事故車をあえて購入するメリットもあります。たとえば、初心者マークがとれない期間に軽い気持ちで乗れるのは、新車よりも修復歴のある事故車の中古車ではないでしょうか。
まだまだ運転に慣れない時期に、せっかくの新車を運転するのはリスキーです。買ったばかりの新車を数日のうちに単独事故で廃車にしてしまった初心者ドライバーの例は、今も昔も決して珍しいことではありません。
既に修復歴のある事故車なら、購入価格自体を安く抑えられるうえ、修復歴がつくことを気にして神経質な運転をせずに済みます。
また、価格が安い点を第一のメリットとして考える方も少なくないでしょう。手っ取り早く車を購入したい、車種にこだわらず足になる車なら何でも良い、と考える方なら、安く購入できる事故車は最適です。
もちろん、メリットばかりではありません。事故車だからこそ抱える不安は、無視できないのではないでしょうか。
一度修復歴がついてしまった以上、またすぐに故障や不具合が起こるのでは、と考える方は多く、安全性への不安と付き合わなくてはなりません。また、もし購入直後に故障や不具合が残っていることに気付いても、保証がなければ自腹で修理に出すこととなります。
事故車だとすぐに分かるように表示されているものもあれば、中には分かりにくく表示して販売されているものもあります。
事実、消費者センターへの相談例で以下のような内容が公表されています。
「購入後に数ヶ月経ってから異常が見つかり、修復歴があることを知った。返品を申し入れると業者も修復歴があることを知らなかったと言い出し、返品に応じてくれなかった」
明確な表示がない場合、業者側が「知らなかったから告知できなかった。故意ではない」と言ってしまえば、事実がどうであれ返品を受け付けてもらえなくなります。
万が一のための保証つきで販売されていれば良いのですが、保証なしで販売されているものもあるため注意が必要です。後で事故車だった事実に気付いたり、購入直後に思わぬ不具合を見つけたりしても、保証なしの状態で購入した場合は自腹で修理費を捻出することになるでしょう。
このように、事故車の購入はせっかく安い買い物ができたと思っていても、結局は修理費で新車購入時と同等の出費となるリスクがあるのです。
事故車や中古車購入に付きものの安全性や保証面などのリスクをできる限り排除するには、以下のポイントを意識して購入を検討しましょう。
- 誠実な中古車販売店を選ぶ
- 車に詳しい人に同行してもらう
- 可能なものは必ず試乗する
- 内装も外装も確認する
信頼できる中古車販売店を選ぶのが第一条件です。個人店でも評判が高ければ購入を検討しても良いのですが、評判が分からないときは、自動車公正取引協議会に加入しているかどうかで判断すると確実です。
加入業者は自動車公正取引協議会のステッカーが貼られているので、店頭で確認してみましょう。
車の知識に自信がない方は、詳しい方に同行してもらうことを忘れずに。車検が残っているものなら試乗できるため、詳しい方に同乗してもらい、異音や不具合がないか確認してもらいます。
車の状態を確認する際は、外側からの確認も必要です。なるべく天気の良い日を選んで外装や下回りも隅々までチェックしましょう。
購入の際に事故車かどうか見分けたい!
