最近は「ドライブレコーダー」を搭載する車が増えています。
車のトラブルに関する報道を見て、後から付け足すドライバーも多いようです。その理由と選び方について紹介しましょう。
車にはドライブレコーダーを付けたほうがいい?
「ドライブレコーダー」は、車を運転しているときの状況をカメラで記録する機器です。万が一事故が発生しても、後から見返してどちらに非があるのか確認できます。
これまで加害者側と被害者側の証言が食い違う場合、目撃者を探したり警察の実況見分に頼ったりしなければいけませんでした。非が無いのに不利な状況に追い込まれたり、泣き寝入りしたりするケースも多いようです。
ドライブレコーダーがあれば映像で記録されるので、事故を起こすまでの動きや信号の色などが分かります。自らの証言を正当化する証拠になるのです。車同士の事故はもちろん、故意にぶつかってくる「当たり屋」の対策にもなります。
カメラは基本的に前方を向いていますが、横からの衝突も確認できるように広い視野角を持っています。また追突されたときのため、後ろに据え付けるカメラとセットになったドライブレコーダーもあります。
このように前後左右の状況を記録できれば、社会問題にもなっている「あおり運転」の対策にもなるでしょう。あおり運転はドライブレコーダーに加えて、「録画中」のステッカーを他の車から見える位置に貼っておくと効果的です。
最近では駐車時も記録してくれるドライブレコーダーがあります。スーパーや夜間の駐車場など長時間車から離れていると、故意に傷つけられたり盗難に遭いやすくなったりするものです。警察に届け出ても犯人を捕まえるのは難しいでしょう。
こんなときもドライブレコーダーが監視していれば、映像を解析して犯人を特定できます。同じく「録画中」のステッカーを貼れば防犯対策にもなりそうです。
ドライブレコーダーは多くのメーカーから販売されています。シェアのTOP3はユピテル、ケンウッド、コムテックで、いずれも日本のメーカーです。価格は1~3万円が主流で、1万円前後でも駐車時の記録に対応するなど十分な機能を備えており、3万円近くになると後ろに据え付けるカメラが付属します。
取り付けは比較的簡単で、ドライブレコーダーの本体を説明書で定められた位置に貼るだけです。ドライブレコーダーを取り付ける位置は「道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)」の第29条第4項第7号によって決まっています。ルームミラーの裏側で検査標章に重ならない場所が基本です。
さらにワイパーの可動域であれば、雨の日も鮮明に記録できるでしょう。電源をシガーソケットから取れるタイプなら面倒な配線も不要です。シガーソケットを独占したくなければ、二又または二連式のアダプターを使うか、従来どおりバッテリーやヒューズボックスから電源を取ります。
モニタ付きのドライブレコーダーは、分離型にしても一体型にしても場所を取るのが難点です。前者であれば、カーナビやスマートフォンの画面をモニタ代わりに使える機種が便利でしょう。後者にはバックミラーと一体になったドライブレコーダーもあります。
どのドライブレコーダーがいい?選び方のポイント4つ
では、次にドライブレコーダーの選び方のポイントについて見ていきましょう。
きれいに撮れる?
車のナンバーや相手の顔、標識のような細かい情報は、粗い映像だと拡大したときにぼやけてしまい、正確に読み取るのが困難です。ドライブレコーダーを選ぶときは細部まで鮮明に記録できるか確認しましょう。その目安となるのが「解像度」と「画素数」です。
どちらも数値が大きくなるほど、大画面で見ても細部までぼやけずに再生できます。ドライブレコーダーの主流は解像度がフルHD(1920×1080)で、画素数は200万以上です。
また記録するのは必ずしも晴天の時ばかりでなく、夜間や雨の日もあります。解像度や画素数が高いのはもちろん、色飛びせずに明暗差を見やすくしてくれる「WDR(またはHDR)」という機能が必要です。
「フレームレート」も重要です。1秒あたりに撮影できるコマ数のことで、数値が大きいほど映像が滑らかになります。車は時速60㎞で1秒あたりに約16.7m、100㎞で約27.8m進みますから、最低でも30fpsは欲しいところです。
なおLED式の信号機は毎秒50~120回点滅しており、フレームレートによっては消えていたり、色が変わったりする場合があります。購入時には「LED式信号機対応」と明記されたドライブレコーダーを選ぶのが無難です。
どこまで撮れる?
車は前後だけでなく、横からぶつけられる場合もあります。カメラの視野角が狭いとぶつかる瞬間を記録できず役に立ちません。だからといって左右それぞれカメラをつけるのも費用がかかりますし、多くの電源が必要です。そこで1台のカメラで広範囲を記録できるよう、視野角の広いドライブレコーダーを選びましょう。
特に重視したいのが「水平画角」です。その名のとおり記録できる横の範囲で、角度が大きいほど優れています。目安は108度以上ですが、120度あると安心です。あおり運転にも対応できます。最近では値は張りますが、360度記録できる機種もあるほどです。なお視野角を表す数値には、他にも上下の「垂直画角」や斜めの「対角画角」があります。
どれくらい撮れる?
