イグニッションコイルを交換するタイミングや費用について

はじめての方へ

イグニッションコイルとはなにかご存じでしょうか?
イグニッションコイルとは高電圧を発生させる装置で、ガソリンを燃焼するために必要なスパークプラグを作動させるための役割を果たします。あまり知られていないパーツですが、車にとってとても重要な部分なのです。

では、イグニッションコイルを交換するタイミングはいつくらいがいいのでしょうか?
また、イグニッションコイルを交換する場合はどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

イグニッションコイルの交換時にかかる費用やイグニッションコイルの交換方法について解説していきます。

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イグニッションコイルの交換時期はいつ?

イグニッションコイルの交換の目安や、交換が必要なタイミングはいつごろかこちらで解説します。

イグニッションコイルの故障は車の重大な故障につながる

イグニッションコイルは内燃機関において欠かせない部品です。

内燃機関とはガソリン車などの「吸気された空気とガソリンを圧縮した混合気体を燃やして動力を生み出し、車を動かすエンジン」のことです。

内燃機関の仕組み(吸気→圧縮→燃焼→排気)

吸気工程圧縮行程燃焼行程
吸気バルブから外気を取込む混合気を圧縮し
混合気体になる
スパークプラグで火花が発生
点火した混合気体が燃焼
燃料(ガソリン)

ガソリン車の内燃機関は、まずピストンが下降して吸気バルブが開き外気を取込みます。吸気した空気と燃料(ガソリン)は混合気となり、圧縮されて混合気体になります。この混合気体が燃焼し爆発すると燃焼ガスが発生して膨張するためピストンを押し下げます。ピストンが最も下まで下がると排気バルブが開き排気ガスを排出します。排気ガスが排出されたことでピストンはまた上昇します。このピストンの繰り返しが動力となり車を動かすエネルギーになる仕組みとなっています。

混合気体を燃焼し爆発させるために点火している部品がスパークプラグです。スパークプラグは流れてきた電圧により火花を起こし点火するのですが、スパークプラグの作動には高電圧が必要となります。車載のバッテリーから流れる電圧は12Vで火花を発生させるまでには力が足りません。高電圧へと変更する変圧器の役割をイグニッションコイルが担っており、変圧して発生した高電圧によってスパークプラグは火花を発生させることが出来ています。

イグニッションコイルが故障すると燃焼前の点火工程で不具合が発生し、内燃機関が正常に作動出来なくなってしまいます。そのためエンジンに不具合がある時は、点火工程のイグニッションコイルに要因がある可能性が高いのです。

このようにイグニッションコイルの故障や不具合は、車の動力に対して大きく影響があります。
こちらでは、イグニッションコイルの劣化や故障に対応できるように、交換時期や交換が必要な時について次項から詳しく解説します。

イグニッションコイルの交換時期の目安は

一般的に、イグニッションコイルの交換目安は走行距離10万km毎といわれています。

自分の車の走行距離を確認してみて、既にそのくらいの走行距離に達している場合は一度点検を受けてみてもよいかもしれません。特に不調はないという場合でも、ディーラーの定期点検や車検時の自前点検の際に整備工場などで、イグニッションコイルの交換が必要になっていないか聞いてみると良いでしょう。内燃機関に関わる部品のため、走行中や出掛け先で故障になってしまう前に定期的な点検をしておくことをおすすめします。

また中古車購入を考えているという方は、車を選ぶ際に走行距離値を確認しておきましょう。距離数次第ではイグニッションコイルの交換が必要なタイミングと重なっているかもしれません。交換が必要なタイミングであった場合、購入後すぐに部品購入が必要になると車両販売価格に整備工賃などがさらにかかることになります。前もって販売店に問い合わせておくことをおすすめします。

イグニッションコイルの故障で車に異常が発生している可能性

イグニッションコイルは交換目安の時以外にも交換が必要となることがあります。それは、イグニッションコイルが不調となり故障してしまっている時です。イグニッションコイルは車の機関部分の部品ですので、直接視認するには時間がかかります。気づくことが出来るタイミングは、車に異常があった時となります。イグニッションコイルに不調や故障が発生すると、車にはいくつかの異常があらわれます。

