廃車に関する問題を考えてみた!ゴミ問題や手続き中のトラブル

廃車のコラム

街中を歩いていると道路上に放置されている廃車を見かけたことはありませんか。実は、自動車にはタイヤなどの産業廃棄物やガソリン、オイルなどが含まれているため放置を続けることで環境問題に発展してしまう可能性もあります。そこで廃車に関するゴミ問題や手続きに関する問題など廃車にまつわる問題についてご紹介していきます。

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廃車に関するゴミ問題

故障車や廃車、車検切れの車は、本来であれば廃車手続きを取るべきなのですが、廃車解体業者にその処分を依頼しなければなりません。手続き的にも陸運支局に行って登録抹消の手続きをしなければならないなど意外に手間がかかります。

そこで所有者はこのような手続きを怠って車を動かない状態で放置する人もいますが、この状態を放っておくと環境汚染などの問題につながってしまいます。

自動車にはタイヤのゴム部分などの産業廃棄物や車両本体の鉄くず、ガソリンやオイルといった環境に有害な物質が含まれているためこれを放置しておくと地域環境を汚染しかねません。

実際に瀬戸内海にある豊島では1978年以降数十年にわたり産業廃棄物の不法投棄が続けられ、結果として15メートルの深さまで50万トンという膨大な産業廃棄物の山が出来上がってしまいました。

これは豊島のごみ問題としてニュースでも取り上げられ、ごみの山からは黒い液体が流れ出し、あたり一帯には悪臭が広がりガスも噴出するという異様な光景を作り出していました。

もちろん、このような環境問題は豊島に限らず全国各地で生じており、世界レベルでの環境問題として取り上げられています。
そこで、不動車がある場合は放置せずに廃車リサイクルすべきだという運動がなされるようになりました。

ここで今一度、廃車をリサイクルするメリットとデメリットについて考えてみましょう。

廃車をリサイクルするメリット

廃車をリサイクルする一番のメリットは所有者が税金の還付を受けられる点です。自動車登録をすると自動車税や自動車重量税を支払うことになりますが、廃車手続きによって登録を抹消すると支払い済みの税金の還付請求ができます。

また、廃車にすると業者側で中古車として販売したり、パーツを取り外してリサイクル販売したりすることで利益が生じるため所有者が業者に売る際に多少なりとも買取額が付きます。
環境面で見ると鉄くずやゴムなどのリサイクルが進められるので、環境問題にも寄与する側面があります。

廃車をリサイクルするデメリット

廃車をリサイクルするデメリットは費用と手間がかかってしまう点です。たとえば自分からスクラップ工場に車を持ち込んでリサイクルする場合、廃車解体手数料を支払わなければなりませんし、行政機関への登録抹消手続きの手間がかかってしまいます。

また、支払い済みの税金について還付が受けられたとしてもほんの少額で納得がいかなかったというケースもあり得ます。

このような廃車のメリット、デメリットを踏まえたうえで、経済産業省は自動車リサイクル法を制定しました。日本国内では1年で350万台もの車が廃車されているのですが、車を構成する素材のうち約80%はリサイクル可能な材質となっています。

自動車リサイクル法とは車のリサイクルについて所有者、販売業者や廃車買取業者、解体業者、自動車メーカー、輸入業者の取るべき行動を取り締まる法律です。

所有者はリサイクル料金を支払ったうえで、廃車が生じた場合には自治体登録の引き取り業者への引き渡しが義務付けられました。

また、引き取り業者は所有者から廃車を受け取った後は、フロン類回収業者もしくは解体業者に引き渡しパーツの回収や車の解体後に残る廃棄物について、メーカーに引き渡すよう取り決められています。

廃車手続き中に起こりがちな問題

所有者は不要となった車の廃車手続きをおこないますが、廃車手続きを進める途中にはいろいろな問題が起こりがちです。代表的なトラブルについて解決法を知っておきましょう。

車検が切れている

自動車の放置期間が長くなると知らない間に車検が切れていたという事態に発展しかねません。車検切れであっても廃車手続きがおこなえますが、その際に車検証が必要です。有効期限が切れている場合には理由書を提出することで車検証に変えることができます。

