廃車予定の車を所有していたので、廃車買取に売却したが、そのあと売却した車が中古車として販売されているところを見かけた――
このように廃車として売却したが、中古車として売られていたのを見た方は、廃車するしかないといった状態だったのに、なぜその廃車予定の車が再販されているのかと不思議に思われるでしょう。
ここでは廃車買取に出した車が、その後中古車として販売される事はあるのかどうか、またその廃車前提の車の中古車販売はなぜ出来るのか?など、廃車買取のギモンについてお答えします。
廃車買取でも中古車で販売される可能性はある
早速、結論から言います。廃車買取に売却した車でも中古車として販売される可能性はあります。
ただし、廃車買取に出した全ての車が中古車として再販される事はありません。あくまでも中古車としての価値があり、なおかつ廃車買取で売却した買取業者が持っている修理や整備が出来る点検工場、または自動車リサイクル施設、さらに販売ルートの多さ次第で変わってきます。
廃車からリサイクルして中古車として再販
例えば外装状態は大きな傷等もなく綺麗な車だが、エンジンルームの部品は故障していて廃車するしかない状態だった車を売却した場合、外装のパーツはリサイクルされて中古車の修理に使われることもあります。
また、事故等でフレーム構造や外装に大きな損傷がある車でも、エンジンは損傷を受けておらず修理用部品として使われることもあります。車の部品はリサイクルパーツやリビルトパーツとして、修理用や載せ替え用、オーバーホール用に利用されることがあるのです。
車のリサイクルパーツは、一旦廃車解体した車から再利用出来る部分を取り出し、洗浄や点検後再利用パーツとして生産されます。特にメーカーからの純正部品の供給がすでにない車では、リサイクパーツは重宝されます。街で見かけた廃車したはずの車は、実は外装パーツがリサイクルパーツとして再利用されている別の車という場合もあるのです。
非鉄金属や鉄金属など素材のリサイクル販路のみを持つ業者へ車の廃車を依頼した場合を除くと、廃車買取業者に車を売った場合、現在の車のリサイクル技術からすれば車の90%以上は再利用やリサイクル出来ていることから中古車として販売される可能性もゼロではありません。また、業者によっては国外に販路があり、廃車前提の車に中古エンジンを載せ替えて整備し、輸出中古車として海外で販売することもあります。このように、販路次第で廃車後の車の行方は変わってくるのです。
廃車後の車の行方は買取業者の販路次第
では、具体的にはどのような廃車買取業者に車を売ると、その後その車が中古車として販売される可能性があるのでしょうか。廃車買取業者がどのような販路を持っているのか次第と前述しましたが、廃車後の販路次第といっても、廃車の引き取り後にどのように処分されているのかご存知ない方の方が多いでしょう。
具体的に、廃車買取業者にはどんな廃車引取り後の販路があるのか、こちらでご紹介します。
廃車解体後スクラップし収益化する業者
廃車買取業者の中には、買い取った車の処分方法がスクラップして、鉄資源としてリサイクルする方法のみを実践しているという業者がいます。
この廃車買取業者の特徴としては、車の状態がどんなものだったとしても関係なく、その車に含まれている鉄資源の含有量のみを査定額に反映させて買取を行うことが出来ます。例えば、自然災害等で水没してしまった車や、事故で大破した車、車両火災にあってしまった車などは部品の回収も難しいことがありますが、素材としての回収はまだ可能な部分が残っている可能性があります。
このように車をスクラップ素材として買い取る廃車買取業者の場合は、当然ながら廃車買取後に中古車として販売する事はありません。スクラップし、金属を加工したあと、製造工場等に再利用素材として売却し、収益化することが販路として一般的です。
リサイクルパーツとして再販出来る業者
廃車買取業者の中には、自社で廃車解体設備からリサイクルパーツを生産する設備まで一貫して保有する業者もあります。引取回収した車を解体して部品ごとに取り出し、リサイクルパーツやリビルトパーツとして再利用価値のある部材を中古車パーツとしてリセールすることで利益化出来る業者です。
このようにリサイクルに特化した廃車買取業者の場合は、当然ながら自社で中古パーツの販売チャンネルを持っていますし、中古パーツを必要とする提携店や修理工場も販路になります。今はインターネットで修理用部品としてリサイクルパーツを全国に販売している業者も多く、販路が拡大しているため利益化が以前よりしやすいという傾向もあります。
