部品交換などのメンテナンスは、安全な走行を行うためにとても大切なことです。中古車買取でもメンテナンスが行き届いている車のほうが評価は高くなります。
しかし、走行距離が10万キロ以上でしっかり部品交換・メンテナンスしている場合、中古車買取よりも廃車買取のほうが高価買取してもらえる可能性もあります。
それでは、部品交換の詳細と廃車買取のメリットをみていきましょう。
中古車の部品は交換した方が結局得?
「車の部品は定期的に交換したほうがいいの?」と感じることはありませんか。
年式や走行距離によりますが、車を動かすことで部品は消耗します。また車をあまり使わなくても徐々に劣化する部品もあるのです。
中古車の部品は適切に交換したほうがいい
車に乗っていると時間が経つにつれ、必ず部品が消耗する、劣化するということが起こります。
たとえばタイヤはゴムでできているため、固いアスファルトを走行しているうちに摩耗します。
新しいタイヤはグリップ力もありしっかり安定した走行ができますが、長く使っているとタイヤがすり減り、溝が浅くなります。するとスリップしやすくなり危険です。
「使わなければすり減らないから安心では?」というとそうではありません。溝が深くてもゴムが劣化してひび割れてしまうことがあります。
タイヤに限らず、エンジンオイルやブレーキパッド、バッテリーなども消耗品であり、適切な時期に交換する必要があります。
売るときの買取価格に影響してくる
消耗品の交換などのメンテナンスをサボってしまうと、乗っている間はもちろん、中古車の買取価格にも影響が出てしまいます。
エンジンオイルは走行距離5,000キロ毎、または6ヶ月毎に交換していれば問題ありませんが、何年も交換しないでいるとエンジン内のパーツを傷めてしまう可能性があるのです。
その場合、エンジンのオーバーホールなどの修理が必要になり、余分な費用がかかります。
しっかりとメンテナンスを行いましょう。
また「異常があっても大丈夫だろう」と買取依頼しても、査定士に異常をチェックされてしまいます。
エンジンの異音やオイルの状態、修復歴はしっかりチェックされるので、ヘタに隠さないということと、日頃のメンテナンスをしっかり行い、プラス査定してもらうことが重要です。
中古車の状態によってプラス査定・マイナス査定になる
査定額は車の状態によってプラス査定・マイナス査定が決まります。車種やグレードなど自分では調整できない部分もありますが、日頃のメンテナンスでも査定金額は変わります。
たとえばタイヤの査定はタイヤのサイズ(インチ)によって変わりますが、タイヤの溝が5mm以上あるとプラス査定になるといわれています。
車のタイヤが16インチで4本のタイヤの溝がそれぞれ5mm以上ある場合、20,000円程度のプラスになるようです。
マイナス査定になるものは、車の状態が悪く部品の交換や修理をしなければならない場合です。
エンジンのアイドリング不良、排気色が黒い場合は20,000円程度のマイナス査定、ブレーキのディスクパッドの交換は15,000円程度のマイナス査定といわれています。
車検時などに消耗品を交換することで、買取価格は大きく変わってくることを注意しましょう。
あまりにも中古車買取金額が低くなってしまった場合は、廃車買取店に相談してリサイクルするという手もあります。
適切に交換したほうがいい部品とは
車の部品は走行によって、また劣化によって交換する必要があります。見た目がボロボロになる、故障してからでは遅い場合も多いため、交換時期を確認して早めに交換するようにしましょう。
交換する必要がある部品名を紹介します。
交換する必要がある部品(エンジンルーム)
車を自分でメンテナンスする人にはおなじみのエンジンルームですが、運転するだけの人にとっては「どれがどの部品だろう?」と感じます。
以下の表は専門的な部品名が並びますが、エンジンオイルやバッテリーなど、車を動かすための大切な部品です。
交換しないと故障する、エンジンがかからなくなる、といった最悪の結果になるものも多くあります。
部品名 | 交換時期の目安 | 交換費用の目安 | 交換しないと起こるデメリット |
---|---|---|---|
