これまで多くの国産車でドアバイザーが採用されていました。特にカーエアコンが今ほど普及していなかった時は、効率よく車内の空気を換気するためのパーツとして、ドアバイザーは重宝されていたのです。
しかし近年の車は、エアコンが装備されて効率よく車内の空気を換気し、温度も調整できるようになってきています。そのため、ドアバイザーはオプションパーツとなり、標準装備されているの装着車は年々減少しているようです。
ドアバイザーは必要なアクセサリーパーツなのでしょうか?
ドアバイザーの効果や役割、必要性について解説していきましょう。
ドアバイザーのメリット・デメリット
ドアバイザーは、サイドガラスの上に設置するアクリル製の樹脂で作られているパーツです。サイドガラスやボディの形状に合わせて、流線形に膨らんでいる形状が特徴となっています。
多くの場合でオプションパーツに設定されていますので、あえてつける必要があるのか考えてしまいます。
ドアバイザーにはどんな効果があるのか、ドアバイザーを装着する上でのメリットとデメリットを考えてみましょう。
ドアバイザーのメリットは雨除けと防犯効果
ドアバイザーを付けていることの最大のメリットは、雨除けになる効果があるということです。
ドアバイザーがあれば、少しの雨が降っていても窓を開けて過ごすことが出来ます。バイザー部分が雨を防ぎますので、車中に入ってくることはありません。雪が降っている場合にも、サイドガラスに雪が付着するのを防いでくれます。
車に乗っていると、雨でも窓を開けたい場面があります。同乗者がたばこを吸っていたり、飲食をしたりして空気を入れ替えたいと思う時も同様のことが考えられます。
エアコンの外気導入を利用すると外気を取り込むこともできますが、窓を少し開けて走行する方がスムーズに空気の入れ替えをすることができます。
特に近年は新型ウィルス感染症蔓延防止のため、積極的に換気を行うようにしている方も多いでしょう。天気を問わず窓を開けることが出来るドアバイザーは、空気の循環に役立っています。
また運転をしている時に、外の音を聞きたいこともあるでしょう。ドライブで外の音を聞いて走りたいといった場合や、踏切前の安全確認で窓を少し開ける必要がある時にも、ドアバイザーは役立ちます。
また停車中に換気のため窓から一定の隙間を開けておきたいといった時も、ドアバイザーがあれば防犯対策になります。ドアバイザーが付いていないと、窓の隙間からこじ開けるなど犯行が行いやすくなり、車上狙いの的となりがちなのです。
ドアバイザーのデメリットは洗車と風切り音
ドアバイザーを付けておくことのデメリットとして、洗車がしづらくなることがあります。
洗車をする時には車の上部から水をかけます。しかし、ドアバイザーが付いている位置には上から水を掛けても、直接水が届きません。このように作業の邪魔になる点がデメリットです。
特に自動洗車機を利用する場合は、ドアバイザーがあることで窓の一部分の掃除が出来ないことが気になるでしょう。
また、車は空気抵抗が少なくなるように設計されていますので、ボディから膨らんでいる形状のドアバイザーから風切り音がすることは避けられません。高速で走行をする時に、ドアバイザーから風切り音がするのも、装着した際のデメリットになるでしょう。
ドアバイザーのデメリット対策と工夫
ただ、現在メーカーオプションとなっているドアバイザーに関しては、風切り音が鳴らないように工夫されているものや、風切り音対策になるフィンのセットグッズなどがカー用品店で販売されていて、ある程度のノイズは抑えられているようです。
車種によっては後方を確認する際に、ドアバイザーが視界に入り見えにくく感じてしまうこともあるようですが、こちらは一部の車のみとなっており、大きなデメリットとまでは言えません。
ドアバイザー装着時の外装への影響は
ドアバイザー非装着車の所有者の内、ほとんどは上記で紹介したような風切り音や洗車時のデメリットを気にしていたり、オプション費用を支払って迄装着する必要はないと判断された方でした。
しかし、ドアバイザー非装着を選択した人の中には機能としては必要と思いながらも、車の外観にバイザーのデザインがあっていないという理由から非装着のままを選んだという方も少なからずいらっしゃるようです。
特に外国産車はエクステリアデザインに凝ったモデルも多く、流線形のサイドエクステリアにバイザーを装着したくないとの理由から、非装着を選んだドライバーもいました。
ドアバイザーの需要は?
