廃車にする時に知っておきたい!預託金ってなに?

廃車のコラム

古くなった車を買い換える際には、廃車を検討することになるでしょう。廃車にする車はスクラップにされますが、全てゴミとして捨てられるわけではなく、リサイクルされる仕組みになっています。

そのリサイクル費用として、預託金というものがあります。車を廃車にする際には、預託金について詳しく知っておくといいでしょう。ここでは車の預託金について詳しく解説していきます。

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廃車にも関係する預託金とはなにか?

預託金とは

車を廃車にするときに、スクラップにした残骸を全てゴミとして捨ててしまうと、地球環境に悪影響を与えてしまいます。そのためリサイクルできる部分は、極力リサイクルするようにしているのです。しかしリサイクルをするのには費用がかかります。

平成17年に施行されたリサイクル法により、預託金の制度が作られました。預託金は正確にはリサイクル預託金といいます。

リサイクル預託金は車を購入する段階で、廃車時にリサイクルすることを前提として、あらかじめリサイクル費用を徴収しておくものです。6,000円から18,000円程度の金額を新車購入時に支払って、「(財)自動車リサイクル促進センター」に預けられます。

リサイクルの対象はシュレッダーダストとエアバッグ、フロンの3品目です。車によってエアバックやエアコンの数などが異なるため金額に幅があります。他に金額は小さいですが、情報管理料金が130円と資金管理料金が290円かかります。

これらの費用を支払っていることを証明するための書類が、リサイクル券です。A券からD券まで4枚ありますが、このうちA券からC券までの3枚を新車購入者が受け取ります。

リサイクル預託金の仕訳

会社などで事業用に使用する車を購入した場合にも、預託金を支払わなければなりません。その場合には車そのものとは別に預託金の分の経理処理を行う必要があります。

預託金のうちシュレッダーダスト料金とエアバック類料金、フロン料金、情報管理料金の4項目は、経理上は資産として扱われ、非課税です。勘定科目は「預託金」を用います。「長期前払費用」や「リサイクル預託金」を用いても問題ありません。以前にも車を購入している場合には、以前と同じ勘定科目を用いましょう。

資金管理料金に関しては、費用として扱われ消費税がかかります。勘定科目は支払手数料を用いるのが一般的です。他の4項目に関しては勘定科目と課税区分が同じであるため、1本の仕訳にまとめられますが、資金管理料金だけは仕訳が分かれることになります。

車を売却した場合には、固定資産売却損益が発生するでしょう。リサイクル預託金は、この固定資産売却損益に含める形で処理します。また、個人事業主の場合には固定資産売却損益の代わりに事業主勘定を用いましょう。売却益が出た場合には、譲渡所得の対象として扱われます。

廃車と預託金の関係性

車を廃車にするときにリサイクル預託金どのように関わってくるのか見ていきましょう。

廃車に必要なリサイクル預託金

新車を購入したときにリサイクル預託金を支払いリサイクル券を受け取る事になります。このリサイクル券は、中古として車を売却する際には車両本体と一緒に中古車販売店に引き渡します。そして中古車販売店では、その中古車を購入した人に車両と一緒にリサイクル券を引き渡すという具合です。

こうして現在車を所有している人の手元にリサイクル券が渡る仕組みになっています。

車を中古車として売却する際には、リサイクル預託金の分の金額を上乗せするのが一般的です。そのため、リサイクル預託金は売却と同時に返還されていることになります。

そして車を廃車にするときには、車両を解体しますが、解体業者に対してリサイクル券を提出しなければなりません。解体業者は解体が完了すると、自動車リサイクル促進センターに報告します。自動車リサイクル促進センターには、新車購入時に支払ったリサイクル預託金が保管されているので、それを解体業者が受け取るという仕組みです。

リサイクル料金を直接支払ったのは新車を購入した人ですが、実質的に負担するのは最後の所有者ということになります。

リサイクル預託金は戻ってくる?

預託金という名称から、手放すときに戻ってくるのではないかと思ってしまう人もいるかもしれません。預託金を賃貸物件の敷金と似たものだと捉えている人も多いです。

しかし車を廃車にすればリサイクル預託金が戻ってくることはありません。そもそも預託金は、廃車にするときにリサイクルを行う前提で預けているお金です。賃貸物件の敷金と異なり、使わずに済むことはないため、車を綺麗に使用していても戻ってはこなくいため、がっかりしてしまう人もいるでしょう。

またリサイクル預託金は追加で徴収されることはありません。購入時に既に支払っているということもあり、廃車時の金銭的負担を軽減するのに役立っているのです。

廃車に必要な預託金、こんな場合は?

実はリサイクル料金が戻ってくるケースもあります。ではどんなときにリサイクル料金が戻ってくるのか見ていきましょう。またリサイクル券を紛失した場合の対処法も、併せて説明していきます。

料金が戻ってくる場合

リサイクル預託金が戻ってこないというのは、あくまで車を廃車にするときのことです。廃車にするのではなく、中古車として売却する際にはリサイクル預託金は戻ってきます。次の所有者が車を廃車にするのであれば、その人がリサイクル預託金を負担することになるでしょう。

ディーラーに下取りに出す場合にも、廃車にせず中古車として使用するのであれば預託金は戻ってきます。

売却した車を国内で中古車として使用する場合の他に、海外に輸出して使用する場合もあるでしょう。その場合にもリサイクル預託金を取り戻すことが可能です。

ただし解体してパーツを再利用するような場合には、海外輸出でもリサイクル預託金の返還対象にはなりません。あくまで車として使う場合のみ、返還対象になります。自分が手放した後に廃車にして解体されるのでなければ、戻ってくるものと捉えておいていいでしょう。

また、廃車買取業者に売却した場合には、解体されてパーツを再利用することが多いです。そのため基本的にリサイクル料金は戻ってきません。

紛失してしまった場合は?

リサイクル券は車を売却するときと廃車にするときにしか、使用する機会がありません。普段は提示を求められることもないため、紛失しないように車検証などと一緒にして車のグローブボックスに入れておく人が多いです。しかし稀にリサイクル券を紛失してしまう人もいます。

しかし、リサイクル券は再発行してもらうことはできません。中古として売却するときや、廃車にするときに、提出しなければならないため、紛失に気づくと焦るでしょう。リサイクル料金を新たに支払わなければならないのかと思ってしまう人も多いです。

しかしリサイクル券を紛失してしまっても特に心配はいりません。リサイクル料金を支払い済みであることは、自動車リサイクル促進センターにきちんと記録が残っています。そしてその記録は、自動車リサイクルシステムで確認可能です。

車両区分を選択し、車台番号を入力すると、リサイクル料金を支払い済みである旨の表示が出てくるため印刷しましょう。印刷したものを、リサイクル券の代わりとして使用できます。新たにリサイクル料金の支払いを求められることはありません。

まとめ

リサイクル預託金は車を廃車にする際に、確実にリサイクルされるようにするための制度です。

直接支払うのは新車を購入する人ですが、最終所有者が負担する仕組みになっています。

中古車として売却すると戻ってきますが、廃車にする際には戻ってくることはありません。

ただ、購入時に既に支払っていて新たに支払うわけではないため、そう気になることもないでしょう。

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