下記のような異常が車に発生した場合はイグニッションコイルの故障を疑うようにしましょう。

・アクセルを踏んでも加速力を実感できない
・キーを回してもエンジンがかかりにくくなった
・アイドリングの安定感がなくなってきた
・エンジンのチェックランプが点灯している

アクセルを踏んでも加速力を実感できない

走行中の車を加速しようとしてアクセルを踏んでも加速しない、加速力を実感できないといった場合には、イグニッションコイルに問題が生じている可能性が高くなります。

イグニッションコイルに問題があると、スパークプラグが上手く点火出来ず内部で発生するエネルギーが低減してしまうため、車の加速力が弱まるのです。このように加速力に関する車の異常には、イグニッションコイルの故障が原因である場合が多くなります。

キーを回してもエンジンがかかりにくくなった

通常はキーを回すとすぐにエンジンがかかりますが、エンジンがかかりにくくなっている場合にはイグニッションコイルの故障の可能性があります。

キーを回してもセルモーターが回っているが、なかなかエンジンがかからない場合イグニッションコイルの変圧能力が弱まっていることが要因に考えられます。イグニッションコイルが正常に作動している時は、高電圧が放出されてスパークプラグへエネルギーを伝達します。しかしイグニッションコイルが変圧出来ていない場合はスパークプラグがうまく作動することができずに、エンジン自体始動しにくくなってしまうためです。

アイドリングの安定感がなくなってきた

アイドリングの安定感がなくなってきた場合にも、イグニッションコイルの故障の可能性があります。アイドリングとは、エンジンをかけたまま車を停止している状態のことです。走行中に赤信号で車を停止させた時や、エンジンの回転はしているが車は動いていない暖機運転のような時もアイドリング中といいます。このようなアイドリング中に一時的にエンジンを自動停止させる機能をアイドリングストップといいます。

車がアイドリングしている際にエンジン音やエンジンが停止など違和感があれば、イグニッションコイルの不具合が発生している可能性があります。

エンジンのチェックランプが点灯している

エンジンチェックランプが黄色(またはオレンジ色)に点灯している場合は、イグニッションコイルに異常が発生している可能性が考えられます。車のエンジンをかけるとモニターやメーターパネルにはエンジンチェックランプが点灯しますが、エンジンが落ち着くとすぐに消灯します。しかし、その後もエンジンチェックランプが点灯をしたままであれば、エンジン周りの制御システムが異常を検知していますので、急停止が必要な警告灯ではありませんが、安全な場所へ移動してディーラーや整備工場などに点検を依頼する必要があります。イグニッションコイルの故障がある場合、イグニッションセンサーがエンジン点火制御システムの異常を検知してチェックランプを点灯しています。黄色(オレンジ色)の警告だからと走行を続けると、走行中にエンジンストップが起こることもありますので、注意が必要です。

また、車に異常が起こっていてイグニッションコイルの故障の可能性があるなら出来るだけ、早く近くのディーラーや整備工場で点検や修理を受けるようにしてください。そのまま放置してしまうと車の大きな故障や走行中のトラブルにつながってしまいます。

イグニッションコイルの交換方法

イグニッションコイルは車を動かす時に動いている部品のため、使用を続けることで劣化してしまう消耗品です。そのため交換時期の目安があり、時期が来れば交換をすることをおすすめします。

では交換をしたいと考えた時、イグニッションコイルの交換方法はいったいどのようなものがあるのでしょうか。
イグニッションコイルの交換をする時どこに依頼すればよいのか、またイグニッションコイルを長持ちさせる方法もあわせてご紹介していきます。

イグニッションコイルの交換手段は

イグニッションコイルを交換する手段は2つあります。

1.ディーラーや整備工場に交換を依頼をする
2.自分でイグニッションコイルの交換をする

しかし、イグニッションコイルはもともと内燃機関の一部で、車の心臓部分であるエンジンに関わる部品です。イグニッションコイルの劣化からなのか、プラグを含めてイグニッションコイルの周辺部分に不調の可能性があるかを、専門知識なく判断することはあまりお勧めできません。

ディーラーや整備工場へ依頼した場合は、精密点検もあわせてしてもらうことが可能です。定期点検に合わせて交換を行っておくなど、しっかりと資格を持った人に点検と交換を依頼することをおすすめします。

イグニッションコイルを交換したくない!長く維持するには?

