車に搭載されているハンドルロックという機能をご存知でしょうか。
ハンドルロックは犯罪防止のために備わっている機能ですが、誤操作によって意図せず作動してしまうことも珍しくありません。ハンドルロックとはどのような機能で、解除する方法はあるのでしょうか。
こちらでは、車のハンドルロックの仕組みについて解説します。
ハンドルロックは盗難防止におすすめの機能
車にはハンドルロック(ステアリングロック)という機能が備わっています。ハンドルロック機能は、ほとんどの車に搭載されている盗難防止機能です。
ハンドルロックの仕組みとは
ハンドルロックは、キーを抜いた状態のままハンドルを回そうとすると強制的にロックがかかり、ハンドルを動かせなくなる機能のことです。ハンドルロックがかかったときは、ガチャっとロックされた音がするのが特徴です。
エンジンを停止後にキーがないのに運転しようとしたのではないかと判断し、ハンドルを動かせなくすることで、盗難防止に重要な役割を果たしています。キーを抜いた状態の時に操作すると、ステアリングホイールにロックがかかるためステアリングロックとも言われます。
ハンドルロックがかかった状態ではキーを差し込んでも回らないため、普段と同じようにエンジンをかけられません。
エンジンをかけずにキーを抜いた状態で少しタイヤの向きをずらそうとしたり、キーを抜いてからバッグや肘などがハンドルに当たってしまったりすることが原因で、誤ってハンドルロックがはたらくことが多いです。家族が車に乗っている時に、キーがない状態で子供が誤ってハンドルを操作してしまうことでロックがかかってしまうこともあります。
ハンドルロック機能がついていない車もある?
ハンドルロック機能は、シフトレバーとトランスミッションが機械的につながっていることで作動します。そのため、シフトレバーがトランスミッションにつながっていないエレクトロシフトマチック車には、ハンドルロック機能の搭載はありません。
ただし、エレクトロシフトマチック車はキーがない状態では車を動かすこと自体出来ないため、ハンドルロック機能はありませんが盗難防止効果があります。
エレクトロシフトマチック車とはどんな車?
エレクトロシフトマチック車は、シフトレバーの操作を行うと操作信号が送られて、電気的にシフトチェンジを行うシステムを搭載する車のことです。主にハイブリッド車に設定されていて、レバー操作をして直接トランスミッションを変更するわけではないため、レバー操作に力を必要とせず軽い力でシフトチェンジが出来るようになっています。
ハンドルロックの解除方法を知ろう
ハンドルロックがかかってハンドルを動かせなくなると、慌ててしまいます。車の故障を疑ってしまう場合もあるでしょう。早急にメーカーへ電話しなければいけないと思うかもしれませんが、その必要はありません。ハンドルロックは、キーがあればすぐに解除できます。
鍵を使ってエンジン始動する車のハンドルロックを解除する方法
エンジン始動の時にキーシリンダーに鍵を差し込むタイプの車が、ハンドルロックになった時の解除方法をご紹介します。
このように鍵を差し込む車の場合は、ハンドルを左右どちらかに回しながらキーを回しましょう。キーが回れば、同時にハンドルロックも解除されます。
どちらにハンドルを回すべきかは、場合によります。右に回して解除できないときは左に回せば解除できることもあるため、左右両方に回してみてください。
また、オートマチック車の場合は、ハンドルを回す前にシフトレバーがPの位置にあることを確認しておきましょう。
スマートキーでエンジン始動する車のハンドルロックを解除する方法
鍵を所持している状態で車両に近づいたり、ドアノブに触れたりするだけで車のドアを解錠出来るスマートエントリーシステムを搭載している車にはプッシュスタート機能も搭載されています。
プッシュスタート機能は、スマートキーを所持している状態でエンジンスタートボタンを押すとエンジンをかけることが出来ます。では、スマートキー仕様車でキーシリンダーがない車のハンドルロックがかかった時は、どのようにハンドルロックを解除するのでしょうか。
