車検を受ける際にはまとまった金額のお金が必要です。車検の時期はあらかじめ分かっているため、前もって用意しておくのが望ましいでしょう。
しかし、車検が近くなって車検費用を用意できず、慌ててしまう人もいます。車検を受けなければ公道を走れなくなるため、何とかしたいものです。
そんなとき、分割して支払えないかどうか気になるでしょう。ここでは車検の分割払いについて解説していきます。
車検費用は分割して払うことができるのか?
車検費用はいくらかかるのか?
まず、車検費用がどのくらいかかり、手持ちのお金ではいくら足りないのか把握しておきましょう。
車検費用は法定費用と車検基本料の2つに大きく分けることができます。このうち法定費用は、必ず一定額かかる費用のことです。具体的には自動車重量税と自賠責保険料、印紙代を指します。
自動車重量税は車の重さにより金額が異なり、軽自動車は2年分で6,600円、1,000キロまでのコンパクトカーだと2年分で16,400円です。1,000キロを超える車は500キロごとに8,200円ずつ高くなります。アルファードやエルグランドなどは41,000円になります。またエコカーだと同じ重さでも安くなり、新車登録から13年以上経過している車は高くなります。
自賠責保険料は、普通車なら車の大きさや排気量にかかわらず2年分で25,830円、軽自動車なら25,070円です。印紙代は、検査手数料と呼ばれることもあり1,100円かかります。
法定費用を合計すると、軽自動車は3万円強、コンパクトカーは4万円強、Lサイズミニバンなら7~8万円程度かかると捉えておきましょう。
車検基本料というのは、整備代や事務手数料のことです。車検業者によって高いところと安いところがあります。ディーラーに車検を依頼した場合は、軽自動車なら35,000円程度、普通車なら5万円程度が相場でしょう。また交換部品が多ければ、その分だけ上乗せされて高くなります。
トータルで見ると軽自動車で7万円程度、1,500ccくらいの普通車で10万円程度かかるものと捉えておきましょう。
車検費用は分割可能なのか?
車検費用は必ずしも一括で支払わなければならないわけではありません。分割払いも可能です。ただし、車検業者によって対応が異なります。また、法定費用と車検基本料で扱いが異なる業者も多いです。
ディーラーの場合には店舗にもよりますが、付き合いが長ければ後払いに対応してくれるところが多いです。車検専門業者やガソリンスタンドだと、車検基本料は後払いに対応していても、法定費用は前払いのところが多い傾向にあります。カー用品店だと、クレジットカード払いや後払いに対応してくれるところが多いです。
いずれも店舗による違いが大きいため、分割払いを希望する人は前もって確認しておきましょう。
車検費用を分割する方法とは
車検費用を分割払いするにはどうすればいいのか、具体的な方法を見ていきましょう。大きく分けて2種類の方法があります。
クレジットカードで分割払い
車検費用を分割払いする方法として、もっとも簡単なのはクレジットカードを使用することです。クレジットカードを持っていれば、新たにローンなどを申し込む必要はありません。お店で買い物をするときと同じように、車検費用を支払うときにクレジットカードを提示して分割払いで支払うことを伝えるだけです。さらにポイントまでもらえます。
ただし、クレジットカードで分割払いを利用すると金利がかかってしまうことを認識しておきましょう。金利はカード会社やカードの種類によって異なりますが、基本的に分割回数が多いほど金利も高くなります。
また、クレジットカードには限度額が設定されているでしょう。限度額が小さい場合には、同じ時期にカード払いを多くしていると、限度額を超えてしまう可能性もあります。その場合には、カードで支払えなくなるため注意しましょう。
車検のローンで分割払い
クレジットカードを持っていない人や、自分が持っているクレジットカードが車検を受ける店舗で使えないという人もいるでしょう。その場合には、車検ローンを利用する方法があります。車検ローンは車検業者で申し込むことが可能です。他に銀行でも申し込むことができます。
いずれの場合も、金利が低いのが大きな魅力です。銀行の場合だと年利3%くらいで済みます。クレジットカードを持っていても、金利が安いために車検ローンを利用する人もいるでしょう。
カー用品店などで申し込む場合には、キャンペーンなどで店舗側が金利を負担してくれることもあるのが大きな魅力です。
ただし、車検ローンは審査に通過しないと利用することができません。クレジットカードや携帯電話の支払いが滞ったことのある人や、利用可能枠目一杯まで使っている人だと審査に通らない可能性もあります。失業中の人なども審査に通るのは難しいでしょう。転職してからあまり期間が経っていない人も不利になることがあります。
また、車検ローンは申込み手続きがやや面倒です。書類を記載したり、身分証明書を提示したりしなければなりません。
分割せずに車検を安く支払う方法
車検を少しでも安く済ませられないか検討してみましょう。分割払いにしなくても済む可能性もあります。
車検を安くするならディーラーは避けるべき
車検費用のうち、車検基本料は業者によって差があります。安いところを探せば分割払いにしなくても、車検費用を支払えるかもしれません。もし、車検をディーラーに依頼しているのであれば、もっと安く済ませられる可能性が高いです。
ディーラーに依頼すると何かと安心できるのが大きなメリットですが、ディーラーは料金が高めなのがデメリットでしょう。ディーラーに依頼すると、整備にかかる費用も、部品の交換費用も民間の車検業者よりも高くつきます。お金がなくて安く車検を済ませたい人には、ディーラーはあまりおすすめできません。
ディーラーに依頼した場合の料金が高いのには理由があります。ディーラーでは、民間の車検業者よりも、丁寧に整備をしてくれて、部品も早めに交換するためです。万全のメンテナンスをするため、どうしても料金が高めになってしまいます。
比較的お金に余裕があり、安全重視で行いたい場合にはディーラーが向いているかもしれません。
いくつかの業者の見積もりを取る
ディーラー以外でも車検を依頼できる業者はたくさんあります。例えば、ガソリンスタンドやカー用品店、車検専門店、整備工場などです。その中でも特に安いところを探しましょう。
民間の車検業者ならほとんどのところはディーラーよりも安く済みますが、それでも安いところと高いところの料金の差は大きいです。安いところを見つけるには、複数の車検業者に相見積もりを取ってみるといいでしょう。カー用品店や整備工場、車検専門店などでは安いところが多いです。ガソリンスタンドはやや高めかもしれません。
また、整備士の質も大事です。車の安全性は命に関わります。安いところだと整備士の質もそれなりなのではないかと思ってしまう人もいますが、そうとも限りません。車検を依頼できる業者には得意不得意があります。ガソリンスタンドやカー用品店は車検がメインの業務ではないため、質の面ではあまり期待できないかもしれません。
車検専門店や整備工場だと、車検や整備がメインの業務であるため、整備士の質も高いところが多い傾向にあります。料金が同じくらいなら、車検専門店か整備工場に依頼するのがおすすめです。
安いところを探したら、予約時に余計なオプションは付けなくてもいい旨を伝えておきましょう。余計なオプションというのは洗車やコーティングなどです。お金に余裕のある人は、車を綺麗に保つためにやっておいた方が良いですが、洗車したてでピカピカの状態でなくても車検は通ります。車検費用の分割払いを検討するくらいの人は、わざわざやる必要はありません。
まとめ
車検費用は法定費用の分はどの業者も変わりませんが、車検基本料は業者による差が大きいです。分割払いを検討する前に、安いところを探してみましょう。
分割払いにする場合には、クレジットカードを使用すると手軽に済みますが、車検ローンの方が金利が低くお得です。なるべく一括払いできないか検討してみて、分割にせざるを得ないなら車検ローンを利用するといいでしょう。