サスペンションの寿命は?交換の目安と費用を説明します!

トラブル・修理

車の足回りの部品、サスペンションが劣化するとどのような症状が現れるのでしょうか?

車の乗り心地が悪くなってきたな……と思った時に知りたい、ショックアブソーバーのへたりの症状や、サスペンションとショックアブソーバー(ダンパー)の寿命・交換費用について解説します。

まとめ

  • サスペンションの寿命は、走行距離5万~8万キロあるいは10年が目安
  • サスペンションとその一部であるショックアブソーバー(ダンパー)は、車の衝撃を吸収する役割があるため、劣化すると乗り心地や走行性能が悪くなる。
  • サスペンションのゴム部品(ブッシュ)が劣化してひび割れを起こすと、オイル漏れなどのトラブルにつながる。オイルが抜け切る前に早めに対処が必要。
  • サスペンション全体の交換費用は、10万~40万が目安だが、部品のみの交換は費用が抑えられる。ショックアブソーバーだけならば1本あたり2万~4万、ブッシュは1ヶ所あたり2万が目安。
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サスペンション・ショックアブソーバー・ダンパーとは?

ショックアブソーバー、ダンパーは同じ部品を指している別名です。

サスペンションは車体とタイヤをつなぐ一連の部品を指しています。その一部がショックアブソーバー(ダンパー)です。

サスペンションとショックアブソーバーの関係は?

サスペンションとは車体とタイヤをつなぐ部品の集まりです。タイヤと車をつなぐアーム、地面からの衝撃を吸収するためのコイルスプリング(金属のばね)、そしてショックアブソーバーと、主に3つのパーツによって構成されています。

車体と車をつないだだけでは、地面から受ける衝撃がすべて車体に直接伝わってしまうため、安定した走行ができません。車が凸凹した地面を進むときや段差を超えるときに地面から受ける振動を吸収する役割をもっているのが、サスペンションなのです。

サスペンションの構造

サスペンションの形状は、左右のタイヤを1本の車軸でつないだシンプルな構造と、左右のタイヤを別の車軸につないである複雑な構造の主に2種類が存在しています。前者をリジットタイプ、後者をインディペンデントタイプと呼びます。

リジットタイプはタイヤが連動して動くために段差で車体が傾きやすく、インディペンデントタイプはタイヤが左右で独立して動くために段差で車体を水平に保ちやすいという特徴があります。複雑な構造をしているインディペンデントタイプの方が乗り心地はいいですがコストが高くつきます。

どちらの構造でも、衝撃を吸収する部品であるコイルスプリングとショックアブソーバーは4つずつあり、それぞれのタイヤに接続されています。

ショックアブソーバー(ダンパー)とは?

サスペンションの一部であるショックアブソーバーの役割は何でしょうか?

地面からの衝撃は金属のばねであるコイルスプリングが吸収してくれます。しかし、ばねをそのままにしておくと、縮んだら伸びて、伸びたら縮んで……と、地面から衝撃を受けるたびにしばらく上下に車体が揺れ続けることになってしまいます。これでは、タイヤの接地も安定せず、走行性も乗り心地も悪い車になってしまいます。

それを防ぐのがショックアブソーバーです。ショックアブソーバーは、ドアをゆっくり閉めるドアクローザーのように衝撃を穏やかに吸収する減衰力を持っています。この力で、衝撃を吸収したばねが揺れ続けるのを防ぎ、安定した走行とよい乗り心地を実現しているのです。

ショックアブソーバーの仕組み

一般的に、ショックアブソーバーはコイル状の金属(ばね)の内側にあり、筒状の形をしています。中にはオイルが入っており、小さな穴の開いたピストンでふたをされているような形状です。ピストンが上下するときには、粘性のあるオイルが小さな穴を通るときの抵抗力を受けることになります。これによって、ばねが伸び縮みを続けるのを止める力(減衰力)を生んでいます。

つまり、油圧式で減衰力を生んでいるということです。

サスペンションの寿命とショックアブソーバーのへたりの症状は?

サスペンションとショックアブソーバーの仕組みを大まかに説明しました。

これらの部品は、経年劣化していくため、長く車を使用しているとどこかのタイミングで交換が必要になります。サスペンションの寿命は、5~8万キロ、あるいは10年が目安だと言われています。

サスペンションの部品の中で主に劣化がみられるのは、ゴムでできた部品(ブッシュ)、ショックアブソーバーのオイル、そして金属のばねであるコイルスプリングです。

ショックアブソーバーの寿命は8万キロが目安

ショックアブソーバーは8万キロ程度で交換が推奨される部品です。中のオイルは、劣化すると粘性が落ちて減衰力が弱くなってしまいます。ばねの伸縮を抑える力が落ちるため、乗り心地がふわふわしたり、走行性能が悪くなったりします。

