車検に通らないタイヤの特徴は?チェックすべきポイントを確認しよう

自動車の困り事

 タイヤが原因で車検に落ちてしまった、という話を聞いたことはありませんか?これは決して珍しいことではなく、タイヤの状態によっては車検に通らないことが多くあります。それでは、どのようなタイヤが車検に通らないのでしょうか。

また、スムーズに車検に通過するために、タイヤの何をチェックしておけばよいのでしょうか。この記事では、そんなタイヤと車検の知っておきたい情報を解説します。

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なぜタイヤは車検で厳しくチェックされる?


タイヤは車検の際に、厳しくチェックされるパーツの1つです。なぜ、タイヤを厳しく確認する必要があるのでしょうか。

タイヤは安全を左右する重要なアイテム

車検は、車が安全に公道を走行するための性能を備えているかどうかを検査するもの。数ある車のパーツのうち、タイヤは特に安全性を左右する重要アイテムなので、チェックが厳しいのです。

タイヤは車の重みと高速走行に耐えられるよう、厚みが決められています。タイヤがすり減ってしまうと、ゴム部分と溝の境界線が曖昧になってしまうのが特徴で、車の走行性能に悪影響が出てしまいます。

タイヤが摩耗して溝が浅くなってしまうと、ブレーキの性能が低下してしまうのです。溝が浅くなることで駆動力や制動力が不足してしまい、制動距離が伸びます。思った以上に制動距離が長くなり、交通事故につながるケースもあるため注意が必要です。

また、タイヤがすり減って溝が浅くなると、排水効果が落ちます。通常雨の日に道路を運転するときは、タイヤの溝が水を除去してくれることでスリップを防いでくれるのが特徴。溝が浅くなっているタイヤでは上手く排水できず、タイヤと道路の間に水が入り込んでしまいます。その結果タイヤが道路から浮き、スリップしてしまうのです。

ブレーキ性能や排水効果が落ちることで、重大事故につながることも珍しくありません。だからこそ、安全な走行を実現するためにタイヤのチェックは厳密に行われるのです。

タイヤに関する罰則も設けられている

安全な走行を実現するために、タイヤに関する保安基準も存在します。タイヤには、溝がすり減ったことを知らせるスリップサインがあり、スリップサインが出た状態のまま公道を走行すると整備不良となるのです。

整備不良によって、違反点数が2点加算されます。場合によっては罰金が課せられることもあるため、すり減った状態のタイヤで走行するのは避けましょう。

車検に通らないタイヤの特徴


安全性を高めるために、車検でタイヤを厳しくチェックするということがわかりました。それでは、車検に通らないタイヤにはどのような特徴があるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

溝が浅くなっている

先ほど説明したとおり、タイヤの溝が浅くなるとブレーキ性能や排水効果が落ちるため、車検に通りません。タイヤの溝は、新品で約8mmあります。それに対し、スリップサインというタイヤの溝の奥にある盛り上がりは約1.6mmです。

すり減ってスリップサインが出てしまったタイヤでは、公道を走行できません。つまり、スリップサインの高さである1.6mm以上タイヤの溝が残っていなければいけないのです。タイヤの溝の深さが1.6mm以下になってしまうとスリップサインが出るため、車検には通らなくなります。

また、雪道を走るためのスタッドレスタイヤにはスリップサインはありませんが、プラットホームと呼ばれる印があるのが特徴です。スタッドレスタイヤの溝の深さが半分以下になったとき、プラットホームが出ます。プラットホームが出た状態では、凍結した路面や雪道の走行は危険です。そのため半分以上摩耗しているスタッドレスタイヤでは、車検に通りません。

偏摩耗やヒビ、はみ出しがある

車にはタイヤが4つありますが、すべて均一にすり減るわけではありません。運転時の癖や駆動方式によって、減りやすい箇所は変わってきます。場合によっては2倍以上摩耗の差が出てしまうこともあります。

あまりにもタイヤの減りに差がある偏摩耗を起こしている場合、車検に通らないことがあります。車検に通ったとしても、危険な運転をしていないか指摘されることがあるため、注意が必要です。

また、タイヤにヒビがある場合も車検に通らない可能性があります。ヒビがあると絶対に車検に通らないというわけではありませんが、危険性があると指摘される可能性は高いです。タイヤは車の重量を支えているパーツなので、ヒビが大量にあると重さを支えきれなくなります。

また、走行時の回転に耐えられずバーストしてしまい、走行不能となる危険性も。タイヤのバーストはパンク以上に危険なので、ヒビが入っているタイヤのせいで不合格になる可能性もゼロではないといえるでしょう。

さらに、車検ではタイヤのサイズもチェックされます。タイヤのサイズは厳密に決められているものではなく、車体が安定した状態で走れれば問題ありません。そのため多少タイヤのサイズを変更しても、車検に落ちることはないので安心です。

