新車登録から10年程度が寿命だといわれている自動車。
自検協の統計情報によると平成30年の乗用車の平均車齢は8.60年、令和2年は8.72年と、実は26年連続で延び続けています。乗用車の長期使用化がさらに進んでいることが影響しています。
自動車は、しっかりとメンテナンスをしておけば20年以上走り続けるのも可能だということをご存知でしょうか。
新車だけでなく中古車でも20年乗り続けることができるのです。ですが、20年乗り続けた車は下取りをしてもらう際に、下取り価格が付けられないといわれてしまうことも少なくありません。
こちらでは、車の寿命や車を20年乗ることについて、解説していきます。
そもそも車の寿命ってどれぐらい?
車の寿命、実は明確には決まっていません。ただ、一般的には、「走行距離が10万キロ」、「新車登録から10年後」が寿命だといわれています。
車の寿命が10年と言われているのはなぜ?
車の寿命が10年といわれているのには、様々な要因があります。
10年で車の価値は0円になることが多い
新車登録から1人のオーナーがその車に乗る期間は平均7.5年といわれています。10年を過ぎた車検が来る前の、まだ価値がある段階で車を下取りに出し乗り換える人も多いため。
純正の部品の在庫が10年までしかないため
法律でメーカー側は車の部品を10年は在庫として置いておかなければならないと決まっている日本。しかし、10年以上になると法律で定められていないため、部品の在庫がなくなることが増え、他の車のパーツを取りつけることも増えます。
新車登録から13年経過すると自動車税と重量税がアップする
新車登録から13年経過すると自動車税と重量税がアップします。そのため、10年程度で車を乗りかえる人も多くなります。
10年以上の車は車検を1年毎に行わなければならなかった
平成7年以前、10年以上乗った車は車検を1年毎に行わなければならないと決められていました。しかし、車の性能が上がってきたこともあり、10年以上経過した車でも車検は2年に1回でいいと制度が変わりました。
そのような制度の影響がまだ残っていることも寿命が10年といわれる原因の1つです。
海外では古い車を大切に長く乗るという文化が根付いています。日本車は海外の車よりも耐久性が高く長持ちするといわれることも。そのため、メンテナンスをきちんと行えば、寿命といわれる10年を超えた20年間車に乗ることも可能です。
だったら20年車を乗り続けるのに問題なし?
20年以上車に乗り続けたいと考えている場合は、メンテナンスをしっかりと行う必要があります。逆にいえば、メンテナンスさえしっかりと行っていけば、20年以上車に乗り続けることは可能ということ。
では、一生その車に乗るというくらいの気持ちで長く車に乗りたい場合、どのようなメンテナンスを行えばいいのでしょうか。
重要なメンテナンス|エンジン
メンテナンスで重要なのは、「エンジン」。エンジンに不具合が生じエンジン自体を修理交換しなければならなくなった場合は、修理費用として50万円近くかかります。
50万円かけて修理するならば、車を買い替えた方がいいと考え車を買い替える人が多いのも事実。そうならないためにも、エンジン周りは定期的にメンテナンスする必要があります。
重要なメンテナンス|定期的な交換
定期的に交換しなければならないのは、「エンジンオイル」と「オイルフィルター」。エンジンオイル交換の目安は、走行距離5,000km毎か半年に1回かのどちらか。
走行距離が1年で5,000kmいかない走行距離が短い車でもエンジンオイルは半年に1回は交換する必要があります。というのも、エンジンオイルは走行距離に関係なく空気中の水分を取り込み劣化してしまうため。
そのため、走行距離に関係なく半年に1回はエンジンオイルを交換しましょう。
また、エンジンオイルと密接な関係があるオイルフィルターもエンジンオイル交換の2回に1回の頻度で取り替えるのがおすすめです。
エンジンオイルのフィルターであるため、エンジンオイルをきれいに保つためにもオイルフィルターも、定期的に交換しましょう。
他にもオルタネーターと呼ばれる発電機やフューエルポンプと呼ばれる燃料ポンプは、車に長く乗り続けるためには交換しておきたい部品です。走行距離が20万kmに到達する前の時期に早めに交換しておくと、それ以降も安心して車に乗ることができます。
中古車の場合でも20年乗り続けられるの?
