スタッドレスタイヤにはいつ交換するべき?冬用タイヤの準備

自動車のコラム

10月に入って日本気象協会による1ヵ月予報が発表されました。1ヵ月予報によると北海道地方では、10月の2週目以降は初冠雪の便りが届き、3週目~4週目にかけては平地でも今シーズン初めての降雪が予想されています。初雪に向けて衣替え等の準備も必要となってきますが、併せて必要となってくるのがスノータイヤやスタッドレスタイヤといった冬タイヤの準備ではないでしょうか

こちらの記事では、スタッドレスタイヤはいつごろから装着が必要になるのかスタッドレスタイヤ装着目安となる外気温は何度くらいかなど、スタッドレスタイヤの準備について詳しく解説します。

どんな車も0円以上買取保証

スタッドレスタイヤとはどんなタイヤのこと?

スタッドレスタイヤとは、冬季に気温が下がって路面が凍結したり降雪がある地域で走行する際の、タイヤのスリップを防止して安全に走行するための冬用タイヤのことです。

スタッドレスタイヤの名前の由来

スタッドレスタイヤは英語表記では【Studless Tire】となり、スタッド(鋲)の無いタイヤという意味からつけられた名称です。元々の冬用タイヤといえば、金属製のスタッド(鋲)が表面についているタイヤとなっており、雪道や凍結した道路などの走行時に鋲があることでスリップを防止する仕組みとなっていました。しかし、鋲がついているタイヤを使用することで路面に傷がついてしまって粉じんが発生したり、道路改修が必要になるなどのデメリットが多かったことから、滑りにくい特殊なゴム素材と溝の模様を付けることでスリップを防止した鋲の無い冬用タイヤが開発され、スタッドレスタイヤと呼ばれるようになりました。

スタッドレスタイヤが主流になるまでの冬用タイヤ(金属製の鋲がついているタイヤ)は、スパイクタイヤと呼ばれています。

スタッドレスタイヤはどうして必要なの?

冬季の雪道や凍結した路面をノーマルタイヤの車で走行すると、ブレーキが効くまでに時間がかかるため必要な場面で車が停止することができなくなり大変危険です。車の運転手が車を停めようとブレーキペダルを踏んでブレーキが効きはじめ、車が停止するまでの距離を制動距離と言います。必要なタイミングでブレーキを踏んでも車が停止できず、タイヤが滑ることでスリップ事故が起こるのです。このようなスリップ事故や、ブレーキが効きづらいことで起こる事故を防ぐために、季節により路面環境が変わる前に冬用タイヤであるスタッドレスタイヤへ変更する必要があります。

あるタイヤメーカーが行った走行テストでは、雪上を時速40km以下・凍結路面を時速25km以下の速度で走行してしたとしても、ノーマルタイヤの車では制動距離指数はスタッドレスタイヤと比べて大きく数値が上回った結果が出ています。スタッドレスタイヤ装着時にテストコースを走行した時の指数を100として、ノーマルタイヤでの雪上走行時は160、凍結路面走行時は156となっていました。

スタッドレスタイヤは何月から着ける?

10月に入って外気温が下がってきたと体感している方も多いでしょう。スタッドレスタイヤはいつ頃から準備をして装着すればいいのでしょうか

スタッドレスタイヤが必要になる外気温は何℃から?

路面凍結は地面が濡れている状況で、その路面温度が0度以下になった時に起こります。

雨が降っていなければ路面が濡れることはないので、路面凍結は起こらないだろうと思われるかもしれません。しかし昼間の陽光により、温められた地表の熱が夜間から早朝の間上空へ逃げて、急速に路面温度が下がると放射冷却が起こり、道路上に霜が発生するため路面凍結は起こってしまいます。そのため気温が下がるとともに雨は降っていなくても路面凍結は発生します。

特に道路や河川を跨ぐ橋の上は風が通り抜けることで温度が下がりやすく、一般道路に比べて路面凍結が発生しやすいため、地続きの路面は凍結していなかったとしても速度を下げるなど気を付けて走行する必要があります。

