11月中旬からは、全国的にも降雪が見られる地域が増えてきます。昼間の気温次第ではあるものの、雪は地表の温度ですぐに溶けてしまうため積雪まで至るところは少ないでしょう。しかし、雪が降り始めたり、積ったりすると、屋外に駐車している車には少なからず影響があります。
こちらの記事では、車の上に積もった雪の対策や雪の降ろし方について詳しく解説します。
車に積もった雪はどうしたらいい?

車を屋外の駐車場に停めていると、夜間に降った雪が車上に積もることがあります。雪が積ったままで車の走行を始めると、走行中にフロントガラスに溶けた雪が降りてきて視界を塞いでしまう可能性もあり危険です。車に雪が積った時はどのような処置をするべきなのでしょうか。
車の雪は降ろさないほうがいい?
車上に雪が積もった時、雪の降ろし方次第では車体に傷がついてしまう可能性もあるため、走行すれば車が熱を持って自然に溶け落ちるからと言って、そのままのドライバーもいるかもしれません。しかし、雪を降ろさずにそのまま走行をすると、屋根から滑り落ちた雪でフロントガラスが覆われて視界が塞がってしまい大きな事故になる可能性があります。また、走行中に溶けた雪は、自分の車だけでなく後続を走る車に落ちたり、氷塊のようになった雪が他の車のボディやガラスに傷をつけてトラブルになることもあります。事故やトラブルを防ぐためにも、車の雪はある程度降ろして走行する必要があるでしょう。
車の雪をそのままにしておくとどんな影響があるの?
車の上に降り積もった雪をそのままにしておくと、前述したように交通事故に繋がる恐れがあります。他にも、雪が水分を含んで重さが増すと凹み傷になることがあります。また、自然に雪が解けるのを待っていると、雪に含まれるイオン成分がボディの表面に残り、イオンデポジット(水によるシミ)となってシミ汚れが付いたり、錆の原因になることがあります。
車の上に積もった雪の上手な降ろし方

例年、降雪量が多く車上に雪が積もることが通例となっている地域では、車に積もった雪降ろしも慣れている方が多いでしょう。しかし、引越しや長期出張で訪れた土地で、初めて車に雪が積もった状況に遭ったという方や、車での旅行で降雪量が多い地域を訪問し、初めての状況に困ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらでは雪の上手な降ろし方をご紹介します。
車の上の雪を降ろすために準備するもの
車の上の雪を降ろす時は、いくつかのアイテムを予め準備しておくと作業がラクになります。
注意点としては、スノーブラシで直接雪を降ろそうとすると車体やガラス面に傷が残ることがあるため、ブラシカバーをスノーブラシとセットで購入しておくことをおすすめします。このようなスノーブラシカバーは、洗車時の拭き取りでも活躍するマイクロファイバー生地のものを選ぶと、表面の擦り傷防止になります。
スノーブラシ、スノーブラシカバーはどちらもカー用品店やインターネットの通販サイト等で各2,000円前後で販売されています。降雪時期よりも前に購入して車のトランクに載せておくことで、外出先で突然積雪に遭った時も対応できます。トランクに積んでおくことも想定して尚且つ車体の屋根まで届くサイズを選ぶとなると、ブラシは伸縮できるものが良いでしょう。
車の上の雪を降ろす時のポイント
車の上の雪を降ろす時、必要なアイテムが揃っていたら、まずは車の暖機運転を行うことがポイントです。この暖機運転を15分程度行っておくことで、車体の表面に近いところの凍った雪が解けて降ろしやすくなります。ただし外気温が氷点下よりも上の場合は、暖機運転をしなくても表面の雪があまり凍っていないため、そのまま雪降ろしを進めることが可能です。※熱湯をかける等は温度差でガラスが割れたり、雪解け後の水分が発生して凍る原因になります。やめておきましょう。
雪を降ろす時は、車の前後ではなく左右(サイド)に降ろすようにしましょう。順としては、屋根、ガラス、ボディと上から降ろしていきます。
ボディの表面にスノーブラシを当てて、隙間なく完璧に降ろそうとすると、表面を引きずって擦り傷がつく可能性があります。車の塗装面にブラシを直接あてないよう、やや浮かながら雪を降ろすようにしましょう。ガラスについた雪は視界を塞ぐため、走行前にすべて降ろす必要があります。またリアスポイラーなどの後付け装備は、暖機運転を行っても車の温度が伝わらないため表面の雪が解けません。走行を始めて車体が暖まってきても溶けづらいので、走行前に降ろすようにしましょう。
また、フロントガラスとボンネットの間の樹脂部分(カウルトップ)のくぼみは、ブラシが入らず雪がたまりやすい部分です。手袋をつけた手で直接取るようにしましょう。
車の上に雪を積らせないための対策
車の上に雪が積もると、雪降ろしの作業が走行前に発生するため、いつもより準備に時間がかかってしまう可能性があります。車の上の積雪量を減らし、積雪をカンタンに除去するために予めできることをご紹介します。
撥水コーティングはガラスが凍る対策になる
車のボディの表面やフロントガラスなどのガラス面には、撥水コーティングをしておくことをおすすめします。撥水コーティングがあると水分が弾かれるため、溶けた雪からの水分が車に溜まりにくく、車の上の雪が積って表面で凍りにくくなります。ガラスが凍ると車内からの視界が悪くなるため、暖機運転をしておかないと曇りが取れず、走行を始めるまでに時間がかかりますが、撥水コーティングをしておくと時間の短縮もできます。
ワイパーは立てておくほうがいい?
例年積雪がある地域では、駐車している車のワイパーが立てられているのをよく見かけるという方も多いでしょう。ワイパーを立てている理由としては、フロントガラスの下部分に位置するため駐車中に凍ってしまうことを防ぐためです。凍ったワイパーを無理やり動かそうとするとゴムがちぎれたり、ワイパーを作動するためのモーターが故障する危険があります。
ただ、風が強い日など天候によっては、凍ったワイパーが衝撃で倒れて車体やガラスに当たると傷がつく可能性もあるため、強風の予報がでている日などは、ワイパーを立てずそのままにしておくことをおすすめします。

