車検業者の選び方は?重視するのは費用?安心?

自動車の困り事

車検を引き受けてくれる業者は数多くあり、それぞれ費用も異なります。

安いほうが助かりますが、車検に通らなければ本末転倒です。どの業者を選べばいいのか、目的に応じて紹介します。

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種類でみる車検業者の選び方

まずは、どのような車検業者があるのか見てみましょう。

車検はどこで受けられる?

車検はディーラーや整備工場、ガソリンスタンド、カーショップなどで引き受けてくれます。最近では車検を専門とする業者が急増中です。単に車検を代行するだけの業者もあります。

ディーラーは、販売している車に関して知識が豊富で、部品も調達しやすいのがメリットで、代車も用意してくれます。整備が手厚いのと、純正部品を使うため、他の業者に比べると費用が高くなるのがデメリットです。

整備工場は多くの車種に対応しており、部品はリビルド品を使うなど、安価で質の高い整備を受けられます。一方で、工場によって技術力や設備に差があり、コンピューターが絡んだ整備を苦手とするところも多めです。

ガソリンスタンドやカーショップは、受付時間や曜日が幅広いという強みがあり、店舗で販売する商品が割引になる特典を付加しているところもあります。ただし、自店では整備までしかできず、車検は別のところでする場合がほとんどです。

車検専門業者は、どこでも技術力や設備、サービスの質が安定しており、安価なのが魅力です。車検が完了するまで2~3時間程度と、その日のうちに完了します。その代わり、多くの業者で予約が必須です。

車検を代行するだけの業者は、車を預かって検査場へ持ち込んでくれますが、事前の整備はまったくしないか最小限のため、不合格で戻ってくる恐れがあります。ユーザー車検をしたいけど、平日には休めず検査場に行けないドライバー向けです。

メリットデメリット
ディーラー・販売者に詳しい
・部品の調達が容易
・代車の手配が可能
・費用が高い
整備工場・安価
・高品質
・コンピューター関連の整備が苦手
ガソリンスタンド
カーショップ
・受付時間が長い
・商品の割引特典付き
・整備のみで車検は別で実施
車検専門業者・高品質
・安価
・予約が必須
車検代行業者・休みがなくても依頼可能・事前の整備がない
・不合格の可能性が高い

認証工場・指定工場とは?

車検を引き受けてくれる業者は、認証工場と指定工場、それ以外の3種類に分かれます。

認証工場は道路運送車両法第78条により、事業として車を分解することを国から許可されており、そうでない工場と比べて、より細かな整備や点検が可能です。

指定工場は同じく道路運送車両法第94条2の1により車検の設備を有し、検査員が選任されています。

つまり、認証工場であれば車検に通るための整備まではできますが、車検をするには検査場まで持ち込まなければいけません。指定工場なら整備から車検まで1ヶ所で完了します。

どちらも国の定めた基準を満たした上で、地方運輸局の認証または指定が必要です。認証・指定は車種ごとに行われます。認証・指定されると、その旨を記載した標識を掲げる義務があり、色は認証工場が黄色で指定工場が青色です。

車検においては指定工場のほうが便利ですが、整備が手厚くなり、設備の維持コストもかかるため、料金は高めです。一方、認証工場は料金が比較的安く、整備する範囲の指定も融通が利きます。

費用でみる車検業者の選び方

車検で最もネックになるのが費用です。車検業者の中には5万円程度で済むところもあれば、10万円以上かかるところもあります。この差はどこでつくのでしょうか。

車検費用の内訳は?

車検には法定費用と整備費用と諸経費がかかります。このうち法定費用に含まれるのは、自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料です。どこの業者で車検を受けてもこの法定費用は金額は変わりません。

例えば5ナンバーで1tの小型乗用車なら、自動車重量税は16,400円(2年分)、自賠責保険料は25,830円(24ヶ月)、検査手数料は1,700円です(指定工場なら1,200円)。つまり43,930円(または43,430円)は必ずかかります。

差がつくのは整備費用で、業者によって1~10万円と大きな開きです。

整備費用で差がつく理由

整備費用に大きな開きがあるのは、整備内容が異なるからです。

安い業者ほど車検に通るためだけの整備しか行いません。一方、高くなるほど24ヶ月点検整備を行うなど、車検に直接影響しないところまで細かく整備します。

24ヶ月点検整備は、道路運送車両法第48条で義務付けられており、自家用車であれば56項目を点検しなければいけません。さらにディーラーでは、次の車検まで故障しないように、現状では問題ない部品でも早めに交換する予防整備を行っています。

24ヶ月点検整備は義務ですが、地方運輸局長から命じられない限り、行わなくても罰則はありません(第54条、第109条)。そのため、業者によってはこの点検を省略して車検にかかる費用を抑えています。決して違反しているわけではなく、あくまでもドライバーが普段からこまめに点検・整備しているという前提です。

つまり、整備費用を安く抑えたとしても、それ以外で何もしていなければ、車検後すぐに車が故障する可能性があります。故障した時の修理費用は高額で、事前に部品を交換していたほうが安く済む場合がほとんどです。車検以外に点検・整備する習慣がないのであれば、24ヶ月点検整備までしてくれる業者のほうが安心して車に乗れるでしょう。

むしろ諸経費に含まれる代車や車の洗浄、コーティングといった車検や整備と無関係なサービスは、不要だと思ったら断っても大きな問題にはなりません。車検を依頼する前には見積もりを取って、内訳を確認したいところです。

どの車検業者に依頼する?

以上を踏まえて、どの車検業者に依頼すればいいのか、目的別に紹介しましょう。

費用を重視するなら?

最も安いのは車検代行業者ですが、これは普段から自分で点検・整備を行っているドライバー向けです。車検専門業者も安くて早く完了するのが魅力ですが、やはり整備は車検に通る程度にとどめられます。車検後に別途24ヶ月点検整備をしておくと安心です。

他にも、普段から付き合いがあるガソリンスタンドやカーショップなら、特典の分だけお得になるかもしれません。整備工場の中には安価で充実した点検・整備をしてくれるところもあります。最初から1つに決めず、複数の車検業者から見積もりを取って、費用やサービスの内容を比較すると良いでしょう。

安心を重視するなら?

ディーラーは次の車検まで見越して予防整備をしてくれますし、一定期間の保証をつけてくれるところもあります。自分で点検・整備する自信や余裕が無ければ、費用が高くてもディーラーに任せたほうが安心です。新しい車なら、このような選び方で費用と安心のバランスが取れるでしょう。

一方で古い車や走行距離が多い車になると、車検のたびに交換する部品が多くなるため、安心を重視すると費用は割高になり、費用を重視すると故障のリスクが高まります。むしろ車検を通さずに手放したほうが、無駄な費用をかけずに新しい車へ乗り換えられるかもしれません。

ただし、車検に通すのに費用がかかる車は、下取りや普通の買取では思ったような値がつかず、逆に引き取るための料金を請求される恐れがありますので、その点は注意が必要になります。

まとめ

車検を依頼するときは、自分がどれくらい点検・整備するかを念頭に置くと、最適な業者を選べます。

費用ばかりを重視すると、車検に通らなかったり、すぐに故障したりする恐れがあるので注意が必要です。点検・整備が充実している業者でも、無駄なサービスを受けないよう、必ず見積もりを取りましょう。

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