ドライブ中、フロントガラスやボンネットに傷が付いてしまうことがあります。これは、前方の車が、後輪で石を踏み飛ばす「飛び石」が原因です。
飛んできた石はスピードがあり、たとえ小さな石でも、フロントガラスに亀裂が入ったり、ボンネットがへこんだりしてしまいます。もし大切な車に傷が付いてしまった時は、いったいどうすればいいのでしょうか。
飛び石で車が傷つくとどうなる?
実際に飛び石によって、車のどこの部分に傷やへこみができるのでしょうか?
飛び石で傷の付きやすい箇所は
飛び石は、多くの場合が前方を走行している車から跳ね上げられる石によるものです。後方を走っている車に当たりますので、車のボンネットやフロントガラスが特に傷つきやすい場所です。
車高を低くしている車の場合は、サイドステップの下回りなどにも飛び石が当たりやすくなります。パッと見ではわからないことも多いので、注意してください。
もしフロントガラスに傷が入った場合は、視界が遮られ、走行に支障が出る場合もあります。
近くの安全な場所に車を止め、フロントガラスの状況を確認してください。
高速道路など、すぐに車を止められない場合は、次のサービスエリアなどまで慎重に運転し、状況を確認するようにしましょう。
飛び石でどのぐらいの被害が出る?
フロントガラスのひびや、ボンネットやサイドステップの修理費用は、傷の範囲にもよりますが、数千円から数万円にも及びます。フロントガラスの場合、交換など修理代が高い場合は10万円前後、修理できる場合だと1万円から2万円程度が相場と言われています。
自分が起こした事故ではないため、飛び石をした相手に補償を求めたくなります。しかし、どの車が飛び石の原因なのかを特定するのは困難です。
明らかに故意であることがわかる場合や、危険運転がドライブレコーダーに映像として残っている場合など、よほどの証拠が立証できない限りは、相手に賠償を求めることは難しいのが実情です。
飛び石による傷を放置してはいけない理由
多少の傷であれば、運転に支障はないと自分で修理キットを使い、応急処置をするという人も多いでしょう。しかし、自分で修理をしたとしても、そこからさらに傷が広がったり、傷付いた場所から錆が生じ、腐食の原因になったりすることがあります。
特にフロントガラスは、車内との温度差やドライブ中の衝撃などで、時間とともに傷が拡大する可能性が高くなります。
自分で一度修理した箇所に再度不具合が生じた場合は、同じ箇所の再修理ができないため、フロントガラス全体を交換する必要があります。
また、ボンネットやサイドステップに錆が発生してしまった場合は、自分で修理は不可能です。安全性も下がり、車の売却時の査定が下がる原因にもなるので、すぐに修理に出してください。
飛び石による車の修理費用は?
次に、実際に飛び石で車に傷やへこみができ、修理が必要になった場合の費用に関してご紹介します。
自動車の任意保険で賄われる場合
飛び石による被害を受けた場合は「飛来物による事故」として車両保険を使って修理することができます。
しかし飛来物による事故で車両保険を使った場合、翌年は1等級ダウンしてしまいます。
また、「事故あり」としての適用期間が1年加算されます。
修理費用の相場
車の部位ごとにご紹介します。
・フロントガラス
飛び石による被害でフロントガラスを修理する場合、修理か交換かによって大きく値段が変わります。
「ウィンドウリペア」と呼ばれる修理で済む場合は、10,000円から15,000円程度。フロントガラスを交換する場合は50,000円から100,000円ほどかかります。軽自動車やコンパクトカータイプの場合は、ガラスの面積が少ないため多少安くなります。
逆にSUVやミニバンなど、ガラスの面積が大きいほど高額になります。カーナビ用フィルムアンテナが貼ってある場合は、再度貼り直しをするのでさらに30,000円から50,000円ほどかかります。
・ボディ
飛び石でも軽い傷の場合は、部品の交換をせず、修理で済む場合がほとんどです。費用も10,000円から数万円程度で収まります。軽いひっかき傷程度であれば、数千円で直る場合もあります。
・ボンネット
