車を運転するときに窓を開けて風に当たると気持ち良いでしょう。しかし、窓を閉めようとしたときに、閉まらないと焦ってしまいます。途中までしかしまらないということもあるかもしれません。
ここでは、車の窓が閉まらないときに考えられる主な原因や対処法について解説していきます。
車の窓が閉まらない原因は?
現在使われている車の窓は、パワーウインドウで開け閉めするものがほとんどです。一昔前まで主流だった手動でグルグル回して開け閉めするタイプの車は、ほとんど見られなくなりました。
パワーウインドウは、昔の手動のタイプの窓と比べると格段に便利で使いやすいですが、故障したときはちょっと厄介です。窓を開けた状態で故障してしまうと、閉められなくなってしまいます。
窓が閉まらなくなった原因はスイッチの故障?
そして、窓が閉まらなくなったら、その原因を突き止めましょう。よくあるのが、スイッチの不具合です。パワーウインドウのスイッチは押したり引いたりして使うでしょう。このスイッチが意外と脆い作りになっていることが多いです。窓が閉まらないときには、押したり引いたりするときの感覚がいつもと違わないか確認してみましょう。
もし、いつもと比べて、妙に軽いようであれば内部の部品が折れたり外れたりしている可能性が高いです。正常であればスイッチを押したり引いたりすることで、モーターが動きますが、スイッチの部品が壊れていると操作がモーターに伝わりません。
また、押したり引いたりする箇所は正常でも、内部の方の部品が折れるなどしている場合もあります。折れた部品が隙間などに挟まったり引っかかったりして、スイッチを押し引きしたときの操作がモーターまで伝わらないこともあるでしょう。
窓が全開の状態でスイッチをずっと押しっぱなしにしたり、逆に閉まっている状態で引きっぱなしにしたりすると、内部の部品が壊れやすいです。また、そのような使い方をしていなくても、長期間使用していると、内部の部品が少しずつ摩耗して外れることもあります。
原因はレギュレーターの不具合?
スイッチに故障箇所がない場合には、パワーウインドウレギュレーターの故障を疑ってみましょう。パワーウインドウレギュレーターというのは、車のドアの内部に取り付けられている部品です。窓を開閉するときにアームやワイヤーで窓を動かす役割を果たしています。
アームを使用しているパワーウインドウレギュレーターの場合には、故障時に異音が出たり、おかしな動きをしたりするようになるので、一般の人でも分かりやすいです。正常に開閉できず、斜めに動くことがよくあります。また、正常に開閉できる状態でも、異音が出る場合には要注意です。そのまま使い続けると、少しずつ異音が大きくなっていき、やがて正常に開閉できなくなってしまいます。
しかし、ワイヤーを使用しているパワーウインドウレギュレーターの場合には、故障の兆候が特に見られません。ワイヤーが切れる直前までは特に異音なども出ず、正常に開閉できていて、ワイヤーが切れれば全く開閉できなくなってしまいます。
アームやワイヤーを動かすのに、モーターを使用しているわけですが、モーターも長く使用していると少しずつ劣化してきます。スイッチやアーム、ワイヤーなどが故障していなくても、モーターの劣化により、窓を持ち上げられなくなる可能性も十分にあります。
車の窓が閉まらない時の対処法
車の窓が閉まらないときには、かなり焦ってしまう人が多いですが、まずスイッチの確認を行いましょう。
小さなお子さんがいる場合には、チャイルドロックを使用することもあるかもしれません。窓が閉まらないときには、チャイルドロックの解除を忘れているケースも多いです。また、自分でチャイルドロックをしていなくても、子どもがいたずらをしてチャイルドロックがかかってしまう可能性もあります。チャイルドロックが付いている場合には、故障を疑う前に確認しておきましょう。
また、スイッチが押せなかったり、押したときの手応えがなかったりした場合には、スイッチが故障している可能性が高いです。
チャイルドロックがかかっておらず、スイッチを押したときにも特に違和感がなければ、故障箇所を確認するのは少し難しいかもしれません。パワーウインドウレギュレーターかモーターが故障している可能性が高いですが、ドアの内張を外して、状態をチェックする必要があります。普段から車のパーツを自分で交換したり、カスタマイズしたりすることが多い人なら、不具合箇所を特定できるかもしれません。
