車を売ろうと考えている方の中には、売る予定の車の買取相場や査定基準を調べたことがある方も多いでしょう。中古車買取査定を買取業者がする時は、まず『走行距離が10万kmを超えていないか』確認します。一般的に走行距離は1年1万km、10年10万kmといわれています。10万kmを超えると年式も長いのではないと考えられて、中古車としての再販が難しくなってくるため、なかなか買取もつきません。
しかし、その走行距離がすでに20万キロを超えてしまっていたら、もう買取自体出来ないのでしょうか。実は、走行距離が20万kmを超えてしまっていても車買取できる業者はあります。
こちらでは20万km以上の過走行車であっても買取が出来る業者はいるのか、過走行車の買取におすすめの業者の探し方について詳しくご紹介します。
走行距離20万km以上の車も買取出来るの?
中古車買取査定時の基本的な基準として、年式が9年以内で10万km以上の走行距離の車は過走行車となり、査定価値は下がります。それは日本国内では1年ごとに平均1万kmの走行距離が一般的な走行距離として算出されているため、9年以内の年式で走行距離が10万km以上とあれば、一般的な平均の走行以上に多く使われている車となるからです。平均よりも使われている車には相応に劣化しているパーツがある可能性もあるため、価値が下がってしまいます。毎日の通勤で高速道路を走行し通っているという方や営業車で毎日仕事で使っている車などは、20万km以上走行していることも少なくありません。20万km以上走行している車は、買取査定も断られてしまいそうと思う方も多いでしょう。
しかし、走行距離20万km以上の超過走行車であっても、業者次第では車買取できます。
まずは、なぜ20万km以上走行している車でも買取できるのか、こちらで解説します。
20万km以上の過走行車も車の価値は0円以上
過走行車、事故車、長年放置のボロボロ車であっても、車には0円以上の価値が眠っています。それは車の製造過程において使用されている素材が限られている資源であり、鉄や非鉄金属などを多く含んでいるためです。車の製造で使用されている鉄や非鉄金属(アルミ)は、もともとは自然から採れる資源素材しかありませんでした。その資源自体も、日本で容易に採れる資源ではなかったため輸出に頼っており、資源も限られているため高額な仕入れとなっていたのです。そのため、事故車や過走行車など車としては使用できず廃車となった車から回収し、リサイクルされた鉄や非鉄金属素材が、加工工場からまた自動車メーカーの製造工場へ流通し、再資源化して車の製造に利用されています。
事故や災害にあってしまった車など修理が困難な車は買取を諦めてしまう方も多いと思いますが、廃車買取を専門に行う業者であれば、引取後に自社のリサイクル施設において鉄や非鉄金属素材を溶かして再資源化し、メーカーや整備工場へ売却することが出来るため、買取査定が可能になっています。
日本国内と海外での査定基準は異なる?
日本の中古車買取店で査定を受ける際、マイナス査定になりやすいポイントは3つあります。
- 『走行距離が多い』
- 『年式が古い』
- 『事故修復歴がある』
こちらの3つのマイナス査定になりやすいポイントは、例え現状として車が問題なく走っていたとしても査定に影響が大きく出てしまいます。ところが、国内の買取店ではマイナスになる3つのポイントが、マイナス影響を受けづらい販路があるのです。それが、海外への輸出中古車買取査定です。
日本国内と海外では車のメンテナンスの経緯や、保管の仕方、利用状況が大きく異なる国や地域が存在します。日本国内で例えば、東京から愛知までを車で移動するとなると、長期休暇の時しかあまり利用しないという方も多いでしょう。東京から愛知の距離は東名高速道路と新東名高速道路を利用したとして、311.7kmあるのです。しかし、国土面積が日本の約25倍あるアメリカでは、シカゴからボストン迄の距離は約983.9マイル(約1,583km)です。このように広い土地面積や、交通利便性が悪く電車や飛行機での移動が難しい国や地域では、車での移動が欠かせないため使われている車の走行距離自体も多くなり、日本の基準以上の年間走行距離を走っている車がほとんどとなっています。そうなると日本で10万km以上走行、20万km以上走行しているため多走行といわれる車でも、海外での認識としてはまだまだ走行できる車となるのです。
また、海外には自動車検査登録制度という、一定期間ごとに受けなくてはいけない法律を設けていません。そのため、水漏れやオイル漏れがあっても修理して使われている車が多く、定期的なメンテナンスを受けていない車も多いのです。しかし、日本国内では車検に通っていなければ公道を走ることも出来ません。日本国内で車検を通して定期的にメンテナンスをしている多走行車・低年式の古い車は、現状の状態が良いと判断されるため、海外輸出をすれば売却を見込めます。
国内で中古車販売店では事故修復歴を隠して販売することは出来ません。事故修復歴があると、将来的に車にトラブルが起こるかもとマイナスに考える方も多いので、修復されていても中古車としてなかなか売りづらいことが現状です。しかし海外では事故修復歴に対してのマイナス影響はあまりありません。その要因の一つが、国内から海外へ中古車を輸出する方法にあります。国外への輸出の際、車としてそのまま輸出することももちろんありますが、中古車として輸出するよりも一旦解体してしまい工業部品としてコンテナ輸出し、海外で再度組み立てて車として販売する方が、輸送時のコストをかけずにすむのです。解体することが前提のため、事故車であってもなくても影響が出ません。コンテナに積み込むためには車のノーズカットやハーフカットを行うことが出来る、車の解体認可が必須条件にはなりますが、海外輸出販路があり車の解体認可を受けて適切に処理することが出来る業者であれば、事故修復歴がある車でも買取査定が出来るのです。
