2020年度の年間新車販売台数(軽自動車を含む)は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、前年度比7.6%減と落ち込みました。
ただ7月以降はYahoo検索でも「軽自動車/中古車」上位キーワードに入るなど、車購入自体は増加傾向に転じ、新車販売台数も10月以降は前年度比に対し、プラスとなっています。
車購入が増加に転じた夏以降の要因は、コロナ禍の移動手段として車の需要が高まったことや、海外旅行等レジャー費用をかけない代わりに車の購入資金へと充てた方が多かったことの2点となっているようです。
こちらでは、車の乗換えを予定されている方への検討材料として、故障の少ない車ランキング最新版をメーカーやボディタイプ別にご紹介します。
故障の少ない軽自動車メーカー別ランキング
故障の少ない車とは、車を所有する上で走行距離が多くなっても、年式が古くなっても、定期的なメンテナンスを行っていることで、不意の廃車ではなく、長く乗ることが出来た車かどうかです。
こちらでご紹介する故障の少ない軽自動車メーカー別ランキングでは、故障の少ない耐久性の高い車をピックアップしました。2020年度日本自動車耐久品質(VDS)調査による情報を参考に算定しています。
第1位 ダイハツ ムーヴキャンバス
ダイハツは、2020年日本自動車耐久品質調査(VDS)ブランド別ランキングにおいて、第1位の評価を得ました。この日本自動車耐久品質調査のブランド別No.1は、ダイハツ初授賞となっています。
また、同年度のセグメント別日本自動車耐久品質調査ランキングでも、同社のム-ヴキャンバスがNo.1となっています。
ダイハツ・ムーヴキャンバスがセグメント別でも1位
ダイハツムーヴキャンバスは、2016年9月7日に製造販売を開始した軽自動車です。キャンパス(帆布)と乗り物のBUS(バス)を組み合わせた造語から名づけられた、トールワゴンタイプの軽自動車となっています。
同社が販売するムーヴの派生車種として登場したム-ヴキャンバスは、リヤ席にスライドドアが取付られたことで、ファミリー層やお子様の送迎車、高齢の方の介護や送迎用としても人気で、幅広いターゲット層から引く手あまたのクルマとなっています。
ムーヴキャンバスは、2016年販売開始から一部改良は行ったもののフルモデルチェンジはまだ行っておらず、現行が初代モデルとなります。
第2位 スズキ ワゴンR
スズキは、2020年日本自動車耐久品質調査(VDS)ブランド別ランキングで第4位となっています。また、軽自動車のセグメント別ランキングでは同社のワゴンRが第2位の評価を得ました。
セグメント別ランキング第2位はスズキ・ワゴンR
スズキワゴンRは1993年から製造販売されているトールワゴンタイプの軽自動車です。発売当時車両の背を高くとることで、室内空間を広くすることを可能にした革命的な軽自動車として話題になりました。現行モデルは2017年にフルモデルチェンジを行った、6代目モデルとなっています。
車名のワゴンRは、「セダンもあるけどワゴンもある=ワゴンもあーる」から先日会長職を退かれた鈴木修相談役によってつけられた名前です。2003年度から2011年度までの車名別販売台数1位を獲得していた人気の軽自動車が、その耐久品質でも2位になっていて、中古車として軽自動車を購入する方にとって長く乗れる車かというポイントは高いのではないでしょうか。
第3位 ホンダ N-ONE
ホンダは、2020年日本自動車耐久品質調査(VDS)ブランド別ランキングで第5位となっています。また、軽自動車のセグメント別ランキングでは第3位の評価を得ました。
ホンダN-ONEはセグメント別第3位にランクイン
ホンダN-ONEは、2020年に同車両の発売から8年目にして初めてフルモデルチェンジを行った、トールワゴンタイプの軽自動車です。
フルモデルチェンジを行ったN-ONE2代目モデルは、人気の高い初代モデルの外観を引き継ぎながらも、初代モデルに比べると約60mm低くなったためトールワゴンタイプからセミトールワゴンタイプへと変更されています。