車のエアコン搭載率の上昇と空調システムの向上と共に、ドアバイザーの需要は減っているとはいえ、車の購入時には機能として不要であっても装着をすすめられるケースがあります。
ドアバイザーの装着車は減っている
ドアバイザーを標準装備として装着する車は、徐々に減少傾向にあります。実際、ドアバイザーの装着率は国産車であっても2割程度まで減少しています。
その理由の一つが、車内での喫煙者の減少です。ここ数年は健康志向の人が増え喫煙者が減少している影響で、車内で喫煙する人も減っています。そのため、窓を開けて換気をする必要がなくなったことが要因の一つに挙げられています。
標準装備ではなくとも、新車購入時にメーカーオプションとして選択出来るようになっている車は多くあるものの、車内の換気を定期的に行いたいというユーザーや喫煙者がいる方を除くと、オプションでのドアバイザー装着の選択をしない方が多いため、中古車市場でもドアバイザー未装着車は増えています。
最近のトヨタ車は外気導入システムが優れていて、取り込んだ外気と車内の空気の入れ替えが約3分で完了すると言われています。このように空調システムが優れていることで、十分に換気が出来ていると感じる方も多くなっているため、ドアバイザーを不要に考える方が増えているのでしょう。
積雪が多い地域は雪対策のためドアバイザーを装着することをすすめられるため、地域での違いはありますが、オプションパーツで装着するかどうかを選べる場合には装着しないことを選ぶ方が増えてきています。
ドアバイザーは不要だけど装着していることも
それほど必要とされていない車の使用状況であっても、ドアバイザーが装着されている車もあります。それには理由があります。
まず、現在の新車販売時の基本としてドアバイザーはオプションパーツとなります。購入者は、新車購入時に、オプションパーツを装着するかどうか決定することが可能です。
しかし本来求めていたオプションパーツを装着しようとするとセット購入になり、自動的にドアバイザーの装着が選択されるというケースもあります。他のパーツが目当てで装着しようとしているのに、ドアバイザーもセットでなければ装着できないというパターンです。
もしセットでオプションパーツを装着するのであれば、ドアバイザーもセットに含まれてしまうのか確認しておく必要があるでしょう。特に見た目にこだわりが無ければ、換気がしやすくなるなどのメリットがありますが、車の見た目にもこだわる方であれば、セットパーツゆえに希望しないドアバイザーが装着されることにもなりかねません。
メーカーオプションはディーラーオプションとは異なり、納車前に設置される装置ですのでオーダー段階で必ず確認しましょう。
メーカーオプションのドアバイザー相場
現在メーカーが新車販売している車は、標準装備されているドアバイザーが減少傾向にあり、ほとんどがオプションで選択し装着することが出来るモデルです。
そのなかでも、オプションパーツとして単独で選択できるものを選び、ドアバイザーを装着するといくら位かかるのかまとめてみました。
車種 | ドアバイザーオプション価格(税込) |
マツダCX-5(アクリルバイザー) | 27,720円 |
トヨタアルファード(サイドバイザー) | 30,800円 |
日産ノート(プラスチックバイザー) | 21,120円 |
スバルレヴォーグ(ドアバイザー) | 21,560円 |
ダイハツタント(ワイドバイザー) | 30,052円 |
ホンダN-BOX(ドアバイザー) | 16,500円 |
上記のように国産自動車メーカーにおける、軽自動車・普通自動車どちらもドアバイザーのオプション費用の相場は、1万円~3万円前後となっています。材質はメーカーによって異なり、風切り音対策がされていたり、バイザーに車名やメーカーロゴが入っているものなどもあります。
もしも外国産車メーカーの車や輸入車にドアバイザーを付けたいと考えている方は、純正アクセサリーのドアバイザーが設定されていないブランドも多いため、適合品を探す必要が出てきます。
インターネット通販や、カー用品店で適合しているドアバイザーを購入しご自身で装着も可能ですが、部品の購入と取付を任せることが出来る整備工場に一括で任せるのも一つの手です。
次項では、自分でドアバイザーを取付ける方法を解説します。
ドアバイザーはDIYで取り付けできる?