ただ、それでも自分で直すのは難しいでしょう。交換用のパーツはネットオークションなどを利用すれば入手可能ですが、通常のカー用品店などでは取り扱っていないところが多いです。また、内張を外すところまではできても、どこに不具合が生じているのか判別できない可能性もあります。外した内張を元に戻せなくなることもあるでしょう。
内張を外すのが不安に感じられる人は、ディーラーのところに行って見てもらうのが無難です。
窓が閉まらない状態でディーラーや修理業者へ持っていくときの注意点
不具合箇所がわからないとき、もしくは特定できた場合も、修理するにはディーラーや修理業者に依頼しましょう。
ディーラーのところまで車を運ぶ際に、窓が開いたままだと都合が悪い場合もあります。雨が降っていると、車内が濡れてしまうでしょう。そのようなときには、とりあえず応急処置をしておくことをおすすめします。
窓を手動で上げられるところまで上げましょう。ドアを開けた状態で、外側と内側から両手で挟むようにしてやると上がりやすいです。上げた後そのままにしておくと、再び下がってしまうこともあるため、ガムテープや梱包テープなどで固定すると一応閉まった状態にできます。ただ、窓が完全に開いていると、引っ張れる箇所がないため手動で閉めるのも難しいでしょう。
車の窓が閉まらない場合の修理
車の窓が閉まらないときには、ディーラーや修理店などに持ち込むと修理してもらえます。ただし、修理費用がかかるので、きちんと用意して行きましょう。修理費用の金額は、故障箇所により、だいぶ差があります。
窓が閉まらない時の修理費用相場
故障箇所がスイッチだけであれば、5,000円くらいで修理可能です。スイッチパネルを取り替えることになります。パワーウインドウレギュレーターが故障している場合だと、15,000円程度かかることが多いです。モーターを交換する場合は、安ければ1万円くらいで済みますが、3万円くらいかかることもあります。
また、1箇所故障しているのであれば、現在のところ故障までには至っていない箇所も、それなりに経年劣化していることが多いでしょう。近いうちに、他の箇所に不具合が生じて、また窓が閉まらなくなってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、ついでにパワーウインドウ関連のパーツを全部取り替える人もいます。全部取り替えると、3万円から4万円程度かかりますが、しばらくはパワーウインドウの不具合に悩まされることなく、快適に運転できるでしょう。パワーウインドウ関連のパーツは、そう頻繁に壊れるものではありません。一度交換すれば、手放すまで再び壊れることはないと考えて差し支えないでしょう。
修理費用が高額に感じたとき、乗り換えを検討していたら
人によっては、ちょうど車を買い替えを検討していた時期に、パワーウインドウが故障することもあるかもしれません。なかなか決められないでいた場合には、手放すにはいい機会になります。古くて中古車としての売却が困難な車なら、廃車買取に出すことになるでしょう。
ディーラーに引き取ってもらおうとする人が多いですが、古い車や故障している車だと費用がかかってしまうケースが多いです。中古車としての価値のある車でないと、ディーラーは無料での引き取りはしてくれません。
パーツだけが故障しているだけなら、修理してその後中古車販売に出すのも良いでしょう。中古車販売の基準は少し厳しいので、売るなら個人売買でのオークションなどもおすすめです。個人間のやり取りなので、トラブルは多いかもしれませんが、お互いが納得さえすれば高値で売ることもできるのがオークションの良いところです。
窓の故障の修理代金であれば、オークションで売れば元も軽く取れるかもしれません。中古車販売でどこの業者にも買取を断られてしまったという場合は、個人売買にすこし目を向けてみても良いかもしれません。
まとめ
車の窓が閉まらなくなると、焦ってしまいがちですが、なるべく冷静に対処しましょう。チャイルドロックがかかっているだけのことも多いです。
本当に故障しているようであれば、手動で応急処置をしてから、ディーラーのところに持ち込んで修理してもらいましょう。修理後は、そのまま使用するか、売りたい場合は中古車買取業者に見積もりを出してもらうか、オークションで売却するという手もあります。自分に合った売買方法で売りに出してみましょう。