電柱やガードレールにぶつかったり、路外にはみ出して転落したりするなど、相手のいない単独事故(自損事故)で車が破損するケースがあります。
修理するか廃車か迷うところです。お得に済ませるにはどうすれば良いのでしょうか。
自損事故の場合の補償について
自賠責保険は交通事故で相手方や同乗者が死亡・ケガしたときに支払われるものであり、自己の死亡やケガは対象外です。また物損についての補償はありません。
それらをカバーするのが任意保険ですが、対人・対物賠償保険は被害者のための補償であり、やはり自己の死亡やケガ、運転していた車の破損については対象外になります。
自損事故のように相手がいないときの自己や搭乗者の死亡やケガを補償するには、任意保険の「自損事故保険」に加入する必要があります。アクサダイレクトのように他の保険にセットしたり、三井ダイレクト損保のように特約で付帯したりするなどです。
似たような保険に「人身傷害保険」があります。自損事故保険との大きな違いは相手方のいる事故でも補償してくれるところです。本来ならば相手方の対人賠償保険で補償されますが、追突したなど過失割合によっては支払われない可能性があります。
人身傷害保険は過失割合に関係なく、実際の被害額を支払われるのが特徴です。自損事故保険の補償範囲をすべてカバーしているので、人身傷害保険をセットにするなら自損事故保険は不要です。
なお事故の車両を補償するには別途「車両保険」に加入しなければいけません。
ちなみに自損事故だけで他に違反行為が無ければ点数は引かれませんが、道路交通法第72条により警察に届け出る義務はあります。どんなに軽微な自損事故でも必ず届け出ましょう。
自損事故の場合、廃車にすべきか修理すべきか
自損事故で車が壊れてしまうと、修理すべきか廃車すべきか自己判断では迷うところです。車両保険に加入しているなら修理代は補償されますが、次の契約から3年間は事故有の等級が適用されてしまい、保険料が高くなってしまいます。
またお金をかけて修理しても、事故を起こした車は乗り続けるうちに再び故障する可能性が高くなります。特にフレームやピラー、ルーフなど骨格が歪むほどの事故を起こした場合は、他の部品までダメージが及びやすいものです。これでは安心して運転できません。
さらに、このような車は「修復歴あり」とみなされ、いずれ下取りや売却するときに査定の評価が低くなりがちです。
そう考えると壊れ方次第では修理せずに廃車したほうが、お得になる場合もあります。もし買値がつけば次の車の購入費に充てることも可能です。
廃車のときにかかる必要経費って?
自損事故を起こした車を自分で廃車にするときは、いくつかの必要経費がかかります。基本的に車は解体しなければいけないので、解体業者のところへ車を運ばなければいけません。
自分で運転できれば問題ありませんが、事故で走行不能になった場合は「レッカー代」がかかります。
※カーネクストの場合は、レッカー代は無料で運輸支局での手続きは全て無料代行です。
レッカー代の内訳は基本料と作業料、牽引料です。相場は基本料と作業料を合わせて13,000円前後、1㎞あたりの牽引料が800円前後になります。解体業者まで距離があるほど負担は大きくなるでしょう。
解体が終わると運輸支局へ行って、廃車の手続きをしなければいけません。この場合の手続きは「永久抹消登録」になり手数料は不要です。
逆に次の車検までの残月数が1ヶ月以上残っていれば期間分の自動車重量税が、保険会社で手続きをすれば自賠責保険が還付されます。自動車税は3月までの月割り計算で還付です。
なお、運輸支局の手続きは業者や行政書士に代行してもらうこともできます。ただし代行手数料がかかり、相場は1万円前後です。
手続き自体は難しくありませんが、運輸支局は平日の日中しか開いていないので、土日祝日にしか仕事を休めない場合は代行してもらうと助かるでしょう。
事故車でも高く売ることは可能?
一方「廃車買取業者」といって、自損事故の車でも買い取ってくれる業者があります。車の状態によっては高額査定を期待できますし、例え値が付かなくても無料で廃車の手続きをしてくれます。レッカー代や解体費用も無料です。自己処理するよりもお得といえるでしょう。
廃車買取業者の中でも海外販路持ちの業者で事故車を高く買い取ってくれるのは、特に海外で需要があるからです。他の国に比べると、日本の車は性能が良い上に耐久性があって長持ちするからです。
事故車のように見た目が傷ついていたり、運転には不安があったりする車でも、発展途上国では動きさえすれば気になりません。走行不能になっても、解体して使えるパーツを再利用すれば修理に使えます。純正のパーツを入手しづらい発展途上国では貴重です。
廃車買取業者はこうした売却益が見込めるために、事故車でも無料で廃車してくれるのです。
なお、解体しないで輸出する場合は「輸出抹消仮登録」という扱いになります。
事故車を廃車・売却するときの業者選びについて
自損事故に限らず、すべての買取業者が事故車を高額で買い取ってくれたり、無料で廃車してくれたりするわけではありません。
例えばディーラーは事故車を引き取っても販路が限られているため、値が付かないか下取りや買取を断られる可能性があります。また業者によってはレッカー代や代行手数料を請求してくるところもあります。
少なくとも無料で廃車してもらうには、「廃車専門の買取業者」に依頼することが大事です。解体工場を自己保有していたり、海外への輸出ルートを持っていたりすると、高値での買取も期待できるでしょう。
廃車専門の買取業者だけでも全国に数多くあります。その中から信頼できる業者を選ぶには、手続きの流れをきちんと説明してくれるか重視したいところです。
買い取った後の車は海外で売却するだけでなく、オークションにかけたり、自社で販売したりする場合もあります。
解体すると聞いていた車が普通に道路で運転されていたら驚くでしょう。特に社名入りなど前の利用者の名前が分かる車を手放すときは要注意です。
先述のとおり、永久抹消登録をすると残月数によって自動車重量税、自賠責保険、自動車税が還付されます。
例え業者が手続きを代行しても本人に渡すべきですから、必ず還付されるのか確認しましょう。これらを手数料という名目で徴収しようとする業者は要注意です。
また、廃車専門の買取業者の中には高値を提示しておきながら、契約を済ませた後で何らかの理由をつけて実際の買取額を引き下げるところがあります。
確かに見積もり時と買取時でスクラップの相場が変わったり、査定では分からなかった瑕疵が見つかったりすることが無いわけではありません。けれども業者によっては、どうしても売却して欲しいために、あえてそのような手口を使うところもあります。
これらのトラブルを防ぐためにも、廃車買取業者は知名度が高くて全国展開しているところが安心です。またインターネット上の口コミも参考になります。
まとめ
単独事故の車を修理するときは、その費用を車両保険で賄えます。
けれども事故有の等級が適用されて保険料が上がるだけでなく、修理した車はすぐに故障しがちで安心して乗れません。むしろ廃車買取して次の車の購入資金に充てるほうが、お得な場合もあります。
弊社カーネクストでは、単独事故を起こした車でも廃車買取をしております。
走行不能な車でもレッカー代や手続きにかかる費用は無料で、お客様の満足度も平均95%と概ね高めです。修理か廃車でお悩みの際は、ぜひともご相談ください。