車を廃車にする際に気になる自賠責保険料。
自賠責保険料は手続きを済ませることで、廃車後の期間の分を返金してもらえます。
ここでは自賠責保険の解約手続きについて解説していきます。
自賠責保険の仕組み
自賠責保険料は廃車をすると返金してもらうことが出来るとご存知でしょうか。
自賠責保険とは、自動車損害賠償責任保険の略称で自動車を所有する人が公道を走行する際に必ず加入していなくてはいけない強制加入の保険となります。
自賠責保険を自動車一台あたりに対して、所有している人に加入が義務づけるられています。
自賠責保険によって、万が一当該の車が事故を起こした時に、事故にあった被害者に対して最低限の補償をするためのものです。
自賠責保険は強制保険で加入必須
自賠責保険に加入していない状態では公道を走行できないようになっています。
自賠責保険に未加入の状態で公道を走行した場合、無保険走行となり自動車損害賠償保障法違反となります。
第三章 自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済
第一節 自動車損害賠償責任保険契約又は自動車損害賠償責任共済契約の締結強制
(責任保険又は責任共済の契約の締結強制)
第五条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。
車の新車登録車検時または継続車検時に、車検満了期間まで充当する自賠責保険に加入します。自賠責保険料を支払わなければ、車検を受けることはできません。また、自賠責保険は、当該の車を廃車手続きするまで解約はできません。
もし、自賠責保険に加入していない車を運転した場合には違反による罰則が適用されるため、注意しましょう。さらに自賠責保険未加入の車の多くは車検も切れているため、より重い罰則となります。
任意の車両保険との違い
任意の車両保険の場合は、各保険会社でさまざまなプランが設けられており、補償内容も保険会社やプランによって異なります。保険料の金額も保険会社やプランによってまちまちです。車の使用環境に応じて自由に選ぶことができます。
これに対して自賠責保険は、保険会社を選ぶことができますが、補償内容は全て同じです。プランなどもありません。自賠責保険の保険金などは迅速かつ公平な支払いが行われるために国土交通大臣および内閣総理大臣によって支払い基準が定められています。
自賠責保険の補償対象は、保険に加入している車が事故を起こしてしまい相手に怪我をさせてしまった時、または相手を死亡させてしまった時の被害者の方に対する保険となっています。事故の際の物損や自分の怪我は補償外ですので、任意の車両保険に加入している方が多くなっているのです。
自賠責保険料の金額
自賠責保険の保険料は車の種類で異なりますが、同じ種類の車ならどの保険会社でも金額は変わりません。任意保険と比べると補償の範囲は狭くなりますので、車を運転するほとんどの人は、自賠責保険だけでなく、任意保険にも併せて加入しています。任意保険にも加入していれば、物損や自分の怪我にも備えられるでしょう。
自賠責保険は、強制加入のため保険料の未納を防止するための対策もとられています。車検時に次の車検までの2年分をまとめて支払う仕組みです。そのため、車検満了期間までに残存期間を1カ月以上残して自賠責保険を解約した場合には、残存期間に応じて保険料が返戻されます。
自賠責保険金の支払い限度額
自賠責保険に加入する当該車両によって事故を起こしてしまった時、相手への補償として支払われる保険金の限度額は下記となります。
死亡 3,000万円
ケガ 120万円
後遺障害(等級による) 75万円~4,000万円
事故によって相手の神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害が残り介護が必要になった場合、常時介護(第1級)4,000万円、随時介護(第2級)3,000万円が限度額となっています。また、先述した以外の後遺障害の場合は、第1級の場合3,000万円~第14級75万円が限度額となっています。
自賠責保険金の支払いに関して加害者が不誠実であったり、示談が成立しない場合、被害を受けた相手が損害賠償額を保険会社に支払い請求することが出来ます。
自賠責保険を解約するときの手続き
自賠責保険を解約して、残存期間の保険料を返金してもらうための手続きについて見ていきましょう。自賠責保険は、任意の車両保険とは異なり任意で解約することが法律で制限されています。自動車の滅失および、解体によって抹消登録を受けている場合は保険会社へ解約を申請することが出来ます。
