車を購入するときは、新車だけでなく中古車という選択肢もあります。中古車にも多くの魅力がありますが、購入時に気をつけなければ失敗する可能性が高いです。
ここでは、中古車の購入について解説します。中古車を購入するメリットやデメリットだけでなく、起こりがちな失敗例もまとめていますので、チェックしてみてください。
中古車のメリットとデメリットを把握しておこう
まずは、中古車を購入する際のメリットやデメリットを確認しましょう。
中古車を買う理由
中古車を購入するメリットとして最も大きいのは、金銭的な理由でしょう。車は高い買い物なので、収入や預金を確認しながら購入する必要があります。ピカピカの最新モデルが手に入ることは新車の魅力ですが、金額は高いです。そのため、特に車に対して大きなこだわりがないのであれば、安く購入できる中古車を選ぶとよいでしょう。
また、中古車は過去に誰かが使っていた車なので、傷が残っていることが多いです。つまり、自分がまた新しく傷をつけてもダメージが少ないといえます。一方ピカピカの新車を購入した場合、少し擦ったり傷がついたりしただけでも精神的ダメージが大きいです。傷をつけないように慎重になりすぎることもあるので、神経質になりたくない方は中古車を購入するのがおすすめです。
さらに、中古車には早く納品してもらえるというメリットもあります。人気の新車であればある程度多めに生産をしていますが、全ての新車がそうとは限りません。近年ではメーカーが無駄を削減するため、工場の稼働率を抑えてなるべく在庫を持たないように工夫しています。そのため新車を購入する際は、注文から納車までに時間がかかりがちです。
一方中古車の場合は、中古車販売店に展示している車を選べばすぐに手続きができて、点検や整備、名義変更などが済めば納車になります。新車を購入する場合と比べて納車が早いので、すぐにでも車が欲しい人におすすめです。
そして、車にこだわりがある方も中古車を狙うべきケースがあります。それは、すでに生産終了した車種やモデルを購入したいときです。生産が終了しているのであれば、中古車を狙うしかありません。どうしてもこの車に乗りたいという意志が明確な方は、中古車として販売されていないか探してみましょう。
新車と比べた場合の中古車のデメリット
中古車にもたくさんのメリットがあるとわかりましたが、もちろんデメリットもあります。まず、故障のリスクが高いというのが難点です。過去のドライバーがどのような運転をしていたかにもよりますが、中古車はすでに使われている期間がある分、新車よりも故障のリスクが高くなります。
頻繁にメンテナンスや部品の交換が必要になるケースもあり、せっかく車自体を安く購入できても維持費が高額になってしまうことも多いです。その場合、価格の安さが魅力で中古車を選んだ意味がなくなってしまいます。
また、車種や年式が同じ車でもコンディションにバラつきがあるのが中古車のデメリットです。新車であれば、同じ時期に作られた同じ車はコンディションに差がありません。どれを選んでも同じなので、失敗しないのです。
一方中古車の場合は、過去のドライバーの走行状態などによってコンディションが大きく変わります。気に入った車種があっても、場合によってはハズレを引き当てて後悔することもあるのです。きちんと状態を確認しなければならず、手間がかかるというのが中古車のデメリットといえます。
中古車の状態をよく確認しないで購入すると失敗する
ここからは、中古車購入時に起こりがちな失敗例について確認しましょう。まず、中古車の状態をきちんと確認しないで購入すると、失敗する可能性が高くなります。
中古車は以前誰かが使っていた車のため、状態は一定ではありません。購入後に走行していて不具合に気付くといったケースも多いのです。購入前にチェックすべきポイントを見ておきましょう。
修復歴のある車は避ける
中古車販売店に行くと、「修復歴有り」と書かれて販売されている車があります。修復歴がある車は事故車というわけではなく、フレーム部位等を交換したり、修復したりしたことがある車ということです。
価格が安いため魅力的に思えるかもしれませんが、基本的に修復歴のある車は避けた方が無難でしょう。特に修復した箇所がフロントやタイヤ付近であれば、走行に大きく影響するので避けるべきです。激安価格につられず、冷静に判断しましょう。
内装と外装を目と耳で確認する
- トランクやドアの状態
- 傷や凹み
- 排気ガスの色
- エンジン音
- タイヤの溝の減り具合
- エアコン
- オーディオ
これらは問題があった場合に修理が必要になりがちですが、購入前に自分でチェックしやすいポイントといえます。なんとなく購入を決めるのではなく、きちんと自分で確認して選びましょう。
試乗してしっくりこない車は避ける
信頼できる中古車販売店であれば、購入前に試乗させてくれます。素人が見た目だけで車のコンディションを判断するのは難しいので、実際に乗ってみてから購入することが重要です。
まず、エンジンがすんなりかからない車には注意してください。エンジンの不具合は重大事故につながることもあるので、ボンネットを開けて異音がしないかも細かくチェックしましょう。次に、排気ガスの色も確認します。黒い煙が出る車は、十分に整備ができていないことが多いです。
あとは、スピードを調節して運転しながら乗り心地を確認しましょう。車軸のズレがないか、ハンドルの遊びがあるかなども、運転しながら確認するべきポイントです。よほどのことがない限り、中古車は試乗してから購入してください。
