何らかの理由で今乗っている車を廃車したい場合、タイヤを取り外した状態でも廃車にすることはできるのでしょうか。
今回はタイヤなどのパーツを取り外した場合の廃車についてお話を進めていきます。
タイヤを取り外しても廃車にすることは可能
タイヤを取り外しても廃車にすることは可能です。取り外したタイヤも買い取ってもらうことができます。
その他の部品も取り外して廃車手続きを行えますが、取り外すことで車の価値が低くなることがあります。そのため解体費用が高くなることを知っておきましょう。
タイヤがなくても廃車できる
車の買い替えや事故、あるいは車を所有する必要がなくなり、現在の車を持つ必要がなくなった場合、廃車という方法で手放すことがあります。この際、予備としてタイヤだけ取っておくことがあるかもしれません。ここで疑問となるのが、タイヤがない状態で廃車できるかどうか、また買取してくれるのかどうかでしょう。
特にパンクしたときの予備としてタイヤだけを取っておくと、いざというときに間に合うため、できることならタイヤを外して買取してもらえればユーザー側にいろいろと都合が良いのでは、と考えることもあるでしょう。
レッカー車を使って持ち込む
結論から言えば、タイヤがない状態でも廃車にすることはできます。廃車にすると、車両は解体されてしまうため必ず全てのパーツがそろっていなければ廃車できないということはありません。
タイヤを外して廃車する場合、勿論走行することはできないためレッカー車で持ち込むことになります。ただしレッカー車を使う場合、当然のことながらレッカー代は必要となります。つまりタイヤ代よりレッカー代の方が高くなってしまうことも考えられます。
このことを考慮すると、タイヤを残しておくことが得になるかどうかはよく検討すべきことでしょう。
また車を買い替える場合、ディーラーなどによっては車を処分する際に手数料が必要になったり、サービスで処分したりすることもあります。下取りとして値段がつくこともあります。しかし完全に車が不要となった場合、無料サービスによる処分はあまり得とは言えないため、よく検討する必要があります。
無料で業者に取りに来てもらう
レッカーを使わずに、廃車してくれる廃車買取業者に依頼する方法もあり、特に解体業を許可されている業者に直接売却することがいちばんお得と考えられます。廃車買取専門業者なら低年式車や事故車など、どんな車でも買取が可能であり、各手続きもすべて業者が行います。
そして肝心の引き取りも、廃車引き取り無料エリアなら引き取りが無料になるため、このようなサービスを行っている専門業者に依頼すると手間が省けるだけでなく、安心して手続きができるメリットがあります。
そしてタイヤそのものも、実は廃車買取業者が買い取ってくれるのです。解体したパーツを中古パーツとして販売し、ボディ部分は鉄やアルミなどをリサイクルしているため、思った以上の値段で買取してくれるでしょう。
タイヤを取り外して保管しておくことが本当にメリットかどうか検討を
タイヤを取り外して廃車することは可能でも、保管状況などで本当にお得かどうかを考える必要があります。と言うのもタイヤは劣化し、保管するにも場所が必要です。
査定をしてもらうことで、取り外して保管するよりも買い取ってもらったほうが得という結論が出ることもあります。
その他部品も取り外しできる
廃車を依頼するとき、タイヤだけでなくその他の部品も取り外して廃車することができます。車には色々な部品があり、そのほとんどは業者によって取り外してもらいます。ユーザー自身が取り外すのは「付属品」となります。
次に取り外し可能な部品を挙げておきます。
ホイールの取り外し
タイヤとホイールを取り外し、それぞれ別々にすることができます。ホイールは他のタイヤに使うことができます。
ナビの取り外し
ナビはオプションで取り付けることも多いでしょう。純正やメーカー品など色々な種類があります。最近ではスマートフォン、タブレット向けのアプリが主流となっていますが、ナビは画面が大きく見やすいため、依然高い人気を保っています。
取り外しに必要な料金の相場は5,000円から1万円くらいです。
ETCの取り外し
