普段は気が付きにくいオイル漏れ。オイルが漏れていたり、にじみがひどくなったりして初めてオイル漏れに気が付くということもあるでしょう。
車検では、自動車が安全に走行できるのかをチェックしますが、オイル漏れがある車でも車検に通るのでしょうか? 今回は、オイル漏れがある状態で車検が通るのか解説します。
オイル漏れだと車検に通らない?
結論から言うとすると、オイル漏れがある場合には、車検に通らない可能性が非常に高くなります。その理由を理解しておきましょう。
オイル漏れは基本的に車検に通らない
車検では大きく分けて6つの項目に分けて検査を行うのですが、その中でも下回り検査は、エンジンの下回りを確認してオイル漏れがないかをチェックする項目になります。ボンネットからエンジンの状態を見たり、エンジンの下回りを検査員が目視で確認したりします。
このような検査を行う時に、オイル漏れが確認されると、不合格になってしまいます。どのくらいのオイル漏れの場合に車検に通らないのか、程度が気になると思いますが、これはあくまでも検査をした時の状況によります。検査員による所となりますが、オイル漏れがあるなら基本的には通らないと思っておきましょう。
民間車検場などであれば、車検費用を抑えたり、車検も緩い基準になると思っていても、オイル漏れは確実に修理を促されるでしょう。不正があれば、工場が国から認証されなくなるので、確実に修理が必要になるのがオイル漏れです。
しかしオイル漏れも、基準や程度が様々あります。添加剤を入れれば、オイル漏れが収まる場合や、パーツクリーナーで漏れている部分をきれいにして、5分程度しても垂れてこない程度の「滲み」であれば、車検に通る可能性があります。
オイル漏れだと車検に通らない理由
では、オイル漏れがある車両が車検に通らない理由を見ていきましょう。
基本的なこととして、オイル漏れを起こしている車両での走行は危険ということです。車の多くの部品には、オイルが使われています。エンジンオイルから、ブレーキオイルやパワステオイルなど多種にわたります。
オイルの役目として、金属部品が潤滑するように摩擦を軽減する役目と、ブレーキやパワステオイルのように圧力を生み出すための役目があります。
エンジンやトランスミッションでは、オイルの主な役目は部品の潤滑です。エンジンからオイルが漏れてしまうと、潤滑に必要なオイルがなくなる結果になります。結果としてエンジンオイルの規定量を下回るようになり、エンジン内部が潤滑不足でエンジンが焼き付くこともあります。
ブレーキオイルやパワステオイルの場合には、圧力を生み出すためにオイルが使用されています。もしオイルが漏れてオイルがないのであれば、ブレーキが重くなったり、ハンドルが非常に重くなったりと、運転に悪影響を及ぼすのです。
オイル漏れの最悪の結果として、火災があります。エンジンオイルの場合には350度で自然発火します。漏れたオイルがエキゾーストマニーホールドなどに落ちていくと、火災に発展する可能性があるので、非常に危険です。
車検で通らないオイル漏れの原因と対策
オイル漏れには、原因がありますので、症状を確認すれば必要な修理が分かります。
オイル漏れの原因とは?
オイル漏れには、3つの原因があります。項目別にオイル漏れが起きる理由を解説します。
オイル上がり
この症状は、エンジンの燃焼室にエンジンオイルが漏れていき、ガソリンと一緒に燃焼してしまう現象です。エンジンの内部のシリンダーとピストンリングの間から、オイルパン内のエンジンオイルが上がるので、オイル上がりと呼ばれています。
オイル上がりになるのは、ピストンリングが摩耗したり、シリンダーに傷が入っていたりという理由が考えられます。外側にはオイルの漏れが見られませんが、マフラーから白煙や黒煙が上がる場合、またオイルの消耗が激しい場合には、オイル上がりが考えられます。
オイル下がり
オイル下がりの場合には、バルブシールやヘッドカバーパッキンなどが劣化することで、エンジンの燃焼室やエンジン外にオイルが漏れる現象です。こちらも、エンジンオイルが消耗することにつながりますので、エンジンが焼き付く原因となります。
バルブシールから燃焼室内に漏れている場合には、オイル上がりの場合と同じくマフラーから白煙が上がります。オイル下がりの場合には、どちらもゴムの劣化によるものですので、定期的に交換が必要な部品とも言えるでしょう。
経年劣化
バルブシールやヘッドカバーパッキンに限らず、エンジンやトランスミッション周りには多くのゴムパッキンが使われています。これらのパッキンが経年劣化すると、どうしてもオイル漏れの原因になります。
ゴム製品と言っても、長期間の使用やエンジンの熱に耐えられるように作られていますが、長年使い続ければ劣化するのは避けられません。走行距離が10万キロを超えてくると、経年劣化が始まると考えても良いでしょう。
オイル漏れの対策方法はある?