オイルの劣化が激しく衝撃を受け止められない状態を、ショックアブソーバーの「抜け」や「へたり」と呼ぶこともあります。

ブッシュの寿命は10年が目安

ブッシュは、車の他のゴム部品と同じように10年程度が寿命だと言われています。劣化するとひび割れてオイルが漏れてしまう原因になります。普段は見づらい下回りの部品なので、車検の時になって初めてオイル漏れに気づくというケースもあります。

コイルスプリングの寿命は10年が目安

金属のばねであるコイルスプリングは、10年程度使うことが出来ます。基本的に丈夫な部品なので交換を気にする必要はあまりありません。劣化でばねがへたってくると、車高が低くなったり、衝撃を十分に吸収できずに乗り心地がガタガタになったりします。最悪の場合は破損する恐れもあるため、劣化のサインに気づいたら点検・修理を行いましょう。

サスペンションは、衝撃を吸収する部品です。オフロードを走ることが多い車であれば、より負担がかかるためにサスペンションの劣化も早くなってしまいます。

サスペンションを交換するときはどんなとき?

サスペンションが劣化すると起こる症状について説明しました。劣化の症状が徐々に見られたとき、サスペンションを交換する目安になるものはあるのでしょうか?

どのようなときにサスペンションを交換するのかについて説明します。

乗り心地を改善したい

サスペンションは、ショックアブソーバーやコイルスプリングが経年劣化するにつれて衝撃を吸収する能力が落ちます。そのため、ふわふわしたりガタガタしたりと乗り心地が悪くなってしまうのです。乗り心地の劣化は徐々に起こるために慣れてしまって気づかないこともあります。

乗り心地が悪い以外の劣化のサインは、車高が低くなったり、それによって車の下回りをぶつけることが多くなったりすることが挙げられます。他にも、走行性能が悪化してハンドルや走りに違和感が出てきたり、タイヤが偏ってすり減ったりすることも劣化のサインになります。

乗り心地の悪化はあまり自覚できなくても、古い車はサスペンションを修理・交換すると乗り心地が良くなったことがはっきり分かることもあるでしょう。

ただし、乗り心地が悪いときはサスペンション以外にタイヤの問題である可能性もあります。一度総合的にプロに点検を行ってもらってから交換を検討したほうが良いかもしれません。

オイル漏れや異音などの異変が起こった

車検でオイル漏れに気づいた場合も、サスペンションの修理が必要です。オイルが抜けていくとどんどん性能が落ちていくため、早めに対処しましょう。

また、走行中に異音がする場合もサスペンションの異常が疑われるかもしれません。走行中の異音に関しては、エンジンなど別の場所の問題の可能性もありますが、どちらにせよ大きな故障になる前に点検が必要でしょう。

ドレスアップ・性能を向上させたい

サスペンションは、車の見た目を変える目的でも交換することがあります。特に車高調と呼ばれるサスペンションは、車の高さを変更できるためドレスアップの部品として用いられています。ただし、車の高さには法律で定められた決まりがあるので、カスタムでローダウンする際には車検を通る条件を満たすように注意しましょう。

また、性能を上げるために社外品に交換することもあります。コイルスプリングやショックアブソーバーの硬さは、車の重量や走る道の条件によって適しているものが変わります。コイルスプリングやショックアブソーバーの衝撃吸収能力を調整することで、より理想の走行性能に近づけることが出来ることも、交換の大きなメリットです。

サスペンションの交換費用は?

サスペンション全体を交換する場合と、サスペンションの各部品を交換する場合で費用は異なります。また、修理費用はカー用品店よりもディーラーに依頼する方が高くなる傾向があります。

一部の調子が悪くなるとサスペンション全体に負荷がかかり劣化が早まるため、修理が必要な場合は早めに行うことがおすすめです。

サスペンション全体の交換費用

サスペンション全体を交換するときは、パーツ代と工賃を含めて10万~30万円が費用の目安になります。

ただし、サスペンションは様々な性能のものが販売されており、車種や購入するサスペンションによっても大きく費用が異なります。

ショックアブソーバーの交換費用

ショックアブソーバーの交換費用は、1本当たり2~3万円が目安になります。車にはタイヤごとにショックアブソーバーがついており、1本からでも交換は可能ですが、左右合わせての交換が推奨されます。

オイルが漏れた場合もショックアブソーバーを交換することになります。しかし、一部社外品はオイルを補充することができる構造になっているため、破損個所の修理とオイルの補充で対応が可能かもしれません。

ブッシュなどのゴム部品の交換費用

ブッシュは2万円くらいが交換費用の目安です。パーツ代はあまりかかりませんが、構造によってはサスペンションを分解する手間がかかるために工賃が高くなります。

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