車の廃バッテリーを処分する方法って?

トラブル・修理

車を安全に走らせるためには定期的な部品交換が必要です。車のエンジンを起動する上でかかせない「バッテリー」もその部品の1つです。

けれども特にトラブルが無ければ、自ら触れる機会が少ない部品でもあります。交換作業を終えた時、使用済みの車のバッテリーはどのように処分すればいいのかご存知でしょうか。

こちらでは、廃バッテリーの処分方法について詳しくご紹介します。

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車のバッテリーを処分する前に知っておきたいこと

実際に車のバッテリーの処分方法をご紹介する前に、より処分方法が分かりやすくなる情報を2つご紹介します。

バッテリーを処分するタイミング

化学反応を繰り返しているうちに、バッテリーは寿命を迎えます。品種にもよりますが、車の場合は2~3年が目安です。

バッテリーの性能が落ちるとエンジンがかかりづらかったり、走行中にライトが暗くなったり、パワーウインドウの動作が遅くなったりするなどの症状が出ます。こうなった場合は、通常は充電する事でバッテリーを元に戻すのですが、もし充電しても回復しない場合は交換・処分が必要なサインとなっています。

他にも、テスターの結果でも判断できます。一般的な12Vのバッテリーでは13V以上あれば問題ありませんが、12.5Vを下回ると寿命が近く12V以下で交換です。

過放電にも注意

バッテリーは頻繁に放電と充電を繰り返すと寿命が短くなりますが、もう1つ「過放電」も大きな要因です。

過放電とは「バッテリー上がり」のことで、エンジン停止後にうっかりライトをつけっ放しにしたり、ACCの状態でカーオーディオを聞き続けたりすると起こります。

つまり完全に放電されてしまった状態です。バッテリーは使わないときも自然放電するので、長期間使用しなかった車も過放電を起こす可能性があります。目安は1~3ヶ月で、冬場に車に乗らないというドライバーに起こりがちです。

過放電したバッテリーはディーラーやカーショップなどで充電したり、正常な車のバッテリーと「ブースターケーブル」でつないでエンジンを始動させたりすると元に戻ります。

ただし一度でも過放電すると、バッテリーの寿命が縮まって再び過放電を起こしやすくなります。そのときは交換や処分を検討したほうが良さそうです。

自治体では回収してくれない?

車のバッテリーは多くの自治体で特殊ゴミになるため、テレビや冷蔵庫などと同じく回収を依頼しても断られてしまいます。交換方法にもよりますが、後述するとおりに処分しなければいけません。

不法投棄すると「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第16条に抵触し、5年以下の懲役か1千万円の罰金が課せられます。

適切に処分されたバッテリーは、鉛などの金属類と、繊維や合成樹脂類に分けられて再利用されています。

買い替えた時の廃バッテリーの処分なら

車のバッテリーを自分で交換するのが不安な場合は、ディーラーやカーショップ、ガソリンスタンドに依頼すると代わりにやってくれます。工賃は業者によって異なりますが、500~1,500円くらいです。

業者にバッテリー交換を依頼することのメリット

これらの業者は新品のバッテリーを販売しているので、購入すれば交換と同時に古いバッテリーを処分してくれます。

料金は無料である場合がほとんどですが、一部500円くらい徴収するところもあります。また、他店で購入したものを取り付けると処分代も有料です。

工賃がかかるのはネックですが、交換と処分を同時にできるのはメリットです。またプロの目線から、車に合った従来より性能の良いバッテリーを勧めてくれます。

自分でバッテリー交換した時の廃バッテリーの処分なら

車のバッテリーはご自身で交換することもできます。必要なのは新しいバッテリーだけで、ご自身で行うなら工賃は不要です。休みなど都合の良い日に自宅で作業できるでしょう。

車のバッテリーの交換方法は

まず車はエンジンを切ってから30分以上放置します。これは、バッテリー内のガスを抜くためです。

次に車のキーを外してボンネットを開け、バッテリーから先にマイナス端子を外し、次にプラス端子を外します。そしてバッテリーを固定する金具を外し、電解液がこぼれないよう水平に持ち上げましょう。

古いバッテリーを取り外した跡の汚れを取り除いたら、先ほどとは逆の手順で新しいバッテリーを取り付けます。端子を付けるのもプラスが先でマイナスが後です。

1つ気をつけたい点として、マイナスの端子は車のボディに直結しています。プラスの端子を外したり締めたりしている最中に工具がうっかりマイナス端子に触れると、バッテリーが爆発したり、車のコンピューター周りが壊れるかもしれません。工具の扱いには細心の注意を払いましょう。

自力交換での廃バッテリー処分

自力で交換した廃バッテリーを処分するときは、新しいバッテリーを購入した店舗に持ち込むのが一般的です。無料で処分してくれるところもあれば、買い替えと同じく500円ほど徴収される場合もあります。

ネット通販でも一部では廃バッテリーの回収が可能です。バッテリー交換後に連絡すると回収業者が訪問してくれるところもあれば、宅配便で送るよう指示するところもあります。

ただし、自力で車のバッテリーを交換するのは手間や工賃がかからない反面、失敗するリスクが高いのがデメリットです。万が一、電解液がかかってしまうと主成分は希硫酸ですから服や皮膚がただれたり、失明したりする恐れがあります。

また、間違ったバッテリーを接続すると爆発の危険性もあるほどです。もちろん、従来と同じ種類のバッテリーを購入すれば、そのような間違いは防げますが、それでもリスクは0ではありません。

