車の免許は18歳から取得できるため、未成年でも車を持っている人はいるでしょう。免許取得と同時に親御さんに車を買ってもらう人も多いです。しかし成人する前に車が故障するなどして、廃車にせざるを得ない状況になることもあります。
未成年の場合には成人と違って、自らの意思だけで廃車手続きを行うことができません。そのため成人の場合と手続きが異なります。では未成年が車を廃車にしたいときにどうすればいいのか見ていきましょう。
廃車にする車の所有者を確認しよう
未成年の場合には自分の車として普段使っている車でも、所有者は自分でない場合も多いです。まずは所有者が誰なのか確認しておきましょう。
親が所有者になっている場合には
車を購入したときには、所有者と使用者を登録しなければなりません。所有者と使用者は別々の人を登録することができる仕組みです。
そして未成年の場合には、親が所有者で本人が使用者になっていることがよくあります。特に親に車を買ってもらった場合で多いケースです。未成年本人を所有者にすることもできますが、中古車販売店などではたいてい親を所有者にするように勧められます。
車の所有者は車を管理しなければなりません。車に関してトラブルがあったときなども責任を負うことが多いです。また所有者にはその車に関して、新規登録や名義変更、変更登録、抹消登録などを行う権限があります。使用者を決めるのも、車を廃車にするのも所有者の権限で決めることです。所有者が親になっているのであれば、親に事情を話して廃車手続きを行ってもらいましょう。
使用者も車を管理する責任やトラブルに関する義務は負いますが、車に関する権限はほとんどなく、使用者が廃車手続きを行うことはできません。ただ、ナンバープレートの地域名と管轄の運輸支局も使用者の住所を基準に決められます。
ローンで購入した場合には
ローンで車を購入した場合にも実際に車検証に記載されている所有者をよく確認しておかなければなりません。
未成年でも働いて収入を得ている人なら、ローンを組んで車を購入する人はいます。そしてどこのローンを利用しているかが重要です。ディーラーのローンを利用している場合には、ローン完済までの間は通常ディーラーを所有者として登録しています。そして、ローンを完済すると、本人に所有権を移す仕組みです。
所有者は車検証に記載されているので確認してみましょう。もしローンがまだ残っていてディーラーが所有者になっている場合には、車に関する権限はローン会社にあります。使用者の判断だけで勝手に廃車にすることはできません。
ただし、同じローンでも銀行のマイカーローンを利用している場合には、最初から自分が所有者として登録できるケースがほとんどです。そのためローン未返済の状態でも廃車にできます。
未成年が自分の車を廃車にするには
未成年の人が自分の車を廃車にする場合にどのような手続きをすればいいのか見ていきましょう。
自分所有の車を廃車にするための手続き
車の所有者が自分であれば、書類を揃えて運輸支局で手続きを行えば車を廃車にすることが可能です。
ただし未成年の場合には、単独で法律行為を行うことができません。そして廃車手続きも法律行為に含まれます。未成年者が廃車手続きを行うには親権者の同意を得なければなりません。
そのため、通常の廃車手続きで必要な書類に加えて、親権者の同意を得ていることを証明するための同意書が必要です。
まずは解体業者に依頼して車を解体してもらい、その後に必要な書類を用意して陸運支局に行って手続きを行います。通常の廃車手続きで必要な書類は、実印と印鑑証明書、車検証、ナンバープレート、リサイクル券、移動報告番号、解体通知日です。移動報告番号と解体通知日は解体業者から車を解体してもらったときに渡されます。
親権者の同意があることを証明するために必要になるのは、同意書と親権者の印鑑証明書、親権者の戸籍謄本です。同意書の用紙は国土交通省のホームページからダウンロードできるので、それを印刷して親に書いてもらいましょう。押印する箇所があるので、印鑑証明書と同一の印鑑を使用します。
廃車にしたいが自分所有でない場合はどうするか
親が所有者の場合には、親が単独で手続きを行うことができます。使用者が別でも特に使用者の同意は必要ありません。解体を行った後に陸運支局に行って手続きを行うだけです。未成年者が所有者の場合よりも、必要な書類が少なくて済むので手続きもスムーズにいくでしょう。
ただし、使用者が一人暮らしなどをしていて、所有者である親と同居していない場合には注意が必要です。管轄の陸運支局は使用者の住所を基準にして決められます。廃車手続きを行う際にも、使用者の住まいが管轄エリアの陸運支局まで行かなければなりません。
ディーラーが所有者の場合には、基本的にローンを完済してからでないと廃車にできません。しかし、廃車にせざるを得ない事情がある場合には、ローン会社に相談してみましょう。状況によっては応じてくれる可能性もあります。応じてくれなければローンを完済して自分に所有者が移ってから廃車手続きを行うことになります。
廃車にするにはお金がかかるのが未成年にとっては痛い
廃車にするには通常お金がかかりますが、未成年の人にとっては痛い出費です。
ではどのくらいお金がかかるのか、出費を避ける方法はないのか見ていきましょう。
どのくらいお金がかかるのか
廃車手続きはディーラーなどの業者に依頼する場合と自分で行う場合で費用に差があります。
基本的に業者に依頼すると手数料や代行費用などの名目でお金がかかり、ディーラーの場合だと特に高めです。安い場合だと1万円程度ですが、高い場合だと8万円程度かかります。安心感からディーラーに依頼する人が多いですが、安く済ませたい人にはあまりおすすめできません。
自分で陸運支局に行って手続きを行う場合には、費用を安く済ませることが可能です。しかしそれでも、解体費用だけはかかってしまいます。概ね1万円から2万円程度の金額です。また廃車にするくらいの状態だと、動かせない場合もあるでしょう。
解体工場まで自走して持ち込めない場合には、レッカー車の手配に5,000円から1万円程度の費用がかかります。ディーラーに依頼する場合ほどではないにしても、痛い出費です。
お金をかけずに廃車にする方法もある
実は全くお金をかけずに車を廃車にする方法があります。それは廃車買取業者を利用することです。廃車予定の車をそのままの状態で買取ってもらうため、解体費用もかかりません。それどころか逆にお金がもらえます。あまりお金に余裕のない未成年の人にとっては嬉しいことでしょう。
ただし車の状態が酷い場合には、本当に買い取ってくれるのかどうか不安になる人も多いです。業者によっては査定額が付かないかもしれません。車が動かせない状態のときは、移動費用のことも気になるでしょう。
そんな場合には弊社カーネクストにお売りください。弊社では状態の良し悪しにかかわらず、どんな車でも買取対象にしています。査定額は最低でも0円保証です。値が付かないことを理由に断られることはありません。
また動かせない車の場合には、レッカー移動も無料で行っています。そのため本当に1円も費用をかけずに、廃車にできるのです。もちろん親権者の同意を得て書類を揃えれば未成年の人でも利用できます。廃車予定の車があるのなら、ぜひお問い合わせください。
まとめ
未成年の場合には車を持っていても所有者は親になっていることが多いため、廃車にするときにもたいてい親が手続きを行います。
また未成年本人が所有者になっている場合には、親権者の同意を得て同意書などの書類を揃えれば、成人とほとんど同じ手続きで廃車にすることが可能です。廃車買取業者も親権者の同意があれば、未成年でも利用できます。