
中程度のオーバーラップフロント衝突試験G
2021年版の側面衝突試験G
ヘッドライト試験G
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)A

ホンダシビックの原動機(1.5L VTEC TURBO)のスペック

エンジン最高出力134kW[182PS]/ 6,000rpm
エンジン最大トルク240N・m[24.5kgf・m]/ 1,700-4,500rpm
燃料消費率WLTCモードFF:15.7km/L
最小回転半径(m)5.7m
総排気量1.496L
エンジン種類水冷直列4気筒横置
トランスミッションCVT+パドルシフト

マツダ マツダ3

マツダ3は、もともと日本国内ではアクセラとして販売されていたコンパクトカーです。2019年3月に3代目アクセラが4代目へとフルモデルチェンジするタイミングで、マツダ3に車名が変更されました。ボディタイプはスポーツ・ハッチバック(ファストバック)と、セダンがあります。安全性能評価試験では、どちらのタイプも高評価を得ています。

衝突安全性能テストハッチバックの結果セダンの結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験GG
中程度のオーバーラップフロント衝突試験GG
2021年版の側面衝突試験GG
ヘッドライト試験G・AG・A
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)GG

マツダ車というと、人馬一体を目指して、人と車との一体感がある高い運転性能が魅力の一つです。マツダ3においても、運転性能を高める仕組みがいくつか適用されています。まず、運転に集中ができるように設定されたコックピットのレイアウトは、ドライバーが自然な姿勢で運転に集中できるドライビングポジションになっています。また、マツダ独自の車両構造技術であるスカイアクティブビークルアーキテクチャーによって、車の動きがまるで自分の体のように感じる一体感のある走りを味わうことができます。

スモールSUV

こちらでは、2025年版IIHSの安全性能評価試験において、安全性能が高い車に与えられるTop Safety Pick+を授与された日本の自動車メーカーの小型SUVをご紹介します。

ホンダ HR-V

ホンダHR-Vの同車名の日本仕様車2006年に販売を終了しています。その後2013年に国内で発売されたヴェゼルは、北米ではHR-Vの名称で販売が行われました。北米でのHR-Vは2013年から2022年まで同モデルとなっていて、2023年に日本ではZR-Vとして販売されたモデルが、北米では新しいHR-Vの後継モデルとして登場しました。このように、北米ではHR-Vの車名が継承されています。

衝突安全性能テスト結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験G
中程度のオーバーラップフロント衝突試験G
2021年版の側面衝突試験G
ヘッドライト試験A
車両と車両のフロント衝突防止試験(標準システム)A
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)G

マツダ CX-30

マツダCX-30は、2019年に日本での販売を開始し現在も継続して販売が行われているコンパクトサイズのSUVになります。2023年には北米仕様車も登場しており、北米仕様限定で最大出力を5hp強化し、気筒休止技術も改良したことで、力強い走行性能ながら燃費向上させることに成功しました。

衝突安全性能テスト結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験G
中程度のオーバーラップフロント衝突試験G
2021年版の側面衝突試験G
ヘッドライト試験G
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)G

スバル ソルテラ

スバルソルテラは、2022年に発売を開始したトヨタのbZ4Xと兄弟車の完全電動SUVとなっています。2025年3月31日をもってソルテラの現行モデルの注文受付は終了しており、現行モデルは店舗在庫分のみとなっています。兄弟車であるトヨタのbZ4Xは既にリフレッシュバージョンの発売を発表しているため、ソルテラも2026年にマイナーチェンジがあるのではないかとされています。

衝突安全性能テスト結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験G
中程度のオーバーラップフロント衝突試験G
2021年版の側面衝突試験G
ヘッドライト試験G
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)G

ミッドサイズ(中型車)

海外では、最も大きい車のサイズ規格をフルサイズ、次にミッドサイズ、小さい車のサイズをコンパクトサイズ(小型車)と分けることが一般的です。欧州圏ではセグメントで車のカテゴリ分けをしている地域もあるため、Dセグメントやアッパーミディアムクラス等と呼ばれているのが、中型車(ミッドサイズ)クラスとなっています。

ホンダ アコード

ホンダアコードは、2024年にフルモデルチェンジを行い11代目モデルが登場しています。1976年の初代モデル登場から、アコードには先駆けて最新の技術や先進装備が取り入れられてきたこともあり、11代目アコードにも先進の安全装備が搭載されています。

衝突安全性能テスト結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験G
中程度のオーバーラップフロント衝突試験G
2021年版の側面衝突試験G
ヘッドライト試験G
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)A

トヨタ カムリ

トヨタカムリといえば、トヨタの高級セダンとして日本国内だけでなく海外でも人気が高いことで知られています。日本仕様車については、2023年に後継車の登場やモデルチェンジもなく生産終了となっていますが、海外では引き続き生産が続けられています。IIHSの2025年安全性能評価試験でも、2025年式の海外仕様車がテストに使用されています。

衝突安全性能テスト結果
スモールオーバーラップフロント衝突試験G
中程度のオーバーラップフロント衝突試験G
2021年版の側面衝突試験G
ヘッドライト試験A
歩行者とのフロント衝突防止試験(標準システム)G
車両と車両のフロント衝突防止試験(標準システム)G

まとめ

こちらの記事では、米国のIIHSの2025年の安全性能評価試験において高い評価基準をクリアし、事故に遭った車の乗員を保護する高い安全性能を備える車としてTop Safety Pick+を受賞した日本の自動車メーカーの車をいくつかご紹介しました。海外仕様車のみになっている車種もあるものの、国内でも販売されている車種も多くなっていますので、車の乗り換えや購入時の参考にしていただければ幸いです。

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