また、パーツを取り出した廃車解体後の車体から、鉄などの資源素材も取り出し売却することも可能です。リサイクルパーツの販路、スクラップ素材の販路、と販路が拡大している分、廃車買取時の査定額もプラスすることが可能になっています。ただ、あくまでも中古車パーツの再販に留まりますので、このようにリサイクルをメインに行っている廃車買取業者の場合も、廃車買取後に中古車として自社から販売する事は少ないでしょう。
中古車として再販し収益化する業者
最後に、廃車買取で買い取った車を修理、整備などのメンテナンスし、中古車として再販できる販路を持っている業者です。廃車買取で仕入れた車を修理する施設に加え、自社で中古車として販売する販路を持っていて、次のユーザーへ直接売却することで利益化出来る業者になります。
中古車買取業者と同じでは?と思うかもしれませんが、一般的に中古車買取を行っている業者は車検設備や板金設備を保有する業者は多いものの、大掛かりな修理や整備を自社で持つ業者は少ないため、一定以上の故障や修理を必要とする車の場合は買取をすることが出来ません。低年式で部品の仕入れが必要な希少車は、修理にオーバーホールなどの技術が必要になります。また、エアロカスタムした車など、純正部品とは異なる部品をつけた車体などは通常の修理工場では対応出来ないこともあります。このように通常であれば廃車となる車でも、自社で専門的な修理や整備の技術をもつ業者であれば、自社で修理整備後に中古車として販売することが出来るため、廃車買取後中古車として販売し、利益化することが出来ているのです。
中古車として販売出来るから買取が出来ている
廃車されると思って廃車買取業者に売った車が、中古車として販売されているのを見ると、なんだか騙された気分になったという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、前述したように実際のところは中古車として販売するために修理や整備が行われているため費用がかかっていますし、リサイクルパーツとして再利用されていることや、エンジンの載せ替えなどが行われていることもあります。中古車買取店では出来ない整備や修理をすることで、廃車買取後中古車として売却を行い利益化することが出来ていることで、廃車買取する時に買取金額として元の所有者に還元出来ている可能性が高いのです。
中古車として修理する価値がある
修理や整備に費用がかかるのに、中古車として再販されているということはその車には価値があるということです。
中古車販売店で自社に車検設備や板金設備を持っているお店は、車検が通るような車や、傷やヘコミがあっても鈑金によって直せるクルマでなければ、基本的に買取をしてくれません。ただ、その分状態が良い車のみの仕入れになるので、再販する時の車の販売額も高くなりますし、中古車買取の金額も高くなります。ただし、車検を通すために修理が必要な車や、大きな傷やヘコミがありパーツの交換が必要な車となると、買取を断られたり、ほとんど買取額が付かない可能性もあります。
このような車の場合、中古車販売店に売ろうとするよりも、廃車買取業者で修理を行ってから中古車として再販することが出来るほうが利益化できるため、思ったより買取が付く場合もあります。
廃車買取業者も中古車として売れる前提の車でなければ、修理を行ったり部品を載せ替えて再販できるような状態にはしません。中古車して売れる価値が高い車だからこそ、廃車買取金額をつけて買取を行うのです。
海外輸出対象の中古車は価値が高い
中古車として売れるかどうかの価値は、廃車買取業者が保有する販路次第で変わってきます。国内であれば全国に販路があるか、個人だけでなく業者への販路があるかどうかも影響があります。また、国内だけでなく海外へ輸出する販路をもつ業者であれば、低年式車や修復歴のある車でも輸出対象の中古車として、国外で車として売却出来るため、価値を高めることが可能で、買取することが出来ます。
廃車買取後に中古車として販売してトラブルはないのか
廃車として売った後に中古車として販売されていると知った時、不安に感じる要素があるとすれば、廃車が他のユーザーの手に渡った事によるトラブルですよね。
