車を購入すると車検証が交付され、所有者や使用者の氏名・住所、使用の本拠の位置などが登録・記録されます。引越しによって住所や使用の本拠の位置が変わった場合は、車検証に関する変更手続きも必要です。
住所変更をしないままにしていると、罰則の対象となる可能性があるほか、自動車税の納税通知書やリコールの案内が届かないなどの支障が生じます。この記事では、車検証の住所変更をする方法や必要書類、手続きをしない場合のリスクについて、普通自動車などの登録自動車と軽自動車に分けて解説します。
引越しをしたら車検証の住所変更が必要
引越しをすると、運転免許証の住所変更や郵便物の転送届はすぐに済ませても、車検証の住所変更は忘れられたり、後回しにされたりしがちです。しかし、車検証の住所変更も法律で定められた手続きです。
車検証の住所変更は法律で決められている
普通自動車などの登録自動車では、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名・名称・住所または使用の本拠の位置に変更があった場合、道路運送車両法第12条に基づく変更登録が必要です。住所や使用の本拠の位置を変更するときは、新しい使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で手続きします。
軽自動車は登録制度の対象外であるため、「変更登録」ではなく、軽自動車検査協会で自動車検査証記録事項の変更を行います。手続きの名称や必要書類、手数料、罰則は登録自動車と異なります。
なお、住所変更をしていない状態で移転登録や永久抹消登録を行う場合は、車検証上の住所から現住所までのつながりを住民票や戸籍の附票などで証明できれば、事前に住所変更だけを済ませる必要はありません。
一方、一時抹消登録では取り扱いが異なります。住所変更を事前に単独で終える必要はありませんが、一時抹消登録と同時に変更登録を行う「変更一時抹消登録」となり、変更登録に関する申請書や手数料も必要です。
車検証の住所変更は15日以内にしないといけない
普通自動車などの登録自動車は、住所などの変更があった日から15日以内に変更登録を申請する必要があります。正当な理由なく申請をしなかった場合や虚偽の申請をした場合は、道路運送車両法第109条第2号により50万円以下の罰金が科される可能性があります。
軽自動車の住所変更には登録自動車のような「変更から15日以内」という規定ではなく、変更があったときに遅滞なく自動車検査証の変更記録を申請することが求められています。手続きは放置せず、引越し後できるだけ早く行いましょう。
15日を過ぎたらどうなる?罰金は本当に科される?
登録自動車の変更登録が15日を過ぎても、住所変更の申請はできます。ただし、期限を過ぎたこと自体が法律違反となり、罰則が適用されるかどうかは遅れた事情などに応じて個別に判断されます。国土交通省も、手続きを怠ると罰金が課せられることがあると案内しています。
住所変更をしていないことだけを理由に、窓口での継続検査が一律に受けられなくなるわけではありません。ただし、登録情報に変更が残っていると継続検査のOSS申請をそのまま利用できない場合があるほか、納税通知書が届かず自動車税を滞納すると、納税状況を確認できないため車検証の有効期間を更新できなくなる可能性があります。そのほかにも、次のような支障が考えられます。
- 自動車税の納税通知書が旧住所に届き、納付が遅れて延滞金が発生する
- リコールの案内が届かず、必要な点検・修理に気づくのが遅れる
- 車検や売却の時期に住所変更手続きも必要となり、予定どおり進まないことがある
- 売却・廃車の際に、旧住所から現住所までのつながりを証明する追加書類が必要になる
罰金の可能性だけでなく、必要な案内が届かなかったり、後の手続きに時間がかかったりする点も、住所変更を後回しにする大きなデメリットです。
車検証の住所変更をする方法

ここからは、車検証の住所変更を行う場所や手続きの流れ、必要書類を解説します。
車検証の住所変更はどこでできるの?