新車の場合はメンテナンスをしっかりと行えば20年以上乗ることも可能でしたが、中古車の場合でも20年以上乗ることは可能です。
とはいえ、中古車の法定耐用年数はきちんと決められています。新車の場合、法定耐用年数は普通車の場合6年、軽自動車の場合は4年です。経理のシステム上、車は減価償却を行わなければならず、減価償却を行うために法定耐用年数がきちんと決まっています。
中古車の場合の耐用年数は、計算をして出す必要があります。すでに法定耐用年数が過ぎた中古車を手に入れた場合は、「法定耐用年数×0.2」を行うと耐用年数の計算が可能です。
まだ法定耐用年数が経過していない中古車を手に入れた場合は、「法定耐用年数-(経過年数×0.8)」とすることで、耐用年数の計算が可能です。計算を行った結果、耐用年数が2年以下になった場合は、耐用年数は2年となります。というのも、耐用年数の最低年数は2年であるためです。
中古車の耐用年数
新車登録からの経過年数 | 普通自動車 | 軽自動車 |
---|---|---|
1年後 | 5年 | 3年 |
2年後 | 4年 | 2年 |
3年後 | 3年 | 2年 |
4年後 | 2年 | 2年 |
この計算を行うと、軽自動車を中古車として購入した場合は新車として登録されてから1年後には耐用年数が3年、2年後には2年となり、それ以降ずっと2年となります。
普通自動車の場合の耐用年数は、1年目には5年、2年目には4年、3年目には3年、4年目以降は2年となります。
もちろん、計算上の耐用年数には関係なく中古車を20年以上乗ることもできます。4年半落ちで買った中古車を20年ほど乗っている人もいるため、前述の通りメンテナンスをきちんと行えば、中古車を20年以上乗ることも十分可能です。
処分が大変?20年以上乗った車は下取りしてもらえない?
自分が愛着を持って大切に乗ってきた車でも、20年以上乗った車ではディーラーからは下取り価格を付けられない、中古車買取業者からは処分費用がかかるといわれることもあります。
しかし、実は車としてはもう価値がなくても、鉄くずやパーツとしてはまだ価値があります。鉄は中国で需要が高まっていることもあり、解体して鉄にすればいくらでも買い取ってもらえるもの。
廃車買取専門業者なら、事故車や年式の古い車、走行距離が長い車でも買取をすることができます。そのため、廃車費用をわざわざ支払って廃車にしてもらうのは損としかいえません。
さらに、日本車は海外ではとても人気があります。例えば、ハイエース。20年以上前のハイエースでも海外では人気があるため、とても需要があり買い取ってもらえることがほとんどです。他にもランドクルーザーやエクストレイルなど海外で人気が高い車はたくさん。
そのような車を、廃車費用を払ってまで廃車するのはとても損です。海外向けの販路を持っている廃車買取業者に買い取ってもらうことができると、廃車費用を支払う必要がなくなる上に、多少の金額が手元に残ることもあります。
車の寿命についてよくあるご質問
こちらでは、車の寿命についてよくいただくご質問にお答えします!
Q.車の寿命ってどのくらいか決まってるの?
A.車の寿命は決められている明確な年数はありません。ただし一般的には新車登録から10年、走行距離でいうなら10万kmといわれています。これは、一般的な乗り換えのタイミングである平均車齢から考えて年式が10年前の車は、リセール時の価値が0円に近くなることが多いことや、修理などのメンテやメーカーが保証する部品の在庫期間が10年と言われていることが要因といわれています。走行距離は、平均1年1万kmと言われているため10年10万kmが目安となっているようです。
Q.車は20年乗り続けても問題ない?
A.車の一般的な寿命と言われている年数は10年であるものの、同じ車を20年乗り続けることは可能です。ポイントは、定期的なメンテナンスをすることと必要な部品交換のタイミングをしっかりおさえることです。特に最近は自動車メーカーの製造や設計の技術自体も進化していることもあり、長期使用できる車両自体が増えています。
Q.中古車で購入した車も20年乗り続けることは可能?
A.新車登録から10年の車だけでなく、中古車であってもメンテナンスや乗り方次第では20年乗り続けることは可能です。ただし、中古車には購入時の年式によって耐用年数が決められています。新車登録から4年以上が経過している場合は、購入から2年が耐用年数となっています。メンテナンスを続けて、定期的に使用することで長く乗り続けることが出来るクルマですが、20年以上経過している車の場合、下取り査定は厳しいことが多いでしょう。買取業者の選び方を間違えると廃車費用がかかって損をすることもあるので、気をつけてください。
まとめ
日本車はもともと丈夫に作られています。そのため、20年以上走ることができる車がほとんどです。ですが、20年以上走った車は下取りの際になかなか下取りしてもらえないなど、大変な面も。ですが、ネットの廃車査定サービスを使えばどんな車でも簡単に査定してもらうことが可能です。
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