自動車に関する税金のなかで、新規車検時や継続車検時に納める税金が、自動車重量税です。自動車重量税とはどんな税金で、誰に納付義務があり、いつ頃、いくらくらいの税額を納めるのか、ご存知でしょうか。こちらでは、自動車重量税について詳しく解説します。
また、2022年12月16日の与党税制改正大綱で、自動車重量税の税額を軽減するエコカー減税制度の期限延長も決定しています。対象車両の自動車重量税が軽減になるエコカー減税制度についても、合わせてご紹介します。
自動車重量税とはどんな税金?
自動車重量税は、道路や社会資本の充実を目的に、1971年「自動車重量税法」に基づいて創設された車の税です。
自動車重量税法により定められている課税対象車は、検査自動車と届出軽自動車になります。検査対象となるのは、新規検査・継続検査・臨時検査・分解整備検査となります。
本来自動車重量税は1年ずつ課税されるため、レンタカーや貨物自動車、事業用自動車のように毎年車検がある車は、その都度税金を納めなければいけません。しかし、自家用普通乗用車や軽自動車の新規車検が3年、以降継続車検は2年ごとというのが一般的ですので、車検時の自動車重量税もまとめて一度に3年分、または2年分を納めることになります。
例えば、公道を走行する予定のない展示やコレクション目的の車であれば、車検を受けず一時抹消登録状態で車を保有している間は、自動車重量税の納税義務は発生しません。
出来ませんので、もしも運転すると道路運送車両法違反になります。自動車重量税と自動車税(軽自動車税)は異なり、自動車税については車検の有無を問わず、自動車を保有してナンバープレートが付いている限り、納税しなければいけません。
自家用自動車の重量税の納税義務者は、当該自動車の車検証交付を受ける人です。納税時は、相当額の自動車重量税印紙を購入し、自動車重量税納付書に貼付て納付しましょう。
自動車重量税の計算方法は
自動車重量税の税額は、課税対象の車の新車新規登録からの経過年数や自動車の重さ(重量)により決まります。自動車の登録からの経過年数と自動車の重量は、車検証記載の情報から確認することができます。
自動車の経過年数は、車検証の「初度登録年月」または「初度検査年月」の項目から現在までを数えると、何年経過しているかわかります。
問題は重さです。車検証には「車両重量」と「車両総重量」の2種類が記載されています。「車両重量」とは車本体の重さで、運転するために必要なガソリンやオイルなども含まれます。「車両総重量」はその車両重量に、乗車定員分の重さを加えたものです。1人あたり55㎏で計算するため、5人乗りの車であれば車両重量と5人分を想定した重量(275㎏)を加算した数字となっています。自家用の普通乗用車や軽自動車の重量税で適用されるのは前述の「車両重量」となります。
重量税のグリーン化特例措置対象車かどうかについては車検証下部の特記事項に記載されていますので、重量税の特例措置の有無は車検証(自動車検査証)を見れば分かります。
自動車重量税額照会サービスで税額検索が可能
国土交通省の次回自動車重量税照会サービスでは、インターネット上で自動車重量税計算サービスを公開します。次回車検ということで、新規車検時ではなく継続検査等(中古車新規登録検査・構造等変更検査含む)の際に納める、自動車重量税の税額が照会できるサービスになります。利用可能時間は朝9時から夜21時までです。
照会時に必要な事項は車台番号と検査予定日です。
- 次回自動車重量税額照会サービス(普通自動車)
- 次回自動車重量税額照会サービス(軽自動車)
自動車重量税の税額一覧
前述のとおり、自動車重量税は車の経過年数と重量によって税額が決まります。
もともと自動車重量税は重量のみで税額が決められていましたが、平成13年に創設されたグリーン化特例税率制度施行により、初度登録年数から13年を超過した車の自動車重量税は、重課でもとの税額に概ね15%の増税がされることとなりました。このため、重さだけでなく経過年数次第で税額が異なるようになったのです。
エコカー減税制度で自動車重量税が免税または軽減
2009年には環境性能の高い燃費基準を達成している車に対し、エコカー減税制度が施行されました。エコカー減税制度の対象となる車の自動車重量税は、免税又は軽減対象となったため税額が細分化されることになりました。
エコカー減税は、2009年に国交省が景気対策の一環として行った制度で、正式名称を「環境性能に優れた自動車に対する自動車重量税・自動車取得税の特例措置」といい、対象車両の自動車重量税と自動車取得税(現在の自動車環境性能割)が免税または軽減されるというものです。