乗ってみて「なんだかしっくりこないな」と感じた場合は、担当者が強く勧めてきても購入をやめた方が良いでしょう。明確な原因がわからなくても、しっくりこないときは何か不具合が潜んでいる可能性があります。自分の直感を信じることが、自分の身の安全を守ることにつながるかもしれません。
走行距離と内装の劣化具合を比較する
走行距離と内装の状態を比較することも重要です。一般的に走行距離が多くなると、価格は安くなる傾向にあります。そのため走行距離が多い中古車を選んでしまいがちですが、気をつけなくてはいけないのが内装の劣化具合です。
走行距離が多いけれど特に大きな傷が見当たらないと思って選んでも、内装が著しく劣化しているのは問題といえます。走行距離と内装の劣化具合は、照らし合わせて考えましょう。
他人任せの判断で購入を決めると失敗する可能性大
相手が車に詳しくても、好みや妥協点などは人によって異なります。言われるままに判断してしまうと、実際に中古車を購入してから「失敗した」と後悔することも多いのです。
中古車といえども車は高い買い物なので、自分で責任を持って選ぶ必要があります。車に詳しい知り合いや友人に意見を聞いても主導権は渡さず、よい理由と駄目な理由をきちんと自分なりに考えましょう。
また、1つの販売店や1人の担当者だけに頼りすぎるのもよくありません。よさそうだと思う中古車を見つけても、一応別の販売店でほかの中古車を確認してみましょう。1つの販売店だけで選ぶのではなく、複数の販売店を見てみることで、同じような状態の中古車をより安く買える可能性が高まります。
維持費や諸費用が意外と高い
中古車は価格の安さが大きな魅力ですが、維持費や諸費用は意外と高いです。
中古車本体の価格を安くして集客し、諸費用を多くとるといった販売店も存在します。
どんな費用がかかるか事前に確認せず、支払いが高額になって後悔したという失敗談を持つ方も多いため、注意しましょう。
諸費用の内容を確認する
購入するときは車両代金以外にどれほどの費用がかかるか、きちんと把握しておくのがおすすめです。中古車購入時にかかる費用として、以下のものが挙げられます。
- 登録手数料
- 車庫証明申請代行料
- 納車費用
- 印紙代
- 車庫証明申請証紙代
- 車検費用
少しでも疑問に思う費用があれば、必ずその場で質問しましょう。
担当者が何の費用か明確に説明できないものは、不要である可能性が高いです。
中古車選びや購入時の説明で疲れ切っていてすぐにでも終わらせたい気持ちになり、高い金額をそのまま支払ったという失敗例も多くみられます。疑問点を解決してから購入に進みましょう。
オプションは交渉次第で安くなることも
バックモニターなどのオプションは、交渉によっては安くなる可能性もあります。大幅な値下げが期待できなくても、端数くらいはおまけしてくれることも。
オークションサイトでの購入
近年、オークションサイトで中古車を購入するケースが増えています。出品されている車の種類が豊富なので、自分が求めている車を探せる上に、安く購入できるのが魅力です。しかし、オークションサイトで中古車を購入して後悔したという失敗談も多いため、注意しなければなりません。
一般的にオークションサイトでの中古車購入は、リスクが高い割にあまりお得にならないのです。オークションサイトで中古車を購入する際に発生するデメリットを確認しておきましょう。
追加費用が発生する
オークションサイトの魅力として、落札価格の安さが挙げられます。しかし、オークションサイトでは落札価格以外に追加費用が発生するので、結果的に中古車販売店で購入するのとあまり金額が変わらないことも多いです。
オークションサイトで車を購入した場合、陸送を選ぶのが一般的でしょう。陸送の際、車高が一定以上ないと積載車を利用できないので、自走で陸送することとなります。自走になると追加費用がかかるので、注意しなければなりません。
最終的に中古車販売店での購入価格とあまり変わらないのであれば、わざわざオークションサイトで中古車を購入する意味はないでしょう。
実物を見られない、試乗できない
オークションサイトの大きなデメリットは、実物を確認できないことです。中古車販売店であれば、購入前に中古車の状態確認や試乗ができます。しかし、オークションサイトの場合は購入するまで実物を確認できず、重大な欠陥があっても気づけません。
オークションサイトにおいて、中古車の状態を判断できる材料は写真のみです。写真は撮り方によって見え方も大きく異なりますから、傷もなく綺麗な状態だからと中古車を購入しても、実物は傷だらけだったという失敗もあります。中古車販売店で実物を見て購入する方がよかったと、後悔する人も多いです。
個人相手だとトラブルになりやすい
個人間取引の場合はお互いにプロではありませんので、トラブルが発生しやすいです。取引上のトラブルとして、金銭の支払いや車両状態の認識の差などが挙げられます。中古車販売店のように専門家のアフターサービスを受けられないので、購入してから走行中に不具合に気づいても、補償を受けることもできないのです。
また、金銭面でのトラブルは詐欺事件に発展しやすいといえます。中古車といえども車は高い買い物なので、万が一支払いが終わっても実物が届かないとなると、大損害を被るでしょう。高いリスクを取ってまでオークションサイトで車を購入する必要があるかどうか、きちんと考えるべきです。
まとめ
中古車を購入する際は、あらゆる点に気をつけなければ失敗につながってしまいます。
車は高い買い物ですから、なるべく失敗せずに購入したいものです。
価格の安さだけにつられず、車両の状態や追加の諸費用、購入店舗など数々の要素を吟味してから中古車を購入しましょう。