実は、スマートキー仕様の車のハンドルロック解除方法も、キーシリンダーがある車と大きく変わりません。スマートキーを所持している状態でハンドルを左右に動かしながら、エンジンスタートボタンを押しましょう。ハンドルロックが解除されていなければ、エンジンスタートボタンのインジケーターが点滅しますので、ハンドルロックがかかっているかどうかの確認も出来ます。
ハンドルロックだけじゃない!エンジンがかからない原因
エンジンがかからない原因は、ハンドルロック機能だけではありません。
別のトラブルが起きていることも考えられます。エンジンがかからない原因として考えられるものを見てみましょう。
バッテリー上がり
車はバッテリー上がりを起こすと、エンジンがかからなくなります。バッテリー上がりとは、車のオルタネーターが発電する量に対して、電装品などで使用する電気負荷が上回る状態が続くと、電圧不足により起こってしまうトラブルです。
走行距離が短い運転を繰り返すなど、発電量は少ないのにオーディオやドライブレコーダー、カーエアコンなどの電装品で電気を使いすぎてしまうと、バッテリーが上がってしまいます。
バッテリーが上がってしまうと車の電気系統はすべて使用できません。キーが回ってもエンジンが動かない、ドアロックが作動しない、ライトが点かないといった現象が起こります。
そのため、エンジンがかからない時、ライトが点くかどうかでハンドルロックになっているかどうか判断出来ます。ライトが点くのにキーが回らず、ハンドルが動かなければハンドルロックということになります。
ライトが点かずバッテリー上がりであると判断できる場合は、ブースターを使ったり、他の車のバッテリーからブースターケーブルを繋いだりしてエンジンを動かしましょう。
リモコンの電池切れ
スマートキーシステム搭載のキーレス車に乗っている方であれば、エンジン始動できない時はリモコンの電池切れを疑ってみましょう。
リモコンの電池が切れているとスタートボタンを押しても反応せず、ドアロックも正常に作動しません。エンジンもかからないのでハンドルロックと間違いやすいですが、ハンドルロックと異なりドアの解錠も電池切れの場合できないため注意が必要です。
リモコンの電池切れの場合は、リモコンに格納されている予備のキーを使用します。予備のキーを使ってドアを解錠し、エンジンスタートボタンを押すことでエンジンがかかります。ハンドルを左右に動かさなくてもボタンを押すだけでエンジンがかかるのであれば、ハンドルロックではなくリモコンの電池切れであると判断できるでしょう。
エンジン始動出来ないのは故障トラブルの可能性あり
エンジンがかからない原因が、ハンドルロックなどのトラブルでない可能性もあります。場合によっては車のどこかが故障していることも考えられます。メーター内のランプやナビなど電気系統が点いているのにエンジンが回らない場合は、スターターが劣化・故障している危険性があります。
スターターは、エンジンを始動させるための火付け役を果たすものです。スターターがエンジンを回すことでエンジンが動き出すため、スターターが故障しているとエンジンが回らず、車を動かすことができません。
ほかに故障している可能性があるパーツとして、燃料ポンプが挙げられます。燃料ポンプはエンジンにガソリンを送る役割を果たしているため、燃料ポンプが故障するとエンジンはかかりません。エンジンがかかる気配が全くしないのであれば、燃料ポンプが故障している可能性が高いといえます。
ハンドルロックなど解決方法が明確なものではなく、車の故障が原因でエンジンがかからないと考えられる場合は、早めに修理を依頼しましょう。
ただし、故障に対する修理費用が高くなるような長年運転して古くなった車を手放したい場合は、廃車買取実績の豊富なカーネクストにご相談ください。当社はほかの買取業者で買取不可と診断されるような不動車や事故車でも、0円以上で買取いたします。また、中古車を独自ルートで海外販売することも可能なので、愛車を日本国外で有効活用できるのが特徴です。まずはお気軽にご連絡ください。
ハンドルロック機能だけじゃない?防犯グッズのハンドルロック
ハンドルロックというと車にもともと標準搭載されている防犯機能です。しかし、実はハンドルロックという市販の防犯アイテムも、カー用品店や自動車製造メーカーから販売されています。
こちらでは機能ではなく、市販されている防犯カー用品の「ハンドルロック」について解説します。
カー用品のハンドルロックとはどんな商品?