イグニッションコイルをできるだけ交換したくないと考える人も多いでしょう。

交換工賃や部品費用を抑えるためには、長く良い状態を維持しつづけることがポイントになります。イグニッションコイルを長持ちさせるにはどうすればよいのでしょうか?

もともと各シリンダーのスパークプラグの上にイグニッションコイルをが配置したダイレクトイグニッションシステムは、故障が圧倒的に少ないといわれています。そのためイグニッションコイルも壊れにくい部品としての認識が高いでしょう。

そのイグニッションコイルを、さらに長持ちさせたいのであれば、スパークプラグの交換を行うようにしましょう。イグニッションコイルは、スパークプラグが消耗してくると負荷が大きくなるといわれています。イグニッションコイルだけでなく、同じく各シリンダーに配してあるスパークプラグも合わせて部品点検を行うことが大切です。

イグニッションコイルの交換費用は?

イグニッションコイルの交換にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

イグニッションコイルが劣化したり故障した時、交換するにはディーラーや修理工場に依頼することが一般的ですが、交換するにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
こちらでは、イグニッションコイルの価格相場や交換に必要な工賃について解説します。

イグニッションコイルの交換費用はどのように決まる

たとえば、スバル車などの水平対向エンジンやスポーツ車に多く搭載されているV型エンジンは、イグニッションコイルの交換時に周りの部品も外す必要があり、工程が複雑になります。このように部品交換に手間や専門的な作業を必要とする場合は、通常よりも費用がかかってしまいます。

前述したようにイグニッションコイルの交換に手間がかかる車種の場合、通常よりも交換工賃がかかるほか、交換と整備を完了するまでに日数もかかることもあります。特に低年式車で部品供給がストップしている場合は、適合する型番を探すことからスタートすることも少なくありません。修理工場に部品の取り寄せと交換工程まで一括で依頼することは出来ますが、取り寄せた費用と部品代金に工賃となると費用が高額になる可能性もあります。まずは見積もりをとってみることをおすすめします。

あまり高い費用をかけたくない場合は、自分でイグニッションコイルの交換を行う方法もあります。インターネット通販等やカー用品店ではイグニッションコイルの部品販売がありますので、適合する型番を調べることで購入が可能です。イグニッションコイルとスパークプラグがセットのものや、イグニッションコイルが3本セット、または1本から注文が可能なものなど種類もそれぞれとなっています。また、純正の新品部品はノーブランド品と比べると少し高額になります。インターネット等で購入できるノーブランド品は価格が抑えられているものが多いものの、レビューを確認すると耐久性については商品によって差があるようです。自分でイグニッションコイルの交換をする場合は、部品選び、工程についてリスクも理解しておくようにしましょう。

ノーブランド品のイグニッションコイルの一本あたりの販売価格相場

軽自動車のイグニッションコイルの相場は2,000円~7,000円
普通車のイグニッションコイルの相場は2,000円~9,000円

イグニッションコイルの交換は依頼するといくらかかるの?

イグニッションコイルの交換は、当該車両の年式や車種などによって異なりますが、工賃は1万5千円ほどで交換できるといわれています。もちろんそれよりも費用がかかる場合もありますので、あくまでもこれは目安です。

もしもイグニッションコイルの交換をディーラーや修理工場に依頼すると、工賃の他に見積もり費用や部品代金がかかります。
そうすると、当然ですが工賃の1万5千円だけでは交換を依頼することは出来ません。では、イグニッションコイルの交換費用はいったいどのくらいかかるのでしょうか?

