車検にかかる法定費用って何?内訳や金額を徹底解説

自動車のコラム

車検にかかる費用のうち、法定費用というものがあります。法定費用とは何か、具体的に何のために支払う金額なのかについて、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、車検にかかる法定費用について解説します。知っておきたい法定費用の基本情報から、具体的な金額、支払い方法などについても説明するため、チェックしてみてください。

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車検にかかる法定費用とは?

車検の際に支払わなくてはならない、法定費用。具体的に何のための費用が含まれるのでしょうか。まずは、法定費用の基本情報を見ていきましょう。

法定費用の内訳

車検の際に発生する法定費用とは、車検の諸費用と呼ばれるものです。以下の3つの費用を合計したものを法定費用としています。

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料
自動車重量税
印紙代

1.自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料

自賠責保険は、車を所有する方であれば必ず入らなければならない強制保険です。車検期間分に入ることと決められているので、車検の際に支払う必要がある費用といえます。自賠責保険は被害者救済のための補償を行うもので、自動車による事故で他人の体に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負ったときに限定されているのが特徴です。

2.自動車重量税

自動車重量税は、自動車の区分や重さ、経過年数などによって決まる税金のこと。国税の一種で、車を購入したときや車検のときに支払います。車両の重量が0.5t(500kg)重くなるごとに、納める税金額が増えていくのが特徴です。

3.印紙代

印紙代は、車検の際に発生する登録・検査手数料のこと。自動車検査登録印紙と自動車審査証紙の合計費用となります。自分で運転して車検を行うユーザー車検の場合と、指定された整備工場で車検を行う場合で金額は異なりますが、必ず発生する費用です。指定工場となっている業者で車検を受けるケースが、最も印紙代が安いといえます。

法定費用の金額は、車種ごとに決定されているものです。法律で決められた金額なので、どこで車検を受けても変わりません。そのため車検費用を安く抑えようと思っても法定費用を値切ることはできないため、覚えておきましょう。

法定費用以外の車検費用

車検の際には、法定費用以外にも費用がかかります。一般的に車検費用は、法定費用と車検基本料を組み合わせたもの。車検基本料は、以下の3つの費用を合計したものです。

24カ月定期点検料
測定検査料
車検代行手数料

1.24カ月定期点検料

車検は基本的に2年に1回受けるものなので、24カ月点検を受ける必要があります。その点検にかかる費用が、24カ月定期点検料です。

2.測定検査料

検査自体にかかる費用が測定検査料です。

3.車検代行手数料

車検を代行業者に依頼する場合は、車検代行手数料も発生します。

さらに、車検基本料とは別に追加整備費用が発生することも。車検によって整備しなければならない箇所が判明した場合などは、追加整備費用を支払って整備してもらうことになります。車検基本料や追加整備費用は金額が固定されておらず、どこで車検を受けるのかによっても変わるもの。人件費が含まれるため、同じ車でも金額が変わると理解しておきましょう。

法定費用はどのように決まる?

法定費用は金額が決まっていると説明しましたが、具体的にはいくらくらいかかるものなのでしょうか。ここで、法定費用がどのように決められているか、具体的な金額を確認しておきましょう。

普通自動車の法定費用

法定費用は、車種や車両重量ごとにそれぞれ金額が定められています。まずは普通車の車両重量ごとの費用を見ていきましょう。

自賠責保険料

  • 自家用乗用車 21,550円
  • 自家用小型乗用車 24,790円
  • 自家用普通貨物自動車 最大積載量が2トンを超える 39,680円
  • 最大積載量が2トン以下 35,330円

上記の表に記載した自賠責保険料は、車検が残っていて加入する保険期間が24カ月契約の場合です。また、本土用の金額例となっており、沖縄県や離島などの一部地域に限り保険料例が異なります。車検が切れてしまっている場合は、1カ月分追加費用が発生します。

自動車重量税

車両重量 2年車検実施時の税額
~500kg以下 8,200円
~1,000kg以下 16,400円
~1,500kg以下 24,600円
~2,000kg以下 32,800円
~2,500kg以下 41,000円
~3,000kg以下 49,200円

上記の表に記載した自動車重量税は、エコカー減免がなく車両の登録年数も13年未満の一般的な乗用車を例にしたものです。エコカーを所有している場合は、エコカー減免を受けて自動車重量税が安くなります。エコカー減免の対象者は新車で購入した場合のみ、免税または25〜75%の減税を受けられるのです。減免はランクによって異なるため、自身が所有するエコカーが適用されるか確認する必要があります。また、新車登録から経過年数が13年以上、18年以上になると自動車重量税の税額が高くなります。長く車に乗っている方は、自動車重量税を多く納める必要があると覚えておきましょう。

軽自動車の法定費用

軽自動車は普通自動車に比べて自動車重量税が安い分、車検にかかる法定費用が安く抑えられます。エコカーではなく新車登録から13年未満の軽自動車を所有している場合の法定費用は、以下のとおりです。(2020年12月時点)