ドライブレコーダーで記録された映像はメモリーカードの中に保存されます。大容量のメモリーカードを使えるほど、長時間の記録が可能です。容量がいっぱいになると古い記録から上書きされます。
ただし同じ容量でも解像度や画素数、フレームレートが高くなるほど、記録できる時間は短くなるので注意が必要です。メーカーにもよりますが32GBのメモリーカードに対応していれば、3~6時間記録できます。
また事故に遭って電源の供給が絶たれてしまうと、それ以降の状況を記録できません。そんなときのためにバッテリーを内蔵していると安心です。データが壊れるのを防ぐ役割もありますし、次に紹介する駐車時の記録にも欠かせません。
確実に撮れる?
大事な映像を確実に保存するには、ドライブレコーダーに「上書き禁止」の機能があると便利です。手動で操作するか、急ブレーキや急ハンドル、衝突などを感知すると、それ以降の映像は自動的に別フォルダへ保存されます。前者は「手動記録」、後者は「イベント記録」という名称です。イベント記録は機種によって上書き禁止になる時間が異なります。
また駐車している間の記録は、常に行っていると車のバッテリーが上がってしまいます。何か起こったときだけ作動するドライブレコーダーであれば、本当に必要な瞬間だけを記録してくれるでしょう。車のためにはバッテリーを内蔵している機種がおすすめです。
作動条件には衝撃を感知する方法と動くものに反応する方法があり、後者のほうが幅広いトラブルに対応できます。なおドライブレコーダーの中には別売りのバッテリーや電源ケーブルなどのオプションが必要になる場合もあるので、購入するとき確認しましょう。
ドライブレコーダーは事故時にどれくらい役に立つの?
ドライブレコーダーで記録された映像は、車に関する事故や犯罪に巻き込まれたときの証拠になります。例えば被害者と加害者で言い分が異なるときです。ドライブレコーダーを見れば、どちらに非があるかすぐに分かります。警察の実況見分でも役に立つでしょう。
万が一、治療や入院で実況見分に立ち会えないまま調書が作成され、不本意な内容になっても後から十分に覆せます。また駐車中の車上荒らしや当て逃げなどは、ドライブレコーダーの記録が犯人を特定する手がかりです。先述のステッカーと同様、ドライブレコーダーを搭載しているだけで抑止力があります。
ただし、こうしたデジタルの記録はいくらでも加工できるため、100%信頼されるわけではありません。例えば裁判で証拠品として提出する場合は、あまりにも映像が短いと不十分だったり、相手方に反論の余地を与えたりする恐れがあります。
またドライブレコーダーには、必ずしも自身にとって有利な状況ばかり記録されているとは限りません。実は赤信号で交差点に進入していたり、一時停止を怠っていたりすることなどが発覚する可能性もあります。
ドライブレコーダーの記録に提出義務はありません。たとえ相手方から提出するよう要求されても拒否できます。提出すべきか迷うときは、事前に弁護士や保険会社に相談して判断を仰いだほうが良いでしょう。
事故対策以外にも!ドライブレコーダーの意外な使い方
ドライブレコーダーの役目は、事故時の状況を記録するだけではありません。応用次第で様々な使い方ができます。
例えばドライブ中の景色を記録して後で見返せます。編集してYouTubeやTwitterなどインターネット上で公開することも可能です。上書き禁止のところで紹介した手動記録ができるドライブレコーダーで、静止画も撮影できると便利です。さらにGPS機能を搭載していると実際に走ったルートや速度まで分かるようになります。
Wi-Fiを搭載していると、スマートフォンがカメラのモニタになり記録の保存や編集も可能です。離れたところにいる家族や友人がスマートフォンを通して、ドライブの様子を確認することもできます。
また営業用の車にもドライブレコーダーの普及が進んでいます。映像とGPSで運行状況が記録されるため、安全運転の指導に役立つだけでなく、仕事で無駄な動きをしていないかもチェックできるのがメリットです。自動車保険料の削減と業務効率の向上という2つの経済効果を期待できます。
このようにドライブレコーダーのニーズは高まっていますが、買取時の査定においては加点の対象外です。元々の価格がそれほど高くない上に、技術の進歩が速くて旧機種を搭載しても、あまりメリットは無いからです。業者によってはプラスになる場合もあるので、取扱説明書や箱は大切に保管しておきましょう。
まとめ
ドライブレコーダーの記録は、車に関するトラブルが発生したときの証拠として使えます。
運転時だけでなく駐車時も記録できると安心です。購入するときは鮮明に広範囲を確実に記録できるか確認しましょう。
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