車を廃車にしたときには、廃車証明書が発行されます。発行のための手続き自体は特に難しくありません。
廃車証明書は廃車後に自賠責保険を解約したり、任意保険の中断、解約、一時抹消登録からの再登録を行ったりする際に必要となります。
ここでは、初めての廃車で廃車証明書の発行方法がわからない、再登録したいのに紛失してしまって再発行したいという方のために、廃車証明書の発行手続きについて紹介します。
知識を付けてから手続きをはじめるとスムーズに完了することができますよ。
廃車を証明する廃車証明書とは?
廃車証明書とは、自動車を廃車したことを証明してくれる書類のことをいいます。廃車証明書は正式名称ではなく、普通自動車と軽自動車それぞれで次のような書類をまとめて廃車証明書と呼んでいます。
・普通自動車 :登録識別情報等通知書、登録事項等証明書
・軽自動車 :自動車検査証返納証明書
廃車手続きを自分で行った場合には、それぞれの証明書を受け取ることで廃車手続きが完了したことがわかります。
廃車買取業者や解体業者、ディーラーなどに廃車を依頼したときには、手続きが任せっきりになってしまうためそれぞれの証明書を受け取り忘れてしまうこともあるでしょう。「廃車手続きをしたのに、登録事項等証明書や自動車検査証返納証明書を渡されなかった」という時には、廃車手続きを依頼した業者に問い合わせてみてください。
完全に廃車・解体した場合には、これらの証明書をもって自分で税還付や保険解約に伴う返戻金受け取りの手続きを行わなければいけません。廃車を依頼した業者があまりいい業者ではなかったときには、これらの証明書を元の所有者に渡さずに、還付金を横領されてしまうこともあるでしょう。
税金を支払ったのは元の所有者ですから、還付金を受け取る権利も元の所有者にあります。必ず廃車・解体を行った証明として書類を受け取り、手続きを行いましょう。
普通自動車の発行手数料
普通自動車の廃車手続きは運輸支局で行います。ナンバープレートと車検証を返納すると、上記の廃車証明書をもらうことができます。
一時抹消の場合は即日発行が可能です。永久抹消の場合は、3日~10日ほど、繫盛期に関しては1ヵ月ほどかかることもあるようです。
手続き後、普通自動車の登録事項等証明書の発行には、現在証明で1件当たり300円、詳細証明で1件当たり1,000円、1件追加につき300円の手数料がかかります。それぞれの手数料を持って窓口へ行きましょう。
軽自動車の発行手数料
廃車にした車が軽自動車だった場合、軽自動車検査協会で手続きを行います。軽自動車では、一時抹消後の自動車検査証返納証明書発行に350円の手数料がかかります。
解体返納では手数料がかかりませんが、きちんと登録が抹消されているかを確認するためには300円の手数料が必要です。解体返納した後、証明書をしっかり保管しておきたい方は手数料を持って解体返納手続きに行きましょう。
廃車証明書を発行する手続きの方法
廃車証明書を発行する手続きは、普通自動車と軽自動車、一時抹消登録と永久抹消登録それぞれで方法が異なります。ここからはそれぞれの手続き方法についてみていきましょう。
※カーネクストで廃車代行(無料)を申し込みされた方は、廃車証明証は無料で発行手続き・郵送をさせていただけます。
普通自動車の場合
普通自動車の一時抹消登録および永久抹消登録の際には、ナンバープレート2枚と車検証、印鑑が必要となります。一時抹消登録では、これに加え運輸支局で手数料納付書を350円で購入し、抹消登録証明書に必要事項を記入、運輸支局に提出すると手続きが完了します。
一時抹消登録の手続きを行う人と車の所有者が異なる場合には、委任状も必要です。一時抹消登録を業者に依頼したときや家族に依頼したときには、事前に委任状に記名・押印をしておきましょう。
一時抹消登録に必要なもの | |
車検証 | ナンバープレート |
印鑑証明書 | 手数料納付書 |
自動車税納付書 | 申請書 |
永久抹消登録でも同じように手続きを行いますが、引き取り業者から受け取った移動報告番号と解体記録日が必要です。これらを記入し用紙を提出すると、手続きが完了するとともに自動車重量税還付申請書付表が発行されます。
こちらも所有者と永久抹消登録申請者が異なる場合には委任状が必要です。解体業者に手続きを依頼するときには、事前に委任状に記名・押印し業者に渡しておきましょう。
永久抹消登録に必要なもの | |
車検証 | ナンバープレート |
印鑑証明書 | 手数料納付書 |
自動車税納付書 | 申請書 |
実印 | リサイクル券 |
使用済自動車引取証明書 |
軽自動車の場合
軽自動車でも、車検証とナンバープレート、印鑑があれば軽自動車検査協会で廃車証明書を発行してもらえます。自動車検査証返納証明書は軽自動車検査協会に様式がありますので、窓口で受け取り記入し提出しましょう。自動車検査証返納証明書の交付には1件当たり350円の手数料がかかります。
自動車検査証返納証明書申請に必要なもの | |
車検証 | 所有者と使用者の印鑑 |
ナンバープレート | 自動車税納付書 |
解体を行ったときには、これに加え解体届出書と使用済自動車引取証明書が必要になります。解体返納の申請は手数料無料ですが、きちんと抹消されたかどうかを確認するためには300円の手数料が必要です。
解体返納に必要なもの | |
車検証 | 所有者と使用者の印鑑 |
ナンバープレート | 自動車税納付書 |
使用済自動車引取証明書 |
廃車証明書を紛失した!再発行は可能?