対象となる車は環境性能に優れた自動車で、制度施行当初は「電気自動車・天然ガス自動車・ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車・クリーンディーゼル車・低燃費低排出ガス認定車」となっていましたが、2019年の税制改正時に一部対象が変更となり、クリーンディーゼル車とハイブリッド車は低燃費低排出ガス認定車に限り免税または軽減となりました。
2022年12月時点のエコカー減税対象車一覧(新車新規登録時)
対象 | 措置の内容 | |||
---|---|---|---|---|
電気自動車 燃料電池自動車 天然ガス自動車(平成30年排出ガス規制適合) プラグインハイブリッド車 | 免税 | |||
クリーンディーゼル自動車 | 免税※1※2 | |||
ガソリン車 LPG車 ハイブリッド車 | 令和12年度燃費基準※3 | |||
60~70% | 75~85% | 90% | 達成 | |
25%軽減 | 50%軽減 | 50%軽減 | 免税※2 |
※1 令和4年5月1日以降に新車新規登録されたクリーンディーゼル車については、令和2年度燃費基準達成の車両に限り免税。
※2 新車新規登録時に免税を受けた令和12年度燃費基準120%以上を達成している車両については、初回継続検査時等も免税。車検証の有効期間が満了する日から起算して15日を経過する日までに車検証の交付等を受けた場合に限り適用。
※3 減免対象は令和2年度燃費基準達成の車両に限る
2022年12月16日の令和5年度与党税制改正大綱が取りまとめられ、エコカー減税制度の期限が3年延長されることが決定しました。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け半導体不足等の状況を踏まえての期限延長ということで、税率区分の変更は令和5年12月まで維持となり、エコカー減税制度の期限は令和6年3月31日まで延長となっています。
自動車重量税の税額一覧表
自動車重量税の納税額は、軽自動車の場合は車の重さに関係なく一定ですが、自家用乗用車は0.5トン(500キロ)ごとの段階制となっています。自動車重量税の税額を、車検期間ごとに一覧表にしたものが下記です。
3年自家用の新規登録車検取得時の自動車重量税の税額一覧がこちらです。
重量 | 新車新規登録時(3年自家用) | |||
エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | ||
50%軽減 | 25%軽減 | 軽減なし | ||
~0.5t | 免税 | 3,700 | 5,600 | 12,300 |
~1t | 7,500 | 11,200 | 24,600 | |
~1.5t | 11,200 | 16,800 | 36,900 | |
~2t | 15,000 | 22,500 | 49,200 | |
~2.5t | 18,700 | 28,100 | 61,500 | |
~3t | 22,500 | 33,700 | 73,800 |
新車新規登録時(3年自家用) | |||||
エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | |||
75%軽減 | 50%軽減 | 25%軽減 | 軽減なし | ||
軽自動車 | 免税 | 1,800 | 3,700 | 5,600 | 9,900 |
2年自家用新規登録車検取得時の自動車重量税の税額一覧がこちらです。
重量 | 新車新規登録時(2年自家用) | |||
エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | ||
50%軽減 | 25%軽減 | 軽減なし | ||
~0.5t | 免税 | 2,500 | 3,700 | 8,200 |
~1t | 5,000 | 7,500 | 16,400 | |
~1.5t | 7,500 | 11,200 | 24,600 | |
~2t | 10,000 | 15,000 | 32,800 | |
~2.5t | 12,500 | 18,700 | 41,000 | |
~3t | 15,000 | 22,500 | 49,200 |
新車新規登録時(2年自家用) | |||||
エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | |||
75%軽減 | 50%軽減 | 25%軽減 | 軽減なし | ||
軽自動車 | 免税 | 1,200 | 2,500 | 3,700 | 6,600 |
(2021年5月1日時点/単位:円)
自動車重量税を納めるタイミング