車検切れの車体は私道を走ることができるものの、公道を走ることができず解体場所まで持ち込めないというトラブルも起こりえます。その際は業者に申し出て引き取りを依頼しましょう。

また、引取りが困難な場合には居住地域の市区町村の役所にて 臨時運行許可証と仮ナンバー(臨時運行許可番号標)の発行を申請します。仮ナンバーで走行する際は自賠責保険の加入が必須となるので加入期間に注意しましょう。

自賠責保険が切れている

自賠責保険が切れている場合、廃車手続きはおこなえますが、公道を走れないために解体業者への持ち込みができません。

解体業者へ依頼して引き取りに来てもらわなければならないでしょう。

また、自賠責保険が切れた状態で公道を走ると、道路交通法違反となります。最大で6点の減点となり免許停止30日間、1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑が処せられます。

自動車税が未納

自動車税が未納であっても廃車手続きは行えます。ただし、手続きにあたって未納分の自動車税は支払う必要があります。その際、廃車手続きをする月が属する月まで自動車税を支払わなければなりませんが、滞納期間が長いと延滞金が付くこともあるので注意しましょう。

税金の支払いについては運輸支局内の税事務所で支払うか、廃車後に住所地へ送付されてくる納付書を使って納付します。

ローンが残っている

廃車時にトラブルになりやすいのがローンが残っている状態です。ローンはあっても所有者が本人であれば廃車手続きをおこなえるのですが、信販会社やディーラーを所有者として登録している場合は廃車手続きをおこなえません。

どうしても廃車の手続きが必要な場合は、信販会社やディーラーなどが所有者となっている相手に対して、名義の書き換えやローンの借り換えを相談してみましょう。

ナンバープレートと違う県で廃車できるか

自動車を購入した後に引っ越した場合など、ナンバープレートに記載された地域と現在居住している地域が異なる場合もあるでしょう。

その場合、ナンバープレートとは異なる現住地域での手続きは可能なのでしょうか。

原則として、廃車手続きは登録時の運輸支局でおこなわれますが、新しい県で廃車したい場合、住所変更手続きと廃車手続きを同時にすれば問題ありません。

その際、登録時の住所から現住所に変わるまでの証拠書類が必要となります。引っ越しが1回であれば前の住所地が記載された住民票を、引っ越しが2回以上であれば戸籍の附票を用意しましょう。

放置車両の廃棄問題

公道における放置車両以外にも、私有地や他人所有の駐車場などに車両を放置し続ける悪質なトラブルが続発しています。

これらの廃棄問題については警察に届ければ解決するようにも考えられますが、原則として警察は民事不介入のスタンスを貫いているために私有地内でのトラブルに首を挟むことはできません。

では、自分の土地にある不法投棄物に対して勝手に処分してもいいのでしょうか。結論的にはNGです。法律上、不法投棄であったとしても土地の所有者は廃棄処分や名義変更ができないため、勝手に処分してしまうと自動車の所有者から訴えられる可能性もあります。

対処法

放置自動車にナンバープレートがある場合、自動車の所有者を見つけることは可能です。ナンバープレート記載内容をメモしておき、普通自動車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会にて所有者の登録内容照会をしてもらいます。

相手方の素性が分かれば自動車の処分を求める内容証明書を送付して、撤去の代行や撤去費用の損害賠償請求をおこないましょう。勝訴判決が出れば自ら自動車を差し押さえて競売にかけることができます。本人と連絡が取れない場合、事例ごとに対応が異なるため弁護士に相談してみましょう。

まとめ

廃車については産業廃棄物に関するごみ問題や手続き上の諸問題などいろいろなトラブルが付随しがちです。また、私有地に対する悪質な不法廃棄車両も横行しています。

ごみ問題については経済環境省が自動車リサイクル法に則ってリサイクルを促しており環境問題の改善に勤しんでいます。
廃車がある場合は、放置せずに専門家に処理の相談をしてみましょう。

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