4WDの維持費は高い……安いのはどんな車?

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日本の車は多くのモデルに4WDの車がラインアップされています。けれども車両本体価格が高い上に、維持費も高いのが難点です。

コストを抑えるにはどうすればいいのでしょうか。また維持費が安い4WDは存在するのでしょうか。

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4WDってどんな車?2WDとの違いは?

4WDの「WD」とは「Wheel Drive」の略で、駆動輪の数を表します。4WDならすべてのタイヤにエンジンの動力が伝わっています。2WDであれば2つのタイヤだけなので、前輪(F)だけか後輪(R)だけに動力が伝わっています。例えば前者がFF、後者がFRやMR、RRとも呼ばれています。最初のアルファベットはエンジンの場所を表しており、Fが前、Mが中間、Rが後ろを意味します。

4WDを「AWD」と表記する場合もありますが、これは全輪駆動という意味です。車によってはタイヤが6つや8つあるので、AWDという呼び方が存在します。4WDはAWDの仲間です。

4WDはすべてのタイヤにエンジンの動力が伝わるので、悪路や山道、雪道に強いというメリットがあります。たとえ轍や窪みにいずれかのタイヤがはまっても、他のタイヤが動くおかげでFFやFRよりも容易に脱出できるでしょう。同じ理由で路面をグリップする力も優れており、加速しやすく高速でも安定して走れます。

4WDにはフルタイム4WDと、必要なときだけ4WDに切り替えられるパートタイム4WDがあり、日本ではフルタイムのほうが主流です。またフルタイムの4WDでも速度や路面状況、ハンドル操作を察知してエンジンの動力を適切に配分する車が増えています。

そんな4WDの大きなデメリットは車両本体価格が高いことです。4つのタイヤを動かすためにどうしても部品数が多くなります。重量にするとFFと比較して50~150kgほどの差です。同じモデルなら車両本体価格は、2割ほど4WDのほうが高くなります。それでいて維持費も安いわけではないのが悩ましいところです。

4WDの維持費が安くない4つの理由

4WDの車は2WDの車と比較して維持費も高いです。それには主に4つの理由があります。

燃費が悪い

先述のとおり4WDは、2WDよりも車体が重いので燃費も悪くなります。また動くタイヤが増えることで路面との摩擦も増え、燃料を多く消費する傾向があります。モデルにもよりますが、1~4km/ℓほどの差です。

ただしメーカーで公表している燃費は「J08モード」での結果であり、恵まれた環境で測定するために良い結果が出やすくなります。実燃費にはそれほど差が出ないか、逆に4WDのほうが上回る場合もあるようです。

エコカー減税の優遇が乏しい

エコカーに認定されると「エコカー減税」が適用されます。新車購入時の自動車取得税や、翌年度の自動車税、自動車重量税が優遇されるものです。どれくらい優遇されるかは定められた基準の達成度合いで決まります。

2WDに比べると4WDの車は燃料基準の達成度合いが低く、優遇される割合も少なめです。トータルで数十万円の差がつく場合もあります。特に新車で購入するときは大きな負担になるでしょう。

保険料が高くなる

任意保険の車両保険は、補償額を契約時の時価で設定しています。補償額が多くなるほど保険料が高くなるため、本体車両価格が高い4WDは不利です。契約者の年齢にもよりますが、年500~1,500円ほどの差があります。

補償額にはある程度幅があり、保険料を抑える目的で安い金額に設定することもできます。ただし修理費用が補償額を上回っても、それ以上の保険金は支払われないので、契約時には慎重に判断したいところです。

いっそ車両保険に加入しなければ、大幅に維持費を節約できます。車両保険の有無で保険料が倍以上違うからです。車両保険は自分の過失や交通事故以外の車の損傷に対して支払われます。安全運転を心がければ車両保険は不要という考え方もできるでしょう。

ただしローンを組んでいるなら加入しておいたほうが安心です。車が壊れてローンだけが残る事態を避けられます。

なお車両本体価格の差が反映されるのは車両保険だけで、同じモデルなら対人・対物賠償保険や人身傷害保険などでの差はありません。

車検代が高い
4WDは2WDよりも部品数が多く、構造も複雑であるため、車検では費用が高くなりがちです。整備に伴う工賃や交換する部品代で差がつきます。特にディーラーは車検に合格するために万全の整備を行い、交換も純正の部品を使いますから、どうしても高くなってしまうでしょう。

逆に自らユーザー車検を行えば工賃や部品代を抑えられますが、車検には合格しても故障の兆しを見落とす恐れがあります。安いという理由だけで手を出すのは避けたほうが無難です。

維持費が安い4WDとは?どこを重視すればいいの?

4WDで維持費が安い車を探しているなら、軽自動車が狙い目です。軽自動車にも2WDとの価格差はありますが、元々の税金が安いため、エコカー減税の優遇される割合が低くても、それほど差はつきません。それは車検にかかる費用においても同じです。

もし普通車にこだわるのであれば燃費を重視しましょう。特におすすめしたいのがハイブリッドの4WDです。ランキングにおいても軽自動車が軒並み上位を占める中で、トヨタのプリウスは34.0km/ℓと1位に輝いています。

4WDに限らず、ハイブリッドは大型車になるほど車両本体価格の差を短い走行距離で取り戻しやすいといわれています。電気モーターの恩恵を軽自動車やコンパクトカーよりも受けやすいからです。

またハイブリッドであれば、同じ4WDでもエコカー減税の優遇される割合が大きくなります。特に大型車は自動車取得税や自動車税が高いので、維持費の節約に大きな効果があるでしょう。

もちろん大型車でなくてもハイブリッドでなくても、エコカー減税で優遇される割合が大きい4WDを選ぶのは大事です。軽自動車やコンパクトカーなら、むしろそのほうが効果的に維持費を安くできます。

まとめ

4WDは2WDよりも部品の数が多く構造も複雑で重量もあるため、車両本体価格だけでなく、燃料代や車検代、税金、保険料などの維持費も高くなります。安い4WDを選ぶには軽自動車や、燃費の良い車、エコカー減税で優遇される割合が大きい車に注目したいところです。

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