多くの地域で毎年5月に納める自動車税。忙しい日々を送っていると、ついうっかり納税通知書を確認できず、納付を忘れてしまうこともあるかもしれません。払い忘れに気づいたら不安に感じる方も多いでしょう。でも、安心してください。納期限を過ぎてしまっても、自動車税を納めることはできます。
対処が遅くなるほどデメリットは大きくなります。払い忘れに気づいたら納付や相談など、早めの対処を行いましょう!ここからは、払い忘れた場合・支払いが遅れた場合の対処法と自動車税の滞納リスクについて説明します。
・自動車税は、毎年4月1日時点の車の所有者に課税される ・納期限は多くの自治体で5月末だが、年度や地域によって異なる ・納期限を過ぎると、延滞金や督促、差し押さえなどの対象になる場合がある ・未納のままでは、車検や売却時にトラブルになる可能性がある ・支払い方法や納付書の再発行は、管轄の都道府県税事務所や自治体サイトで確認する
自動車税とは?基本情報を説明

自動車税は、毎年4月1日時点での車の所有者が各都道府県に納める税金です。納期限、支払い方法、納税状況の確認方法について説明します。
自動車税の納期限
自動車税の納期限は、多くの都道府県で5月末です。ただし、5月末が土日祝日の場合は、翌開庁日が納期限になることがあります。たとえば令和8年度は、兵庫県や大阪府で自動車税の納期限が2026年6月1日(月)と案内されています。また、青森県など一部地域では、納期限を6月30日としています。
このように、納期限は年度、自治体によって異なる場合があるため、手元の納税通知書または都道府県の公式サイトで確認しましょう。
自動車税の支払い方法
自動車税は、納税通知書に同封されている納付書を使って支払います。納付書は、一般的に4月下旬から5月上旬ごろ、車検証に記載された住所へ送付されます。
支払い方法は自治体によって異なりますが、金融機関や郵便局の窓口、コンビニエンスストア、口座振替、スマートフォン決済アプリ、地方税お支払サイトを利用したキャッシュレス納付などに対応している場合があります。
利用できる支払い方法は、納付書の記載や各都道府県の公式サイトで確認しましょう。
自動車税の納税状況の確認方法
「支払ったはずなのに督促状が届いた」「支払ったかどうか覚えていない」など納税状況を確認したい場合は、管轄の都道府県税事務所に問い合わせましょう。都道府県によっては、インターネットで確認できるシステムを利用できます。問い合わせの際は、自動車の登録番号(ナンバー)を伝えられるように準備しておくとスムーズです。
自動車税を払い忘れたらどうなる?
納期限を過ぎると滞納の状態になります。
ここからは、自動車税の滞納リスクについて次の4つを説明していきます。
- 延滞金が発生する
- 車検を完了できない
- 車を売却するときのトラブルのもとになる
- 督促状や催告書を無視すると、財産が差し押さえられる可能性がある
支払いが遅れたときのリスクを知って、早めの対処を行いましょう。
自動車税の延滞金が発生する
自動車税を滞納すると、延滞金が発生します。そのため、納期限を過ぎると自動車税に加えて延滞金も支払う必要があり、より大きな出費となってしまいます。延滞金は自動車税の額と延滞日数により決まり、日を追うごとに高くなっていきます。
【例】大阪府で2,000cc以下の普通車の自動車税を滞納した場合
ここでは、大阪府で2,000cc以下の普通車を所有しており、自動車税の年税額が3万9,500円の場合を例に、延滞金の目安を見てみましょう。
| 納付時期 | 延滞金の目安 | 実際の納付額 |
|---|---|---|
| 2026年6月末に納付 | 0円(計算上は約86円) | 39,500円 |
| 2026年9月末に納付 | 0円(計算上は約974円) | 39,500円 |
| 2026年10月末に納付 | 1,200円 | 40,700円 |
| 2026年11月末に納付 | 1,500円 | 41,000円 |
| 2027年5月末に納付 | 3,300円 | 42,800円 |
※納期限の翌日から1か月を経過する日までは年2.8%、それ以降は年9.1%で計算しています。
※大阪府では、令和8年度の自動車税の納期限を2026年6月1日(月)としています。また、令和8年中の延滞金割合は、納期限の翌日から1か月を経過する日までが年2.8%、1か月を経過した日以降が年9.1%と案内されています。なお、延滞金を計算する際は、滞納額の1,000円未満を切り捨てます。大阪府の例では、税額3万9,500円の場合、3万9,000円をもとに計算します。
延滞金は、以下の計算式で算出されます。
延滞金額=滞納額 × 延滞金率 × 日数 ÷ 365
※日数は、納期限の翌日から納付した日までの日数です。
※滞納額に1,000円未満の端数がある場合は切り捨てて計算します。
※計算後の延滞金は100円未満を切り捨てます。