廃車証明書を発行してもらい、税金や保険の還付も無事に終了したからといって廃車証明書をぞんざいに扱ってはいけません。特に一時抹消登録であった場合、再登録時に廃車証明書は必須となります。
しかし、万が一廃車証明書を紛失してしまったとしても、廃車証明書は一部で再発行可能です。再発行手続き自体もそれほど複雑ではありません。ただし、再発行できない書類の場合には、その書類と同等の効力を持つものを発行してもらうためにさまざまな書類を用意しなければいけません。
・登録事項等証明書の再発行:登録事項等証明書は再発行可能です。最寄りの運輸支局等の窓口で発行申請を行いましょう。申請には以下のものが必要です。
・自動車登録番号と車台番号(下7桁)の明示
・運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
・請求理由書
登録事項等証明書は以前誰でも請求可能であったため、盗難車に悪用される事例が増え、自動車登録番号だけでは再発行されなくなりました。本人確認書類を持って運輸支局へ行きましょう。
※本人確認書類がなければ、盗難車両と疑われて再発行してもらえない可能性があります。
・登録識別情報等通知書の再発行
一時抹消証明書、登録識別情報等通知書は原則再発行されません。そのため、再発行ではなく特殊な手続きが必要となります。
登録識別情報等通知書を紛失したときには、「登録識別情報等通知書の遺失等に係る新規検査、登録申立書」を発行してもらいましょう。この書類があれば、登録識別情報等通知書がなくても自動車の再登録を行えます。
手続きのために運輸支局窓口に行く前に、まずは警察に行き遺失物届を出しておきましょう。申立書の申請には、警察の遺失物届受理番号を記入する欄があります。そのため、運輸支局へ行く前に警察で遺失物として届け出を行い、受理番号を受け取らなければいけません。
警察で遺失物届を出しただけでは受理番号を教えてもらえないことがあります。必ず受理番号が必要な理由を警察に伝え、忘れず教えてもらいましょう。
さらに、登録識別情報等通知書の遺失等に係る新規検査、登録申立書を受け取るためには、まず登録事項等証明書が必要となります。登録事項等証明書が用意できるときには、譲渡証明書と新旧所有者両方の印鑑証明を持って手続きを行いましょう。
もし登録事項等証明書も用意できない場合には、車体番号の拓本と車検証のコピー、自動車税の納付書など、その自動車を所有していたことがわかる書類が必要となります。一時抹消から再登録を行いたい車が手元にある場合には、拓本を取ってから手続きに向かいましょう。
※車体番号の拓本とは・・・車に刻印された車体番号を白い紙に鉛筆等で写したもの
- 自動車検査証返納証明書の再発行
自動車検査証返納証明書も、紛失すると原則再発行されません。その代わり、次の書類を用意し手続きを行いましょう。
- 車台番号の拓本
- 実印
- 印鑑証明書
- 新規検査願出誓約書
- 譲渡証明書
- 遺失等に係る新規検査願出書
- 自動車検査証返納証明書紛顛末・誓約書
こちらは軽自動車用のものですので、軽自動車検査協会の窓口で手続きを行います。軽自動車でも拓本が必要となります。再登録する車が手元にあるときには、軽自動車検査協会へ向かう前に車から拓本を取っておきましょう。
「書類がたくさんありすぎてわからない」「何をどう記入したらいいのかわからない」というときには、軽自動車検査協会の窓口で職員に教えてもらいながら書類に記入を行うといいでしょう。
まとめ
廃車証明書は普通自動車と軽自動車、さらに一時抹消登録と永久抹消登録で発行される書類が異なります。それぞれ税還付や保険解約の返戻金受け取り、再登録に必要なものとなりますので、発行後は紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
万が一紛失してしまった場合でも、登録事項等証明書の再発行は可能です。登録識別情報等通知書および自動車検査証返納証明書は再発行されませんが、それに代わる手続きや書類は発行してもらえます。わからない場合には陸運支局もしくは軽自動車検査協会の窓口で職員に直接聞いてみましょう。
また、業者に依頼したのに廃車手続き後に証明書をもらえなかった!なんていうことがないよう、廃車を依頼する業者は慎重に選びましょう。
良い廃車業者、廃車買取業者を探している方にはカーネクストがおすすめです。廃車手続きに関する相談もできますので気軽に問い合わせてみてください。