エンジンオイル | 5,000キロまたは6ヶ月 | 5,000円~ | エンジンの焼付き(オイルの性能低下が原因) 車の寿命低下 |
オイルフィルター | オイル交換2回につき1回 | 2,000円~ | オイルのろ過機能の低下 |
バッテリー | 3~5年毎 | 10,000円~ | エンジン不良 |
冷却(LLC) | 車検毎に交換 | 5,000円~ | エンジンやラジエータの故障 |
ブレーキフルード | 車検毎に交換 | 4,000円~ | 油圧管やブレーキキャリパーなどのサビ |
パワーステアリングフルード | 5万~10万キロ毎に交換 | 4,000円~ | 劣化によるオイル漏れ |
ウインドウウォッシャー液 | 随時補充 | 10,000円~ | ガラスの洗浄ができなくなり視界が悪くなる |
エアクリーナーエレメント | 4万~5万キロ毎に交換 | 3,000円~ | エンジンの燃焼効果の低下による加速性能や燃費性能の低下 |
スパークプラグ | 4万キロ毎 10万キロ毎(プラチナプラグやイリジウムプラグの場合) | 5,000円~ | エンジンがかからなくなる |
プラグコード | 10万キロ毎に交換 | 10,000円~ | 加速・燃費性能の低下 |
タイミングベルト | 10万キロ毎に交換 | 50,000円~ | エンジンの故障 |
Vベルト | 5万~10万キロ毎に交換 | 6,000円~ | 車の動作不良 |
フューエルインジェクター | 15万~20万キロで交換 | 50,000円~ | エンジン性能の低下 |
フューエルフィルター | 10万~15万キロで交換 | 6,000円~ | エンジンがかからなくなる |
オルタネーターブラシ | 10万~15万キロ毎 | 50,000円~ | エンジンがかからなくなる |
サーモスタット | 10万キロ毎 水温計が不自然な温度を示す場合 | 6,000円~ | エンジンのオーバーヒート |
ラジエターキャップ | パッキン、バネのヘタリが気になったら | 3,000円~ | エンジンのオーバーヒート |
ラジエターホース | 10万キロ毎 亀裂などが見つかったら | 10,000円~ | エンジンのオーバーヒート |
ウォーターポンプ | 異音の発生時 LLC漏れの発生時 | 20,000円~ | エンジンのオーバーヒート |
エンジンマウント | 10万キロ毎 エンジンの振動やガタつきが気になる場合 | 25,000円~ | エンジン周りの部品損傷 |
交換する必要がある部品(足回り)
足回りの部品は、タイヤやブレーキなど運転するときの発進、停止などに関わるものです。
走行中にブレーキが効かないなど、危険なトラブルが発生する可能性もあるため、適切なタイミングで交換しましょう。
部品名 | 交換時期の目安 | 交換費用の目安 | 交換しないと起こるデメリット |
---|---|---|---|
タイヤ | 溝深さ2mm以下 | 40,000円~ | タイヤの破裂 スリップ |
タイヤローテーション | 5,000~1万キロ毎 | 3,000円~ | タイヤの摩耗 |
タイロットエンド | ガタの発生 10万~15万キロ毎 | 20,000円~ | ガタが発生 安定走行が不可能 |
ホイールベアリング | 異音 | 15,000円~ | ハンドリングの悪化 走行が不安定になる |
ブレーキパッド | 2万~3万キロ毎 3mm以下 | 9,000円~ | ブレーキが効かなくなる |
ブレーキホース | 10万キロ毎 ヒビ、膨らみがある場合 | 20,000円~ | ブレーキが効かなくなる |
ブレーキキャリパー | 10万キロでオーバーホール | 20,000円~ | ブレーキが効かなくなる |
ドライブシャフトダストブーツ | 7万~10万キロ 劣化しが気になった場合 | 30,000円~ | ベアリングの損傷 |
スプリング | ヘタリがあれば交換 10万キロ以上 | 40,000円~ | 乗り心地が悪くなる、車体に損傷を与える |
ダンパー(ショックアブソーバー) | 10万キロ毎に交換 | 40,000円~ | 乗り心地が悪くなる、車体に損傷を与える |
マフラー | 排気音の異常 穴があいたら | 25,000円~ | 異音や白煙が出る |