この点で問題があるとすれば、車の名義をそのままに次のユーザーに売却されていれば大きなトラブルとなるでしょう。しかし、廃車買取業者に手続きに必要な書類を準備し、車と一緒に渡していなければ、そもそも車の買取自体が成立していません。これは中古車買取でも同じですが、車の所有者の移転登録手続きが出来る書類と車本体を売却時に提出し、車の買取金額を受け取るというのが基本の流れです。
廃車買取業者は移転登録手続きをして名義を移した後、販路次第で運輸支局での手続きを決めています。修理して中古車として売却する、または解体を時間を掛けて行うのであれば一時抹消登録を行い、一旦使用が中止される状態になります。もしもパーツどりを行った後スクラップし素材を回収するのであれば、解体するため永久抹消登録手続きをします。
ただし、廃車解体を行う買取業者によっては書類の手続きを有料で行うところもあり、ご自身で廃車の書類手続きを行い車両本体のみを渡すという場合もあります。このような廃車解体をする買取業者は、中古車として車を売ることなくスクラップのみの販路をもつ業者となります。
廃車買取後中古車販売する中でもアウトな業者
ここまで、廃車買取に出した車が中古車として販売される事は買取額が付きやすくなり、価値があるためメリットになるとご紹介してきましたが、唯一デメリットになるアウトな業者のパターンがあります。
こちらで紹介するアウトな業者とは、どちらかというと詐欺に近い業者です。それは、廃車買取の際に解体手数料を徴収している業者です。この解体手数料はそのままの意味で、廃車買取を行った車を解体するために費用がかかると言って、解体手数料を買取額から差し引いたり、請求してくるパターンです。
この解体手数料を徴収されるということは、確実に車を解体するという事になるのですが、徴収しているにも関わらず肝心の車を中古車として販売している場合は矛盾が生じています。
今の時代、このような事が起こる事は少ないでしょうが、0%とは言い切れないので念の為確認方法もご紹介しておきましょう。
廃車後解体されているかの確認方法
廃車する車次第では、ローン残債がある中事故を起こしてしまったため、ローン会社との取り決めで必ず永久抹消登録しなければいけないという約束がある車もあります。この場合は廃車買取業者に解体をしてほしいと伝えておかなければいけません。また、廃車買取を依頼した時に解体手数料を徴収されたのなら、しっかり車が解体されたのか知りたいですよね。
このような時に廃車依頼後の車が解体を終了しているかどうかを確認するには、次のサイトがおすすめです。
車が解体を完了しているのかどうか確認するには、自動車リサイクルシステムというサイトで、自分の車の解体状況(使用済自動車処理状況)を調べることが可能です。
出典:http://www.jars.gr.jp/gus/exju0010.html
トップページから【自動車ユーザーの方】という緑のボタンをクリックします。すると【あなたの車の処理状況は?】の文言がありますのでクリックし、【使用済自動車処理状況検索】という青いボタンを押します。を廃車買取に出した車の車台番号などを入力することで、解体されたかどうかの確認が可能となります。ポップ画面が開き、車両区分や車台番号の入力欄が出てきます。この時に車検証の情報を入力する必要がありますので、コピーを手元に置いておくとスムーズです。
廃車の引取りから解体完了確認が反映されるまでは数日のラグもあります。急ぎで気になる方は引き取りから1週間後を目処に、基本的には引取から1カ月以内に解体をすると決められているので、まず確認をしたいというかは約1か月後に確認してみましょう。
まとめ
今回は、廃車買取業者の中には修理や部品交換の設備を保有していて、中古車としての販路もある業者は廃車買取後、価値ある車を中古車販売していることをご紹介しました。また、中古車買取で断られた廃車前提の車も、設備保有する業者に依頼できれば、価値のある中古車として販売されるとお分かりいただけたでしょう。
そして、中古車として販売される車であればあるほど、その分の価値は上乗せされますので、売主側から見ても買取額のアップというメリットに繋がりますので、可能な限り中古車販路のある廃車買取業者を選ばれるべきでしょう。
なお、弊社カーネクストでは中古車として販売できる販路を所有しておりますので、依頼予定の業者がなければ、無料の査定フォームから買取額の確認をしていただければと思います。