※計算結果が1,000円未満の場合、延滞金は発生しません。
たとえば、6月末や9月末に納付した場合、計算上は延滞金が発生していても、1,000円未満のため実際の延滞金は0円になります。一方で、10月末まで滞納すると延滞金が1,000円を超えるため、実際の納付額も増えます。
ただし、延滞金の割合や計算方法、納期限は自治体によって異なる場合があります。大阪府以外で自動車税を滞納した場合は、納税通知書に記載された窓口や、各都道府県の公式サイトで確認してください。
車検を完了できない
自動車税を滞納していると、車検証の交付・返付を受けられないため、車検を完了できません。
現在は自動車税の納税確認が電子化されており、普通車では車検時に紙の納税証明書の提示を省略できる場合があります。ただし、納税証明書の提示を省略できる場合でも、自動車税の納付自体が不要になるわけではありません。
また、スマートフォン決済アプリやクレジットカードなどで納付した場合、納税情報が反映されるまでに日数がかかることがあります。
車検が近い場合は、納付後すぐに車検を受けられるか、納税通知書に記載された窓口や各都道府県の公式サイトで確認しましょう。
車を売却するときのトラブルのもとになる
自動車税を滞納していると、車の売却時にトラブルになる可能性があります。例えば、買取業者から契約を断られたり、名義変更の手続きが滞納分の精算が済むまで進められなかったりするケースがあります。
ただし、滞納期間や車両の状態によっては、買取業者に未納分の精算方法や廃車手続きについて相談できる場合があります。カーネクストでも、自動車税の未納がある車について、状況に応じて買取や廃車手続きのご相談が可能です。
売却を検討している場合は、事前に納税状況を確認し、買取業者や管轄の都道府県税事務所などに相談しましょう。

督促状を無視し続けた場合、差し押さえられる
納期限を過ぎるとおよそ20日で、督促状が送られてきます。届いた時点から10日以内に督促状に同封されている納付書を用いて納付をすれば問題は大きくなりません。しかし、督促状が届いてから10日が過ぎた場合、法律上差し押さえの対象となってしまいます。
差し押さえが決定すると、勤務先に連絡されて給与が差し押さえられます。車もロックがかけられて自由に使うことができなくなります。もちろん、銀行口座の預貯金や貴金属類など他の財産も差し押さえの対象になります。
ただし、督促状が届いてから10日の経過で差し押さえられるのは、あくまで法律上での話です。実際の差し押さえまでは、督促状(複数回)と最終通告としての催告書が届きます。最終的に差し押さえ予告通知が届き、差し押さえが実行されます。
自動車税を払い忘れたときはどうすればいいか
ここまで、自動車税の支払いが遅れた場合のリスクについて説明してきました。
自動車税の払い忘れに気づいたら、まずはできるだけ早く納付しましょう。未納のまま放置すると、延滞金が増えたり、督促状や催告書が届いたりする可能性があります。
納期限を過ぎている場合は、手元の納付書をそのまま使えるか、支払い方法に制限がないかを確認することが大切です。納付書がない場合や支払い方法が分からない場合は、管轄の都道府県税事務所や自動車税事務所などに相談しましょう。
自動車税は期限切れでもコンビニで払える?
自動車税は、納期限を過ぎていても、手元の納付書を使ってコンビニで支払える場合があります。ただし、コンビニで利用できる期限や条件は、都道府県や納付書によって異なります。
納付書に「コンビニエンスストア取扱期限」「納付書取扱期限」などが記載されている場合は、その期限を確認しましょう。納期限を過ぎていても、コンビニでの取扱期限内であれば支払える場合があります。一方、取扱期限を過ぎている場合は、コンビニで支払えないことがあります。
その場合は、納付書に記載されている納付場所や、管轄する都道府県の公式サイトで利用できる支払い方法を確認してください。納付書が使用できない場合は、再発行が必要になることもあります。
納付書が手元にある場合は、取扱期限と支払い方法を確認する
納付書が手元にある場合は、まず納付書に記載されている取扱期限や支払い方法を確認しましょう。
取扱期限内であれば、その納付書で納付できるのが一般的です。ただし、納期限を過ぎると支払い方法が制限されたり、延滞金の確認が必要になったりする場合があります。不安な場合は、管轄の都道府県税事務所に確認しましょう。
納付書が手元にない場合、再発行を依頼する
納付書を紛失した場合や、手元にない場合は、管轄の都道府県税事務所や自動車税事務所などに問い合わせましょう。問い合わせる際は、自動車の登録番号(ナンバー)を確認できるようにしておくと、手続きがスムーズです。
納税が難しい場合は、放置せず速やかに相談する
自動車税を期限までに一括で納付することが難しい場合は、放置せず、できるだけ早く管轄の都道府県税事務所や自動車税事務所などに相談しましょう。