ドアバイザーは、DIYで取り付けできるのでしょうか?後から取り付ける際の注意点などをまとめていきましょう。
ドアバイザーをDIYで後付けしよう
ドアバイザーは、基本的にテープで接着して取り付けを行うので、簡単にDIYで取り付けを行う事もできます。
メーカーによってはディーラーで購入することもできますが、カー用品店やインターネット通販も可能で、純正オプションに比べても安く購入することができます。
もちろん忙しい方や、きれいに取り付けする自信がない方は、ディーラーや整備工場で装着してもらうと確実に取り付けができます。
ドアバイザーを取付ける手順
1.取付位置の確認し予め汚れを落とす
自分で取り付けをするのであれば、まずはドアバイザーを取り付ける位置の汚れを落とします。両面テープで接着する部分が汚れていると接着力が弱まってしまい、きちんと取り付けすることが難しくなります。しっかりと汚れを落としておきましょう。
次に、ドアバイザーの取り付け位置を確認します。前後左右のバランスを確認し、見た目がおかしくないのか、マスキングテープなどで印を決めながらチェックしましょう。
2.シールや糊付けで接着する
問題が無ければ、両面テープのシールを取り外し、ボディに接着していきます。
注意点として、既存のドアバイザーが接着されていたのであれば、以前使用されていたドアバイザーの両面テープ跡はしっかり取り除くかなくてはいけません。少し大変でも、きれいに取り除かないと、次に取り付けたドアバイザーの接着が不可能になります。接着面に凹凸が出ないように、またテープの成分が残っていないか確認しながら取り付けを行いましょう。
ドアバイザーを取り付ける前に、どれほど接着面をきれいにすることができるかは、より強力にドアバイザーを固定するためのポイントとなります。
ドアバイザーのデザインや大きさに決まりはある?
ドアバイザーの取り付けに関しては、特に大きな決まりはありません。
色や模様に関しても、保安基準では決まりがない項目となっています。それで色を変えたり、ステッカーを貼ったりして、カスタムを楽しむことはできます。多くの場合には、クリアやスモークの物が多いですが、自分の好きな色にしてみることも可能でしょう。
しかし自由度が高いとは言っても、車検時にどのような形状でも車検に通るという訳ではありません。視界やドアミラーを遮ってしまう形状や、鋭角で歩行者を傷つけてしまうような形状の場合には、車検に通らない可能性があります。
また大きさの面では、ドアバイザーがドアミラーを覆ってしまうほどの大きさの場合、視界を遮ってしまう形状とみなされる可能性があります。保安基準では明確な基準がないとしても、安全に走行できる常識の範囲内での大きさや形状であることが求められるでしょう。
ドアバイザーに関するよくあるご質問
こちらでは、ドアバイザーに関してよくいただく質問をまとめています。
Q.ドアバイザーをつけることでどんな効果があるの?
A.ドアバイザーを車のサイドガラスの両側につけることで、雨天の時や降雪時に少し窓を開けて換気をしようとしても、中に雨や雪が入ってくることを防ぐことが出来ます。喫煙される方や、車酔いしやすく換気を定期的にしたいという方は、ドアバイザーがあれば天候問わずに窓を開けての換気が可能になります。
Q.ドアバイザーをつけていると困ることはある?
A.ドアバイザーをつけたことで困ることは、洗車時にひと手間必要になることです。特に洗車した後に水がバイザーの下に直接かからないため、カーシャンプーなどが残ってしまったり、洗車機では一部分直接当たらない箇所が出来てしまうことがああります。
Q.ドアバイザーにオプションをすすめられたけど付けるべき?
A.ドアバイザーを新車購入時にオプションパーツとして装着するかどうかすすめられた場合は、車の使用状況として換気が必要な場面が多いのか、雨天や降雪の時期に車を使用することはあるのかなど考えてみましょう。ドアバイザーをオプションパーツでつけようとすると、パーツの費用相場は1万円から3万円程度です。不要であれば、支払う必要がない費用となりますので、オプションパーツの見積もり時に車を使用する人で相談すると良いでしょう。
Q.ドアバイザーのデザインを変えたい、付け替えることは出来る?
ドアバイザーはインターネット通販やカー用品店でも販売しています。スモークになっていたり、透明度が異なっているなど、販売するメーカーでデザインは異なります。車のサイドから見ると目立つパーツではありますので、気に入ったものに取り換えたい方もいらっしゃるでしょう。
ドアバイザー自体は、シールや糊を使用して付外しが出来るパーツです。取り替えたいと希望されている場合は、工程を確認し丁寧に剥がして自分で付け替えることも可能です。ただし、ご自身での取り換えは失敗すると不格好になることもあります。不得意という方は、整備工場等で見積もりをとってみることをおすすめします。
まとめ
ドアバイザーは、換気がしやすいという便利な一面がある一方で、見た目が悪くなったり、風切り音がしたりするなどして敬遠されることもあるオプションパーツです。特にボディ形状を楽しむ方の場合には、ドアバイザーを取り付けたくないという方もおられるでしょう。
後から必要だと感じても、簡単にDIYで取り付けることができるドアバイザー。必要であれば、自分好みの形状のドアバイザーを見つけて、自分で取り付けしてみましょう。DIYで愛車をカスタムすれば、自分の車に着が沸いてくること間違いありません。