車内に備え付けられている「グローブボックス」とは、どの部分のことを指すのかご存知でしょうか。
こちらではグローブボックスとは車のどの部分を指すのか、グローブボックスを使用する上での注意点等を解説します。特に車内が高温になる夏場は、グローブボックスを利用する上で注意点がありますので、ぜひご覧ください。
グローブボックスとは
グローブボックスとは、助手席側のダッシュボード下部についている収納装備のことを指します。基本的に下部に向かってノブをつまんで引くと開くタイプが多く、運転席から中に収納した物をすぐに取り出せることも重宝するため、車に関連するものの収納として活用している方は多いでしょう。
グローブボックスの名前の由来は
グローブボックスの名前の由来は、運転する時や自動車整備をする時のグローブ(手袋)を収納していたことから付けられています。日本では基本的にグローブボックスとしか呼ばれていませんが、海外ではglove boxだけでなくglove compartmentととも呼ばれます。
国際宇宙ステーション等で実験作業に使用されている密閉容器の名称もグローブボックス(glovebox)となっているため、海外では間違いを避けるためglove compartmentが一般的に使用されています。
グローブボックスの現在の用途は
グローブボックスの由来からすると手袋等の整備に関連するものなどを入れるところとなりますが、現在はすぐに取り出せるというメリットもあり、車検証等を収納するスペースとして活用しているドライバーが多いようです。
運転中にすぐに取り出せるようにしておくと良いもの
- 自動車検査証(車検証のこと)
- 自動車検査証記録事項(電子車検証の方)
- 自賠責保険証明書
車検証と自賠責保険証は車内積載が必須の書類となります。万が一の事故の際など、すぐに取り出せる位置にあれば安心です。自動車検査証記録事項は、電子車検証に移行後に車検証情報を確認できる書面として交付されている書類ですので、電子車検証とセットでの保管をおすすめします。
運転席周辺にあるグローブボックス以外の収納装備
グローブボックスの他にもいくつか、運転席に着席した状態で物を取り出しできる収納装備があります。
アッパーボックス
アッパーボックスは、グローブボックスと同じく助手席側にあり、ダッシュボードとグローブボックスの中間部分にある収納装備です。アッパートレイという蓋がついていて蓋が上に向かって跳ね上げ式で開くタイプや、蓋がなく小物をそのまま置くようなタイプがあります。
運転席から助手席までのフロント側の一面部分(メーターパネルやダッシュボード等をすべて含む)をインストルメントパネル(略称はインパネ)と呼ぶため、インストアッパーボックスやインパネアッパーボックスという名称がつけられている車種もあります。
センターコンソールボックス
センターコンソールボックスは、運転席と助手席の間にあるスイッチやシフトレバー等がある制御盤の奥に設置されている収納装備のことです。コンソールには、大型機械や電子機器の操作、コンピュータ等の入出力を監視する装置等に付けられる名称です。
センターコンソールボックスについては、ベンチシートタイプで運転席と助手席シートが一体化されていたり、前席から後席へ移動できる空間を維持しているミニバン等には設置されていません。グローブボックスやアッパーボックスとは異なり、深さのある縦型の小物入れになるため、車種によってはドリンクホルダー等が備えられていることもあります。
グローブボックスを使用する時の注意点

グローブボックスは前述の通り、運転席に乗車したままでも取り出しやすく、つまみを持って引くだけで開けることができるため、手近な小物類や説明書等を入れているという方も多いかもしれません。しかし、中には小物入れとして使っていると危険なものや、危険な使い方になっていることもあります。
こちらでグローブボックスを使用する上での注意点を解説します。
グローブボックスの中は高温注意
グローブボックスの位置としてはフロントのインパネ助手席側、ダッシュボード部分となり、アッパーボックスのさらに下にあります。助手席の同乗者の膝あたりにある収納装備です。夏場は外気温が高く、日差しが強い日に青空駐車場に車を停めていると、ダッシュボード付近は日差しにより高温になる傾向にあります。
そのなかでグローブボックスは締め切っていると高温になった後も、中の温度がすぐに下がりにくい場所とになっています。そのため、ライターやモバイルバッテリーなど、高温な場所に置いておくと発火したり発熱する危険があるものを中に閉まっておくと車両火災等の危険があります。
グローブボックスは詰めすぎると二度と取り出せない?