過走行車をお得に買取してくれるおすすめの売却先
では、具体的に20万km以上の走行距離の車を売却するとなったら、車買取業者はどう探せばよいのでしょうか。多走行車・過走行車でもお得に買取してもらえる売却先の探し方をこちらでご紹介します。
走行距離20万km超なら下取り査定は厳しい
20万km超えの過走行車となると、買取業者の選び方次第では査定を断られたりすることも少なくありません。そのため、まずは車の状態を問わず査定可能な廃車買取業者へ見積もりを依頼されることをおすすめします。
車の乗り換えを前提に売却出来ないかと考えている方は、最初に車を購入する予定のディーラーに下取り査定依頼をされることが多いと思います。しかし、ディーラーには使用済自動車の処理を自社で行う設備を持つ業者はほとんどいません。そのため、過走行車や低年式車などの、ディーラーから再販することが難しい車は、下取り査定が厳しいのです。
中古車買取店は、販路の多さや再販する車の種類が業者ごとに異なるため、お店によっては買取出来る場合と全く買取出来ない業者に分かれます。全く買取出来ない業者の場合は、引き取り処分のみで0円査定になったり、逆に廃車の処分費用と手続き費用がかかってしまう場合もあります。
自社で自動車リサイクルの施設を保有していて、20万km走行している車であっても、車の素材やリサイクルパーツを取り出して再販することが出来る廃車買取専門業者なら、車の引取りからリサイクル後の再販、廃車手続きに至るまで一貫して自社で行えるため、中間マージンもかからず買取もつきやすくなっています。他店では断られる可能性もあるため、可能であれば複数業者への同時査定がおすすめです。
20万km以上走行した車の買取額が高い?海外輸出業者とは
海外に輸出の販路を持つ業者は、20万kmを超えるような過走行車であっても国外での中古車需要が高く利用できる可能性があるため、国内の中古車買取店の査定に比べて高価買取がつきやすい傾向にあります。
特に製造する自動車メーカーにはよるものの、商用車バンやワゴン、低年式のディーゼル車などは、20万km超えの過走行な車であっても、海外からの需要が高いため買取が付きやすくなっています。なぜ商用車やディーゼル車の需要が高いのかというと、輸出先に開発途上国などと提携がある業者では、壊れにくく修理のしやすいシンプルな設計の商用車やディーゼル車などの燃料コストが抑えることが出来る車に人気があることから、走行可能なら高価買取をしてもらえることも多くなっています。中でも人気の高いトヨタのハイエースやトラックなどは、走行距離が多くてもメンテナンスを怠っていなければ長く乗り続けることが出来ると、壊れにくさにおいての国内外での評価が高いため高額買取が期待できる車となっています。
20万km以上走行している車の買取実績は?
カーネクストでは毎年20万km以上の走行距離の車の買取も多数行っています。それは、国内外に販路があるため出来ています。こちらでは、2020年の年間買取実績のなかから、20万km以上走行車の買取実績のみをご紹介します。
三菱ランサーエボリューション
- 年式:H17
- 走行距離:290,000km
- 買取金額:700,000円
15年所有されていた車で、擦り傷などはあるものの状態も良く走行可能なランサーエボリューションでした。今回は乗り換えを検討されていてお買取りさせていただきました。ランサーエボリューションのMT車は、国内外でファンも多いモデルで、部品なども現存するものが減っていることから重宝する車両となっています。多走行であっても価値のあるお車のため、こちらの金額で買取させていただきました。
BMW M3
- 年式:H6
- 走行距離:250,000km
- 買取金額:700,000円
年式でいえば26年以上が経過し、年間1万km走行で定期的にメンテナンスもかかさず行われていたM3は、外装に目立った傷もなくきれいな状態で乗られていたことがわかる車でした。内装の劣化は経年によるものがありましたが、シートに目立った汚れや破れもなかったため、こちらの金額で買取させていただきました。
トヨタ プリウスα
- 年式:H23
- 走行距離:293,000km
- 買取金額:230,000円
中古車で購入されてから年間4万km前後使用されていたようで、過走行な状態のプリウスαでしたが、目立って大きなヘコミ等はなく擦り傷のみの状態で、日ごろから大切に使用されていたことがわかる車でした。一度メインバッテリーの交換も行われていたようで、現状の走行状態として問題ありませんでしたので、こちらの金額で買取させていただきました。
日産 エクストレイル
- 年式:H23
- 走行距離:230,000km
- 買取金額:200,000円
側面側が一度事故の際損傷しており交換されている車でしたが、修理済みで走行状態に問題なく、現在は修復後の外装も綺麗な状態のお車でした。こちらのエクストレイルは、T31の型式のみに採用されていたハイパールーフレールが搭載されており、夜間の走行や悪路走行でも活躍する車両のため、国内外で人気があります。走行距離値自体はやや多いものの、価値ある車両でしたのでこちらの金額で買取させていただきました。
まとめ
こちらでは20万km以上の走行距離を運行してきた車や、過走行車でも業者次第で買取が出来ることをご紹介しました。
特に日ごろからメンテナンスを欠かさず、長く愛用されてきた過走行車や20万km超えの車は、状態が良いため買取もつきやすい傾向にあります。日常の車のメンテナンスを欠かさずに乗ることも将来の高額売却のための方法の一つになるということです。また、走行距離が多すぎるという理由で査定が0円だった方は、廃車買取を行っており、海外への販路をもっているカーネクストで一度見積もりをとってみることをおすすめします。