事故車かどうかの見分け方をご紹介します。車に詳しい方に同行してもらう場合も、二重チェックの意味を兼ねて自分自身の目できちんと確認できるよう、ある程度の知識は必要です。
中古車販売店に置かれている車のうち、10%前後の割合で事故車などなんらかの問題や修復歴をもつ車が存在します。
修復歴のある車、つまり事故車は、以下の箇所に修復歴のあるものが当てはまります。
- フレーム(サイドメンバー)
- クロスメンバー
- インサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- フロア
- トランクフロア
- ラジエータコアサポート(フレーム修正のみの場合は対象外)
修復歴というとゆがんだバンパーなどを修理しただけでつきそうな印象があるかもしれません。しかし、実際はドア、ボンネット、トランク、サイドステップ、フロントバンパーなどの外装部分を修理しただけのものは、事故車には該当しません。構造部分になんらかの修理や交換があった場合が事故車となります。
言い換えると、構造部分以外の箇所が修理されていても、業者側は問題ない車として販売しているため、査定表などの書類上では気付かない可能性が高いのです。査定表で確認できない部分の修理や交換の有無は、購入者自身の目で確認するしかありません。
確認するべきポイントは、まず塗装の色合いが均一かどうかを見ます。もし傷をつけたり部品を交換したり手を加えている場合、該当箇所の色合いにムラがあったり、他の箇所と微妙に異なる色をしていることが多いです。
色合いの次は、各「隙間」の均一度をチェックします。たとえばボンネットとフェンダーの間にある隙間などを見て、隙間が均一でゆがみのない状態となっているかどうかを確認しましょう。
一部分だけ妙に隙間が開いていたり、逆に狭まっている場合は、なんらかの修復がなされたためにできたゆがみの可能性が高いです。
各「隙間」をチェックする箇所は、以下のとおりです。
- ボンネットとフェンダーの間
- ヘッドライトとボンネットの間
- フロントバンパーの隙間
- テールランプの隙間
- トランクの隙間
- リアバンパーとリアフェンダーの間
- ドアとリアフェンダーの間
- ドアとドアの間
- ドアとフロントフェンダーの間
隙間の均一度を確認したら、修理跡のチェックにうつります。ボンネットやトランク、ドアを開け、シーラーやボルトの状態を見ましょう。塗装が不自然にはがれていたり、周囲の部品と比べて新しいものに替わっている場合は、修理や交換がなされた可能性が考えられます。
この他、ハンドルや各スイッチのオンオフ、シートの座り心地なども確認しましょう。シートは運転席だけではなく、他のシートにも座って座り心地に差異がないかチェックするのがポイントです。
極稀にメーター改ざんの不正車が売られていることもあるため、メーターも要チェック。1年で約1万kmを目安に考え、車の状態(何年落ちか)と比較すると、気付きやすいでしょう。
事故車を購入してしまった場合の対処法
前述したとおり、ドア、ボンネット、トランク、サイドステップ、フロントバンパーなど構造部分以外の箇所を修理した程度では、事故車扱いにはなりません。よって実際には修復歴があるのに、事故車表記のないまま販売されている車は少なくないのです。
また、事故歴そのものに開示義務がないため、知らぬ間に事故車を購入している可能性があります。回避するには査定表を隅から隅までチェックして、事故歴の他に修復歴がないかなどを見るべきですが、悪質な業者は査定表に細工をしているケースも。
もし購入後に査定表の不自然な点を見つけたら、必ず販売店に確認しましょう。販売店や担当者が本当に事故車であることを知らなかった場合もありますし、故意に細工している場合は権利を主張して返品(返金)に応じてもらうことが可能です。たとえば修復歴ありなのに事故歴なしと書かれている場合などは、本当に事故歴の記載に該当しないのか確認してみましょう。
業者にかけあっても事故車の返品やそれなりの対応を受けられなかった場合は、そのまま自腹で修理しつつ乗り続けるか、思い切って手放すかの2択になります。
もし手放す場合は、中古車買取業者よりも廃車買取業者のほうがおすすめです。
特にカーネクストであれば、車としての価値しか見てくれない中古車買取業者と違い、パーツごとの価値で査定してくれるため、事故車であっても買い取ってもらえます。
最終的に部品ごとに分解し、再利用されるため、エンジンが大破していても冠水歴のある車でも引き取ってもらえるのは大きなメリットです。仮に0円査定となった場合も、レッカー代や引取り代無料で処分してくれる業者が多く、余計な出費をせずに済みます。
まとめ
事故車をそうと知らず購入してしまった場合は、交渉の仕方次第で返金に応じてもらえることがありますが、悪質な業者には対応自体が期待できません。
トラブルを回避するために、こちらでご紹介したチェックポイントを参考に、購入前に必ず車の状態をチェックしましょう。事故歴が記載されていなくても、修復した跡が車に残っている可能性があります。
既に事故車を購入してしまった方は、思い切って手放す方法もあり。廃車買取業者を選べば、中古車買取業者よりもお得に手放すことができるため、おすすめです。ぜひカーネクストへご相談ください。