車は雪がどのくらい積もったら走行できない?

普段あまり雪が降らない地域では、どのくらいの積雪があると車の走行に影響を及ぼすのかわからないという方も多いでしょう。雪が降り始めたことにより運転を中止するかどうかの判断は、雪の量だけでなく、雪の種類や外気温がどのくらい低くなっているのかも影響します。
冬にノーマルタイヤで走ったら捕まるの?
雪が降っているということは、外気温が下がったことで雨が雪に変わったということです。外気温が下がった状態で雪が降って地面が濡れると、路面凍結が起こる可能性もあり、タイヤが空回りしたりハンドリングが効きづらい状況になる可能性があります。特にノーマルタイヤを履いた車で、路面凍結や積雪がある道路を走ると運行が安全に行えませんので、直ちに運転を中止して安全な路肩等でチェーンを装着するか、ロードサービスを依頼しましょう。安全な運行ができないとわかっていて走行を続けると、安全運転違反として違反行為になります。積雪や降雪の影響がある地域では地域ごとの交通規則があり、冬用タイヤに変えていない車では安全運行に対する違反行為となり、罰則や罰金が設定されています。
天気予報で降雪情報が出た時の準備
天気予報によって予め雪が降る可能性が提示されている場合は、冬用タイヤに変更しておく、スピードを落として走行するなど気を付けておきしょう。走行中に雪が降ると、ホワイトアウト現象が起きて見えづらい状況になることがあります。自分の視界が見えづらいということは、周囲の他の車のドライバーも見えづらくなっている可能性があります。ヘッドライトやハザードランプを点灯して、対向車や後続車に車の存在を知らせるように気を付けましょう。
まとめ
こちらの記事では、車の上に雪が降り積もった時の対処方法や、上手な雪の降ろし方など詳しく解説しました。特に車を買って初めて越冬するという方は、何も知らずに雪降ろし作業を進めたことで車に擦り傷がついてショックを受けたという方も少なくありません。洗車時に気を付けるのと同様に、車の上の雪降ろしの作業も愛車に傷をつけないように、予め必要なアイテムを揃えて準備しておくことをおすすめします。