一般的にイグニッションコイルの交換で経年等により交換の時期を目安に依頼する時は、全気筒交換となります。全気筒交換費用の相場は、3万円~4万円位となっています。

例えば軽自動車に多い水冷直列3気筒エンジンであれば、3気筒すべて交換することになりますので、イグニッションコイルの交換も3本です。V型8気筒エンジンなら8本となります。また、イグニッションコイルの交換の際に他の部品も外す必要がある場合は、さらに複雑な工程になるため工賃が高くなります。

前述したように交換する際の工賃については、車種などによって異なりますので、注意してください。全気筒交換費用の相場である3万円~4万円はあくまでも目安の金額となります。

イグニッションコイルを交換すると、どのような効果があるのか?


イグニッションコイルの交換時期に適切な交換をすると、車にとってどのような効果があるのでしょうか?イグニッションコイルの交換で期待できる効果をまとめてみました。

・エンジンの安定性が増す
・低速減のトルクが増大する
・吹き上がりが良くなる
・燃費が良くなる

このように、イグニッションコイルを交換することによってさまざまなメリットが生まれます。イグニッションコイルは内燃機関において、エンジンの回転に合わせて同時に動き続けている部品となり、消耗品といわれています。長く使用を続けると経年劣化はあり、さまざまな不具合が出てくるでしょう。

走行距離が10万kmに達したら、まずは点検を受けてみることをおすすめします。必要な場合は交換をして快適な走りを手に入れましょう。

イグニッションコイルの交換に関するよくある質問

イグニッションコイルの交換に関してよくある質問をまとめました。

Q.イグニッションコイルはどのくらいで交換が必要になる?

イグニッションコイルの交換時期の目安は走行距離で10万kmくらいといわれています
ただし、車の使用状況や保管環境によっても異なりますので、車に異常があった時や走行中に違和感がある時は、目安の走行距離を下回っていても交換が必要な可能性があります。

Q.イグニッションコイルが故障すると車はどうなってしまう?

イグニッションコイルの故障や不具合があると、内燃機関(エンジン)の作動に不具合が出る可能性が高くなります。走行中にアクセルを踏んでも加速が弱いと感じたり、エンジン始動時になかなかかからないなどの不具合があると、イグニッションコイルの不良や故障の恐れがあります。

Q.イグニッションコイルの交換は自分でも出来る?

イグニッションコイルの交換は新しい部品を購入して自分ですることも可能ではあります。
しかし内燃機関に関わる部品のためリスクがあります。また、交換時に他の部品を取り外さなければ出来ない配置になっている車種もあり、工程が複雑なことも少なくありません。出来る限り、専門の業者や整備工場等に依頼されることをおすすめします。

Q.イグニッションコイルの交換を修理工場で依頼したら高い?

イグニッションコイルの交換の交換費用は、部品代金・工賃・見積もり費用を含めて相場としては3万円~4万円位となっています。

ただし、イグニッションコイルは内燃機関の原動機の種類によって必要な本数が異なっていたり、配置が違うなど様々です。スポーツカーなどの横置きエンジンは部品の交換のために他の部品を取り外さなければいけないなど、工程も難しくなっています。部品代金も生産メーカーや耐久性の高い素材などによって高額になる場合もありますので、費用はあくまでも目安となります。
まずは、見積もりをとることをおすすめします。

Q.イグニッションコイルの値段はいくらくらい?

自分でイグニッションコイルを交換する、もしくは部品を購入して持ち込んで交換を依頼する場合、イグニッションコイルの購入を検討する方もいらっしゃるでしょう。イグニッションコイルは、適合品や純正品など種類が様々となり、適合品は1本あたり2,000円から販売されているものもあります。耐久性や安定性、保証期間などは販売メーカーによって異なります。購入される際は適合しているかどうか販売店に前もって問い合わせるなど、しっかりと確認をとってからされることをおすすめします。

まとめ

イグニッションコイルを交換するタイミングについては、車に起こる異常などからも判断できます。イグニッションコイルの交換は、ディーラーや整備工場などに依頼するのがいいでしょう。イグニッションコイルの交換は工賃が約1万5千円かかります。交換費用の相場は3万円~4万円となっています。

ただし、車種などによってはさらに工賃がかかる場合もありますので、日頃からのしっかりとした点検が、車を長持ちさせることにつながるでしょう。

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