※なお、カーネクストに申し込みの場合は、自賠責の解約も代行させて頂きますので返戻がある車の場合は買取金額に含めてのご提示になります。
自賠責保険解約の手続きそのものは難しくない
車を廃車すれば、自賠責保険も解約になると思っている人もいるかもしれません。しかし、自賠責保険の解約手続きは、廃車の手続きとは別に行う必要があります。自賠責保険の解約手続きを行う際には、先に廃車を済ませておきましょう。廃車を済ませてさえいれば、自賠責保険の解約手続きそのものは特に難しくありません。
自賠責保険の解約手続きを行う先は保険会社です。保険会社に問い合わせてから、必要書類を郵送します。必要書類は自賠責保険証明書と本人確認書類、廃車を証明できる書類です。廃車を証明できる書類というのは、登録識別情報等通知書(一時抹消証明書)などを指します。廃車手続きを運輸支局または軽自動車検査協会で完了すると取得できる書類になります。
また、自賠責保険加入時に代理店を利用していた場合は、解約時に代理店に問い合わせると、スムーズに解約がしやすくなります。解約申込書には、印鑑を押さなければならないため、認印を用意しておきましょう(シャチハタを除く)
解約するとどのくらいの金額が返金されるのか
返金される自賠責保険料の金額は、自賠責保険加入時の保険料を保険加入期間の月数で割り、廃車手続き完了後解約した月の翌月から自賠責保険加入満了期間までの月数分を掛けた金額になります。具体的な金額は保険会社の方で計算してくれます。しかし、万が一間違いがないかどうか確認するために、一応自分でも計算しておいた方が無難でしょう。
例えば、東京都にお住まいの方が自家用乗用車で3ナンバーの車の継続車検を受けます。その際、保険期間を車検期間とあわせて2年分加入することにし、無保険期間を作らないために25カ月分加入すると保険料は22,210円です。もしも保険の残存期間翌月以降で1カ月残っていたとしたら(保険料22,210円÷25カ月)×1=888円となり、1円位四捨五入のため890円となります。ただし、計算された金額から返還手数料が差し引かれますので、単純な計算通りの金額での返金とは異なります。
※上記保険料は2020年4月1日以降の保険契約開始の試算から算出しています。
自賠責保険料はお住まいの地域ごとに保険料が異なる
自賠責保険料は、保険会社が異なっても金額は変わりませんが、お住いの地域ごとに保険料は違うため、沖縄本島と沖縄の離島、沖縄以外の離島、それ以外の地域と地域ごとに保険料の設定がされています。
廃車後に保険会社の解約手続きが完了したら、実際に返金された金額が、自分で計算した金額と違いがないかどうか確認しておきましょう。
自賠責保険解約時に注意すべきこと
自賠責保険の解約手続きをご自身で行われる場合の注意点をいくつかご紹介します。
保険期間が残り1カ月未満の場合
自賠責保険の解約手続きが完了した期間によっては、保険が満了するまでの残存期間が1ヶ月未満という場合もあるでしょう。
残存期間の扱いに関しては、1ヶ月未満の日数は切り捨てになります。
残存期間が2ヶ月と29日のような場合でも、返金されるのは2ヶ月分だけです。1ヶ月未満の日数が多ければ多いほど、損をしてしまうため注意しましょう。もしも廃車をしていたのに解約手続きをおろそかにしてしまい、残存期間が1ヶ月未満しかなかった場合、解約をしたとしても返戻金が発生しません。
廃車にすると決めたら、なるべく先延ばしにせずに廃車手続きと自賠責保険料の解約手続きを済ませるようにしましょう。
保険の解約申請から解約完了まで空白があるかも
残存期間を算定する際に基準となる日に関しても注意が必要です。解約手続きを済ませてしまえば、安心してしまい、解約完了日がいつになるのかあまり深く考えない人は多いでしょう。
保険会社によって多少扱いが異なる場合もありますが、ほとんどは窓口での受付になるため基本的に解約に必要な書類を提出した日が解約完了日になります。ただ郵送での対応を依頼した場合や、大きな連休やお盆、年末年始などを挟む場合には、なるべく早めに済ませておくのが無難でしょう。
手続き代行業者に解約を依頼する場合
廃車の手続きを業者に依頼して行う場合には、自賠責保険の解約手続きも一緒にやってもらうことが多くなっています。自賠責保険の解約手続きは代理人による手続きも可能なので、忙しい人の場合は、廃車手続きと併せて代行業者に依頼すると手間もかからないため良いでしょう。
