複数台の社用車を使用する企業では、車検・保険の期限や点検履歴、走行距離などの管理が必要です。書類を車両ごとに保管するだけでは、期限の見落としや担当者変更時の引き継ぎ漏れが起こりかねません。
この記事では、車両管理の目的と管理項目、車両管理台帳の作り方、効率的な管理方法を解説します。
- 車両管理は社用車を安全・適切に使用するために行う: 車検・保険の期限や点検履歴、使用状況などを把握する。
- 車両管理では5つの情報を把握する: 基本情報、車検・保険、点検・修理、使用状況、維持費を管理する。
- 車両管理台帳は4つの手順で作成できる: 対象車両の洗い出し、管理項目の設定、情報入力、更新ルールの設定を行う。
- 管理方法は保有台数に応じて選ぶ: Excel・スプレッドシートや専用システムを利用する。
車両管理とは
車両管理とは、企業が保有・使用する車両の情報、点検・整備履歴、利用状況、維持費などを継続して把握することです。 営業車・配送車・送迎車などの自社所有車両に加え、リース車両も管理対象に含めます。
情報を記録するだけでなく、安全な使用や期限切れの防止、維持費の見直しに活用することが重要です。
企業が車両管理を行う目的
主な目的は、安全の確保、各種期限の管理、コストの把握、車両の入れ替え判断の4つです。
安全に車両を使用するため
点検日や修理履歴を車両ごとに残すと、整備が必要な車両や不具合が続いている車両を把握しやすくなります。
自動車の使用者には点検・整備の義務があります。一般的な自家用乗用車では1年ごと・2年ごとの定期点検があり、貨物車などでは周期が異なります。日常点検も用途・使用状況に応じて行います(出典:国土交通省「点検整備の種類」)。
また、原則として乗車定員11人以上の車を1台以上、またはその他の車を5台以上使用する事業所では、安全運転管理者の選任が必要です。自動車運送事業者の営業所など、対象外となる場合もあります(出典:警察庁「安全運転管理者制度の概要」)。
車検や保険などの期限を管理するため
車検・保険の満了日は車両ごとに異なります。台帳にまとめておけば、更新時期の近い車両を確認し、予約や契約更新を早めに手配できます。
- 車検の有効期間満了日
- 自賠責保険・任意保険の満了日
- 定期点検の予定日
- リース契約の満了日(対象車両のみ)
電子車検証の券面には車検の有効期間満了日が記載されないため、車検証閲覧アプリなどで確認します(出典:国土交通省「電子車検証について」)。
車両にかかるコストを把握するため
燃料費、保険料、車検費用、点検・修理費、リース料などを車両別に記録すると、維持費の増減を比較できます。例えば修理費が増えている営業車は、今後の修理見込みや使用頻度を確認し、継続使用が妥当か検討できます。
ただし、維持費だけで入れ替えを決めず、代替車両の取得費用や業務への影響も踏まえて判断しましょう。
車両の入れ替え時期を判断するため
走行距離・修理履歴・利用頻度を継続して記録すれば、更新候補や使われていない車両を把握できます。入れ替えの具体的な判断例は、後半の「車両管理では車両の入れ替え時期も把握しておく」で紹介します。
車両管理で把握しておきたい項目
管理項目は、次の5分類に整理すると分かりやすくなります。
| 分類 | 主な管理項目 | 管理する目的 |
|---|---|---|
| 車両の基本情報 | 車種、登録番号、車台番号、初度登録年月、所有者、使用拠点 | 車両を特定する |
| 車検・保険 | 車検満了日、自賠責・任意保険満了日、保険会社 | 更新漏れを防ぐ |
| 点検・修理 | 点検日、次回予定日、修理内容・履歴 | 整備状況を把握する |
| 使用状況 | 使用者、走行距離、使用頻度、用途 | 稼働状況を把握する |
| 維持費 | 燃料費、保険料、車検・修理費、リース料 | 車両別の費用を把握する |
まずは基本情報と期限を登録し、必要に応じて点検履歴や維持費を追加しましょう。同じ車種を区別できるよう、登録番号や社内管理番号で情報を紐づけます。
車両管理台帳とは
車両管理台帳とは、企業が使用する車両の情報を一覧化した社内管理用の台帳です。 車検・保険の期限や使用拠点をすぐに確認でき、担当者変更時の引き継ぎにも役立ちます。
なお、車両管理台帳と法令上の点検整備記録簿は別のものです。社内台帳を作っただけでは、必要な点検整備記録簿の作成・保存に代えられません(出典:国土交通省「点検整備の種類」)。
車両管理台帳に記載する項目
最初は車両の識別情報と期限を中心に、1台につき1行でまとめると管理しやすくなります。
【車両管理台帳の記載例】
| 管理番号 | 車種 | 登録番号 | 使用拠点 | 使用者 | 車検満了日 | 任意保険満了日 | 走行距離 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 001 | トヨタ プロボックス | 品川500あ1234 | 東京営業所 | 営業部A | 2027/3/15 | 2027/4/30 | 82,000km |
