長く車に乗っていると、エンジンが故障してしまうという場面に出くわすことも当然あるものです。昔ならば、同型のエンジンを探してきて、換装することでさらに車を使い続けるという選択肢もありました。
しかし、最近の車は内燃機関であると同時に、電子機器として多くの電装品やパーツを搭載しています。
そして、エンジンだけ交換すればすぐに、元に戻るというほど単純な機械ではなくなりつつあります。とくにハイブリッド車が国内に登場してから、すでに20年近い歳月が経過しています。簡単にエンジンと言っても単純な装置ではなくなってきています。
載せ替えというのは、車によっては至難の業になるケースも出てきているのです。
そんな中でエンジンが故障してしまったらどのような選択肢があるのかについて今回はまとめてみることにしました。
エンジンが故障したらエンジンを載せ替えるか、車を買い換えるか
まず、エンジンが故障したことから載せ替えを考えると言っても、車種とそのエンジンによって費用は非常に高くつくことを認識しておかなくてはなりません。
多大な費用が掛かることを覚悟しなくてはならない
エンジンの換装費用は新品をアッセンブリー(まとまって組み上げられている部品)で購入、交換した場合は最低でも50万円以上するケースはざらです。
中古車であれば、エンジンだけ購入するのではなく、同程度の車を探して乗り換えたほうがよほど安くつくのが現状になっています。
また整備工場などもこうした大掛かりな修理交換作業になると、部品代もさることながら工賃が非常に高くつくことになります。
実現ができても驚くほど高いコストの支払いを、余儀なくされる可能性があります。
かなり低年式の車であれば、やはり買い替えたほうが費用対効果の高いものとなることを、まず事前に認識しておく必要があるでしょう。
果たして車が年式相応に劣化している中で、エンジンだけ新品に換装することが本当に、バリューフォーマネーにつながるかどうかは、相当よく考える必要がありそうです。
オーバーホールという手段もある
エンジンの故障や不調を改善するなら、一旦降ろしてバラバラにしてエンジン内を洗浄したり、研磨しなおすなどして、オーバーホールを施すことも一つの方法として考えられます。70年代、80年代の車は電子機器が既に搭載されていましたが、それほど複雑なものではありませんでした。
エンジンの故障は、オーバーホールで修理して使えるようにするという方法がとられていたものです。
しかし今日ではエンジン部分の構造は複雑で、アッセンブリーで交換する以外には、オーバーホールによる修理ができない工場も多く存在するようになっています。
実際にオーバーホールの需要があるのはよほど古い車のレストア関係のみの状況になっています。
したがって、特別なオーバーホールという技術を持つ整備士が見つかっても、それにかかる費用は、また莫大なものになりかねません。
その結果、載せ替えとほとんどコストが変わらないといった問題も、起きることが予想されます。
また新しいエンジンは、簡単に街の自動車工場で分解して、オーバーホールを実現できない構造になりつつあり、物理的にも無理がありそうです。
低年式車はエンジンだけの載せ替えでは済まない可能性も
低年式車の場合はエンジンだけ載せ替えても、周辺のいわゆる補器類が劣化したり、機能が低下していることから一緒に交換しなくてはならないといった状況に追い込まれることもあります。
必ずしもエンジンだけの換装では済まないケースも出てくることになってしまいます。
こうなるとまた莫大な費用がかかりますので、特別な思い入れがあって古い車を使い続けたいといった意向がないかぎり、買替をおこなったほうがお得でしょう。
中古車のエンジン換装の場合、比較的程度のいい同型の中古エンジンを探してきて、換装するという方法もあります。
その場合、細かいマウント(エンジンとボディの接合部)や周辺機器への配管の形状が、微妙に異なるなどの問題が生じることも多いです。
なので、昔ほど簡単にこうした載せ替えができなくなっているといえます。
エンジン故障車は中古車としての買い取りができないケースも
古い車でも自走ができる状態であれば、中古車として何とか買い取りの対象になることも考えられます。しかし、すでにエンジン故障で自走すらできないとなると中古車ではなく廃車として売却することを考えることも必要です。
余分な修理コストをかけずに廃車として買取に出し、次の車購入の費用に投入したほうが間違いなく、効率的な買い物になるケースは非常に多いといえます。
その際の注意点としては、廃車にかかる費用が無料で設定されていて、海外販路持ちで他の業者よりも高値で査定できる業者に申し込みするという事です。
カーネクストであればこれらの条件をクリアしていますので、もし買い取り価格がつかない状況でも自ら追金を支払って廃車にする必要はありません。
エンジンを載せ替えた車は車検が通らない?