登録自動車の住所変更は新しい使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車の住所変更は新しい使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会で手続きします。判断の基準は住民票上の住所だけではなく、車を使用・管理する拠点となる「使用の本拠の位置」です。
使用の本拠の位置を管轄する運輸支局などが変わる場合は、ナンバープレートも変更します。登録自動車を窓口で手続きする場合は、新しいナンバープレートへの封印が必要となるため、原則として車の持ち込みが必要です。軽自動車には封印がないため、通常は車を持ち込まず、取り外したナンバープレートを持参して交換できます。
車検証の住所変更手続きの流れ
- 住所の変更経緯を確認できる書類や車庫証明など、必要書類を準備する
- 申請書をWebからダウンロードするか、申請先の窓口で入手して記入する
- 登録自動車は手数料納付書を用意し、変更登録手数料分の印紙を購入する
- 運輸支局または軽自動車検査協会の窓口へ必要書類を提出する
- 管轄が変わる場合は、古いナンバープレートを返納して新しいものに交換する
車庫証明書は保管場所を管轄する警察署で、住民票や戸籍の附票は市区町村役場で、それぞれ事前に取得します。引越しを複数回している場合は、現在の住民票だけでは車検証上の住所から現住所までのつながりを確認できず、住民票の除票や戸籍の附票が追加で必要になることがあります。
手続きが完了すると、変更後の情報が車検証に反映されます。電子車検証では使用者住所や所有者情報が券面に記載されないため、ICタグに記録された情報を車検証閲覧アプリなどで確認します。
条件を満たせばスマホからも申請できる(電子車検証・OSS)
電子車検証が交付されている登録自動車では、「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」を利用して住所変更をオンラインで申請できる場合があります。車検証閲覧アプリからスマートフォンで申請する場合は、電子車検証とマイナンバーカードを持つ個人の所有者本人による申請が対象です。軽自動車・二輪自動車、法人所有の車、手続き代行業者による代理人申請は、スマートフォン申請の対象外です。
なお、代理人による申請がOSS全体でできないわけではなく、パソコン版のOSSには代理申請の手続きが用意されています。申請内容や必要書類によってはOSSを利用できない場合もあるため、事前に申請条件を確認しましょう。申請は土日祝日でも送信できますが、行政機関による審査は原則として開庁時間内に行われます。
また、個人が引越しに伴う変更登録をOSSで申請し、所定の条件を満たす場合は、管轄変更に伴うナンバープレートの交換を次回の車検時まで猶予する特例を選べます。すべての住所変更で直ちに車を運輸支局へ持ち込まなければならないわけではありません。
OSSでの具体的な手順は、自動車の住所変更はオンラインでできる!ワンストップサービスのやり方で詳しく解説しています。電子車検証になっても住所変更の手続きが不要になるわけではなく、変更後の情報をICタグなどに反映させる必要があります。
車検証の住所変更に必要な書類
住所変更に必要な書類は、登録自動車と軽自動車で異なります。以下は、個人が所有・使用する自家用車について、自分で申請する場合の一般的な例です。所有者と使用者が異なる場合や、法人名義・事業用自動車の場合などは追加書類が必要になるため、申請先に確認してください。
普通自動車など登録自動車の住所変更をする場合
- 自動車検査証(車検証)
- 申請書(第1号様式) ※Webからダウンロードするか運輸支局で取得
- 手数料納付書
- 変更登録手数料500円分の印紙 ※令和8年4月1日以降の窓口申請。OSS申請は450円
- 車検証上の住所から現住所までの変更経緯を確認できる住民票や戸籍の附票など ※原則として発行後3か月以内
- 自動車保管場所証明書(車庫証明) ※使用の本拠の位置が変わり、車庫証明が必要な場合。原則として証明日から40日以内
- ナンバープレート ※使用の本拠の位置の管轄が変わる場合
- 委任状 ※代理人が申請する場合
軽自動車の車検証の住所変更をする場合
- 自動車検査証(車検証)の原本
- 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式または軽専用第1号様式) ※Webからダウンロードするか軽自動車検査協会で取得
- 新しい住所を証する住民票の写しまたは印鑑証明書 ※発行後3か月以内。複写機でコピーしたものも使用可
- ナンバープレート ※使用の本拠の位置の管轄が変わる場合
- 申請依頼書 ※使用者以外の人が手続きする場合
軽自動車の自動車検査証記録事項の変更手数料は無料です。車検証に記録された所有者と使用者が異なる場合は、あらかじめ自動車販売店やローン会社などの所有者から、変更についての同意を得る必要があります。また、地域によっては住所変更後に警察署へ車庫の届出が必要です。
使用の本拠の位置を管轄する運輸支局や軽自動車検査協会が変わる場合は、原則としてナンバープレートの交換も必要です。登録自動車では、新しいナンバープレートを取り付けた後、後面のナンバープレートに封印を受けます。軽自動車には封印はありません。ナンバープレート代は地域や種類によって異なるため、申請先またはナンバープレート交付窓口で確認してください。
車検証の住所変更をしていないと困ること
自動車税を滞納する危険がある
窓口で住所変更を行う場合は、登録自動車では自動車税種別割・環境性能割、軽自動車では軽自動車税に関する申告もあわせて行います。必要な申告書や提出方法は地域によって異なるため、運輸支局や軽自動車検査協会に隣接する税申告窓口などで確認しましょう。OSSを利用する場合は、対象となる税申告もオンラインで一体的に行います。
住所情報が適切に変更されていないと、納税通知書が旧住所へ送られる可能性があります。郵便局へ転居届を出しても転送期間は届出日から1年間であるため、期間を過ぎると新住所へ届かなくなります。
納税通知書が届かないまま納付期限を過ぎても、納税義務がなくなるわけではなく、延滞金が発生することがあります。また、自動車税を滞納して納税状況を確認できない場合は、車検証の有効期間を更新できません。住所変更をしたら、税に関する申告まで完了しているか確認しましょう。
住所変更をしないままにしていると、リコールの案内が旧住所へ届き、必要な点検・修理に気づくのが遅れるおそれもあります。
自賠責保険の住所変更は別途必要
車検証の住所変更と、自賠責保険(共済)の契約者住所変更は別の手続きです。車検証の情報を変更しても、保険会社や共済組合の契約者情報へ自動的に反映されるわけではありません。
引越しをしたときは、契約している損害保険会社、共済組合または代理店へ連絡して、自賠責保険の住所変更方法を確認しましょう。任意保険に加入している場合は、任意保険の住所や車の使用状況についても変更を届け出ます。
車検証の住所変更に関する質問
車検証の住所変更に関してよくある質問にお答えします。
Q.車検証の住所変更はどこで手続きできるの?