自動車重量税を納付するタイミングは、新規登録車検を受ける時と継続車検を受ける時です。
車検を受けるにあたっては、自動車重量税を必ず納付しなくてはいけません。
自動車重量税の納付方法
新規登録車検または継続車検を受ける時の自動車重量税の納付方法をご紹介します。
まずは運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口で、自動車重量税納付書を取得します。納付書にはボールペンで、提出年月日、自動車登録番号(又は車台番号)、使用者の氏名と住所、車検証の有効期間、自家用や事業用か等の自動車区分を記入します。自動車重量税納付書の下部に重量税印紙貼り付け欄がありますので、窓口で重量税額相当分の重量税印紙を購入し、貼り付けます。
重量税額の確認は上記でご紹介した自動車重量税額照会サービスから確認が可能です。
ユーザーが直接ご自身で車検を受検しにいくのではなく、ディーラーや車検専門店等に車検を依頼した場合は、依頼先に支払う車検費用見積のなかに自動車重量税も法定費用として含まれて請求されますので、ご自身で納めに行く必要はありません。
どの車検方法でも必要になる法定費用
自動車重量税は、車検を受けるには必ず納める必要のある税金です。
車検を受けるには「法定費用」と「車検基本料金」、その他の整備や修理の代金がかかります。法定費用は、車検をどこで受けるにしても発生する費用です。法定費用の内訳は、自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料で、同じ車であれば金額はどこでも同じです。車検基本料金は、お店ごとに費用が決められているため、サービス内容や車検代行手数料などのお店ごとに決める金額によって差が出てきます。
自動車重量税は廃車すると還付がある
保有している車を廃車にすると、車検の残存期間に応じて自動車重量税が還付されます。
廃車をすると自動的に還付を受け取れるわけではなく、永久抹消手続きを完了し還付申請手続きを運輸支局で行うと、指定した銀行口座まで還付金額が振り込まれる仕組みとなっています。自動車重量税の還付金額の計算は、車検の残存期間の月数分を月割り計算後に還付されますので、残存期間が1カ月を切っている場合は、還付は発生しません。
自動車重量税の還付を受け取る流れ
自動車重量税の還付を受け取るには、まず自動車リサイクル法に基づいた車両本体の解体を行います。解体処理を行った後、運輸支局で永久抹消登録手続きを行います。永久抹消登録申請書(OCR第3号様式の3)の書面上に、自動車重量税還付申請も同時に記入ができるようになっています。
永久抹消登録申請書・自動車重量税還付申請書には、廃車手続きをする車の情報の他、重量税還付の指定振込先である口座情報の記入や、個人番号または法人番号の記入も必要になります。運輸支局で書類を取得してから記入しますので、必要事項を記入できるように準備してから行くようにします。
重量税の還付申請は引取業者から解体終了の報告を受けてから15日以内に行う必要があります。還付の申請が完了すると、運輸支局は申請書を所轄の税務署に送ります。税務署で還付の適正を判断できたら手続きを行い、申請者の指定口座に還付金を振り込みます。税務署内での作業には2ヶ月半かかるため、運輸支局内での作業も含めると申請から振込までは3ヶ月ほどかかるのが目安です。
こうした廃車に伴う還付は自動車税や自賠責保険料も対象になり、自動車重量税と違って一時抹消でも還付されます。ただし自賠責保険料は保険会社への解約手続きの申請が必要です。
まとめ
自動車重量税について詳しく解説しました。
自動車重量税は、新車新規登録だけでなく車検のたびに納税義務が生じる税金であり、車の重さや経過年数によって税額が変わります。
また、期限延長されたエコカー減税制度(税額軽減の特例措置)もあり、自動車重量税は車によっては抑えられる税金です。環境性能に優れたエコカーで、コンパクトカーなどの重量が軽い車種であれば、自動車重量税は抑えられるので車検時の車検費用節約にもつながるでしょう。
また、不要になった車は永久抹消登録(廃車手続き)をすると、車検の残存期間に応じて自動車重量税の還付があります。
今の車を処分して、新車への買い替えを検討の場合は、今の車を高く売る事でトータルコストを抑える事が可能となります。そこで必要になるのは車の売り先を海外販路持ちの業者にする事です。近年の傾向として日本で出た中古車は国内ではなく海外で売った方が高値になる事が多く、それに伴い輸出販路のある業者での買取額が上昇傾向にあるのです。なので、もし車を売る場合は、海外販路持ちのカーネクストをご利用いただき、少しでも高値で売っていただければと思います。