無料か有料かの違いはありますが、業者で買い替えるのと同じく廃棄の手間を省けるのはメリットになります。

廃バッテリー処分を回収業者に頼む

車の廃バッテリーは回収業者に頼んで処分することもできます。最近ではフランチャイズで全国展開している業者もあるほどです。

業者回収のコスパ

回収したバッテリーは単に廃棄するだけでなくリサイクルできますし、鉛はkgあたり200円台後半の値がつきます(2020年12月現在)。

そのため廃バッテリーに買値が付く場合もあり、付かなくても無料で引き取ってくれます。

さらに他の方法では、新品のバッテリー1台につき廃バッテリー1台を交換するのが原則で、数台もあると有料になったり処分自体を断られたりするのが一般的です。

その点、回収業者であれば数量を問わず回収してくれます。

業者回収の活用方法

また業者によっては他の廃品も同時に回収してくれるので、大掃除の後などまとめて処分したいときに便利です。

流れとしては電話やFAXなどで依頼すると業者が自宅まで訪問し、その場で計量した後に見積もりを出して、合意に至ればすぐに現金で支払ってくれます。

あとは伝票にサインするだけです。業者によっては即日対応してくれるところもあります。

バッテリーは1つあたり8㎏前後ありますから、持ち運んだり積み下ろしたりするのは容易ではありません。回収業者なら自宅まで来てくれるので便利です。その上、買取額が付く場合もあるのですから、他の方法よりもメリットが多いように思えるでしょう。

業者選定は慎重に

ただし回収業者の中には悪質なところもあります。例えば無料で引き取るといって、回収が終わってから理由をつけて料金を請求するなどです。さらに回収した廃バッテリーを不法投棄されると、「排出者責任」といって依頼主にも罰則が適用される恐れがあります。

なお、個人から家庭の廃品を回収し、さらに買取するのであれば2つの許可が必要です。

1つは回収するための「一般廃棄物処理業許可」で、これは市区町村が許可します。もう1つは廃品を買取するための「古物商許可」で、都道府県の公安委員会が許可します。

なので、公式サイトなどを持っていない業者に依頼される場合は、こういった許可証を持っているかの確認をされると安心できるでしょう。

バッテリーを処分する際に注意する点

車のバッテリーを処分する際は、取り扱いに注意しなければいけません。ここまで何度も触れたとおり、車のバッテリーは鉛と希硫酸の化学反応で電力を発生させます。

車のバッテリーに使われる希硫酸は通常の硫酸に比べると濃度は薄いですが、それでも30%以上あります。交換はもちろん、廃棄の際も中身がこぼれないよう慎重に取り扱いましょう。

火気厳禁

また鉛と希硫酸の化学反応はエンジンがかかっていなくても、車から取り外していても常に起こり続けており、そのたびに微量の水素ガスが発生しています。いかなる場合も火気は厳禁です。

特に屋外に放置される場合、自分では火気に注意してても、タバコのポイ捨てなどで火災に発展する可能性もあるので、一時的に置く時であっても注意は必要です。

絶縁テープで金属との接触を遮断

廃バッテリーは車を動かすだけの力はなくなっても、引き続き電池としての能力は持っています。

そのため電気を通す金属製品などがプラスやマイナス端子に接触すると、ショートしたり発火したりする恐れがあります。廃バッテリーの端子には必ず絶縁テープを巻いておきましょう。

解体は厳禁

廃バッテリーは重さがありますし、処分方法によっては費用がかかります。だからといって自分で解体するのはおすすめしません。

希硫酸によるヤケドや失明、ショートによる爆発の危険性があります。例え無事に解体できても鉛は有害ゴミですから、自治体では回収してくれませんので、専門の業者に頼むなどしましょう。

車のバッテリーの処分方法についてよくあるご質問

車の廃バッテリーの処分方法について、よくいただくご質問にお答えします!

Q.車のバッテリーを処分するタイミングはいつ?

A.車のバッテリーを処分するタイミングは、バッテリーの交換時期です。ただし、車の使用の仕方によってバッテリーの寿命は異なるため、寿命自体は2~3年と言われているものの、その前後になったという方も多いでしょう。特に、バッテリー上がりを起こしてしまったら劣化が速まり交換をする回数も多くなります。そして、交換をして手元に残った古いバッテリーは適切に処分しなくてはいけません。

Q.買い替えるときに廃バッテリーは処分できる?

A.バッテリーの交換時期となり、販売店で新しいバッテリーを購入した時に交換も合わせて依頼した場合は、依頼先の販売店側が旧バッテリーを回収してくれることがほとんどです。工賃はかかるものの回収費用はかからないところが多く、無料または廃バッテリー処分費用として500円程度かかることがあります。

Q.ご自身で交換した廃バッテリーの処分はどうする?

A.交換用の新しいバッテリーを通販やカー用品店で購入し、交換が終わった後の廃バッテリーの処分は、廃バッテリー回収業者に依頼することも可能です。回収したバッテリーの活用方法は、まず一旦分別したのち再利用出来る部材づつに分けてリサイクルをしています。

Q.車のバッテリーを処分する際に注意するポイントは?

A.まず、車のバッテリーは火気厳禁です。水素ガスが発生しているためタバコのポイ捨てなどに引火して火災が起こってしまった事例もあります。また、バッテリー自体には電池としての側面が大きいため、ショートしたり発火する恐れもあります。絶縁テープで他の部材への接触を遮断しましょう。また、使われている希硫酸も濃度は薄いものの劇薬の一つです。中身がこぼれないように慎重に交換作業する必要があります。

まとめ

車のバッテリーは2~3年ほどで寿命を迎え、そのたびに交換が必要です。廃バッテリーは交換を依頼した業者や、新品を購入したショップなどで回収してくれます。また、買値が付く回収業者もあるほどです。不法投棄にならないよう正しい方法で処分しましょう。

なお、車自体の処分も同時に行う場合は、カーネクストにお申し込みいただければバッテリーの処分はもちろん、車の買取自体も行いますので、その点はご安心ください。

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