事情によっては、徴収猶予や分割納付について相談できる場合があります。たとえば、災害、病気、失業、事業の不振などにより一時的に納税が難しい場合は、自治体の制度に基づいて納付方法を相談できることがあります。
ただし、猶予や分割納付が認められるかどうかは、自治体の判断や状況によって異なります。必ず利用できる制度ではないため、まずは納税通知書や督促状に記載された窓口に連絡し、現在の状況を伝えましょう。すぐに全額を支払えない場合でも、早めに相談することで、今後の納付方法について案内を受けられる場合があります。
自動車税の支払いが遅れたときの疑問と対処法
自動車税の納付書が届かない……
自動車税の納付書は、原則として4月1日時点の所有者に送付されます。納付書が届かない場合は、たとえば次のような原因が考えられます。
- 引っ越し後に車検証の住所変更をしていない
- 名義変更の手続きが完了しておらず、前の所有者に送付されている
- 4月以降に車を購入したため、その年度の納付書が届かない
- 車検証の有効期限が切れている
- 郵送トラブルなどで届いていない
納付書が届かない場合でも、4月1日時点で車を所有していれば、自動車税の納税義務があります。車検切れなどで実際に使用していない車でも、廃車手続きや一時抹消登録をしていなければ課税対象となるため、管轄の都道府県税事務所や自動車税事務所などに確認しましょう。
車検が切れているけど納付する必要はある?
車検が切れている場合でも、納税義務はあります。
車検が切れていると、一部地域では「使用されていない車」と見なされて納付書が届かないケースがあります。しかし、車検切れかどうかにかかわらず納税義務は残ります。
車検が切れている車は、使用するならば再車検、使用しないならば廃車手続きを行いましょう。廃車手続きを行った時点からその車には税金がかからなくなります。廃車手続きには車をスクラップにする永久抹消と、一時的に車の登録を消す一時抹消があります。しばらく乗らないが、また乗るかもしれない場合は後者の手続きを行うことをおすすめします。
自動車税を滞納したまま車を売ることはできる?
自動車税を滞納したまま車を売却することは、基本的に難しいと考えておきましょう。ただし、滞納期間が短い場合は、状況によって買取や廃車手続きに対応できるケースもあります。カーネクストでは、自動車税の未納がある車についても、滞納期間や車両の状態に応じて、買取や廃車手続きのご相談が可能です。
一方で、滞納が長期間にわたる場合は、督促や差し押さえなどの手続きが進んでいる可能性があります。その場合は、先に未納分の納付や管轄の都道府県税事務所への相談が必要になることがあります。
なお、車を売却・廃車した場合でも、すでに発生している自動車税の納税義務がなくなるわけではありません。未納分がある場合は、別途納付が必要です。
自動車税を支払わなくていいケースって?
基本的に、自動車を所有している間は自動車税を支払う必要があります。車検が切れていても自動車をあまり使っていなくても納税義務とは関係がありません。しかし、一時抹消登録を行った場合は自動車税の課税を止めることができます。
一時抹消登録はナンバープレートを運輸局に返却することで、一時的に車の登録を抹消する手続きです。一時抹消を行うことによって車は公道を走れなくなりますが、その時点からの自動車税の課税を止めることができます。そのため、長期的に車を運転できないことが決まっている場合や車を盗難されてしまった場合に行います。再登録を行うことでその自動車は再び公道を走れるようになります。
※一時抹消登録より前にかかっていた自動車税の支払い義務がなくなるわけではありません。
まとめ
自動車税の支払いを忘れてしまった場合でも、納期限後に納付することはできます。気づいた時点で、手元の納付書の取扱期限や利用できる支払い方法を確認し、できるだけ早く納付しましょう。
納期限を過ぎた場合の支払い方法は、自治体や納付書の状態によって異なります。コンビニ払いやキャッシュレス納付を利用できない場合や、納付書の再発行が必要になる場合もあるため、納税通知書・督促状に記載された窓口や各都道府県の公式サイトで確認してください。
納付が難しい場合も、未納のまま放置せず、管轄の都道府県税事務所や自動車税事務所などに早めに相談しましょう。督促状や催告書を無視して未納の状態が続くと、延滞金が増えたり、最終的に差し押さえに進んだりする可能性があります。
この記事の監修者
板山翔税理士事務所
税理士 板山 翔(税理士登録番号:131908)
小さな会社を対象としたオンライン専門の税理士事務所を運営。税理士事務所や一般企業の経理での勤務経験を持ち、税理士法人では200社以上の会計・税務に携わる。現在はオンラインを活用した税務・会計支援に加え、これまでの起業経験を生かした経営支援や情報発信にも取り組んでいる。




