都会での車の運転時には起こる事はありませんが、少し山道を運転すると鹿などの野生動物とぶつかってしまう事があるでしょう。
それ自体は、頑張っても避けようがない事が多いので仕方ないのですが、たいていの場合は車がかなりの損傷を負う事になります。
そこで、今回はそんな鹿との事故に遭遇した場合の、修理や保険、その場の対処方法などについてご紹介します。
車が鹿にぶつかった時の対処法
それでは初めに、運転中に鹿に突進されて事故にあった場合にやっておくべき事についてご紹介しましょう。
とはいえ、車に全くなんの傷もついていない状態であれば、そのまま素通りしてしまっても大丈夫です。
しかし、こういった事故が起こる場合は夜の時間帯な場合が多いので、そういった傷などを見落としてしまう可能性が高いです。
なので、本当に軽く当たった程度でない限りは、念の為にいくつか対処法を実践しておくべきでしょう。
まずは警察に電話
まずは、一応事故は事故ですので、警察に電話を入れるようにしましょう。
警察に電話を入れて事故証明を取っておく事で、のちのち面倒臭い作業が発生することを回避できますので、できる限りその場で行うようにしましょう。
なお、事故現場から離れすぎたり、警察への電話が次の日になってしまった場合には、車の損傷が本当に鹿の衝突によるものなのか、事故現場の確認などでかなり時間を取られます。
保険屋に電話
続いて行うべき事は保険屋への電話となります。
これも、警察への電話を行なった直後に電話するようにしましょう。
この時、車の損傷具合については少しだけヒアリングされ、自走で帰れるか、自分自身や同乗者に怪我がないかの確認をされますので、電話をかけながら確認しておきましょう。
保険の適用を行うかどうかの判断に迷われている場合であっても、ここで電話して鹿との接触事故があったことを記録として残しておかなければ、あとから保険適用できなくなる可能性もありますので、必ず1本電話を行うようにしましょう。
鹿との接触事故で保険の適用は可能か?
鹿と車の接触事故ですので、これが人身事故になるのか物損になるのか、はたまた事故扱いにならないのか、予想する事は難しいでしょう。
そうなると保険の適用可否の判断も更に難しくなるでしょうから、ここで適用可否などの詳細をご紹介します。
車両保険で修理可能
早速ですが、保険の特約にある車両保険に関しては、鹿との接触事故であっても適用は可能です。
車両保険の適用内容に関しても、通常の事故と同じく加入している保険で設定されている上限まで支給が可能です。
鹿との接触事故程度で、設定額の上限まで修理費用がかかる事はないだろうと考えられるかも知れませんが、実際はとんでもない状況になるでしょう。
というのも、野生動物はかなり筋肉質な個体が多く、動物自身かなりのスピードで突っ込んできますので、車と衝突すると鹿は無傷だが、車が全損になる事もざらにあるのです。
なので、修理費用も50万円以上になる事がほとんどですので、保険適用なしで修理を行うとかなり痛い出費になってしまうのです。
限定(エコノミー)補償は対象外
上記で鹿との接触事故でも車両保険の適用が可能と紹介しておりますが、それはあくまでも一般の車両保険の場合の話です。
もし、加入されている車両保険が限定補償(エコノミー補償)という安くて補償の対象範囲が狭い車両保険に加入されている場合は、残念ながら適用対象外となるのです。
つまり、修理したいと思っても、その費用は全額自己負担となるのです。
傷害保険の適用は可能
なお、このような事故の場合でも傷害保険の適用は可能です。
もちろん、鹿の衝撃により痛みや外傷が生じている場合のみですが、慰謝料という名目で通院日数に応じた保険金の支払いが行われます。
なので、万が一そういった怪我や痛みなどがあった場合は、放置して後から大事になったら大変ですので、一度診察だけでもしておくべきでしょう。
保険の適用は慎重に
さて、ここからが鹿とぶつかってしまった場で重要な内容となります。
上記で鹿と車がぶつかった際にはほとんどの場合、車は全損になるとお話ししました。
そして、このケースでは車両保険の適用ができるので、保険の適用をさせて修理を行う方法をご紹介しましたが、この方法が最適解になるとは限らないのです。
保険適用後の等級に注目
というのも、保険の適用を行う事で車の修理費用を全額負担ではなく、一部は補填してもらえるので、出費を抑える事が出来るように見えます。
しかし、その代わりに加入されている保険の等級が上がる事になりますので、毎月の保険料が高くなってしまうのです。
つまり保険によりいくらの費用が支給され、代わりにそれだけの保険料の増加が予想されるのかを比較する必要があるのです。
事故等級扱いで3年間は保険料が割高に
今回の鹿との接触事故の場合、保険の世界では自損事故として扱われる事になります。
この場合、事故から3年間は事故等級となり、保険の等級は3等級ダウンとなります。
※なお、鳥の場合は飛来物扱いとなりますので、1等級ダウンで済みます。
つまり、保険の適用をする事で、3年間の保険料の増額分のトータルが車両保険の適用で支払われる金額よりも高いかどうかの確認が必要になります。
具体例で言えば、仮に1ヶ月分の保険料が+1万円であれば3年間で+36万円ですので、車両保険適用で36万円以上の支給がされる場合は適用する価値があります。
これが、仮に1ヶ月分の保険料が+2万円であれば3年間で+72万円ですので、支給額が72万円以上ないと適用させる事で逆に損する事になるのです。
車が古ければ買い替えがお得になる
これに関しては、その車の年式や損傷具合次第で判断が分かれる部分ですので、一概にどちらがお得かは判断できません。
完全にケースバイケースの事例ですので、個人個人で自分の車の修理費用と保険料との比較を行う必要があるのです。
これで保険適用の方が得であれば、そのまま適用するべきでしょうが、車自体が古く保険の支給額も低い場合は、車をそのまま廃車にして新車への買い替えを行った方がお得になる事が多いのです。
もちろん、車の買い替えの場合は、現在の任意保険の等級をそのまま付け替える車両入替を行う事で、保険料も現在のまま維持する事が可能となるのです。
廃車の際の注意点
鹿との接触事故にあった車を廃車にする場合、その車を「中古車買取」に出してしまうと、逆に処分費用を請求される事がありますので、カーネクストのように事故車の買取も行っている業者に申し込みされるようにして頂ければと思います。
まとめ
以上が、鹿と車がぶつかってしまった場合の対処方法や保険に関する情報となります。
もし、軽く当たったくらいの接触であれば何もややこしい事にはならないのですが、車が全損になる位に盛大にぶつかってしまった場合は、保険の適用問題については避けては通れない問題となるでしょう。
その場合の選択肢としては、
- 3年間保険料は高くなるが、車両保険を使って車を修理
- 事故にあった車を売却して、等級を維持しつつ新車に乗り替え
の2択となるでしょう。
どちらがお得か、もしくは気持ち的に楽かは人それぞれですので、万が一こういった状況に遭遇した場合は、冷静に金額の比較を行い、最適な選択を取ってよりダメージの少ない方法を実践しましょう。