交換する必要がある部品(駆動系)
駆動系の部品も車を運転する上で大切な機能がありますが、交換するまでの期間が比較的長いことが特徴です。
部品名 | 交換時期の目安 | 交換費用の目安 | 交換しないと起こるデメリット |
---|---|---|---|
デフオイル | 5万キロ毎 | 4,000円~ | 燃費低下、異音の発生 |
ミッションオイル | 2年毎、または2万キロ毎 | 4,000円~ | ギアの割れ |
ATフルード(ATF) | 無交換、または車種による | 6,000円~ | 燃費性能の低下、ATの故障 |
クラッチ | 7万~10万キロ毎(AT車は別) | 50,000円~ | スピードが出なくなり、車が進まなくなる |
紹介した部品の交換は車検の時などに「交換しますか?」と聞いてもらえることも多くあります。
費用がかかるからといって交換しないと、あとで大きな故障や事故につながる可能性もあります。交換時期を見極めて、安全に車に乗りましょう。
まだまだ乗りたい!10万キロ超えで変える部品
長年乗っている愛車は、走行距離が長くなっても乗っていたいと感じるでしょう。年間走行距離が1万キロの場合、10年で走行距離は10万キロとなります。
しかし走行距離が10万キロを超えると、交換する部品も増えていくためメンテナンス費用がかかってしまいます。その場合、中古車として買取ってもらうと評価されず、廃車のほうがいい場合もあります。
走行距離10万キロは買取か廃車か?
中古車として買取ってもらう場合、走行距離が5万キロ、10万キロになると買取金額が下がってしまう傾向にあります。
とはいっても、「10万キロも乗った分だけ愛着がある」、「まだまだ乗れるので手放すのは嫌だ」という意見の方もいらっしゃるでしょう。その場合はずっと乗り続けて、最終的に廃車にするという手もあります。
まだまだ廃車にはしない!どの部品を交換する必要があるのか
走行距離10万キロ以上乗った場合、交換する部品数は多く、そして高価なものもたくさんあります。
先ほどのリストの中で「10万キロ以上で交換」「異音などが発生したら」といった部品の交換費用を合計すると、なんと400,000円近くかかります。
内容をみると、交換しないとエンジンがかからなくなってしまうフューエルインジェクター や、オーバーヒートしてしまうウォーターポンプやラジエターホースなど重要なものが多く含まれます。
ただ、新車に乗り換えるよりは安いため乗り続けるメリットもあるといえるでしょう。
また、マフラーなど異音が発生しない場合は交換しなくてもいい部品もあるため、そういった部品は、交換時期の目安と部品の外観で交換するかを判断する必要があります。
10万キロ以上走行した車はなぜ廃車がオススメ?
走行距離が10万キロを超え、部品は新しくしても中古車買取金額が上がらないという場合もあり、ショックを受けることもあるでしょう。
しかし中古車買取店で売れなかったとしても、廃車買取という手もまだ残っています。
「廃車にするとお金がかかるのでは?」と感じる人は多くいますが、実は廃車でも高価買取りしてくれる廃車買取サービスがあります。
日本で廃車として手続きしたとしても、修理やメンテナンスして国内で再販や海外に輸出する、分解してパーツとして輸出するといった方法をとるため高価買取が可能になります。資源をリユース・リサイクルにもなるエコ活動にもつながることも魅力。
動かなくなってしまった車や事故車も無料サービスでレッカー引取をしてもらえる上に、追加費用や手続きも無料のため人気が高まっています。
もしも長年乗ってきた愛車を手放すとき、下取りや中古車買取ではなく廃車という方法があることも覚えておくといいかもしれません。
手続きなどが気になる場合は、廃車買取りサービスを行っている「カーネクスト」に一度問い合わせてみると良いでしょう。
まとめ
車はたくさんの部品で構成されており、安全に乗り続けるためには部品交換などのメンテナンスが大切なことがわかりました。
部品交換は費用がかかりますが、しっかり行うことで故障が少ない、買取の評価が高くなることにもつながります。
走行距離が10万キロ以上になった場合は、中古車買取だけでなく廃車にすることも選択肢に入れましょう。