モータースポーツでも活躍する軽自動車として人気のN-ONEは、ホンダが運営するワンメイクレースも開催されています。このように車両の耐久品質の高さが、モータースポーツの活躍にもつながっているのではないでしょうか。
故障の少ない普通車ボディタイプ別ランキング
故障の少ない軽自動車をランキング別にご紹介しました。では、普通車のなかで故障の少ない、耐久性が高い品質をもったクルマとはどんな車種があるのでしょうか。
こちらでご紹介する故障の少ない普通車ボディタイプ別ランキングは、2020年度日本自動車耐久品質(VDS)調査によるセグメント別ランキング情報を参考にしています。
セグメントとは、いわゆるカテゴリのことでコンパクト、ミッドサイズ、ミニバンと順にボディサイズやフレーム(骨格)が大きくなっています。
故障の少ないコンパクトカー|トップ3
セグメント別ランキング、コンパクトタイプの普通車のランキングをご紹介します。
国産車のコンパクトカーは、輸入車でいうとBセグメントクラスに入ります。コンパクトタイプのランキングでは、トップ3すべてにトヨタの車種がランクインしていました。
第1位 トヨタ パッソ
トヨタパッソは、2004年に製造販売を開始したハッチバック型小型乗用車です。2016年に2度目のフルモデルチェンジを行っており、現行モデルは3代目モデルとなっています。現在の車輌製造はダイハツが行っていて、ベース車両はダイハツブーンとなっています。
第2位 トヨタ ポルテ
トヨタポルテは、2004年から2020年まで生産・販売されていたトールワゴンタイプのコンパクトカーです。初代モデルは、助手席側ロングスライドドアが話題となりました。2014年にフルモデルチェンジを行い2代目モデルとなっていましたので、今回のランクインは2代目モデルとなります。
販売チャネル違いの姉妹車スペイドもありましたが、同時に生産を終了しています。
第3位 トヨタ ヴィッツ
トヨタヴィッツは、1999年から生産・販売されているコンパクトタイプのハッチバック車です。2020年2月10日にマイナーチェンジをしたタイミングで、日本車名ヴィッツから外国との共通名であるヤリスに変わりました。
初代発売時から欧州市場を視野に設計製造された車で、海外の国や地域でも人気が高く、初代モデルは欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
故障の少ないミッドサイズタイプ|トップ3
セグメント別ランキングにおいて、普通車(ミッドサイズタイプ)のランキングをご紹介します。
ミッドサイズとはいわゆる中型サイズのことで、欧州でのC~Dセグメントにあたります。
第1位 スバル レヴォーグ
スバルレヴォーグは、2014年に生産販売を開始した5ドアのステーションワゴンです。2020年にはフルモデルチェンジを行い、現行は2代目モデルが販売中となっています。長く、スバルのステーションワゴンといえば、レガシィでしたがレガシィ6代目の国内販売は2020年末に終了しています。
レヴォーグは、フルモデルチェンジを行った2020-2021に日本カー・オブ・ザ・イヤーも授賞しています。
第1位 トヨタ カローラ(同率1位)
トヨタカローラは、1966年から生産・販売されているトヨタを代表する車の名前です。1997年に累計販売台数において、当時記録を保持していたフォルクスワーゲンビートルを抜いたことで、ギネス世界記録を樹立しました。
2021年の現在はスポーツセダンのカローラスポーツと、安全性能が高いカローラアクシオが販売されていて、カローラのあとにサブネームはついているものの、カローラ自体はおよそ55年前から継続し生産されていることになります。
第3位 トヨタ オーリス
トヨタオーリスは、2006年から2020年まで生産・販売されていたハッチバックタイプのステーションワゴン車です。2018年に2度目のフルモデルチェンジを行いましたが、海外のモーターショーで、公開されました。
3代目販売期間中の2020年に、オーリスからカローラスポーツへと車名が変更になったため、オーリスの生産は2020年に終了となりました。
