車検に通る?タイヤサイズを変更する時の要注意ポイントは

自動車の基礎知識

自動車にとってタイヤとは車と路面の唯一の接点となる部分で、「走る・曲がる・止まる」という運転操作においても不可欠な部品となっています。

「車の外観を変えるカスタム」というとハードルが高いと感じる方も多いと思うのですが、車検適用範囲内でも手を付けやすい方法の一つに【タイヤサイズの変更】があります。しかし車をおしゃれにカスタムしても、どこかで間違えて車検に通らなければ公道で使用できません。こちらの記事では、タイヤサイズ変更のカスタムをした後にしっかり車検に通るためのポイントについて詳しく解説します。

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タイヤのサイズの見方・調べ方を解説

車のタイヤ交換を検討されていて自分で選んで購入を考えている方へ、まずは今乗っている車に適合するタイヤのサイズを調べる方法から解説します。

車のタイヤのサイズはどこで確認できる?

タイヤ選びをする時は、予め車種に適合する【タイヤのサイズ】と【ロードインデックス】を確認しておき、適合したタイヤを購入しなければ装着ができません。今ご自身が乗っている車に装着されているタイヤのサイズとロードインデックスを知りたい時は、そのタイヤの側面を確認するとサイズ表記が確認できます。

上記タイヤの画像を例に、側面に記されているタイヤサイズの見方をご紹介します。表記は「215/45R18 93W」となっています。表記の内容は左から順に下記となります。

タイヤの断面幅
(mm表示)
扁平率
(幅に対する割合・
断面の高さ)
タイヤの構造タイヤの内径・
ホイールのリム径
(インチ表示)
ロード
インデックス
速度記号
21545R1893W
タイヤの断面幅タイヤの側面にあるエンボス文字や飾りを除いた幅のことです。
扁平率【タイヤの断面の高さ÷タイヤ幅×100】の数値になり、
扁平率が高い程乗り心地が良く、低い程スポーツ性能が良いと言われています。
タイヤの構造「R」とはラジアルタイヤのことです。
ラジアルタイヤとは、タイヤの内部層であるカーカスといわれるコード部分の配列が、
中心から放射線状(ラジアル)に拡がる構造を持つタイヤのことです。
タイヤの内径(リム径)タイヤの外径をそのままに、内径(ホイールのリム径)を変更することを
インチアップ、またはインチダウンといいます。
ロードインデックス 定められた条件下でタイヤ1本あたりが支えられる荷重を示した指数のことです。
速度記号定められた条件下でタイヤが走行可能な速度を記号で示しています。
(下記表参照)

タイヤの標準サイズは、タイヤ側面で目視確認する方法の他に、車の取扱説明書に記載がある車両情報(メンテナンスデータ)、もしくは運転席側ドア付近のタイヤ空気圧表示シールのサイズ表記部分を見て確認することも可能です。

※こちらでご紹介しているのは、ISO(国際標準化機構)によるラジアルタイヤのサイズ表示となります。

速度記号一覧表

速度
記号
LNQRSTHVWYZR(Y)
最高
速度
120140160170180190210240270300240超300超

車検に合格するタイヤかどうかの判断基準

車は、新車登録から3年目と以降は2年毎に、道路運送車両法で定められた保安基準を満たしているかどうかの自動車検査(車検)を受ける必要があります。車検にはタイヤに関する点検項目もあり、保安基準を満たしていれば合格となります。こちらでは、車検時のタイヤの点検内容と合否の判断基準についてご紹介します。

車検時のタイヤの点検項目とは

自家用車(普通車)のタイヤの車検点検項目は以下になります。

タイヤに適正な空気圧があるか

タイヤに適正な空気圧があるかどうかは、たわみ具合や空気圧の計測装置で確認できます。適正空気圧の数値は、運転席側ドアまたはドア付近に表示シールが貼られています。空気圧が弱いと走行中にタイヤが破損する恐れや、劣化を早めることにもつながります。また、操縦が安定しないことで事故の原因になる可能性もあります。空気圧はガソリンスタンドなどで点検をしてもらうことが可能で、充填機があるところなら補充も依頼できます。

タイヤに亀裂や損傷はないか

タイヤに亀裂や損傷がないか、ひび割れ・釘や小石などの異物がないか等の目視での点検を行います。亀裂や損傷があるまま走行を続けると、走行中にパンクだけでなくバーストして大きな事故を引き起こす可能性があります。

タイヤの溝の深さは適切にあるか

溝の深さを確認する方法として【スリップサインの目視】があります。タイヤの溝の深さは、1.6mm以上なければいけないと道路運送車両法により定められています。摩耗によって残り溝1.6mmに達するとタイヤの表面にスリップサインが露出し、タイヤ交換を促すという仕組みがタイヤに織り込まれています。空気圧やアライメントが適切でない場合、偏摩耗(偏った部分のみ摩耗)が起こることがあります。偏摩耗はタイヤが滑ってハンドルを取られることがありますので、摩耗状態についても確認が必要です。

