自動車検査証(車検証)は、車台番号、登録番号、所有者・使用者などの情報と、保安基準への適合を確認できる大切な書類です。車の売却や名義変更、廃車の手続きでも車検証の情報を使用します。その大切な車検証を紛失してしまったとき、廃車はできるのでしょうか。
結論からいうと、普通車などの登録自動車は、車検証を紛失していても抹消登録を進められます。紛失した理由を記載した理由書などが必要ですが、抹消登録のためだけに車検証を再交付してもらう必要はありません。一方、車を引き続き使用する場合や売却・名義変更を予定している場合は、原則として再交付が必要です。
車検証の登録情報が分からないまま手続きを始めると、登録住所と現在の住所がつながらないなど、必要書類の不足によって廃車手続きが進まないことがあります。この記事では、車検証を紛失したときの再交付や抹消登録、住所が異なる場合の対処法を解説します。
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車検証がなくても廃車にする方法
車検証は、車の登録内容や検査時点での保安基準適合を示す書類です。登録自動車では2023年1月から、軽自動車では2024年1月から電子車検証が導入されています。電子車検証もICタグ付きの券面を車に備え付ける必要があります。
車を運行するときは、有効な車検証を車内に備え付けなければなりません。紛失に気づいたら、そのまま運転を続けず、再交付の手続きを行いましょう。
一方、車検証を紛失した登録自動車をそのまま抹消登録する場合は、返納できない理由を記載した理由書を添付して申請できます。「車検証がないと廃車手続きが一切できない」というわけではありません。
理由書には、車検証を返納できない理由や、発見した場合は速やかに返納する旨などを記載します。永久抹消登録・一時抹消登録のどちらを行うか、所有者本人が申請するか代理人へ依頼するかによって、ほかの必要書類も異なります。詳しくは管轄の運輸支局または依頼する廃車業者に確認してください。
出典:国土交通省「自動車の抹消登録」
再交付の手続きを行政書士に依頼する方法と料金
車検証の再交付に必要な官公署提出書類の作成や申請手続きを有償で依頼する場合は、行政書士または行政書士法人に依頼します。廃車買取業者にまとめて相談する場合は、提携する行政書士が書類作成や申請手続きを担当する体制になっているか確認しましょう。
- 申請書(OCR申請書第3号様式。再交付の理由を記載)
- 手数料納付書
- 代理人が申請する場合は、使用者の委任状または申請書への委任の記載
- 汚損・破損した車検証が手元にある場合は、その車検証
- 窓口へ行く人の本人確認書類
個別の手続きで理由書が必要になる場合は、案内された様式を使用します。必要書類と行政書士への報酬は依頼先によって異なるため、事前に総額と対応範囲を確認しましょう。国に納める車検証再交付手数料は、2026年4月1日現在450円です。
再交付を自分でする方法と料金
登録自動車の車検証を自分で再交付してもらう場合は、車の「使用の本拠の位置」を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で申請します。窓口の受付は原則として平日の日中です。受付時間は支局ごとに異なるため、出かける前に公式サイトで確認しましょう。
- 申請書(OCR申請書第3号様式。再交付の理由を記載)
- 手数料納付書
- 汚損・破損した車検証がある場合は、その車検証
- 運転免許証など、窓口へ行く人の本人確認書類
- 代理人が申請する場合は、使用者の委任状または申請書への委任の記載
再交付の申請者は車検証上の使用者です。国に納める再交付手数料は、2026年4月1日現在450円です。窓口の混雑状況によって待ち時間が長くなることがあるため、時間に余裕を持って手続きしましょう。
出典:国土交通省「自動車検査証の再交付」
現在登録事項等証明書を取得する方法と料金
車検証を紛失して登録内容が分からない場合は、「現在登録事項等証明書」を取得して確認する方法があります。これは、請求時点の登録名義や車台番号などを証明する書面です。
ただし、現在登録事項等証明書は車検証の代わりに車内へ備え付ける書類ではなく、この書類だけで廃車手続きが完了するわけでもありません。登録内容の確認が目的なら有効ですが、車を引き続き使用する場合は車検証の再交付が必要です。
- 登録事項等証明書交付請求書(OCR申請書第3号様式)
- 手数料納付書
- 請求人の本人確認書類
