事故に遭い、自分の車が「事故車」となってしまうことがあります。車は一度でも事故に遭ってしまうと、中古車市場での価値が下落してしまい、そのことを「価格落ち」や「評価損」「査定落ち」などと呼びます。
自分に責任がある事故の場合は仕方がありませんが、相手に非がある場合の事故で、自分の車が事故車となってしまうのは納得がいきませんよね。価格落ちしてしまった分の補償を、相手方の保険会社に求めたいところですが、なかなか支払いに応じてもらえないことが多いのが現実です。
今回は、価格落ちしてしまった自分の車の補償について保険会社との交渉術を解説します。
修理代を保険金で賄ってもまだ不十分!価格落ちとは?
事故に遭ったけれど、修理したので機能面や外観が以前と変わらないから車の価値は変わらないだろうと感じる人も多いでしょう。しかし素人目には同じように見えても、プロの目からは事故車であることが一目瞭然。中古車として売る際に、車の修復歴がつき、査定額が落ちてしまう価格落ちとなってしまいます。
つまり相手方の保険会社から修理代や代車費用の補償を受けても、価格落ちの分の損害が残ってしまうのです。そこで自分の入っている保険会社を利用しようと思っても、自分の過失割合がゼロだと使うことができません。価格落ち分の交渉をおこなうなら、自分でするか弁護士へ依頼する必要があるのです。
価格落ちの保証に関する判例がある
過去の判例においては、価格落ちは認めないという考え方が主流でした。
車が修理されて機能面や外観上の問題がない、車に乗り続けるといった場合なら、実際に損害が発生していないとされていたためです。
しかし最近の裁判例では認める傾向にあり、価格落ちを認める判例も多く出ています。
たとえば平成29年には、新車登録から3年半、走行距離10万キロの事故車、修理費103万1,016円の高級車が、中古車市場を元に価格落ちを算定した結果、40万円の価格落ちを認定された判例も出ています。補償額は、修理費の一定割合とする場合が多く、だいたい20〜30%が主流です。しかし上に挙げた判例のように、高級車の場合には40%近い割合から、場合によっては50%ほど認められることもあるようです。
価格落ちの補償には明確な基準は決められていませんが、だいたい以下のような基準で策定されていることが多いようです。
- 新車登録から3年未満
- 修理費用が20万円以上、車両の骨格部分を損傷
- 走行距離が3,000キロ以内
つまり新しい車で修理費用が多くかかったり、修理したものの性能が落ちたり、外観上の変化が出てしまったりといった場合、価格落ちの補償が認められることが多いということです。とはいえ、このような条件が揃っても保険会社は、価格落ち分の補償の支払いを渋ることが多くみられます。
価格落ちの補償について保険会社と上手に交渉するには?
裁判の判例では価格落ちを認める傾向にあるにもかかわらず、保険会社は基本的には認めないというスタンスをとり、認めたとしてもかなり制限的にしか認めません。
「修理代金と代車費用のみしか支払わない」「古い車なので認めません」「乗り潰せば評価落ちは関係ありません」などさまざまな理由をつけて価格落ちしていることを否定することが多いようです。
また多くの裁判の判例から、保険会社にとって有利な判例のみを提示し、まるで裁判で決まったように威圧してくる場合も。一般的な判例とは異なる基準を設けているなどと主張することも多いようです。
しかし口頭で価格落ちの補償を交渉しても、通り一遍に補償を拒否されてしまうだけです。交渉の際にはこちらも知識を持ち、できるなら書面でやりとりすることをおすすめします。次に、上手な交渉方法について解説しましょう。
価格落ちを認めない理由の提示を求める
社内の価格落ちの基準を理由に認めないという主張なら、社内基準を示した文書での説明を求めましょう。また機能面や外観上が修復しているため価格落ちが認められないというなら、中古車市場での価格が下がらないことを証明してほしいと交渉します。
日本自動車査定協会が発行する証明書を提示する
日本自動車査定協会に依頼し、客観的な証明となる事故減価格証明書を発行してもらいましょう。信頼のおける第三者からのデータがあれば、交渉を有利に進めることができるはずです。
交渉が難航しそうなら、買い替え時に廃車も検討する
しかし残念ながら交渉したからといって、必ず価格落ちの補償が認められるわけではありません。交渉が難航しそうであれば、買い替え時に廃車も検討しましょう。
もちろん、ただ廃車にするだけだと費用がかかりますので、廃車の買取が可能なカーネクストに買取に出す事で、事故車であっても0円以上での買取を保証し、廃車費用も無料、年中無休に加え全国対応でご対応させていただきます。
まとめ
自分に非のない事故で、事故車となってしまい、価格落ちしてしまうのは悔しいですよね。
相手方の保険会社との交渉は難しい場合も多いですが、判例では価格落ちが認められる傾向にあるため、客観的なデータや書類を揃えれば認めてもらえることも。
しかし残念ですが、必ずしも価格落ちを認めてもらえるとは限りません。
そんなときは、引き取りから廃車手続きまでの費用がかからず、場合によっては事故車でもお得に買取してもらえるカーネクストに買い替え時の廃車を依頼することをおすすめします。