故障の少ないミニバンタイプ|トップ3
セグメント別ランキングにおいて、普通車(ミニバンタイプ)のランキングをご紹介します。
ミニバンはLサイズミニバンだけでなく、コンパクトミニバンもありますが、こちらでのミニバンタイプではD~Eセグメントに該当する普通車が分けられています。
第1位 トヨタ エスティマ
トヨタエスティマは、1990年から2019年まで生産、2020年まで販売されていた大型サイズのミニバンです。天才タマゴのキャッチコピーで話題となった独特のエクステリアは、ミニバンというと四角い大きなボディを持つ車種が多い中、卵型の丸みを帯びた個性的なデザインが人気となっています。
耐久品質が高いこともあり、販売終了後も中古車として人気が高くなることが予想されます。
第2位 トヨタ ヴォクシー
トヨタヴォクシーは、2001年から生産・販売している5人から8人乗りのミニバン型乗用車です。2014年にフルモデルチェンジを行い、現行は3代目モデルとなっています。3兄弟車となる、ノア、エスクアィア、ヴォクシーの中でも、ヴォクシーは最も多く販売されている人気車となります。
ドレスアップのイメージをお持ちの方が多いと思いますが、耐久品質も高ければさらに人気がプラスになるのではないでしょうか。
第3位 トヨタ エスクァイア
トヨタエスクァイアは、先行して販売されていた別の販売チャネルのノア、ヴォクシーとの3兄弟車の一つです。販売は2014年からで、2020年にトヨタの販売チャネル統合に伴い、それまで販売のなかったネッツ店での取り扱いも開始となりました。
故障の少ない車ランキング毎年上位のレクサスとは
レクサスは、日本自動車耐久品質調査において、3年連続でラグジュアリーブランドの第1位にランクインしたブランドです。また、2018年度、2019年度では総合でも1位を取得となっており、レクサスの車輌の耐久品質が高いことが伝わります。
レクサスとはどんなメーカーなのか、また耐久品質が高いとはどのように調査が行われているのかなど、こちらでご紹介します。
レクサスとはどんなメーカーなのか
レクサスは、トヨタ自動車が展開する高級車(プレミアム)ブランドの名称です。1989年に北米市場で店舗展開を始め、フラグシップセダンとなる初代LSを発表しました。
初代LSは発売初年度だけで、約11,600台を販売し、静粛性の高いクルマと内外装のデザインは北米市場でも人気となり、結果を残しました。
北米での展開したレクサスのコンセプトが好調だったこともあり、逆輸入のような形で2005年8月から日本国内でレクサスの店舗展開が開始されました。その際北米レクサスブランドから販売されていた車種で、日本仕様車として販売されていた車種のいくつかは販売を終了しています。
高級車のラインであることや、走行性能が高い車に見合った耐久性能を持っていることから、レクサスの車は、耐久品質が高い車が多いのではないでしょうか。
日本自動車耐久品質調査はどのように行われているのか
日本自動車耐久品質調査は、年に一回、新車購入後37~54か月が経過したユーザーを対象に8分野177項目の聴取が行われます。調査内容としては、所有する自動車の不具合経験や、所有する自動車の耐久品質へのユーザー評価を聴取します。
調査対象が、37か月(3年と1カ月)から54か月(4年と6か月)当該車を所有するユーザーとなりますので、2020年に新車販売を終了したトヨタエスティマや、トヨタポルテも調査対象となる車両の新車販売期間中だったため、該当しています。
まとめ
故障の少ない車は、耐久品質が高く、メンテナンスをしっかりと行うことで長く乗ることが出来るクルマです。例えば定期的なメンテナンスをおろそかにしてしまったり、スピードを出して走行し、事故や衝突を起こしてしまった場合、車に負担をかけるため、事故等により損傷が出ればさらに耐久性も落ちる可能性が高くなります。
長く車を乗り続けるために、まずは購入前に検討中の車は耐久品質のある車かどうかチェックされてみることをおすすめします。