光軸で車検に通らない!原因と正しい調整方法は?

自動車の困り事

ユーザー車検を受けるとき、ヘッドライトの「光軸」のせいで通らないドライバーが続出しています。光軸は気づかぬうちにずれてしまうので、車検前には調整しなければいけません。ずれる原因と正しい調整方法を紹介します。

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「光軸」って何?車検に通らない理由は?


まずは光軸の定義と、車検に通らない理由を確認しましょう。

照らす方向のこと

光軸とは、光が照らす方向のことです。ヘッドライトの光軸は、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第198条で定められています。

ヘッドライトにはハイビーム(走行用前照灯)とロービーム(すれ違い用前照灯)があり、車検の基準となるのはロービームのほうです。どちらも進行方向を照らし、ハイビームは100m先、ロービームは40m先の障害物を確認できないといけない決まりになっています。

ハイビームは遠くまで見通せる反面、対向車にとっては眩しいため、そのまま走行するのは危険です。ロービームは「カットオフライン」より上部の光をカットしているので、対向車も眩しくありません。

日本のロービームは、歩行者を照らしやすいようにカットオフラインが左上がりです。その起点となるのが「エルボー点」であり、車検では前方10mを照らしたときの位置を測定します。

ロービームの中心が地面から1m以下の高さにある場合、上下は中心を通る水平線より2cm下から15cm下、左右はそれぞれ27cmの枠内にエルボー点があれば合格です。1m以上の高さにある場合は、上下がそれぞれ7cm下から20cm下に変わります。この位置にあれば、1m離れるごとに1cm下を照らせるようになるわけです。

同じく明るさの基準となる「光度測定点」は、ロービームの中心が地面から1m以下の高さにある場合、中心から下に11cm、左に23cmのところです。1m以上の高さにある場合は下に16cmとなります。

検査方法の変更で不合格になる車が続出

ロービームが車検の基準になったのは、2015年(平成27年)9月1日からです(1998年9月1日以降に製造された車が対象)。それまではハイビームで検査していました。

ハイビームは照らす方向さえ合っていれば車検に通りましたが、ロービームは先述のとおり、エルボー点の位置が合っていなければいけません。そのため、ユーザー車検で不合格になる車が続出していたのです。ハイビームを調整すればロービームの光軸が自動的に合うわけではなく、ロービーム用に調整を行わなければいけません。

光軸はなぜずれるの?どんなリスクがあるの?


続いては光軸がなぜずれてしまうのか、ずれたまま走ると、どのようなリスクがあるのか見てみましょう。

光軸はずれる機会が多い

光軸は調整しても、車を運転している最中にずれることがあります。例えば何かにぶつかったり段差に乗り上げたりするなど外側から衝撃を受けたときや重い荷物を積んでいるとき、後部座席に誰か乗車しているときです。他にもタイヤの摩耗やサスペンションのへたりも影響します。

2006年以降に製造された車であれば、「レベライザー」というダイヤルで光軸の調整が可能です。通常の位置は0ですが、状況に応じて最大5まで変更できます。目安は説明書に書いてあるので参考にしましょう。

ただし、あくまでも一時的な対策なので、常にずれているときは根本的な調整が必要です。他にも、最近はコンピューターによって光軸を自動的に調整してくれる「オートレベライザー」を搭載した車も増えています。

注意したいのは、ヘッドライトのバルブを社外品に交換したときです。バルブの位置がずれて正しくリフレクターやプロジェクターに反射せず、光軸がずれる恐れがあります。根本的にずれているため、レベライザーでもコンピューターでも調整できません。車高を落としたときも同様です。

光軸がずれると危険

光軸が上にずれると、距離が離れるほど高い位置を照らしてしまうため、ロービームでも対向車は眩しくなってしまいます。同時に前方や足元を十分に照らせないため、そのまま運転するのは危険です。

光軸のずれ方によっては、あらぬ方向に光が散乱して、滲んだように眩しくなる「グレア光」も発生します。特にHIDのバルブは、従来のハロゲンと比べて光量が多い上に光軸もずれやすいため、交換時は注意が必要です。

そもそも車検の基準がロービームに変わったのは、このようにロービームでも眩しい車が増えたことによります。

光軸の調整方法は?車検に通る?


では光軸をどのように調整すればいいのか、車検に通る方法を紹介しましょう。

ヘッドライトの光を壁に当ててみよう

カットオフラインとエルボー点の正しい位置を把握するには、純正のままヘッドライトを壁に当てるのが簡単です。

まずは壁から3mくらい離れたところからまっすぐ照らします。至近距離では誤差が多くなりますし、離れすぎても光が弱くなって正しい位置が分かりません。レベライザーがあるなら0に戻しておきましょう。次にカットオフラインをエルボー点が分かるように、マスキングテープなどでマーキングします。

バルブを交換したら、再度同じ位置からヘッドライトを壁に当て、マーキングに合うよう調整すれば完了です。

体にヘッドライトを当て、指でカットオフラインのエルボー点を押さえる方法もあります。まずは1m離れたところで指を当て、次にまっすぐ数m離れたところで体にあたるエルボー点との差を測定しましょう。

離れた距離の1%(3m離れたなら3cm)下になっていれば、上下は正しい位置にあると考えられます。あくまでも簡易的な方法であり、左右のずれについては確認できませんが、緊急時の目安にできるでしょう。

ずれていた場合は、光軸調整用のネジを回して調整します。上下に動かせるネジと左右に動かせるネジの2ヶ所です。奥まったところにあっても回しやすいように、柄の長いドライバーや専用のレンチがあると便利です。一度に回すと光軸が大きく動いてしまうため、確認しながら少しずつ回しましょう。

なお光軸調整用のネジは、樹脂製だと力を入れ過ぎただけでネジ山が削れてしまいますし、そうでなくても固着によって無理に回すと破損する恐れがあります。修理・交換によって高額の費用がかかってしまうため、無理は禁物です。

予備検査で最終確認

どんなに自分で調整しても、光軸がずれていて車検に通らない場合はありますし、検査場まで持ち込む間にずれてしまうこともあります。そこで検査場に入る前に近くの「テスター」で予備検査を受けてみると安心です。

テスターは検査場にある測定器と同等の機器が揃えられており、光軸だけでなく他の検査項目の予備検査もできます。もし検査基準を満たしていなくても、その場で調整できるので、ユーザー車検では重宝するでしょう。

本来は業者のためのサービスですが、一般のドライバーも利用できます。ただし対応状況は業者によってまちまちなので、あらかじめ確認しておいたほうが無難です。料金は光軸だけなら2,000円程度で済みます。

また、光軸はディーラーや整備工場など、プロでこそ正しく調整できるものです。ユーザー車検は価格の安さが魅力ですが、光軸の調整だけなら1,000~5,000円くらいでできるので、どうしても車検に通らないときは頼ってみると良いでしょう。

まとめ

ヘッドライトの光軸はロービームで測定するのが基本です。カットオフラインのエルボー点が正しい位置あれば車検に通るでしょう。光軸は普段の使用でずれることがあるので、車検前に調整しておくと安心です。自分でも測定・調整はできますが、プロに依頼すると正しく調整してくれます。

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