請求時は、自動車登録番号と車台番号の下7桁が原則として必要です。また、請求理由と、請求人の氏名・住所の記載も求められます。現在登録事項等証明書の交付手数料は、2026年4月1日現在1通400円です。登録事項等詳細証明書は1通1,200円で、記載が一定枚数を超える場合は追加手数料がかかります。
出典:関東運輸局「登録事項等証明書の交付請求」
車検証と現住所が異なる場合
引っ越しをしたときは、原則として変更後15日以内に車検証の住所変更手続きを行います。変更をしないままになっていると、廃車時に車検証上の住所と現在の印鑑登録証明書の住所が一致しません。
この場合は、車検証に記録された所有者住所から現在の住所までのつながりを確認できる書類が必要です。1回の転居であれば住民票で確認できることがあります。複数回転居している場合や住民票だけでは履歴がつながらない場合は、住民票の除票や戸籍の附票などを組み合わせます。
必要な証明書は転居回数、本籍の移動、自治体の保存期間などによって異なります。法人名義では、商業登記簿謄本など別の書類が必要です。
住民票などの交付手数料は自治体によって異なります。廃車手続きのために住所の履歴を証明したいことと、車検証に記録された住所を市区町村窓口へ伝え、どの証明書なら現在住所までつながるか確認してから取得しましょう。
廃車にした車の車検証を再度とる場合
登録自動車の抹消登録には、解体後に登録を抹消する永久抹消登録と、一時的に使用を中止する一時抹消登録があります。一時抹消登録をした車は、必要な整備・検査と中古車新規登録を行うことで、再び公道を走れる状態に戻せます。
中古車新規登録では、一時抹消登録時に交付される「登録識別情報等通知書」が重要です。以前の「一時抹消登録証明書」に相当する書類で、車の譲渡や中古車新規登録などに使用します。紛失すると通常の再交付とは異なる確認・手続きが必要になるため、一時抹消登録後は大切に保管しましょう。
普通車の中古車新規登録は、概ね次の流れで進みます。実際の必要書類は、所有者・使用者が同じか、車を持ち込むか、予備検査を受けているかなどによって異なります。
- 必要に応じて、使用の本拠を管轄する警察署で自動車保管場所証明書(車庫証明)を取得する
- 車を自走して検査場へ持ち込む場合は、自動車臨時運行許可(仮ナンバー)を取得し、有効な自賠責保険を用意する
- 検査を受け、保安基準への適合を確認する
- 登録識別情報等通知書、申請書、手数料納付書、所有者・使用者に関する書類などを運輸支局へ提出する
- 車検証とナンバープレートの交付を受け、車両へ取り付けて封印を受ける
登録識別情報等通知書を紛失した場合は、車台番号の確認などが必要になることがあります。自己判断で代替書類を用意せず、管轄の運輸支局へ事前に相談してください。
廃車手続きを専門家・業者に相談しよう
運輸支局の登録窓口は原則として平日の日中に受け付けています。車検証を紛失し、登録住所からも転居している場合は、理由書や住所のつながりを確認する書類など、通常より準備が増えることがあります。
車の引取り・解体・買取については、廃車買取業者へ相談する方法があります。一方、官公署へ提出する書類の作成や申請手続きを有償で依頼する場合は、行政書士または行政書士法人に依頼します。廃車買取業者へ一括で相談する場合は、提携する行政書士が書類作成・申請を担当する体制か、費用を含めて確認しましょう。
一般的な流れは次のとおりです。
- 業者を決め、車検証を紛失していることを伝える
- 車の状態と引取り方法、費用、買取条件を確認する
- 理由書、委任状、所有者の印鑑登録証明書などを、案内された提出先へ渡す
- 手続き完了後、登録識別情報等通知書や登録事項等証明書など、手続き内容を確認できる書類を受け取る
依頼前には、引取り費用、手続き代行費用、追加費用が発生する条件、還付金の扱いなどを書面で確認しておくと安心です。
まとめ
登録自動車は、車検証を紛失していても、返納できない理由を記載した理由書などを用意すれば抹消登録を進められます。廃車のためだけなら再交付手続きは不要ですが、車を引き続き使用する場合や売却・名義変更をする場合は、原則として車検証の再交付が必要です。
再交付手数料は2026年4月1日現在450円、現在登録事項等証明書は1通400円です。住所変更をしていない場合は、車検証上の住所から現在住所までをつなぐ住民票、住民票の除票、戸籍の附票などが必要になることがあります。
必要書類は車種や登録状況によって異なります。迷ったときは管轄の運輸支局・軽自動車検査協会、または手続きを依頼する業者に確認し、不足のない状態で進めましょう。