実は世の中では車のエンジン載せ替えは故障のためだけとは限らないのです。
改造のためにエンジンを換装するケースも
昔はよく同じメーカーの同型エンジンの排気量の大きなものに載せ替えて、馬力をアップするといった改造を大きなコストを負担して行うユーザーも存在しました。
一応同型車種のエンジンのラインナップであればエンジンだけの換装で動かすことができ、改造申請は必要ですが、改造車として公道を走行できる車も確かに存在していました。
しかし今日では、エンジンはひとつの電子制御も含めたシステムとなっており、まったく同じ車種の同型エンジンを換装する以外には実際に改造してエンジンを載せ替えるということはほとんどできなくなっています。
60年代や70年代のかなり簡単な仕組みのエンジンであれば、ヒストリックカーのレストアといった用途で換装できるケースもあります。
しかし、2000年以降に登場している車についてはかなり難しくなっています。
それがハイブリッドカーであったりする場合には、エンジンだけ換装しても性能がもとに戻らないという大変大きな問題に直面してしまうことすらあるのです。
改造申請と審査を受けて車検を通過するのは至難の業
現在も車検の仕組みとしては、改造車両について国が決めた車両の保安条件をすべてクリアしたものに、仕上げ申請を出して改造車として車検を通過させる道は残されています。
しかし、排ガスの規制問題ひとつとってみても、個人が改造車両の車検を通すのは非常に難しい状況です。
また高出力のエンジンに換装した場合には、それに見合うブレーキや周辺駆動装置の調整、換装などが伴うことから、事実上はそうした改造は受け付けられないのが現状なのです。
メーカーでは完成車のエンジンとトランスミッション、電子装置類、ブレーキなどを総合的にチューニングして最適化を図っていますから、エンジンだけ載せ替えても、なかなか元の性能を取り戻すこができないのが実情です。
整備業者も部品はアッセンブリで交換するだけが仕事
そもそも足元の自動車工場というのは、車を修理するというよりは部品をそっくりそのまま交換するのが仕事になっています。
エンジンの換装といった非常に手間のかかる業務は、ほとんどやらないのが正直なところです。
エンジンが壊れたら載せ替えるというのは、一昔前の話になっています。しかし、直近の車に関しては、ほとんど無理な話になっていることを忘れてはなりません。
もちろん修理のためのエンジン換装は、改造とは異なるのでまったくできないということはありません。
しかし、コストに見合う成果が出るかと言えば、同じ程度の同型の中古車を買い求めるほうがはるかに早くてパフォーマンスのいい結果になるのではないでしょうか。
まとめ
車のエンジンが壊れた場合、同型エンジンを載せ替えたり、オーバーホールをしたりすることで修理をするという方法は確かに残されてます。
しかしそれにかかる時間とコストを考えると、同型の中古車を探して乗り換えるほうが速くて安上がりな状況になりつつあるのです。
そもそも近年の車は、ほとんど修理工場でも部品ごと交換するだけの作業をしているので、昔のように修理をするということ自体がなくなりつつあるのです。
エンジンが動かなくなってしまった、いわゆる不動車の場合、中古車として売却することが難しく廃車として手放すことを考える必要があります。
そんな時は、廃車買い取り専門業者である弊社にお問合せいただければもっとも最適な売却方法をご提示させていただきます。
レッカーサービスも完備しておりますので、廃車を考えるならぜひカーネクストにご連絡ください。