発信や停車時のブレーキとアクセルの踏み間違いといったドライバーによる操作ミスが、実は自損事故において要因として最も多いといわれています。このように自損事故や物損事故を起こしてしまった時、車に出来た傷や故障の修理や整備は、どの修理工場へ依頼すればよいのでしょうか?
修理工場に事故車の修理を依頼するとなると、気になるのは「修理費用」と「保険適用」です。
自損事故の場合は加入している車両保険の種類次第で、保険適用にならないこともあります。もしも自損事故もカバーできる保険であれば、適用して修理するべきなのでしょうか。
こちらでは、自損事故や物損事故で車に修理が必要になった時、修理や整備を依頼するならどこに依頼するべきか、事故車の保険適用は利用するべきかなど、気になるポイントをまとめました。
事故車の修理や整備を頼むならどこがいい?

もしも自損事故や物損事故により、車に傷やヘコミがついてしまったら、どこへ修理や整備を依頼すればよいのでしょうか。修理・整備を依頼出来るところというと、車を購入したディーラーや、車の保管場所近くにある町の修理工場、道路沿いにあるガソリンスタンドがあります。また、傷やヘコミ、車両状況によっては修理をしないという選択肢もあります。まずは、修理や整備の依頼が可能な3通りの依頼先ごとの特徴を解説します。
費用は高いけど安心、面倒な手続きも少ないディーラー
車を購入すると、購入するディーラーによってはオプションなどで、購入から何年間かはメンテナンス費用の負担や割引制度があるお店もあります。
また、ディーラーに依頼すると見積依頼、代車の確保、保険会社への交渉などすべてを、窓口となって請け負ってくれるお店が多く、その分手数料はかかってしまうものの面倒な手続きにかかる手間と時間を抑えることが出来ます。修理工場への依頼や保険関連についてお任せ出来るディーラーは、修理整備以外の手数料込みになるため最も費用はかかる可能性が高いものの、多忙な方や詳しくないため不安という方であれば、おすすめの修理依頼先と言えるでしょう。
費用は見積次第!修理内容の相談も詳細にするなら修理工場へ
鈑金塗装業者は車の傷やヘコミを鈑金で直し、塗装剥げや色褪せは塗装直しやコーティング作業を行うことができます。ただし、車の傷の大きさや度合いによっては、街の修理工場の規模次第で修理が難しく、部品交換等が必要になることもあります。修理工場自体に該当部品がないことも多く、その場合は取り寄せが必要になり、車がない状態を長期間やり過ごす必要があるかもしれません。通勤や通学で車が必要な方は、代車の手配もすることになります。修理工場によっては代車を貸してくれるところもありますが、追加費用になることもあります。ディーラーと比べるとサービス面において、専門分野には強い反面すべてを任せるといったことは難しいでしょう。ただし、修理を専門とする修理工場では、見積もりを依頼してみて、予算の範囲内に抑えたいといった場合相談することも出来ます。例えば大きなヘコミを鈑金してほしいが、塗装やコーティングを全体に直すと高額になるため、その部分はカットでコンパウドのみを依頼するなど相談することも出来ます。
ガソリンスタンドでの専門的な修理は難しい
通勤や通学時に通る道沿いのガソリンスタンドに【鈑金】【修理】【コーティング】といった看板を掲げているところを見たことがあるかもしれません。ガソリンスタンドによっては、鈑金などの整備資格や塗装コーティングの技術資格を持った人が常時いるようなところもあります。ただ、専門知識量や経験・技術といったものをディーラー指定の整備工場や修理工場と比べてしまうと、専門の工場へ依頼することをおすすめします。また、ガソリンスタンドによっては修理は外注するところも多く、実は手数料や中間のマージンがかかるため高額になることも少なくありません。出来れば、ディーラーや修理工場への依頼をされることをおすすめします。
あえて修理をしないという選択肢も
事故により大きなヘコミが出来てしまったり、衝撃でフロントバンパーが割れてしまったなど、鈑金だけでなく部品交換が必要となる修理の場合、修理費用には部品の代金のほかに交換工賃、部品がなかった場合は取り寄せにかかる手数料などもかかってきます。特に年式が10年以上経っている車両の場合、純正品を保管していない可能性も高く、部品を探したりあうものを見つけるために修理費用以外でも、さらにお金がかかるかもしれません。年式としても10年以上が経過している場合、実は修理するよりもそのまま売却してしまい、車を購入して乗り換えたほうが得だったということもあります。もちろん車自体に愛着があり、お金をかけても修理したい方は専門の工場やディーラーにご相談されてみることをおすすめしますが、もしも古い車で修理をするか悩まれているのであれば乗り換えも検討してみてはいかがでしょうか。

自損事故(物損事故)の車の修理に保険は使うべき?