グローブボックスはノブを引いて開けると間口が大きく開くため、本来の容量以上に小物等を詰めてしまうという方もいらっしゃるようです。しかし、小物を詰めたその上からさらに書類等を重ねて置こうとすると、奥にすべり落ちてしまい、取り出せなくなる可能性があります。もしもグローブボックスの奥に小物や書類が落ちてしまったら、一度グローブボックスを取り外さなくてはいけません。
グローブボックスを開けたまま走行は危険
グローブボックスはノブをつまみとして引いて開けるタイプが多くなっており、基本的には閉めている状態となります。もしも中に物を入れすぎて蓋が閉じなかったり、ダンパーが劣化してバネが効かずに開いたままになってしまっていると、中のものが走行中に飛び出して運転手や同乗者に当たって怪我をしたり、急ブレーキの際に蓋などに身体がぶつかって怪我をしてしまう可能性もあります。
グローブボックスが故障して閉まらない等の理由でなく、詰めすぎ等であれば中を整理して減らすようにしましょう。また、ダンパーやつまみが折れている等で原因という場合は、部品交換や蓋交換で修理が可能です。ディーラーや整備工場に相談されてみることをおすすめします。
グローブボックスは取り外すことができる

前項での注意点で記載したように、グローブボックスの奥に物や書類が滑って入り込んでしまった時や、グローブボックスの奥にあるエアコンフィルターを掃除や交換したい時、グローブボックスは基本的に取り外すことが可能です。メーカー・車種によって取り付け方法と取り外し方は異なりますので、説明書を確認する必要があります。
こちらで車種をピックアップし、グローブボックスの取り外し方をご紹介します。あくまでも簡易の説明ですので、実際に行う際はメーカーの取扱説明書をご覧ください。
カローラスポーツのグローブボックスの取り外し方
トヨタ【カローラスポーツ】のグローブボックスの取り外し手順を紹介します。
まず、中に入れているものを全て取り出し、グローブボックスは開いた状態にします。カローラスポーツのグローブボックスは、ダンパーによってゆっくり開閉する仕組みとなっていますので、まずはダンパーステーのピンを外します。カローラスポーツのダンパーステーは、グローブボックスの外側(ドア側)に取り付けられています。次に、グローブボックスを留めているツメ部分を外すため、側面から内側に向かって押します。上部のツメを先に外し、次に下部のツメを外すと取り外すことができます。
セレナのグローブボックスの取り外し方
日産【セレナ】のグローブボックスの取り外し手順を紹介します。
セレナのグローブボックスを取り外す際は、まず上方向にグローブボックスを引いて、下部にあるロック部分のツメを外します。次に助手席ドア側のストッパーを抜いてから、ダンパーステーを外します。左部分のストッパーとダンパーを外してから、右側のストッパーを外すと、取り外すことができます。
一般的な自家用車と比べると、トラックは修理費用や工賃が高くなることが多いのですが、実はトラックのグローブボックスについても、故障や部品劣化があった際の工賃が高くなる場合があります。それは、一部のトラックについては、グローブボックスを留めているストッパー部分が内側についていることがあり、グローブボックスを取り外して部品等を交換するとなると、ダッシュボードやコンソールパネル等を一旦すべて取り外して付け替えなくてはいけないことがあるためです。もしもグローブボックスを修理や部品交換で検討されるのであれば、まずは修理費用の見積もりを取ってみて、一部部品だけで交換が可能であれば費用が抑えられることもあるため専門の整備工場で相談されると良いでしょう。
まとめ
こちらの記事では、車のグローブボックスとは車内のどこにある装備品のことを指すのか、詳しくご紹介しました。
グローブボックスの用途としては、名前の由来となっている整備用手袋等を収納するよりも、現在は車検証や保険証等のすぐに取り出せると良い書類等を中に仕舞われている方が多いようです。
また、エアコンフィルターの交換やヒューズの交換等の際に、グローブボックスの奥に取り出し口がある場合も多く、自家用車は比較的グローブボックスが取り外しやすい作りになっています。中に物が落ちてしまった時は、該当する自動車のメーカー説明書等をご覧いただくとわかりやすく取り外し方を説明されていますので、まずは説明書を見てみてご自身で取り外し可能かを確認してみて、どうしても難しい時は整備工場やディーラーに相談されると良いでしょう。