自賠責保険料:21,140円
自動車重量税:6,600円
印紙代:1,100円
法定費用合計:28,840円

自動車重量税は、軽自動車の場合も経過年数によって金額が変わります。新車新規届出から13年経過した車の場合は8,200円、18年経過した車の場合は8,800円となります。しかし、普通自動車に比べると低いため車検にかかる法定費用が安く済むことが、軽自動車の魅力の1つといえるでしょう。

車検の費用に関する疑問を解消しよう

車検費用はいつ支払うことになるのか、クレジットカードや現金など、支払い方法は決められているのか。車検の費用に関する疑問は、意外と多いものです。ここで、車検の費用について持っている疑問を解決していきましょう。

車検費用の支払い時期について

車検は2年分の自賠責保険料や自動車重量税、定期点検料、整備費用などをまとめて支払うもの。そのため車検証の満了日が近づいてきたときに、まとまったお金が用意できるか不安に思う方も多いでしょう。車検が切れると公道を走れなくなってしまうため、車検は速やかに行う必要があります。しかし金銭的に不安があるときは、なんとかして支払い時期を遅らせることができないかを考えがちです。

車検費用の支払い時期は、どこで車検を行うかによって異なります。顧客との付き合いが売上を左右するディーラーで車検を行う場合は、支払い時期の相談に対応してくれるケースも。場合によっては、車検費用を後払いできることもあります。長く顧客と付き合いがあり信用もある場合は、スムーズに後払い相談に応じてくれる可能性が高いです。
一方、運輸支局に車を持ち込んで自分で運転するユーザー車検では、後払いは不可能。車検をする当日に費用を支払わなければいけません。車検代行業者やカー用品店、民間の整備工場などは、場合によります。相談すれば後払いに対応してくれる業者もいれば、前払いのみとあらかじめ決めている業者もいるため、事前に確認が必要です。
車検を行う業者によっては、法定費用を前払い、車検基本料や整備費用を後払いにすることも多くあります。法定費用は金額が決まっているため、車検を通す前に具体的な金額が判明するもの。そのため法定費用を先に回収しておくことでリスクを軽減させ、車検基本料や整備費用の後払いを実現しています。しかし、後払いにすると業者が一時的に車検費用を立て替えなくてはならないため、すべての業者が後払いに対応してくれるわけではありません。どうしても金銭的に余裕がなく、後払いをしてくれる業者を選びたいときは事前に支払い時期をチェックしておきましょう。

車検費用の支払い方法について

車検費用を現金で払うか、クレジットカードで払うかという支払い方法も気になるポイントです。クレジットカードで支払うことができれば、支払い時期を先延ばしにできます。また、ポイント還元を受けられるというメリットも。車検費用は大きな出費になりがちなので、ポイント還元が受けられるとお得になります。

一方現金で支払うと、クレジットカード決済では受けられない割引が適用になることも。現金払い割引として、いくらか費用が安くなることも珍しくないため、場合によっては現金で支払った方がお得になることがあります。

また、どこで車検を行うかによって、支払い方法は異なるため注意が必要です。運輸支局で行うユーザー車検は、原則現金のみとなっています。そのほかの場合は業者によるため、車検を依頼する前にクレジットカードが利用可能か、現金払いによって割引は受けられるのかなど確認するとよいでしょう。

車検にかかる法定費用についてよくあるご質問

車検にかかる法定費用に関して、よくいただくご質問にお答えします!

Q.車検にかかる法定費用って何?

A.車検にかかる法定費用の内訳は、自賠償保険の保険料と自動車重量税と登録手数料の印紙代の3つの合計費用のことです。車検の依頼先を検討する中で費用を抑えることが出来ないかと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、法定費用は車種ごとに決定されているもので変更できない金額となっています。

Q.法定費用はいくらくらいかかる?

A.普通自動車の法定費用は車両のサイズや、エコカーに該当するかどうかで異なります。

例:2009年式のトヨタのRAV4(車両重量1,470kg、エコカー対象外)の場合、下記費用の合計となりますので、48,120円となります。

自賠責保険料(24カ月契約) 21,550円
自動車重量税 24,770円
継続検査登録手数料(印紙代) 1,800円

Q.車検にかかる費用は後払いできるの?

A.車検にかかる法定費用と車検基本料は、基本的に前もって支払う金額になっています。特に、運輸支局へ持ち込みユーザー車検を受ける場合は必ず先払いです。ただし信頼関係のあるディーラーに依頼する車検や、クレジットカードによる決済が可能な整備工場へ車検を依頼した場合は後払いに対応していることもありますので、後払いを希望される場合は相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

車検にかかる費用のなかでも、金額があらかじめ決まっている法定費用。

自動車の重量や年数ごとに、支払うべき金額が定められています。自身が所有している車にかかる法定費用がいくらか判明していれば、車検費用を用意しやすくなるでしょう。車検にかかる法定費用について理解して、満了日直前に慌てないよう金銭的な準備をしておくことをおすすめします。

もちろん、車検が切れる直前で手放しという選択肢もございますので、今の状況とお財布とのお相談となるでしょう。

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