問題なのは、走行に影響を及ぼすレベルのサイズ変更をしている場合です。車検の目的は車が安全に走行できる性能を備えているかどうか確認することですから、走行に支障が出る程度のタイヤサイズ変更があれば、車検には通りません。一般的なサイズよりも明らかに大きい、または小さいタイヤを使用している場合は注意しておきましょう。

車検のためには日頃からメンテナンスをしよう


タイヤが原因で車検に通らないと、再検査を受けることになります。しかし、できれば一発で車検に通りたいもの。そのためには、日頃からこまめにメンテナンスをするのが重要です。タイヤのどこをチェックすれば良いのか、交換の頻度はどれくらいか、ここで確認しておきましょう。

定期的にタイヤのココをチェック

タイヤの溝の深さは、定期的に確認してください。スリップサインが出ていると交通事故を起こしやすくなりますし、車検にも通りません。また、一部だけ異常にすり減っているという偏摩耗を起こしていないかどうかも確認しましょう。必要に応じてタイヤをローテーションすると、摩耗のバランスを保ちやすくなります。

また、タイヤの表面や側面に外傷がないかもチェックしてください。タイヤは道路と直接触れるパーツなので、いつの間にか傷が付いたりひび割れを起こしたりしていることがあります。タイヤのバーストによる重大事故を防ぐためにも、外傷のチェックは怠らないようにしましょう。

そして、月に1度はタイヤの空気圧を確認することをおすすめします。空気圧が低下したまま車を走行させると、燃費が悪化するだけでなく、走行性能の低下や偏摩耗につながるのです。タイヤの空気圧は1カ月で5〜10%低下するため、月に1回チェックして必要であれば空気を入れましょう。

タイヤ交換はどれくらいでするべき?

タイヤがすり減ってスリップサインが出ているときは、速やかに交換する必要があります。しかし、あまり車に乗らない方であれば、数年スリップサインが出ないことも。そのような場合でも、2年ほど経過した段階でタイヤの交換をおすすめします。

タイヤはゴム製なので、時間の経過とともに性能が落ちる経年劣化をするのが特徴です。そのためあまり走っていない車でも、2年経過したら交換しておくと安心といえるでしょう。

タイヤの交換は、自力でも行えます。しかし、タイヤチェンジャーやタイヤバーといった器具や工具、交換のための知識が必要です。自力でできるかどうか不安な場合は、ディーラーやカー用品店などでプロに任せると良いでしょう。

車検に通らないタイヤについてよくあるご質問

車検に通らないタイヤの特徴とは?に関して、よくいただくご質問にお答えします!

Q.タイヤが車検で厳しくチェックされるのは何故?

A.タイヤが車検の時に厳しくチェックされるのは、タイヤは車の運転中の安全において左右する重要なアイテムだからです。タイヤが正常な状態ではない場合、安全性が下がります。もしもタイヤが原因で事故を発生してしまったら他の車にも危険が伴うこともあります。そのため、保安基準に達していないタイヤで運行した場合、整備不良の違反となり罰則が設けられているのです。

Q.どのくらいすり減ったタイヤは車検に通らないの?

A.車検の際、タイヤの検査項目の一つにスリップサインが出ているかどうか、またはタイヤの溝の深さが1.6mm以上残っているかについて目視確認が行われ、その後実測査定が行われます。タイヤは使用する度にすり減っていき、約1.6mmまですり減ると、溝に対して直角に盛り上がっているスリップサインが現れます。スリップサインが出ている、または溝が1.6mm未満の場合は車検に通らないため、タイヤの交換が必要です。

Q.タイヤの状態が良くないが車検はどうなる?

A.タイヤはゴム製ですので、使用状況だけでなく使用年数による劣化ももちろんあります。そのため、乾燥した状態になりヒビが入っているタイヤの場合、危険性があると判断されると車検に通らないこともあります。あまり乗っていない車のためタイヤの溝の深さは残っていても、タイヤの劣化が原因でヒビが多く入っていて、走行中に回転の摩擦に耐えられずバーストしてしまうこともあります。バーストすると走行不能になるためパンク以上に危険です。

Q.タイヤのメンテナンスはどこチェックするべき?

A.タイヤの定期的なメンテナンスをするなら、チェックするべきところはまず「溝の深さ」「スリップサインが出ているかどうか」です。また、4本のタイヤの内、偏って一部だけ摩耗が早い「偏摩耗」を起こしていることもあります。1本だけを見るのではなく、すべてのタイヤを確認しましょう。溝の確認の際に、ひび割れや傷を見ることも大切です。また、タイヤの空気圧も確認しておくと、タイヤの偏摩耗の対策になります。ガソリンスタンドなどで空気圧を見てもらうことができますので、出来れば月に一度は確認をすることをおすすめします。

まとめ

タイヤは車の安全面に深く関わっているため、車検で厳しくチェックされます。すり減っているタイヤやヒビのあるタイヤは、車検に通らない可能性もあるため事前に交換しておくのがおすすめです。日頃から定期的にタイヤをチェックして、スムーズな車検通過を目指しましょう。

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