マフラーのせいで車検に通らない!選び方や注意点は?

マフラーで車検通らない トラブル・修理

エキゾーストノイズを楽しむために社外マフラーへ交換していると、車検に通らないケースが増えています。規制が年々厳しくなっているのが原因のようです。車検に通るには、どのようなマフラーを選べばいいのでしょうか。

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マフラーの規制は年々厳しくなる

まずはマフラーの基準がどのように変化しているのか紹介しましょう。

新しい規制とは?

2010年(平成22年)4月1日以降に生産された車が社外マフラーに交換する場合、国土交通省が認定した機関による「事前認証」を受けたものでないと車検を受けられません。それ以前の車でも日本自動車マフラー協会(JAFMA)の認定品でなければ、車検を受けられても通るのは難しいでしょう。

さらに2016年(平成28年)10月1日以降に生産された車には、純正より音が大きいマフラーを装着できないという規制も追加されました。ただし、当面は現行の絶対値規制を継続するため、それより音が小さければ車検には通ります。もっとも、終了した時点で純正より音が小さいマフラーに交換しなければいけません。

車検に通る基準

車検ではマフラーの音量と取り付け位置、触媒の有無をチェックされます。基準は国土交通省による「道路運送車両の保安基準」で定められたものです。

2018年12月の時点で、2010年4月1日以降に生産された車であれば、音量は「近接排気騒音」が普通乗用車は96dB(デシベル)、軽自動車は97dB以下なら合格です。それ以前の車はエンジンの位置や乗車人数、生産当時の規制などによって96~103dBの基準値が設定されています。

数値だけで見ると低く感じるかもしれませんが、怒鳴り声や犬の鳴き声、電車が通るときのガード下と同じくらいで、これでも極めてうるさい音量です。JAFMAの基準では、近接排気騒音に加えて加速走行騒音も82dB以下に抑えなければいけません。

また、普段の運転ではうるさく感じていなくても、車検ではエンジンの最高出力時と比べて75%の回転数の状態を5秒間維持した上で急に減速させます。多くのドライバーにとっては、滅多にないシチュエーションなので要注意です。

取り付け位置は、1999年(平成11年)1月1日以降に生産された車であれば、最低地上高が9cm以上で、フロアラインから10mm以上突出していないのが条件です。10mmを超えていても、マフラーのテール部の外周に2.5mm以上の曲率半径がある丸みがついていれば車検に通ります。

フロアラインとは、垂直軸と母線によってできる角度が30度の円錐を、自動車の外部表面に、できるだけ低い位置で接触させたときの軌跡です。それ以前の車は、マフラーが車体から突出していなければ合格できるため、若干厳しくなったといえるでしょう。

触媒は排気から有害物質を除去する役割があり、車検では炭化水素と一酸化炭素の数値を検査します。前者は300ppm以下、後者は1%未満です。触媒が無いと無条件で不合格になってしまうため、かならず装着しましょう。レースでは加熱による発火を防ぐため、あえてマフラーを外す場合もありますが、その状態で公道を走ることはできません。

社外マフラーには厳しい車検

これらの基準と規制を踏まえて、どのような社外マフラーなら車検に通るのか確認してみましょう。

どんな社外マフラーなら通るの?

社外マフラーの中でも「保安基準適合品」や「車検対応品」と明記されているものであれば、基準や規制をクリアしているので、車検には通ります。さらにJASMAの認定品なら、より厳しい基準を定めているため安心です。

そもそも社外マフラーを取り付ける理由は、冒頭のエキゾーストノイズを楽しむためであり、ターボ車を出力アップするためでもあります。規制が厳しくなるほど、これらの魅力から遠ざかるため、抵抗を覚えるドライバーもいるでしょう。

そこでマフラーを提供する各メーカーは、基準を満たしつつも音量より音色に力を入れ、排気効率を高める技術で性能を向上させる方向にシフトしています。

サイレンサーの効果は?

サイレンサーはマフラーに取り付けて音量を小さくできるアイテムです。10~20dBほど静かになり、内部にグラスウールなどを詰めて、さらに音量を小さくしているドライバーもいます。そのままでは音量が基準値を超える車でも、サイレンサーによって基準値内に抑えられるでしょう。

ただし、車検ではサイレンサーを固定しないと通りません。取り外しできるのはもちろん、ネジ止め程度ではNGで、ボルトでも検査員によって判断が分かれます。リベットや溶接で簡単に外せないようにすれば問題ないでしょう。

取り外しができないのは、マフラーの音量を楽しみたいドライバーにとって悩ましいかもしれません。中古車に騒々しい社外マフラーが付いていたり、劣化によって車検に通らないほど音量が大きくなったりしたなら、サイレンサーの固定は有効な方法といえるでしょう。

マフラーの劣化に要注意

マフラーは長年使っているうちに劣化します。劣化すると、どのような不具合が発生するのでしょうか。

穴が空いてしまう

マフラーは劣化すると穴が空いてしまいます。そもそもマフラーは、途中で音を吸収したり音の通り道を狭くしたりすることで、音量を抑えているものです。穴が空いてしまうと、そこから音が漏れてしまい、近接排気騒音が大きくなってしまいます。その結果、従来なら通ったはずの車検に落ちてしまうのです。

マフラーは路面に近いところに設置されているので、融雪剤に含まれた塩分や水たまりの水分の影響を受けて腐食します。また、内部で水蒸気が結露して腐食する場合もあります。穴が空かなくても、グラスウール(断熱材)の詰まりなどで消音性能が低下しているかもしれません。一般的にマフラーの寿命は10年前後です。

先ほどのように、サイレンサーで経年劣化による消音性能の低下をカバーする方法もあります。また、最初からJASMAの認定品にしておくと、厳しい基準で作られているため、多少劣化しても、まだ車検に合格できる余裕があるでしょう。

交換するなら?

マフラーに空いた穴はパテやテーブなどでふさげますが、あくまでも一時的な処置であり、走行中に取れたり溶けたりする恐れがあります。車検でも不良品とみなされるかもしれません。穴が空いていなくても本来の役割を果たせなかったり、メーカーのマークが消えて認証を受けたものか分からなくなったりした場合は、交換するしかないでしょう。

マフラーの交換費用は、部品代が3~8万円で、それに工賃が5,000円ほどかかります。純正のマフラーほど高価です。修復されたものや中古品なら1万円台から購入できますが、価格相応にしか長持ちしません。

なので、もし車全体の劣化が進んでいる場合は、他の箇所の修理や交換が必要になりますので、いっそのこと買取に出して、そのお金を新車購入に充てる方法が一番コスパの良い方法といえるでしょう。

なお、古い車は中古車として買取に出すよりも鉄資源やパーツとしての廃車買取に出した方が高値になる可能性が高いので、カーネクストの様な手数料無料の廃車買取業者に申し込みする様にしましょう。

まとめ

マフラーは音量に対する規制が年々厳しくなっており、新しい車になるほど認証を受けていないと車検を受けられず、基準値以下でないと交換できません。サイレンサーで音を小さくする場合も、車検では簡単に取り外しできないよう固定します。基準値を満たしてこそ、車検に通るだけでなく、周りにも迷惑をかけないのです。

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