自損事故等により車の修理が必要になった場合、車両保険を適用して修理費用に充てるか、保険適用せずご自身でお支払いされるか。または修理をしないという選択肢を選ぶかの3つに分かれます。
こちらでは、事故車(自損事故または物損事故)に保険適用させて修理するべきか解説します。
すべての車両保険が修理費用に適用されるわけではない
まず、車両保険(任意で加入する車の保険)には、事故の内容によって保険適用外となる保険と、すべての事故が保険適用になる保険の二つの種類があります。
事故の内容によって補償外になることがある保険は、エコノミー型保険(または限定型保険)といわれるもので、すべての保険が補償される一般型と比べると、かなり保険料が下がります。補償内と補償外の違いは下記表にまとめました。
まず、車両保険(任意で加入する車の保険)には、事故の内容によって保険適用外となる保険と、すべての事故が保険適用になる保険の二つの種類があります。
事故の内容によって補償外になることがある保険は、エコノミー型保険(または限定型保険)といわれるもので、すべての保険が補償される一般型と比べると、かなり保険料が下がります。補償内と補償外の違いは下記表にまとめました。
内容 | エコノミー型/限定型 | 一般型 |
---|---|---|
自動車との事故 | 補償対象 | 補償対象 |
盗難 | 補償対象 | 補償対象 |
飛び石 | 補償対象 | 補償対象 |
いたずら・落書き | 補償対象 | 補償対象 |
火災 | 補償対象 | 補償対象 |
台風・竜巻・洪水・高潮 | 補償対象 | 補償対象 |
自損事故 | 対象外 | 補償対象 |
当て逃げ | 対象外 | 補償対象 |
自転車との事故 | 対象外 | 補償対象 |
転覆・墜落 | 対象外 | 補償対象 |
地震・噴火・津波 | 対象外 | 対象外 |
上記表のように、自損事故はエコノミー型(限定型)車両保険の補償対象外となります。一般型であれば、地震・噴火・津波などの自然災害を除けば殆ど対象となるため、相手側への事故以外であっても保険対象としたい方は一般型の保険に加入する必要があります。ただしエコノミー型と比べると一般型は補償が手厚くなるため保険料も高くなります。予算と補償内容を照らし合わせる必要があるでしょう。
事故車の修理で保険を使うと等級に影響が
基本的に任意の車両保険は、事故があり事故件数として数えられた場合、翌年度の保険の等級が下がります。ただし、事故を起こしても件数として数えられなければノーカウント事故となり、等級は1等級上がります。等級が下がる事故には、1等級ダウンの事故と3等級ダウンの事故があり、事故の内容によってダウン数が異なります。3等級ダウンの事故は、下記の1等級ダウンの事故またはノーカウント事故を除く、すべての事故となります。
車両保険を利用し、等級が1等級ダウンする事故
- 車が盗難にあい、車両保険金が支払われた場合
- 台風などの被害で自分の車を修理する場合
- 車に他者によっていたずらされ、車両保険金が支払われた場合
- 飛び石で車が破損し、車両保険金が支払われた場合
保険料は等級数によって割引率が異なり、無事故の等級から3等級ダウンまたは1等級ダウンすると、その後の保険料が無事故の時の等級の割引率に戻るまで、長い期間がかかります。
保険を適用して車を修理するかどうかは、修理する車の状態や修理内容の見積もりをまずは修理工場に出してもらい、全額自費負担をして保険を適用しない方が翌年以降の保険料が得になるのか、保険を適用して修理したほうがいいのか、保険を使わず車を修理せず売却して乗り換えるべきなのか、検討することが大切です。
まとめ
自損事故や物損事故を起こし車に傷やヘコミが出来てしまったら、どこへ修理や整備を依頼するべきか、また修理に車両保険金を使用するべきかどうかについて解説しました。
車の状態や、修理費用次第では修理をしないという選択肢もあります。
修理をするかどうか、まず検討する場合、無料で修理費用の見積もりをとることが出来る修理工場に依頼し、修理費用を確認した上で車両保険金を使用するかどうか検討されてみることをおすすめします。
また、エコノミー型の車両保険に加入されている場合は、自損事故は保険対象外となるため、自費負担で修理するか修理をせずに車を売却するかのどちらかを選択することになります。
もしも、事故車を売却するといった時は、レッカー車による修理工場への引取り費用や廃車手続き費用がかからないカーネクストまで、お気軽にお問合せください。