集中豪雨などで洪水になると、低い土地では車が水没してしまうことがあります。
気に入って乗っている愛車なら、かなりショックでしょう。しかし、水没の程度によっては復活できる可能性もあります。
ここでは水没車を復活させたい場合について見ていきましょう。
車が水没してしまったら
洪水になった場合には、急に大雨が降ってきてあっけにとられる人が多いです。水がどんどんたまってきて水位が上がっていきます。車を外に駐めていると、気が付いたときにはタイヤが水に浸かるくらいになってしまうかもしれません。車を運転中に集中豪雨に見舞われることもあるでしょう。
このとき、水に浸かったのがタイヤだけであれば、ほとんど心配はありません。エンジンや電気系統が水に浸かっていなければ、故障することはほとんどないでしょう。水が引けばたいてい通常通り走行できます。
しかし、タイヤだけに止まらずマフラーまで水に浸かってしまった場合には要注意です。マフラーの中に水が入ってきて、正常なエンジン排気が困難になってしまいます。そのため、マフラーのところまで浸水してしまったら、走行しない方が無難です。その状態で走行すると故障の原因になってしまうでしょう。すぐエンジンを切り、それ以上深く浸水しなければ、修理できる可能性は十分にあります。
ただ、さらに水位が上がりドアよりも深く水に浸かって冠水すると、電気系統もやられてしまう可能性が高いです。そうなると、エンジンがかからなくなってしまうでしょう。車内にも水が入り込んできて、泥まみれになる可能性もあります。こうなると、水没車という扱いになり、復活させるのは難しいかもしれません。
雨風が収まり水位が下がっていったら、車をディーラーや修理工場へ運びましょう。マフラーより上まで水に浸かっていたなら、レッカー車を手配しなければなりません。水に浸かったときの状況を説明し、車の状態を見てもらい、見積もりをとってもらいます。そして、修理するかどうか決めましょう。
また、車が水没するくらいの大雨が降りそうな場合には、あらかじめ車を高台などに移動させておくのが得策です。大雨が降る直前にはスマホアプリなどで緊急速報の通知を受けることができるため、速報が鳴るように設定をしておくといいでしょう。
水没車を復活させるには
水没車は修理して復活させることが可能ですが、修理費用を考慮して、どうするか決めることになります。交通事故などで故障して修理するときよりも、修理費用が高くつくケースが多いです。電気系統の部品がほとんど壊れてしまい、トランスミッションも水でやられてしまっていると、修理費用が100万円以上かかる可能性もあります。浸水したのがシートの下あたりまででも25万円以上はかかるでしょう。
新車登録から5年以内の比較的新しい車であれば、お金をかけて復活させる人もいますが、概ね7年以上経過している車なら、諦めてしまう人が多いです。
また、部品の修理だけでなく、車内の清掃も必要になります。泥などが混ざっていて臭いが気になることも多いです。水でやられてしまった部品を交換して、正常に走行できるようになっても、後々まで臭いが残ってしまうケースがよく見られます。エンジンや電気系統などは、再び不具合を起こしてしまう可能性もあるでしょう。
そのため、水没車になってしまったら、よほど気に入っている車や思い入れの強い車でない限りは、復活させず買い換えをした方が無難かもしれません。かなり新しい車でない限りは、復活させるよりも同じ車種・年式の中古車を買った方が安く済みます。その方が、臭いや不具合が起こることなどを気にせず快適に乗れるでしょう。
もし、臭いや不具合などのリスクを承知の上で、水没車を復活させたいというのであれば、自動車保険を使えるケースもあります。水没で車が故障するのは交通事故で故障するのとは異なりますが、自動車保険ではほとんど全損と同じ扱いです。ただし、車両保険に加入していなければなりません。また、水没の原因が噴火や地震に伴う津波である場合には、対象外になるので注意しましょう。集中豪雨や台風が原因の場合には、対象になります。
復活を諦めて処分するなら
水没車を復活させるのは、費用の面でかなり不利だということで、買い替えを決めたなら、水没車の処分方法を考えなければなりません。車を買い替える際には、古い車を中古車として売却できないかどうか検討するでしょう。
しかし、水没車の場合には、中古車としての売却はかなり難しいです。中古車市場において、水没車というのは事故車以上に避けられます。中古車販売店で、事故車は見かけても水没車はほとんど見かけないでしょう。
ダメもとで何社か簡易査定に出してみるくらいならいいかもしれませんが、ほぼ値が付かないものと考えておきましょう。また、売却時には、水没車であることを告知する義務があります。隠そうとしても簡単にバレてしまうので、隠して売ることはできません。
そのため、復活させるのを諦めた水没車は廃車にせざるをえないでしょう。新しい車を購入する際に、ついでにディーラーに引き取ってもらえば良さそうですが、水没車だとディーラーは無料では引き取ってくれません。廃車手続きにかかる費用を請求されるでしょう。
自分で廃車手続きをすれば、ディーラーに引き取りを依頼するよりも安く済みますが、それでもある程度の費用はかかります。また、自分で手続きをする際には、平日の昼間に運輸支局に行かなければなりません。仕事があるため、なかなか行けないという人も多いでしょう。
以上のことから、水没車は基本的には廃車買取に出すことになります。ただし、廃車買取業者の中には水没車の場合、別途処分費用がかかったりレッカー費用を請求する業者も存在します。カーネクストのように、レッカー費用などの手数料が完全に無料の業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
水没で車の電気系統がやられてしまったり、車内に浸水したりしてしまうと、復活させるのに多額の費用がかかります。
復活させたとしても、今後不具合が生じる可能性があり、臭いなども残るでしょう。
そのため、廃車にせざるをえないのが実情です。洪水になりそうなときは安全を第一に確保し、もし可能なら早い段階で車を高台に移動させるようにしましょう。