バンパーやボンネットなどに、大きなへこみが付いてしまった場合は、自分で直すことはできません。
錆の原因にもなるので、それを直すために板金やパテの埋め込みなど特殊な作業が必要になり、工賃も含め30,000円ほどかかります。
また、傷の修理であれば半日程度で終わる場合もありますが、へこみの場合は日数もかかり、その場合は代車の手配なども必要となります。
車の飛び石を予防する方法
では、修理費用をかけないための予防方法は、どういったものなのでしょうか。
・コーティング剤などでは防げない
飛び石は衝撃が強いため、コーティング剤を超えて、塗装部分、そして下塗りの部分まで傷が付いてしまっている場合が多いです。車体に傷が付きにくくなるボディコーティング剤なども売られていますが、飛び石の傷までを防ぐことはできません。
・高速道路では車間距離をあける
飛び石を防ぐ方法として、高速道路を走る時は、十分車間距離をとって走るようにしてください。また、料金所から合流する車には、一般道から小石をつけて走ってくる車がいるので、合流の際は特に注意が必要です。
また、強風の日や雪が降った日は、風や雪に巻き上げられて道路上の小石が転がることが増えます。自分も小石を巻き上げないよう、走行中も十分注意してください。
・砂利道ではゆっくり走る
小石を巻き上げやすい砂利道を、特にゆっくり走ることは飛び石を防ぐ方法として有効です。特に雪から小石が顔を出し始める春や、雨上がりの後は泥に小石が付着しやすいので注意が必要です。
トラックやダンプカーが砂利道を走行したあと、一般道や高速道路でスピードを出す際に、タイヤに挟まっていた小石が一気に飛び上がることがあります。トラックやダンプカーの後ろを走行する際にも十分注意が必要です。
・後輪駆動車やスポーツカーのすぐ後ろに付かない
後輪駆動車やスポーツカーは、スピードが出やすく、車の特性上、飛び石が上がりやすくなっているので、すぐ後ろを走るのを避けてください。
また、こうした車が装着しているスポーツタイヤは、粘着性が高く、砂や石を巻き込み、跳ね上げやすいです。前方にこうした車が居た場合は、十分車間距離を取り、できれば後ろを長時間走り続けることは避けましょう。
・それでも傷が付いてしまったらすぐに修理を
十分注意していても、誰でも飛び石の被害に合う可能性はあります。もし飛び石によりフロントガラスやボディに傷やへこみが付いた場合は、まずは保険会社に連絡して事情を説明しましょう。
その際、修理代に保険を使った場合と、保険を使用せずそのまま修理した場合の保険料の差額を計算してもらうことをおすすめします。
どちらにせよ、飛び石による傷やへこみを放置していれば、どんどん被害が拡大し、修理代がさらにかさむだけでなく、車の走行に支障が出ます。
安全にドライブを楽しむためにも、飛び石による被害があった場合は、「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、すぐに修理を依頼するようにしてください。
修理するのがもったいない古い車は廃車買取へ
ここで注意が必要なのは、飛び石による被害を受けても車が古い場合は、本当に修理するだけの価値があるのかを考える必要があります。
通常は車としての機能は損なわれていうないので、修理してそのまま乗ってしまおうと考えるでしょうが、車が古くなっている場合はその車の価値自体が修理費用よりも低くなってしまっている可能性があるのです。
そうなると、わざわざ修理を行った後に中古車として買取に出しても、よくて0円悪くて逆に処分費用が発生する事になります。
なので、古い車に関してはお金をかけて修理に出してしまうよりも、廃車買取に出して買取金額を元手に新車に乗り換えてしまうほうが賢い選択になるでしょう。
廃車買取業者の中でも、カーネクストであれば廃車費用は全て0円で引き取りも可能で、更に海外販路持ちですので、通常の廃車買取よりも高値で買取が可能となるでしょう。
まとめ
飛び石による被害や、その対処法についてご紹介しました。自分で修理するためのさまざまなツールやキットも売られていますが、不安な場合はぜひ修理を依頼しましょう。とっさの出来事にも慌てずに対処できるよう、正しい知識を身に付けておくことが大切です。