ただし、行政書士事務所などに書類手続き代行を依頼する際は、解約完了日の扱いに関して注意が必要です。業者に解約手続きを依頼してから、実際に解約手続きを済ませるまでに、数日程度かかります。早い場合には依頼した翌日あたりには済ませてくれますが、当日のうちというわけにはなかなかいきません。
そのため、業者に依頼するのであれば、数日程度遅れる可能性を考慮しておきましょう。気になるようであれば、依頼時に手続きを行う日を確認しておくのが望ましいです。早めに解約手続きをして欲しい旨を伝えれば、対応してくれることもあります。
自賠責保険の解約手続きが完了した後は、実際に保険料が返金されるのは1週間から2週間後です。解約手続き時に指定した銀行口座に振り込まれます。
※カーネクストにお申し込みいただくと、保険料の返金分も査定額に合算しますので、買取金額と合わせての提示になります。
車売却・譲渡時の自賠責保険の名義変更や解約をするには
車を廃車しなくても、売却や譲渡することで手放すこともあります。その場合の自賠責保険の扱いが気になる人も多いでしょう。自賠責保険は運転者の範囲は関係なく、車に対して締結するのが特徴です。そして、車の所有者が契約の当事者になります。車の登録が生きていて、公道を走れる状態である限りは、自賠責保険の解約はできません。
譲渡した車とともに自賠責保険の名義変更も行う
個人での車の売却や譲渡を行い車の所有者が変わる場合には、保険会社に対して自賠責保険の名義変更を行います。名義変更の手続きを行う際には、所有者が変わったことを証明しなければなりません。自賠責保険の権利譲渡の手続きには、譲渡人と譲受人の双方の意思確認を行い、本当に譲渡が行われているのかどうか確認が行われます。
自賠責保険の名義を変更する際に準備する書類
自賠責保険証明書
新所有者の印鑑
旧所有者の印鑑
旧所有者の譲渡意思を確認することが出来る書類(下記いずれか)
・旧所有者のご本人確認ができる書類
・旧所有者の捺印がある承認請求書と印鑑証明書
・車両の所有者が新所有者に変更済みの以下の書類
(自動車検査証・軽自動車届出済証・標識交付証明書・自動車重量税還付申請書付表1)
現在は保険会社の窓口だけでなく、郵送での権利譲渡手続きも可能な保険会社が多くなっています。
また、必要な承認請求書の用紙は保険会社の営業店に備え付けられています。
中古車売却した場合の自賠責の還付について
乗らなくなった車は個人間で売買するよりも、中古車買取業者に売却することの方が多いでしょう。業者に売却すると、自賠責保険の手続きも合わせて代行してくれるところがほとんどです。その場合には、自分で自賠責保険の名義変更や解約の手続きをしなくても済みます。
ただし、任意保険に関しては代理での依頼は出来ませんのでご自身で解約等を行う必要があります。
もしも売却予定の車が古い場合や多走行車の場合は、中古車買取業者に査定を依頼しても、査定額が付かないかもしれません。友人や知人に譲ろうとしても、年式が古い車や走行距離が多いとあまり欲しがる人はいないでしょう。そのため、手放すのであれば、廃車にするという選択肢を採る人が多くなります。
中古車売却ではなく廃車にするとなると、お金がかかると思っている人も多いかもしれません。手続きも面倒そうと思うと、いくらかの費用がかかっても仕方ないと手数料を支払って廃車を依頼している方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実は古い車や多走行車で廃車にするしかない車も買取できる業者があります。
廃車買取業者のカーネクストは、廃車予定の車の買取をおこなっています。古すぎて、中古車としての値が付かなかった車でも問題ありません。廃車手続き、自賠責保険の解約も無料で代行しています。事故や故障で動かない車も、レッカーにかかる引取費用を無料で保管場所まで伺いますので、費用が心配という方も安心してお任せいただくことが出来ます。
カーネクストでは、自賠責保険有効期間の残存がある場合は、当社と契約した段階でその期間の解約返戻金分を含めての買取提示を行います。廃車の依頼をされる所有者が、自賠責保険の解約手続きをする必要はありません。また、解約完了日を気にする必要もありません。
廃車で自賠責保険料が戻る?に関するよくあるご質問
自賠責保険は強制保険のため、車が車検を受けるにあたって充当期間分の加入が必要です。では、その車検が残っている車を廃車すると、前もってまとめて支払っている自賠責保険料は戻ってくるのでしょうか?こちらでは自賠責保険料の返戻に関するよくいただくご質問にお答えします。
Q.自賠責保険の加入で支払った保険料が廃車すると戻る?