路面温度と外気温の温度差は、冬季になると3~5度違うと言われています。日中の気温が低く日照時間が短い冬季は路面温度が下がりやすいため、外気温が5度以下になると路面凍結する恐れがあると覚えておきましょう。

2025年のスタッドレスタイヤに履き替える時期の目安

2025年冬季に向けて、地域別にスタッドレスタイヤに履き替える時期の目安をご紹介します。
※あくまでも地域の平均気温から見たスタッドレスタイヤ装着の目安時期をご紹介していますので、山間部等気温が下がりやすい地域では、目安よりも早めの装着が必要です。

エリア装着目安時期
北海道10月半ばまでには
東北10月下旬までには
関東11月下旬までには
甲信11月下旬までには
北陸10月下旬までには
東海11月下旬までには
近畿11月半ばまでには
中国11月下旬までには
四国12月上旬までには
九州北部12月上旬までには
九州南部12月上旬までには
沖縄原則タイヤ交換は不要

地域ごとに都道府県道路交通法施行細則または道路交通規則があり、冬用タイヤの装着(防滑装置の装着)義務規程がありますが、沖縄県は全国で唯一同規則がありません。

スタッドレスタイヤはいつまで必要?

スタッドレスタイヤはあくまで冬用タイヤのため、春から秋の道路環境の使用には向いていません。

スタッドレスタイヤは雪上や凍結路面でのブレーキ機構に向いている特殊ゴム素材を使用しているため、ノーマルタイヤに比べて柔らかくなっています。そのため通常の道路では制動距離が長くなり、運動性能が劣ります。また、摩擦が起きやすい作りのため、ノーマルタイヤに比べると劣化も早くなっています。スタッドレスタイヤが必要な路面環境でなくなった春頃には、ノーマルタイヤへと交換する必要があるでしょう。

スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの変更タイミング

スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの交換する時期は、基本的には路面凍結が起こらなくなる春にかけてとなります。一般的にノーマルタイヤへの付け替え時期は3月中旬から4月下旬といわれていますが、地域によって降雪時期や気温変化の時期は異なるため、目安として外気温が7度以下に下がらなくなり、路面環境が安定する春ごろの交換をおすすめします。

スタッドレスタイヤの寿命を長くする保管方法

ノーマルタイヤへ交換をすると、スタッドレスタイヤはまた必要になる冬季までは保管が必要になります。同じ車に乗り続けるのであれば、タイヤの劣化状態によりますが寿命まで使用は続けられますので、毎年新しいタイヤを購入する必要はありません。では、できるだけスタッドレスタイヤの寿命を長くするには、どのような保管方法があるのでしょうか。交換したタイヤを保管する際のポイントをいくつかご紹介します。

  • 保管前に水洗いをして汚れを落とし十分乾燥させる
  • 屋外駐車場等の陽光(紫外線)や雨水が直接かかる場所に保管しない
  • 保管時にホイール付きタイヤは重さで変形が起こるので平置きする
  • ホイールなしのタイヤは平積みすると変形の原因になるため縦置きする
  • 空気圧は通常使用時の半分程度でOK

スタッドレスタイヤの準備情報まとめ

こちらの記事では、スタッドレスタイヤへの交換はいつ頃にするべきか、冬用タイヤの交換時期目安について詳しく解説しました。

スタッドレスタイヤへの交換時期の目安は、車を使用する地域の気温や、昼夜間の気温の下がり幅が影響をするためところによって異なります。ただ、全国的に11月下旬以降はスタッドレスタイヤへの交換を行う方が増えるため、混みあうことがあります。カー用品店や整備工場でのタイヤ交換を依頼する場合は早めに予約をしておくと安心でしょう。昨年の12月半ばごろには都心でも初雪があり、急遽冬用タイヤの準備が必要になった方も多くいました。気象予報等をチェックして、車の利用時に焦ることがないよう早めに準備を行いましょう。

タイトルとURLをコピーしました