車検に通る?タイヤサイズ変更時の判断基準

タイヤサイズを変更した車が車検に通るかどうかの判断は、変更したことが原因で車の走行状態に影響を及ぼすかどうかです。下記のような内容が判定基準としてチェックされます。

純正タイヤからサイズ変更をしてスピードメーターに影響がないか

車のシステム設定は、純正タイヤに合わせて行われています。純正タイヤから内径(ホイールのリム径)の大きいタイヤへ変更をすると、スピードメーターと実際の速度との差が出る可能性があります。外径はそのままで内径だけが大きいタイヤに変更(インチアップ)すると、タイヤが1回転した時に進む距離が標準タイヤよりも延伸します。メーターが表示する数値より速く走ることができてしまうことになるため、メーターと実速度の差が誤差の範囲を超えてしまうと車検に通りません。

タイヤが前後のフェンダーよりも外に突出している

タイヤを交換して取り付ける際に、より幅の大きいタイヤに変更をしたり、ホイールアライメントの設定角度を変更して斜めになるように取り付けると、タイヤの外側がフェンダーを超えてとび出てしまう可能性があります。タイヤがフェンダーよりも10mm以上突出すると、保安基準不適合とされて車検に通らなくなってしまいます。

タイヤの外径サイズを変更したことで車体に接触

タイヤサイズを変更したことで、タイヤがタイヤハウス(ホイールハウスともいわれる、タイヤとボディー間の空間部分)やフェンダーに接触してしまうと、ハンドルをすべて切ることができなくなって運転操作に影響が出るため車検に通りません。

車検に通るタイヤサイズ変更カスタムの注意点

どのようなタイヤサイズ変更であれば問題なく車検に通るのか、車検の点検項目やNGとなる判断基準について解説してきました。こちらでは、具体的なタイヤサイズ変更のカスタム方法について解説します。

タイヤの外径そのままにカスタム【インチアップ・インチダウン】

タイヤサイズ変更で外径サイズが異なるタイヤへ変更してしまうと、タイヤハウスと接触して運転操作に影響が出たり、メーター機能の誤差が出るなどのトラブルが起こる可能性があり、車検に通らない可能性も高くなります。そのため、タイヤ付け替えによる外観カスタムを考えている方には、外径はそのままに内径(ホイールリム径)が異なるタイヤへ変更する方法がおすすめとなっています。

インチアップとは

タイヤの外径はそのままにタイヤの内径(ホイールのリム径)が大きいタイヤへ変更する方法を、インチアップといいます。インチアップは断面の高さが短くなり、扁平率が低くなります。低扁平率タイヤの特徴は、エンジンの動力をタイヤから接地面へと伝えやすいため運転性能が高くなるところです。ブレーキ性能が上がり、操作安定性も高くなるため、スポーツタイプの車にインチアップカスタムを取り入れる方が多い傾向です。インチアップに使われる低扁平率タイヤは、ロープロファイルタイヤとも呼ばれています。

インチダウンとは

タイヤの外径はそのままにタイヤの内径(ホイールのリム径)を小さいタイヤへ変更する方法を、インチダウンといいます。インチダウンは、扁平率が高くなりタイヤと路面との間のクッション性が増すことで、車内乗員にとっては乗り心地や快適性が上がるという面があります。また、扁平率が高いタイヤは本体価格が割安なものも多いため、タイヤの劣化による交換で四輪ともインチダウンをすると、タイヤにかかる費用を抑えることができます。

タイヤのサイズが前後違っても車検は通る?

タイヤ交換となると、四輪は全て同じメーカーかつ同じタイヤを取り付ける、交換時期にすべて同時交換が一般的とされています。ただ、スポーツカーのFR車(後輪駆動車)やFF車(前輪駆動車)など、駆動輪に負担が大きくかかる車種となると、前後で異なるタイヤを取り付けていたり、劣化するまでにタイムラグがあるので交換時期がずれることがあります。特に前述したような外径が及ぼす影響や、メーターの誤差等が大きくならないのであれば、前後で異なるタイヤをつけていても問題なく車検には通ります。

まとめ

道路運送車両法により、車は定められた保安基準を満たして車検に通らなければ、公道での運行ができないと決められています。

車検では、タイヤについてもいくつかの点検項目があります。こちらの記事では、愛車のカスタムでも人気があるタイヤサイズ変更について、車検に通るために注意しておくべきポイントや、タイヤを選ぶ時のサイズの調べ方などをご紹介しました。タイヤサイズ変更によって、車の雰囲気が引き締まったり、運転性能が良くなるなどのメリットもあります。タイヤカスタムを検討されている方は是非参考にご覧ください。

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