A.登録自動車は新しい使用の本拠の位置を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車は新しい使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会で手続きします。電子車検証とマイナンバーカードを持つ個人の所有者本人であれば、車検証閲覧アプリからOSSで申請できる場合もあります。
Q.車検証の住所変更はいつまでにしないといけないの?
A.登録自動車は、住所や使用の本拠の位置などに変更があった日から15日以内に変更登録を申請する必要があります。軽自動車は、変更があったときに遅滞なく自動車検査証の変更記録を申請します。
Q.車検証の住所変更について運輸支局に尋ねるときの手続きの名称は?
A.登録自動車の所有者の氏名・住所や使用の本拠の位置などを変更する手続きは、変更登録といいます。軽自動車の場合は「自動車検査証記録事項の変更」です。
Q.車検証の住所変更に必要な書類は?
A.登録自動車について、所有者と使用者が同じ個人が窓口で申請する一般的な場合は、車検証、申請書、手数料納付書、住所の変更経緯を確認できる住民票など、必要に応じて車庫証明やナンバープレートを用意します。
申請書は第1号様式で、運輸支局の窓口のほか、Webからダウンロードして印刷することもできます。令和8年4月1日以降の変更登録手数料は、窓口申請で500円、OSS申請で450円です。所有者と使用者が異なる場合や代理人が申請する場合は、委任状などの追加書類が必要になります。
Q.車検証の住所変更を放置すると罰金になる?
A.登録自動車について、道路運送車両法第12条第1項の変更登録を申請しなかった場合や虚偽の申請をした場合は、同法第109条第2号により50万円以下の罰金が科される可能性があります。ただし、期限を過ぎたすべてのケースで直ちに罰金が科されるわけではなく、適用の有無は個別に判断されます。
罰則以外にも、納税通知書やリコールの案内が届かない、売却・廃車時に追加書類が必要になるなどの支障があります。住所変更が未了であることに気づいたら、期限を過ぎていても早めに手続きしましょう。

車検証の住所変更をしていない車でも廃車できる?

引越し後に車検証の住所変更をしないまま乗り続け、車が不要になったり不動車になったりした場合でも、必要書類をそろえれば廃車手続きは可能です。
車検証の住所が違っても廃車は可能
車検証の住所と現住所が異なっていても、廃車手続きはできます。ただし、車検証上の所有者と、現在の印鑑証明書などに記載された人が同一人物であることを確認できる書類が必要です。
永久抹消登録を行う場合は、事前に住所変更のための変更登録を行う必要はありません。車検証上の住所から現住所までのつながりを確認できる住民票、住民票の除票、戸籍の附票などを、永久抹消登録の必要書類とあわせて提出します。
一時抹消登録を行う場合は、住所変更の手続きを省略するのではなく、一時抹消登録と変更登録を同時に申請します。そのため、一時抹消登録の書類に加えて、住所の変更経緯を確認できる書類、変更登録に関する申請書・手数料が必要です。
転居回数が多く、現在の住民票だけで住所のつながりを確認できない場合は、以前の住所地の住民票の除票や本籍地で取得する戸籍の附票などが必要になることがあります。必要書類は住所の変更回数や手続きの種類によって変わるため、運輸支局や依頼先へ事前に確認しましょう。
廃車買取業者への相談も選択肢
住所の変更履歴を確認する書類の準備や、動かない車の引き取りに不安がある場合は、廃車買取業者へ相談する方法があります。必要書類について案内を受けられるほか、車の状態や車種によっては買取価格が付く可能性もあります。
廃車買取業者によっては、住所変更ができていない場合の必要書類や、車両の引き取り、手続きの進め方について案内を受けられます。官公署へ提出する書類は本人が作成できますが、他人の依頼を受け、報酬を得てその書類を作成する業務は、他の法律に別段の定めがある場合を除き、行政書士または行政書士法人に限られます。依頼できる範囲は業者へ事前に確認しましょう。
まとめ
引越しなどで住所や使用の本拠の位置が変わったら、車検証に関する変更手続きも必要です。登録自動車は変更があった日から15日以内に変更登録を申請し、軽自動車は遅滞なく自動車検査証記録事項の変更を行いましょう。
必要書類を準備すれば自分でも手続きできます。条件を満たす登録自動車では、車検証閲覧アプリやOSSによるオンライン申請も利用可能です。住所変更を放置すると、納税通知書やリコールの案内が届かないほか、売却・廃車時に追加書類が必要になるため、早めに済ませておきましょう。
不要になった車の車検証が以前の住所のままでも、必要な書類をそろえれば廃車手続きは可能です。書類の準備や車の引き取りに不安がある方は、廃車買取カーネクストまでお気軽にご相談ください。