A.自賠責保険料は、廃車手続き(一時抹消登録または永久抹消登録・解体届出)を行うと、保険未使用期間がある場合は返戻金が発生するため、保険の解約手続きをすることで戻ります。解約手続き完了日の翌月から保険有効期間満了月までの月数分が月割りで返戻され、解約手続きの際に指定する金融機関への振込という形で戻ります。
Q.自賠責保険料の返戻金とはいくらくらい戻るの?
A.自賠責保険の解約時に発生する返戻金の計算方法は、(自賠責保険加入時に支払った保険料÷保険期間月数)×解約手続き完了翌月以降の残存期間の月数になります。ただし、返戻金からは解約と返金の手数料が差し引かれるため単純に計算した金額で戻るわけではありません。
Q.家族が亡くなり遺産相続した車を廃車しても自賠責保険料は戻る?
A.遺産相続した車の廃車後に自賠責還付を受け取るには、自賠責保険契約者である旧所有者(亡くなったご家族)から新所有者(相続人)へと車の名義変更を行い、同時に抹消登録手続きを行います。こちらの同時に行う手続きの方法を移転抹消登録手続きといいます。移転抹消登録をすると、新所有者である相続人の名義で抹消謄本(登録識別情報等通知書)が手元に残ります。抹消登録が完了したら、自賠責保険の保険会社へ「新所有者の名義の登録識別情報等通知書のコピーと自賠責保険証明書本紙、自動車損害賠償責任保険承認請求書」を用意し郵送または窓口にて解約手続きを依頼します。この時、承認請求書の権利譲渡・解約手続きに丸をつけて申請しましょう。
Q.自賠責保険の解約をするには条件がある?
A.自賠責保険の解約の条件は、永久抹消登録手続きまたは一時抹消登録手続き等の廃車手続きが完了していなければ原則行うことができません。また、車の譲渡等により自賠責保険が重複契約となった場合は、保険の終期が早い方の契約のみ解約することが可能です。解体証明書のみでは、自賠責保険の解約は出来ないため、解体確認が出来たあとに永久抹消登録手続きを行ってから解約の申請をします。また、車が自然災害等により滅失してしまった際も永久抹消登録手続きを行い、自賠責保険の解約が可能です。この時、自賠責保険証明書の原本も損傷や紛失してしまっているかもしれませんが、最寄りの保険会社の営業店で再交付可能ですので、解約に本紙が必要と言われた場合は一度相談されることをおすすめします。
Q.自賠責保険の解約手続きを業者に依頼すると高い?
A.自賠責保険の解約を、廃車手続きと合わせて代行業者に依頼した場合、行政書士事務所などの手続き代行を専門に行っている業者に依頼すると、解約の返戻金はあったとしても代行手数料が高くなってしまう可能性があります。おすすめは、廃車買取や中古車買取業者に車の売却を行い、廃車と解約手続き合わせて依頼する方法です。中古車買取の場合は、解約をせずに名義変更を行い自賠責保険加入のまま使用することもありますが、一般的に買取金額に返戻金を上乗せするところがほとんどです。車検が残っている車の方が、車販売店としても再販がしやすいため買取査定時に自賠責返戻金についても訊ねておくと良いでしょう。
まとめ
車の廃車を完了したら、速やかに自賠責保険の解約手続きを忘れずに済ませておきましょう。
後になってから思い出して手続きをすると、期間が経過した分だけ返戻金が少なくなってしまいます。自賠責保険の解約方法・権利譲渡に関しては、コロナ禍の影響もあり郵送対応を推奨している保険会社も増えているようです。ご自身で手続きを行う予定がある方は、一度保険会社にお電話やインターネットでお問い合わせされることをおすすめします。ご自身で自賠責保険の解約をするのは面倒そうと感じたら、廃車手続きなどもすべて任せることが出来る廃車買取のカーネクストまで、お気軽にお問い合わせください。自賠責保険の残存期間が1カ月以上あるお車でしたら、車検込みの買取金額を査定時に提示させていただきます。お見積の際は、車検残存期間をお伝えください。