オイル漏れの対策方法は、オイル漏れの原因によって大きく変わると言わざるを得ません。いくつか考えられる方法を取り上げましょう。
オイル交換
基本的に古いエンジンオイルは、パッキンを劣化させる原因になります。しばらく交換していないのであれば、まずはオイル交換をしましょう。またオイル交換は、エンジンの内部に漏れているオイル下がりやオイル上がりの際に、使える方法です。これまでよりも固めのオイルに交換することで、マフラーから白煙が上がるのを避けられます。
エンジンオイルの漏れ止め剤
エンジンオイルの漏れ止め剤というのは、エンジンオイルに混ぜて使い、劣化したゴムを回復させて、オイル漏れを止めるというものです。シールが割れてしまっているような場合には、効果を発揮しませんが、ゴムシールなどの劣化の際に、効果的な方法です。
エンジンオイル添加剤
現在のエンジンオイルに混ぜて使うことができる添加剤。基本的な作用としては、エンジンオイルの粘度を上げることができ、ピストンリングとシリンダーの隙間を油膜で保護します。一時的に効果を発揮しますが、長続きはしないものを考えるのが良いでしょう。
車検の前にオイル漏れの修理を
車検の前には、オイル漏れの修理をすることを考慮しましょう。
オイル漏れの修理はいくらかかる?
オイル漏れの修理にかかる費用は、故障の個所や具合によって大きく変わります。オイルシールの交換や、オイルパンからの漏れの場合には、数千円の部品代と工賃で直る事もあります。
車検を通してから、乗り換えを検討しているのであれば、添加剤を購入してオイル漏れを抑えることもできます。この場合も、数千円で購入することができるので、コストとはそれほどかかりません。
しかしエンジンシリンダーブロックや、シリンダーヘッドの歪みを原因とするオイル漏れの場合には、エンジンの組み直しが必要になります。シリンダーを研磨したり、シリンダーヘッドをきれいにするには、工賃が高くなるので、20万円から100万円ほどになることも。
もちろんエンジンの種類や、排気量によって工賃は変わりますが、それでも高額になることは避けられません。
修理費用が高いなら手放す考えも
エンジンの修理に高額な費用がかかるというのであれば、新車に乗り換えることを選択する場合もあるでしょう。その場合でもできるだけ高く現在の愛車を売りたいものです。
ただ、エンジンにオイル漏れという不具合ががある車の場合は、中古車買取では値段がつかず最悪の場合は逆に処分費用が発生してしまう状況です。
なので、この場合は鉄資源やパーツで査定額の算出ができ、なおかつ故障車の買取もできる廃車買取のカーネクストに申し込みすると、まとまったお金で買い取ってもらう事が可能です。
カーネクストの場合は海外販路も所有していますので、オイル漏れがある車のような故障車であっても、思わぬ高額査定になることもあります。
まとめ
オイル漏れがある場合には、車検に通らないことが多いので、修理をすることが必要です。故障個所によってコストは違いますが、添加剤などで一時的にオイル漏れを止めることも可能です。
車検の機会に車を乗り換えるというのであれば、現在の愛車を高く買い取ってもらえるように、故障個所があっても買い取ってくれる業者への査定がオススメです。高く買い取ってくれる業者を見つけて、次の愛車への資金にするのも良いでしょう。