| 002 | トヨタ ハイエース | 横浜400い5678 | 横浜営業所 | 配送部B | 2027/6/20 | 2027/5/31 | 145,000km |
| 003 | ホンダ N-VAN | 大阪480う9012 | 大阪営業所 | 営業部C | 2027/2/10 | 2027/3/31 | 46,000km |
※架空の車両情報を使った記載例です。
必要に応じて、車台番号、初度登録年月、自賠責保険満了日、次回点検予定日、リース満了日、入れ替え検討状況なども追加します。修理履歴や維持費は、別表に日付・内容・金額を記録してもよいでしょう。
電子車検証の所有者情報や有効期間満了日などは、車検証閲覧アプリで確認できます(出典:国土交通省「車検証閲覧アプリについて」)。
車両管理台帳の作り方
ExcelやGoogleスプレッドシートを使う場合、作成手順は次の4つです。
- 管理車両を洗い出す: 自社所有車両やリース車両を一覧にする。
- 管理項目を設定する: 登録番号、車検満了日、使用者などを列に設定する。
- 車両情報を入力する: 車検証や保険証券を確認し、1台につき1行で記録する。
- 更新ルールを決める: 更新担当者と確認頻度を決める。
車両管理台帳を更新するタイミング
車両情報に変更があれば、その都度台帳を更新します。
| 更新するタイミング | 主な更新内容 |
|---|---|
| 購入・リース開始 | 車両情報、所有者、使用者、拠点 |
| 車検・保険の更新 | 新しい満了日、費用・契約内容 |
| 点検・修理の実施 | 実施日、内容、費用 |
| 使用者・拠点の変更 | 新しい使用者・拠点 |
| 定期的な走行距離確認 | 最新の走行距離 |
| 売却・リース返却 | 売却日・返却日、管理状況 |
変更時の更新に加え、毎月1回、今後数か月以内に期限を迎える車両を確認するなど、定期点検のルールを設けると運用しやすくなります。
車両管理を行う方法
Excel・スプレッドシートと専用システムには、それぞれメリットと注意点があります。
Excelやスプレッドシートで管理する
既存のツールで始められ、拠点別の絞り込みや車検満了日順の並べ替えができます。条件付き書式を使えば、期限が近い車両を目立たせることも可能です。
一方、情報更新は基本的に手作業です。ファイルが分散すると最新版が分かりにくくなるため、管理場所・更新担当者・編集権限を決めておきましょう。
車両管理システムを利用する
専用システムには、車両情報の一元管理、車検・保険の期限通知、点検履歴の記録、維持費集計などに対応する製品があります。台数や拠点が多い場合、確認・共有作業の負担を減らせる可能性があります。
ただし、導入費用やデータ移行の手間がかかる場合があります。自社で必要な機能を整理し、更新作業を誰が行うかも含めて検討しましょう。
車両管理では車両の入れ替え時期も把握しておく
管理台帳に記録した修理履歴や使用状況は、継続使用・配置転換・売却を判断する材料になります。例えば、営業車を複数台保有する企業では次のように確認できます。
| 車両の状況 | 確認すること | 検討する対応 |
|---|---|---|
| 前回車検で修理費が増加し、次回車検が近い | 今後の修理見積もり、車両の状態 | 継続使用・入れ替え |
| 長距離移動で日常的に使用 | 点検・整備履歴、今後の使用予定 | 点検計画の見直し・継続使用 |
| 部署縮小でほとんど使われていない | 他部署・他拠点での需要 | 配置転換・売却 |
| リース契約の満了が近い | 返却条件、今後の使用予定 | 更新・返却 |
修理費が増えた車でも、修理して使い続ける方が合理的な場合があります。一方、状態が良くても利用予定のない車は、他拠点への配置転換や売却を検討できます。車両の状態だけでなく、保有する必要性まで確認することが重要です。
不要な車両を売却する場合、車種・走行距離・車検満了日・使用拠点を台帳からまとめておくと、査定依頼を進めやすくなります。
カーネクストPROでは、営業車・配送車・送迎車などの法人車両について、複数台まとめての査定相談に対応しています。電話・オンラインで査定から契約まで進められるため、車両ごとに買取先を探す負担を軽減できます。複数拠点の車両についても相談できるため、保有車両の見直しに伴う売却先として検討できます。
法人車両の売却を検討している場合は、カーネクストPROをご確認ください。

まとめ|車両管理で保有車両の状態を把握しよう
車両管理では、基本情報、車検・保険、点検・修理、使用状況、維持費を継続して把握することが大切です。車両管理台帳を作成し、変更時や定期確認の際に更新することで、期限漏れの防止や情報共有に役立ちます。
管理情報は、継続使用する車両と入れ替え・売却を検討する車両の整理にも活用できます。まずは必要な項目から管理を始めましょう。