高速道路や有料道路に欠かせないETCですが、こちらも取り外しが可能です。ETCは自分でも簡単に取り外すことができます。もし外し忘れると、そのまま解体されてしまうため、車に乗る予定がない場合は取り外しておくようにしましょう。
シートの取り外し
シートも取り外し可能な部品です。ユーザーでは取り外すことはできないため、業者に依頼して取り外してもらいます。
ここで知っておかなければならないことがあります。
それは部品を取り外した車は業者の想定収益源があらかじめ減らされており、廃車であっても価値がある車と扱われない可能性が出てくることです。
廃車業者やスクラップ業者は廃車となる車の部品を取り外し、オークションなどで一般ユーザーや整備業者へ販売したり、海外へ輸出したりすることで利益を得ています。
そのため販売できる部品の数が減ると、業者が得ることができる収益源の項目数が減ってしまいます。つまり車一台から得ることができる部品の収益はもちろん減ってしまうのです。
そしてユーザー自身が部品を外すことで、そのほかの部品を破損させてしまう可能性が出てきます。ユーザーは専門家ではないため、その分破損のリスクも高まり、パーツの価値も当然下がってしまう可能性があることを知っておく上で、部品を外すかどうかを検討する必要があるでしょう。
取り外したパーツはそれぞれ収益源となります。しかしパーツを取り外された車はその分価値が下がり、ユーザーから安く買い取る形となります。
部品を取り外したら業者に廃車手続きしてもらおう
取っておきたい部品を外したら、廃車の手続きを行いましょう。
廃車を行うにはその車を使用しないことを証明するために「抹消登録」が必要ですが、抹消登録には2通りあり、目的によって選択できます。
ここでは、2通りの抹消登録の方法とその手続の仕方、必要な書類を解説します。
永久抹消登録
車を解体するなどして、二度と乗らない場合は「永久抹消登録」を行います。
その際、車の解体が完了してから15日以内に行う必要があるため、自分で登録に行く場合は、期間に気をつけましょう。
【永久抹消登録の手続きを業者に代行してもらう場合】
業者に手続きを代行してもらう場合は、以下の書類を用意しましょう。
- 発行から3ヶ月以内の所有者の印鑑証明
- 所有者の実印の押印がある委任状
- 前後のナンバープレート
- 移動報告番号と解体報告記録がわかる書類
一般的には上記の書類で事足りますが、盗難や紛失でナンバープレートがない場合や、災害などで車そのものがない場合は別の書類が必要になります。
【永久抹消登録の手続きを自分でする場合】
自分で手続を行う場合は、前項の1〜4に加えて、下記の書類が必要です。
- 車検証
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書と解体届出書
- 自動車税・自動車取得税申告書
自分で登録を行う場合は、運輸局へ行かなければなりません。手続きそのものは書類を揃えて窓口で提出するだけですが、運輸局の窓口の時間は平日の限られた時間のみなので注意をしてください。
一時抹消登録
一時抹消登録は、長期の出張や不在などで車に乗らない間の自動車税の納付を止めておくための手続きです。こちらの手続きも自分で行う場合と、業者に代行を頼む場合があります。
【一時抹消登録を業者に代行してもらう場合】
業者に手続きを代行してもらう場合は、以下の書類を用意しましょう。
- 発行から3ヶ月以内の所有者の印鑑証明
- 所有者の実印の押印がある委任状
- 前後のナンバープレート
- 車検証
【一時抹消登録を自分で手続きする場合】
自分で手続を行う場合は、前項1〜4の業者に依頼時の書類に加えて、下記の書類が必要です。
- 手数料納付書
- 一時抹消登録申請書
- 自動車税・自動車取得税申告書
こちらも永久抹消登録時と同様に運輸局の受付時間に注意をしてください。
まとめ
廃車の際、タイヤを取り外した状態でも廃車することができます。
また部品も取り外して解体業者に引き渡すことができますが、部品が多く取り外された車は価値が下がるため、解体費用が高くなるデメリットも生じます。
どの方法がいちばん得なのかをよく検討して廃車手続きを行うとよいでしょう。