販売されている防犯カー用品のハンドルロックとは、ハンドルを固定して車を運転できなくすることで車の盗難を防ぐためのアイテムです。
ステアリングホイールに取り付けるものが一般的で、取付けることでハンドルが回らないようにして車の操作が出来ず、リレーアタックなどの盗難方法により万が一エンジンが始動してしまっても、ハンドル操作が出来ないため車を動かせないように出来ます。
防犯用にハンドルロックを購入する時の注意点
ディーラーで販売されている防犯用のハンドルロックは、メーカーが販売する車に適合しているものになりますが、もしもインターネット通販やカー用品店でハンドルロックを購入する時は、使用する車のハンドルが純正であれば、型式などで適合するか確認してから購入するように注意しましょう。
ハンドルロックを選ぶ時は、簡単に取り外しが出来てしまったり強度が弱いとあまり防犯対策になりません。取り外しが困難なハンドルロックが目に見えるようについていると、盗難目的の犯人に対して抑止力になりますの。強度や耐久性、鍵をする方法はロック式・鍵式・ダイヤル式のどのタイプになっているかなど確認してからの購入をおすすめします。
また、カー用品をインターネット通販で購入すると、メーカーによっては故障時やトラブルの際のアフターケアに時間がかかってしまうことがあるようです。口コミやレビューも参考にしつつ選ぶと良いでしょう。
ハンドルロックに関するよくある質問まとめ
車の防犯機能で活躍するハンドルロック機能と、防犯カー用品のハンドルロックに関して、よくある質問をまとめてご紹介します。
Q.ハンドルロックは何のためにあるの?
車に搭載されているハンドルロック機能は、車の鍵を持っていない人が盗難目的で車を移動しようとした時、ハンドルにロックをかけて動かすことが出来ないようにする防犯機能の一つです。
基本的にほとんどの車に標準搭載されている機能ですが、エレクトロシフトマチック車にはハンドルロックが作動する仕組みが組み込まれていないため、搭載されていません。
Q.ハンドルロックはどのような仕組みで作動する?
ハンドルロックは、エンジンを切った状態もしくは車のキーを抜いた状態の時にハンドルを左または右に動かすことで、ハンドルが回らないようにロックをかける仕組みです。ハンドルロックがかかるとカチャ、といったロックがかかった音がします。
Q.ハンドルロックが誤って作動したら解除できる?
ハンドルロック機能は、エンジンを切った状態やキーを付けていない状態の車のハンドルを誤って触れてしまったり、お子様などが操作してしまうことで作動してしまいます。もしもハンドルロックが意図せず作動してしまった時は、お手元に車のキーがあれば解除ができます。
Q.ハンドルロックの解除方法はどんな車でも同じ?
ハンドルロックの機能は、ほとんどの車に標準搭載されるシステムです。ハンドルロック機能が作動した時の解除方法は、基本的にどのメーカーの車でも、普通車・軽自動車であっても変わりありません。キーがあり、差し込むタイプであれば、キーを挿してエンジン始動の方に回しながらハンドルを左・右と何回か回してみましょう。また、スマートキーのように、キーを差し込むのではなく近くに用意した状態で、スタートボタンを押すとエンジンが始動するタイプの車の場合は、エンジンスタートボタンを押しながら、同じようにハンドルを左・右と回してみることをお勧めします。
Q.市販のハンドルロックはどんな防犯用品?
市販のハンドルロックは、ハンドルロック機能とは全く異なる防犯用のカー用品です。市販のハンドルロックは、車のハンドルが回らないようにすることで、車両盗難を防ぐアイテムとなっています。ステアリングホイールに取り付けた本体と車体のインパネ上部やパーキングブレーキ等の場所に収めた部分を固定してロックし、鍵をかけることで車のハンドル操作が出来ないようになります。解除するためには、ハンドルロックの鍵を用意するか、ハンドルロック自体を切断する工具等を用意しなくてはいけません。販売されているハンドルロックは耐久性が高い素材を使用されているものが多く、盗難目的の窃盗犯が、すぐに取り外しが出来ないように作られています。市販のハンドルロックは、設置することではたからみても盗難抑止力になりますので、人気の車で盗難被害が高いといわれている車を所有するユーザーに利用者が多いようです。
まとめ
ハンドルロックがかかってしまうと、突然の事態に焦ってしまいます。
すぐにメーカーに連絡をしたり、修理を依頼したりしなければならないのではないかと考えてしまいがちです。しかし、解除方法を知っておけば恐れることはありません。方法がわかれば簡単に解除できるので、万が一ハンドルロックがかかってしまったときは落ち着いて対処しましょう。